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第二章
仮装の村、魔王の懸念
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ハロの手袋が肩に飛んできて、ベッドに押し倒される。
「ちょっ、うそだろ離せ!バカじゃないのか!?」
「透視して、映像記録して、………触って。ああ昼間からずっと楽しみにしてたんだ。僕の好奇心を存分に満たしてくれよ。」
「何が好奇心だ!いいかげんにしないと怒るぞ。」
「女王様になじられるのも悪くないねえ。無理やり犯してしまうのも楽しそうだ。」
「っは、はあ!?」
「ふふ冗談だよ冗談。今はね。」
ベッドの淵に腰掛けるハロ。頬に手を添えると、首元、胸、腹となぞっていく。そしてアイザックの下部に触れた。
「っぅ…ハロ……」
「うわっと。」
弱気な声に油断したところで蹴りが飛んでくる。アイザックの強気な目がこちらを捉えていた。
「いいね、女王様はそうでないと。」
「おまえ、ほんと変態!」
「強気な女王様を陥落させるゲームって面白そうじゃない?」
「俺・で・や・る・な!」
「はーいスキャンしまーす。」
「バカ!記録に残すなこんな痴態!!」
「あれあれ~?でも反応してるのはなんでかな。」
「お前がさっきから刺激してくるからだ!!」
ガァンッと、結界の破壊とともにドアが開く。
不機嫌を全身で表す、マオだった。
「ハロ、アイザックを借りるぞ。」
「えー。明日とかじゃダメ?」
「我に歯向かうと?」
やれやれ、と、ハロが離れる。腕を拘束していた手袋もふわふわと飛んで行った。
「そんなつもりはないんだけどね。……しょうがないなあ。がんばれ、アイザック。」
フードを深めにかぶり、苦笑いすると、ハロは手を振りながら部屋を出て行った。
「脱げ。全部。」
「は?」
「聞こえぬか?脱げと言ったのだ。」
右手にブレスの構えをとるマオ。低威力の魔法だが、見た目重視の服では防げまい。
「いや、あのね、マオ。脱いだところで着替えがな」
ゴォウッ。
袖をかすめ、ジューと服が燃えていく。火傷の痛みは幸いないがもちろん。
「あっつ!!!」
「脱げ。次はない。」
仕方なく服を脱ぎ始める……が、
「あの。」
「なんだ。」
「あっち向いてて?」
「逃げる気か?」
再びブレスの構え。
こうしてアイザックはマオが凝視する中すべての衣服を脱いだ。マオのマントがかけられる。
「いやいやいやいっそう俺変態では?!」
マオはアイザックの服を燃やしていた。
「何してんの!?」
「検問所に行けば元の衣服があるだろう、問題ない。」
「今夜一晩は大問題だよ!?せめて替えを買ってきてもらえないかな?」
「おまえごときが我に命令を?」
「スミマセンデシタ一晩ガンバリマス」
良かれと思ってやったことなのだろう。おそらく。なぜこれほどまでに不機嫌なのかまでは、推測すらできないが。マオの瞳は真剣そのものだ。
諦めたアイザックは結局マント一枚で、翌朝検問所まで酷くヒヤヒヤさせられた。
翌朝、早朝。
「起きろ、ジュアン。村を出るぞ。」
「…むぅ。もう行くの?」
「ああ、すぐ支度をしろ。」
「ところで僕の作った衣装はどうしたのさ。」
「灰なら捨てた。」
「ひどぉい。」
~Side マオ~
(なぜだ?ハロにもジュアンにも魅了の効果が出ている。魔王である我は呪いや状態異常にかかりはしないはずだが……。いや、本当にそうなのか?)
