45 / 60
第二章
魔族のアクセサリー事情
しおりを挟む「そうだ、アイザック。これをあげよう。」
そう言ってハロが差し出したのは、銀のネックレス。赤、オレンジ、黄色の水晶が小さいながらに飾られたタグが美しく輝いている。
「お師匠様はドッグタグと名付けていたものだ。僕の作った呪術が一部込められている、付呪のアクセサリーさ。それをつけているかぎり、君を可能な範囲で守るだろう。」
実は僕もつけているよ、と見せられる。
「僕も欲しい!」
「……大丈夫なのか、それ。」
「これからはマオがすぐ近くにいるだろうし、大丈夫でしょ?」
「成程な。そういうことなら構わぬ。」
「僕のは?アイザック専用?」
「うーーん。ジュアン用のも、一応作ったんだけどね。触ってもらってもいいかい?まずは指先だけ。」
「なにかあるの?……んひゃっ!!?」
バチっと線香花火のような光を放ち、床に転がるドッグタグ。強い静電気に触れたような痛みがジュアンの指先に走った。
「あーーー……だよねえー……。」
「これ、つけてて本当に大丈夫なやつか?」
既に装備しているアイザックが、不安そうな声を上げる。
「魔族とそれ以外では体質に違いがあってね。ダークエルフは問題ないんだけど……すまないね、ジュアン。魔族用のものは付呪に高度な専門技術が必要で、まだうまく作れない。」
「びっくりしたーーーー!」
きょとんと呆けていたジュアンはけらけらと笑いだす。ケガはしてないようで安心するアイザック。
「うまくできたら、また触ってもらえるかい?ごめんよ。」
「いーのいーの!僕もわがまま言っちゃった。」
「……マオが触ると、どうなるの?」
「消し炭か爆散か、試してみるか?」
「ケッコウデス。」
「うん、魔力の強い魔族ほど、装備できる防具やアクセサリーがとんでもない値段になるんだよねえ…………。」
いつか、パーティー全員の装備や衣装を作りたいハロ。人間用なら気楽に作れるが、魔族用はどこかに弟子入りしないと難しいかもしれない。
「ハロ、ドッグタグ装備できるってことは、生きてた時は人間だったの?幽霊だからなんでもOK?」
「一応人間だったよお。母は魔女だったらしいけどね。」
「うーん、じゃあやっぱ魔族用ってすごいんだねー……。」
ジュアンとハロの話を聞きながら、ぼんやりドッグタグを見つめるアイザック。守護だけじゃ、ないんだろうな。ハロの思惑は分からないが、魔王と製造責任者から絶対離れないようにしようと思うアイザックだった。
0
あなたにおすすめの小説
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
傷跡傭兵の強制結婚-実子かどうかはどうでもいいので義理の息子を溺愛します-
同軸
BL
前の世界で凄惨な死を迎えた傭兵であった自分、シラー・イーグルズアイは神の使徒として異世界に転移してしまう。
現地の法令の元、有力貴族であるロアイト公爵との結婚を強引にも取り付けられ急な結婚生活が始まるが、傷んだ食事を出されたり冷遇されたりと歓迎されていない様子。でも誰も殺そうとしてこないし良いか。
義理の息子が成人するまではしっかり面倒をみてその後に家を出ようと画策するが、ロアイト公爵の様子がどうにもおかしくなってきて……?
牙を以て牙を制す
makase
BL
王位継承権すら持てず、孤独に生きてきた王子は、ある日兄の罪を擦り付けられ、異国に貢物として献上されてしまう。ところが受け取りを拒否され、下働きを始めることに。一方、日夜執務に追われていた一人の男はは、夜食を求め食堂へと足を運んでいた――
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
【完結】望まれなかった代役婚ですが、投資で村を救っていたら旦那様に溺愛されました。
ivy
BL
⭐︎毎朝更新⭐︎
兄の身代わりで望まれぬ結婚を押しつけられたライネル。
冷たく「帰れ」と言われても、帰る家なんてない!
仕方なく寂れた村をもらい受け、前世の記憶を活かして“投資”で村おこしに挑戦することに。
宝石をぽりぽり食べるマスコット少年や、クセの強い職人たちに囲まれて、にぎやかな日々が始まる。
一方、彼を追い出したはずの旦那様は、いつの間にかライネルのがんばりに心を奪われていき──?
「村おこしと恋愛、どっちも想定外!?」
コミカルだけど甘い、投資×BLラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる