ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

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第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-23-

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 リザードマン達は 疑心暗鬼になる。村に裏切り者がいるかもしれないし、アーウェンが村に案内させて、討伐に来るかもしれないと皆、戦々恐々とする。
 「はっきり言うよ。僕はどっちでもいいんだ。リザードマンがやられようが、生き残ろうが本当どっちでもいい。何でここまで交渉するかだよね———」
 皆、アーウェンの言葉を固唾を飲んで見守る。
 「———一つは依頼が討伐であること。リザードマンの憩いの場にされると、人間が通れないとか、何か開拓したい時に甚大な被害が出るからだと思うんだよね。だからここから立ち去れば依頼的には条件は整うだから、ここから遠くで安全な場所をと思った。そして二つ目は、無闇矢鱈にコロしあいたくない。僕達を見ても、攻撃を仕掛けてこなかった。話を聞いてくれた、貴方たちに僕は感謝してる」
 アーウェンが話し終えると、手のひらを胸に当てお辞儀する。さらにつづける。
 「集落遠いところでも良いので、長あるいは、長代理と話したい。それが僕が出来ること…これで断られればここを去るしか無いよ。話せるかだけでもいい、確認したいんだ」
 アーウェンが言うと、周辺がざわつき出す。
 「その必要はない。俺がリザードマンを統括している者だ。君の話を聞き、族長に話を通すのでもいい。筒から、水が出たのは驚いたぞ」
 横から声が聞こえた、気配もなく暗闇から現れる。
 リザードマンのリーダーを名乗る者。自称なのかは、わからないが話してみる価値はありそうだ。
 初対面での話をされる。どこかで見ていたのか。
 「シルシュだ、よろしくな。それで何を伝えればいい」
 リーダーはシルシュと名乗った。シルシュに長に話すのはこれで2回目と言うことを伝えたあと、アーウェンは以下のことを伝えてくれと言った。
 一つ、村に入れるなら、村に関しては絶対に漏らさない。
 二つ、村に入れないなら、人間にバレにくい所を紹介して欲しい。それなら井戸もそこで作る。
 三つ目は、条件がのめなければ僕達はここから立ち去る。もし人間が来たとしても、僕たちは、何の関与もしていない。
 この条件を、シルシュに託した。
 お昼より早く、会談になるかもしれない。
 思ってたより、シルシュは早く帰ってきた。
 「長老達は、村に入ることは禁じ得ないと言っていた。村に入ることはできない…といって、長老達はもう足腰が悪い。悪いが…長老達とは会えない。その代わり、俺が井戸を建てられるようなところを案内しよう」
 シルシュが話終わると、シルシュの取り巻き達が現れる。相変わらず気配がしない。
  
 
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