ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

文字の大きさ
97 / 115
第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-24-

しおりを挟む
 シルシュは山を登り、壁のように切りたた場所を登り、斜めに歩いていく。
 すれ違うには肩がぶつかりそうな狭い道が出てくる。歩いて、踏み締めて道になっている感じだ。
 しばらく歩くと、平らな場所に出る。ちょっとしたスポーツが出来そうだ。
 アーリーに水の場所を探してもらっているなか、アーウェンはシルシュに話しかける。
 「険しい道のりだったけど、持ち帰るの大変じゃない」
 アーウェンが言うと、シルシュはこちらを向く。
 「ああ、村が見つかるのは、時間の問題かもしれない。だからこそ足腰がいいものはここに呼ぶ。上にも、丘がある。もし来れない者がいるなら、川を村の近くに置いて欲しい。もし作ってくれるなら案内する」
 シルシュが威厳ある姿勢で話す。
 アーウェンの提案した通りに進んでいるが、何か引っかかる。
 (上手くいきすぎてる)
 アーウェンは顎に手を添えてアーリーを見る。
 「どうした、人よ。考え事か」
 シルシュは問う。
 「いや、アーリーが水の場所を見つけられたかなって思って」
 アーウェンが答えるとシルシュは"そうか"と答える。
 「見つけたよ」
 アーリーが言った。アーウェンは木の棒を持って、駆けつける。
 アーリーが指定した場所に棒を突き刺す。アメリアが直径70センチのドリルを作り棒の所に突き刺す。ゆっくりゆっくり回して真ん中あたりまでドリルが入ったら上にアメリアが乗り、勢い良く下がって行く。すぐに甲高い音がする。その後はゴリゴリと砕くような音がする。
 「進めるとこまで進んで止まったら、10センチで掘り進めよう」
 アーウェンが井戸を、覗き込み言う。声が聞こえたのか、機械音が止まり、再びなり出す。
 機械の音が鳥の鳴き声のように甲高い擦れる音に変わる。するとピタッと音が止む。その後に高速回転した、嫌な音が聞こえてくる。思わず頬をさする。不思議がられ見られていても仕方ない。
 時間にして五分ぐらいで音が消えた。
 「穴開けた所にパイプを入れてくれるー」
 アーウェンは声をかける。
 「わかったー」
 リバーブが掛かったような声で返事が返ってくる。
 時折パチパチと音がする。ようせるだろうか。それなりに深かたのだろう。
 「終わったよー」
 アメリアの声が聞こえたので、アーウェンは飛び込む。
 下手では、アメリアがグロースティックみたいなライトを持ってパイプを見ている。
 アーウェンは着地してパイプをみる。2、3ミリ下のところに円盤状の物が溶接されて、落ちないようになっている。
 パイプを持ち上げ、また手ポンプをして水を汲み上げる。その間に念話で皆に伝える。
 『アメリアは壁に、コンクリートみたいに水が浸透しなくて崩れない物を塗ってくれる。アーリーは細かい目の布を作って欲しいんだ井戸にピッタリ合う物をね。クロムは、アーリーを連れて行って欲しいんだ。それで木が足りなかったら切って欲しい。後は…石が欲しいな、岩みたいなゴロゴロした物でもいいよ』
 アーウェンが頼むと一斉に"わかった"と返ってくる。
 アメリアはジェットパック(風)を使い壁に、シリコンを格子状に塗りそこにモルタルを引き詰める。
 パイプから水が出る頃には壁全面に塗られていた。最後に地面の水を掃除機と布を使い取り切ったらシリコンを引いて、パイプを置いたらモルタルを引く。パイプのところを形を整えたら完成だ。
 アメリアは先にジェットパックで井戸から出る、アーウェンは魔法陣の上で作業をしていた。そのまま地上に向かって飛び上がる。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...