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さよなら。またね。P.1
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「行ってきます」
そう言って、あたしは玄関を出る。でもマンションの階段を下りずに、手すりから四階下の地面を見下ろした。
あ、出てきた出てきた。
マンションの一階の出入り口から、紺のブレザーを着た男子学生が出てくる。
いつも同じ時間に出てくる彼。
彼を見続けていると、どうしても顔がニヤけてしまう。女子高生のこんな姿を見られちゃいけないと思って、顔を元に戻そうとするけど、どうしてもまた、にへらとニヤけてくる。
彼は、あたしと同じ高校に通ってて、あたしの部活、演劇部の一つ上の先輩で、えっと、その……あたしの、好きな人なのです。
どんな所が好きなのかは、分りません。
ハンバーグが好きな人のように、カレーが好きな人と同じように、なんとなく。そう、ただなんとなく、先輩が好きなのです。
……女子高生の乙女が、ハンバーグやカレーとかはどうかと思うなぁ。んー、じょしこーせー、じょしこーせー……。
うん。言い直します。
小川を流れる水や、空を泳ぐ雲のように、なんとなく。そう、ただなんとなく、先輩が好きなのです。
そんな好きな先輩が、見えなくなるまで見送ってから、あたしは学校へ向かった。
そう言って、あたしは玄関を出る。でもマンションの階段を下りずに、手すりから四階下の地面を見下ろした。
あ、出てきた出てきた。
マンションの一階の出入り口から、紺のブレザーを着た男子学生が出てくる。
いつも同じ時間に出てくる彼。
彼を見続けていると、どうしても顔がニヤけてしまう。女子高生のこんな姿を見られちゃいけないと思って、顔を元に戻そうとするけど、どうしてもまた、にへらとニヤけてくる。
彼は、あたしと同じ高校に通ってて、あたしの部活、演劇部の一つ上の先輩で、えっと、その……あたしの、好きな人なのです。
どんな所が好きなのかは、分りません。
ハンバーグが好きな人のように、カレーが好きな人と同じように、なんとなく。そう、ただなんとなく、先輩が好きなのです。
……女子高生の乙女が、ハンバーグやカレーとかはどうかと思うなぁ。んー、じょしこーせー、じょしこーせー……。
うん。言い直します。
小川を流れる水や、空を泳ぐ雲のように、なんとなく。そう、ただなんとなく、先輩が好きなのです。
そんな好きな先輩が、見えなくなるまで見送ってから、あたしは学校へ向かった。
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