検問所を抜け、疲れた顔で先を歩くアイザックに分析をかける。
(あいつは魅了魔法を、殺して食う魔物以外には使っていない。ハロたちにかけたとして、その後我ら全員に気づかれないことなど有り得ぬ。徐々に魅了に侵されている?そうとしか思えんが…………。ジュアンも魅了の状態異常がかかっている時はあるが、しばらく単独で行動しすれば解けている。アイザックと行動することが多いハロがまずいな。ハロは気づいているのかいないのか、時々危うい。)
考えるマオが3人から少し遅れて、アイザックが振り向く。
「……大丈夫?マオ。俺、なんかした?」
「……虫の居所が悪いだけだ。」
(あいつ自身、魅了を無自覚で使っているのか?……確信が持てるまで、しばし監視用に使い魔をつけておくか。)
「ちょっ、うそだろ離せ!バカじゃないのか!?」
「透視して、映像記録して、………触って。ああ昼間からずっと楽しみにしてたんだ。僕の好奇心を存分に満たしてくれよ。」
「何が好奇心だ!いいかげんにしないと怒るぞ。」
「女王様になじられるのも悪くないねえ。無理やり犯してしまうのも楽しそうだ。」
「っは、はあ!?」
「ふふ冗談だよ冗談。今はね。」
ベッドの淵に腰掛けるハロ。頬に手を添えると、首元、胸、腹となぞっていく。そしてアイザックの下部に触れた。
「っぅ…ハロ……」
「うわっと。」
弱気な声に油断したところで蹴りが飛んでくる。アイザックの強気な目がこちらを捉えていた。
「いいね、女王様はそうでないと。」
「おまえ、ほんと変態!」
「強気な女王様を陥落させるゲームって面白そうじゃない?」
「俺・で・や・る・な!」
「はーいスキャンしまーす。」
「バカ!記録に残すなこんな痴態!!」
「あれあれ~?でも反応してるのはなんでかな。」
「お前がさっきから刺激してくるからだ!!」
ガァンッと、結界の破壊とともにドアが開く。
不機嫌を全身で表す、マオだった。
「ハロ、アイザックを借りるぞ。」
「えー。明日とかじゃダメ?」
「我に歯向かうと?」
やれやれ、と、ハロが離れる。腕を拘束していた手袋もふわふわと飛んで行った。
「そんなつもりはないんだけどね。……しょうがないなあ。がんばれ、アイザック。」
フードを深めにかぶり、苦笑いすると、ハロは手を振りながら部屋を出て行った。
「脱げ。全部。」
「は?」
「聞こえぬか?脱げと言ったのだ。」
右手にブレスの構えをとるマオ。低威力の魔法だが、見た目重視の服では防げまい。
「いや、あのね、マオ。脱いだところで着替えがな」
ゴォウッ。
袖をかすめ、ジューと服が燃えていく。火傷の痛みは幸いないがもちろん。
「あっつ!!!」
「脱げ。次はない。」
仕方なく服を脱ぎ始める……が、
「あの。」
「なんだ。」
「あっち向いてて?」
「逃げる気か?」
再びブレスの構え。
こうしてアイザックはマオが凝視する中すべての衣服を脱いだ。マオのマントがかけられる。
「いやいやいやいっそう俺変態では?!」
マオはアイザックの服を燃やしていた。
「何してんの!?」
「検問所に行けば元の衣服があるだろう、問題ない。」
「今夜一晩は大問題だよ!?せめて替えを買ってきてもらえないかな?」
「おまえごときが我に命令を?」
「スミマセンデシタ一晩ガンバリマス」
良かれと思ってやったことなのだろう。おそらく。なぜこれほどまでに不機嫌なのかまでは、推測すらできないが。マオの瞳は真剣そのものだ。
諦めたアイザックは結局マント一枚で、翌朝検問所まで酷くヒヤヒヤさせられた。
翌朝、早朝。
「起きろ、ジュアン。村を出るぞ。」
「…むぅ。もう行くの?」
「ああ、すぐ支度をしろ。」
「ところで僕の作った衣装はどうしたのさ。」
「灰なら捨てた。」
「ひどぉい。」
~Side マオ~
(なぜだ?ハロにもジュアンにも魅了の効果が出ている。魔王である我は呪いや状態異常にかかりはしないはずだが……。いや、本当にそうなのか?)
検問所を抜け、疲れた顔で先を歩くアイザックに分析をかける。
(あいつは魅了魔法を、殺して食う魔物以外には使っていない。ハロたちにかけたとして、その後我ら全員に気づかれないことなど有り得ぬ。徐々に魅了に侵されている?そうとしか思えんが…………。ジュアンも魅了の状態異常がかかっている時はあるが、しばらく単独で行動しすれば解けている。アイザックと行動することが多いハロがまずいな。ハロは気づいているのかいないのか、時々危うい。)
考えるマオが3人から少し遅れて、アイザックが振り向く。
「……大丈夫?マオ。俺、なんかした?」
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