ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第二章 冒険の始まり

リビングデットナイト

　屍がバニラに気づき、こちらに向かって来る。近づくにつれ、呻き声をあげる。ﾀﾋ後わずかなため歩く速さも生前と変わらない、徐々にこちらに近づいてくる。草をかき分ける音が徐々に大きくなり速くなっている気もする。屍はローズヒップのイバラをかき分けると、そこには誰もいなかった。
　バニラ自身も光になり、蛍ぐらいの光で、その場を離れる。
　バニラはアーウェンの周りを何周かしてブラックボックスの上にちょこんと乗り、そのままブラックボックスに光は吸収されて行く。
　『何かわかった』
　アーウェンは気軽に聞いた。
　『洞窟の中は、腰が曲がった、人が何かを掘っているみたい』
　アメリアから連絡があった。
　『私たちはその、者が何かてとこ見た。動く屍だ』
　アーリーが答える。
　『もうちょっと詳しく』
　アーウェンは聞く。
　『元々は、生きてる人間を、飲食をして、例の洗脳する植物系の液体を体に入れ、洞窟で働かせていた。だけど、心臓が動いて入れば操れるって事がわかってからは、今みたいにギリギリ生きている状態にしてるって感じかしら』
　アーリーが答える。
　『…てことはその洗脳する、液体を無毒化しても生命維持できない可能性があるってこと』
　アーウェンが質問する。長らく返事は無かった。
　『…おそらく。解毒剤ができても、ギリギリの所で生きているから、体の機能を維持しようとしても耐えられないでしょうね』　
　アーリーが答える。
　『そうか～、うーん、解決方法がわからないなこれ。もし、悪いのが村長だとしよう。村長を捕まえたとしても、他の人も協力をしていて、逃したら一巻の終わりだ。今回はギルドに任そう。自分がやって恨みを買うのもやだしね』
　アーウェンは答える。
　『…それじゃあ各々小屋に戻って来て、全員、揃ったら、暗いうちは、クロムに明るくなったらバニラに入って、行こうか』
　アーウェンが答えると皆は応える。
　『はーい』
　アーウェンは村長の元に行き、あいさつしてから小屋に入ることにした。
　皆は村人と、話に行く。
　「村長、今回の宴ありがとうございます。お腹いっぱいいただきましたので、小屋で休ませていただきます」
　アーウェンは話し終えると、村長にお辞儀し、小屋に戻って行く。
　アーウェンが小屋に入ったことを確認すると、バニラ、クロムが入って行く。その後に、パドー、フー、ルーが戻る。アメリア、アーリーが戻る。
　「それでは、帰るんだけども、もう、ばれても良いから、速さメインで行こう。後、皮に線を描き、洞窟と村の位置を描いたものを用意しよう」
　アーウェンはそう言い、アーリーに書いてもらう。