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好きの反対は無関心と言いますが
「遅かったわね、エリス」
「申し訳ありませんお義母様…」
背筋が凍りそうな程に冷たい声と瞳でそう言われ、私は既に心が折れそうになっていた
前世の義実家では、嘲笑うような悪意ある目で見られていた為に、耐性はあると思い込んでいたが、どうやらその耐性は義姉にしか効かないようだ…
「全く、ねぇ!お母様、この子ったらとろいわよねぇ!」
「アヴリル、食事の前よ
静かになさい」
「はぁい、お母様」
甲高い声で楽しげに話す義姉にアンタが嫁イビリしてくるからでしょうが…悪態を吐きたくなりながらもグッと堪えて、空気になるように努めた
湯気がたち、温かな運ばれてきた食事を前にこの屋敷の状況を考える
──使用人は全て味方では無いが敵でもない──
多分、義姉が魔法か何かをかけているのだろう
本来であれば仕えるはずの当主の妻を透明人間かのように扱い…いや、彼ら使用人からしたら本当に見えて居ないのだろう、だから私が義姉から雑用を押し付けられていても誰も気が付かないし気にしない
使用人達からは『若奥様は病弱』そして、『誰かが付いている』から、気にしないといった認識が植えつけられているのだろう
魔法、だろう完全に義姉の
まぁ、だからそのおかげで監視に悩まされず自由に逃亡の準備が出来そうなのだけれど
使用人が私の存在を認識する時間帯は食事の時間の3回と、朝メイドが起こしにくる計4回
何故朝?と思うのだけど多分監視のつもり…なんだろう
夜は、見回りが居るだろうし…あ、もしかしたら見回りの使用人も私を認識するかも知れないから5回くらい…?
「エリス、食事が進んでいないようだけれど」
「申し訳ありません…少し体調が…」
「まぁ!もしかしてヴィクルンド家の妻でありながら体調管理も出来ていないの?」
「アヴリル、義妹を構うのも良いけれど、少し落ち着きなさい
エリスも、体調が優れないのなら、寝室に戻って休みなさい」
「は、はい」
言ってる事はとても優しいんだけど声と瞳がめっちゃ冷たい…
嫌われているのか、はたまた興味がなくて無関心なのか…
好きの反対は嫌いではなく無関心だとよく言うし、お義母様は真面目で責任感の強い人だから嫁いで来たとはいえ田所の娘である私を無下には出来ないのだろう
「やっぱり、よく分からない人ではある…」
真っ暗な廊下を歩き、そう呟きながら考える
優しい人なのだろう、興味も無いのだろう
…ん?そういえば、エリスと、ギルベルトは幼い頃からの婚約者であり、幼なじみでもあったはずだ
昔のお義母様って、どんな人だったっけ…?
と、随分と古くなった記憶を引っ張り出してみる
「…あれ?同一人物…?」
どれも優しく微笑んでいる記憶しかないが、義父が存命だったからかも知れない…
けれど記憶のなかの義母はエリスに優しく、多分愛していたんだろう、瞳がとても優しい色をしていた
「あ~わからん…
いつからあんな冷たい感じになったのかも思い出せない…」
もう、今日はいいや…
前世を思い出して、色々整理してたらちょっと世界の闇覗いたような気がしたりしてキャパオーバーです。
と言うか、娘が心配すぎる
大丈夫だろうか…?ゲームのやり過ぎで寝不足になってそう…
あぁ、あとギルベルトのことも考えなきゃ…
ダメだ、今日はもう寝よう…
明日の私に頑張ってもらおう
おやすみなさい…
「申し訳ありませんお義母様…」
背筋が凍りそうな程に冷たい声と瞳でそう言われ、私は既に心が折れそうになっていた
前世の義実家では、嘲笑うような悪意ある目で見られていた為に、耐性はあると思い込んでいたが、どうやらその耐性は義姉にしか効かないようだ…
「全く、ねぇ!お母様、この子ったらとろいわよねぇ!」
「アヴリル、食事の前よ
静かになさい」
「はぁい、お母様」
甲高い声で楽しげに話す義姉にアンタが嫁イビリしてくるからでしょうが…悪態を吐きたくなりながらもグッと堪えて、空気になるように努めた
湯気がたち、温かな運ばれてきた食事を前にこの屋敷の状況を考える
──使用人は全て味方では無いが敵でもない──
多分、義姉が魔法か何かをかけているのだろう
本来であれば仕えるはずの当主の妻を透明人間かのように扱い…いや、彼ら使用人からしたら本当に見えて居ないのだろう、だから私が義姉から雑用を押し付けられていても誰も気が付かないし気にしない
使用人達からは『若奥様は病弱』そして、『誰かが付いている』から、気にしないといった認識が植えつけられているのだろう
魔法、だろう完全に義姉の
まぁ、だからそのおかげで監視に悩まされず自由に逃亡の準備が出来そうなのだけれど
使用人が私の存在を認識する時間帯は食事の時間の3回と、朝メイドが起こしにくる計4回
何故朝?と思うのだけど多分監視のつもり…なんだろう
夜は、見回りが居るだろうし…あ、もしかしたら見回りの使用人も私を認識するかも知れないから5回くらい…?
「エリス、食事が進んでいないようだけれど」
「申し訳ありません…少し体調が…」
「まぁ!もしかしてヴィクルンド家の妻でありながら体調管理も出来ていないの?」
「アヴリル、義妹を構うのも良いけれど、少し落ち着きなさい
エリスも、体調が優れないのなら、寝室に戻って休みなさい」
「は、はい」
言ってる事はとても優しいんだけど声と瞳がめっちゃ冷たい…
嫌われているのか、はたまた興味がなくて無関心なのか…
好きの反対は嫌いではなく無関心だとよく言うし、お義母様は真面目で責任感の強い人だから嫁いで来たとはいえ田所の娘である私を無下には出来ないのだろう
「やっぱり、よく分からない人ではある…」
真っ暗な廊下を歩き、そう呟きながら考える
優しい人なのだろう、興味も無いのだろう
…ん?そういえば、エリスと、ギルベルトは幼い頃からの婚約者であり、幼なじみでもあったはずだ
昔のお義母様って、どんな人だったっけ…?
と、随分と古くなった記憶を引っ張り出してみる
「…あれ?同一人物…?」
どれも優しく微笑んでいる記憶しかないが、義父が存命だったからかも知れない…
けれど記憶のなかの義母はエリスに優しく、多分愛していたんだろう、瞳がとても優しい色をしていた
「あ~わからん…
いつからあんな冷たい感じになったのかも思い出せない…」
もう、今日はいいや…
前世を思い出して、色々整理してたらちょっと世界の闇覗いたような気がしたりしてキャパオーバーです。
と言うか、娘が心配すぎる
大丈夫だろうか…?ゲームのやり過ぎで寝不足になってそう…
あぁ、あとギルベルトのことも考えなきゃ…
ダメだ、今日はもう寝よう…
明日の私に頑張ってもらおう
おやすみなさい…
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