151 / 178
第四章 空と大地の交差
4‐16
しおりを挟む
それから数日後も、カナタは相変わらず海の上で海賊達と一緒に過ごしていた。
彼等は周辺の孤島を見つけては上陸し、宝を探して歩き回る。そして成果が得られようと得られまいと、楽しそうに宴をやってその一日を水に流していた。
ある意味ではその日暮らしの生活が今のカナタの心には清涼剤となっていることを、認めざるを得ない。
ヨハン達のいる場所には戻りたい。しかし、戻ったところで何をすればいいのか。
少年を救えず自らの手で殺め、その上で英雄と呼ばれてしまったカナタが必要とされる場所など、もうないのではないかとすら思えてしまう。
先輩海賊から貰ったバンダナを巻いて、水夫の格好に着替えたカナタは甲板掃除のモップを持ったまま、船の縁から青い海を見つめる。
「水平線、綺麗だなぁ」
「なーに黄昏てんだい? そういうのが似合う女になるには、十年ばかり足りないね」
ぽんと頭の上に手を乗せられて、隣に並んだのは歴戦の老兵であり女海賊。
ベアトリスはカナタの心などとうに見透かしているかのように、同じようにして水平線の彼方を見つめた。
「こうしてれば、お前さんがサボってても誰も文句は言えないからね」
この海賊船でのベアトリスの権限は絶対的なものだ。彼女が黒と言えば白も黒くなる。
「ベアトリスさんは、どうして海賊になったんですか?」
その質問に何の意味があるだろうか。それはカナタ自身にも判らないが、もし彼女の話を聞いて何かの参考になればと思い、そう尋ねた。
「つまらん話さ。船乗りだった父親に憧れてたが、アタシの国じゃ女が船乗りになるなんて絶対に許されなくてね。海に出るには、海賊にでもなるしかなかった。たったそれだけの話さ」
「海が好きだから海賊に?」
「子供の頃から海に触れてりゃそうもなる。見ろよこの雄大な世界を。小さな悩みなんかどっか行っちまうだろう。何せ」
二人の視線は、同じところを見ている。
青く広がる海の向こう。
誰も知らない世界。
「これだけ世界が広がってるんだ。そこには色んな場所があって、色んな奴がいる。それを全部見るには人間の生きる時間ってのは短過ぎる。そのくせ大半の時間をくだらないことに使っちまうんだ。アタシがそうだったみたいにね」
「くだらないことって何ですか?」
「さあねえ。取り敢えず、お前さんがうじうじしてるのも、そのくだらないことの一つってのは確かさ」
それだけ言って、ベアトリスは船の縁から離れて歩いていく。
彼女が離れていってしまうのが何故だか寂しくて、もう少し話を聞きたくてカナタは呼び止めようと口を開く。
そこに、背後から声が駆けられた。
「探したわ、カナタ」
箒に乗って、フード付きのローブを纏った金髪の少女、アーデルハイトがそこにいた。
以前の物からヨハンによって新調されたローブは、彼の着ているものと色違いのデザインとなっており、クリーム色の記事に所々赤いラインが入っている。
彼女はふよふよと箒に横座りしたまま船の上までやってくると、確かな足取りで甲板に足を降ろす。
「まさか本当に海賊をやっているとはね。なに、その恰好?」
「……あはは」
「誤魔化さないの。さ、帰りましょう?」
手を差し伸べるアーデルハイト。
「あの人も待っているわ」
その名前を聞いたときmカナタの身体に電気が走ったかのように動きが止まった。
「どうしたの?」
本当にヨハンはカナタを待っているのだろうか。
それが本当だとしても、単なる義務感から探しに来ているのではないだろうか。
あの日。
少年を救えなかった日からずっと胸の中にあったわだかまりが、カナタに小さな躊躇いを生んだ。
小さな英雄と、そう呼ばれていながら。
たった一人の少年を救えなかったカナタに、ヨハンは幻滅してしまったのではないかと。
