ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第二章 冒険の始まり

行動開始-3-

　「…少し、気持ちが悪くなったのでこの辺で」
　バニラは、立ち上がり、アーウェンの元に行こうとすると、村人はバニラの手首を掴む。だが、すり抜ける。村人は理解ができない。バニラの手首は繋がっている。確かに掴んだのに…すり抜けた。バニラは行ってしまう。
　「おいおい、飲んでるか」
　「これから、飲もうと思っていたんだよ」
　「おう飲め飲め」
　村人は食って飲んで、泣いた。この前のことを思い出しながら、この後のことを思いながら。彼は叫んだ。
　バニラは、アーリーと合流して、現状を見る。
　「うーん、狩人の仕業ぽいわね」
　バニラは小さな声で言う。
　「なんで同じ村人だし、まだ若そうなのにこんな酷いことするんだろう」
　アーリーは感想を言う。
　「そうねー、よく見ると、結構鍛えてるみたいね」
　バニラは服から覗かせる筋肉を見つけた。
　「あら、あらあら。もしかして、こうゆう男性が好きなのかしら」
　アーリーはバニラにちょっかいをだす。
　「もう、そん…なことは…ないですよ」
　バニラは動揺してスラスラ言葉が出てこない。
　「あはー、ずぼし～。ね、どこがいいの何処が」
　アーリーはバニラを逃さない。
　「アーウェンのことを思ったら、否定しずらいじゃない」
　バニラが言うと、アーリーも顔が赤くなる。気まずい空気が流れる。
　「確かに…ちょっと待って、何か近づいてきてる」
　すぐにその場を離れる。
　「はー、今回の新人は使えないな。まだ一人も、捕まえられてないじゃないか。見ろよこれ、逆にやられ、情けね……はっはっはっ、こいつ新人にやられてるぞいつも偉そうなのによう」
　大柄の男は大声で話している。
　「お前、声が大き過ぎる。誰かに聞かれたらどうするんだ。後、捕まえるじゃなく、案内な」
　大柄よりは小柄な男が言う。
　二人とも弓と鉈を持っている。狩人ぽい装備だ。
　「さてと……」
　小柄な男性が、液体をﾀﾋ体に叩きつけるようにかける。
　「おうおう、よくやるねー、ﾀﾋ体にさぁ液体かけて」
　大柄が悪態を並べる。
　「まだまだ、液体はあるよ。お前が優しくかけて、その後マッサージしたりして癒してやれば言い」
　小柄はムッとしながら言う。
　「ははっ、そんなことしたくないからお前がいるんじゃないか」
　大柄はヘラヘラと軽口かきながら言う。
　「…それじゃあ、木から下ろしたり、罠を外したりしてくれ」
　小柄はため息混じりに言う。
　「何をしているのでしょう」
　バニラがアーリーに呟く。
　「あれは貴方達が飲まされでいたもの———」
　アーリーが言葉を言い終わる前に、人が起き上がる。
　「起き上がりましたよ。早く命令してください」
　小柄は大柄に言う。
　「たく…へいへい、わかりましたよ～。人使いが荒いな」
　大柄の男は、立ち上がったﾀﾋ体に呟くと、一人でにトボトボある言って行く。
　「これ、大変なことになっていませんか」
　バニラは驚愕し、少し気持ち悪くなる。
　「やばいね、それより私一人で帰れなくなった」
　アーリーはそうバニラに告げる。
　「どうしてですか」
　バニラは不思議そうに聞く。
　「あの液体のせいでまず地面から帰れない、木を伝って行くと、木に魂が宿っる状態だから、下手すると、トレントになって暴れ出す…」
　アーリーが苦しそうに言う。
　「それじゃあ、私が光になって———」
　バニラが言おうとするとアーリーが止める。
　「ダメよ、直ぐにバレる———」
　アーリーが言おうとしたらバニラも止める。
　「大丈夫、まず狩人が遠くに行ったら、光を地面ギリギリに出す、そこに足から入ってそれで小さな光で進むから…」
　狩人がいなくなった隙に、アーリーを光の中に入れる。