そんな考えがカナタの不安となって、重りのように圧し掛かる。
「ボク、本当にヨハンさんに会っていいのかな?」
「……当たり前でしょう。彼は貴方のことを心配しているし、わざわざこんなところまで探しに来たのだから」
その上で迷惑を掛けてしまったという事実が、カナタにとっては何よりも辛い。
そして、そんな彼女の心境を理解したわけではないだろうが。
「そのヨハンって男が、カナタの悩みの種ってわけかい。……気が変わった」
踵を返して戻ってきたベアトリスが、そこに立っていた。
「……アランドラの大海賊。私掠船団の長であるマーム・ベアトリス。お会いできて光栄ね」
「くすぐったいねぇ。アタシは海賊で悪党だよ? 小奇麗な魔法使いさんにそう呼ばれるほどのもんじゃないさ」
「外の国に名前を響かせることができる人物なんてそうはいないわ。そこに敬意を表しているの。でも、人の友達を誑かしたのは看過できないわね」
アーデルハイトの表情が険しいものに変わった。
そして袖から以前の物とは違う魔法の杖を取り出すと、ベアトリスにその先端を向ける。
杖とは言うが、その先端に取り付けられた水晶は鋭利に磨がれていて槍としての役割も充分に果たすことができるだろう。
「それで、気が変わったというのはどういうことかしら? 彼女を保護していてくれたというのならそこには感謝するし、相応の謝礼も出すつもりよ」
「ああ、そんなもんはいらんさ。その子は拾いもんだし、アタシも命を救われてる。代金に関してはそれで相殺と行こう。ただ――」
「は……」
アーデルハイトはその動きに、全く反応することができなかった。
ベアトリスが目にも止まらぬ早業で放り投げたロープは、まるで生き物のようにカナタの腕を取り、彼女の足元へと引きずり倒した。
そのままカナタの首筋に、カトラスを付きつける。
「カナタ!」
「うん。そうそう、これがいいね。最初はカナタを陸に届けようとも思ったんだが、やっぱり惜しい。お前さんはアタシ達と一緒に海賊になりな」
「このっ、海賊風情が……!」
「威勢がいいね、お嬢ちゃん。でもちょっとばかし甘かったねぇ」
「ベアトリスさん……。どうして……?」
「お生憎様、カナタ。海賊ってのは海の悪党なんだ。気分のままにやりたいことをやる。アタシは今、お前さんをクルーとして正式に迎えたくなった。それだけだよ」
二人は睨み合うが、状況はベアトリスが圧倒的に有利だった。
もし彼女がカナタを本気で殺すつもりなら、アーデルハイトが何か妙な素振りを見せた時点ですぐにその首を掻き切ることができる。
「さて。アタシの要求を伝えてもらうよ、魔法使いさん。この子を賭けて勝負しようじゃないか。そのヨハンさんってやらとね」
彼等は周辺の孤島を見つけては上陸し、宝を探して歩き回る。そして成果が得られようと得られまいと、楽しそうに宴をやってその一日を水に流していた。
ある意味ではその日暮らしの生活が今のカナタの心には清涼剤となっていることを、認めざるを得ない。
ヨハン達のいる場所には戻りたい。しかし、戻ったところで何をすればいいのか。
少年を救えず自らの手で殺め、その上で英雄と呼ばれてしまったカナタが必要とされる場所など、もうないのではないかとすら思えてしまう。
先輩海賊から貰ったバンダナを巻いて、水夫の格好に着替えたカナタは甲板掃除のモップを持ったまま、船の縁から青い海を見つめる。
「水平線、綺麗だなぁ」
「なーに黄昏てんだい? そういうのが似合う女になるには、十年ばかり足りないね」
ぽんと頭の上に手を乗せられて、隣に並んだのは歴戦の老兵であり女海賊。
ベアトリスはカナタの心などとうに見透かしているかのように、同じようにして水平線の彼方を見つめた。
「こうしてれば、お前さんがサボってても誰も文句は言えないからね」
この海賊船でのベアトリスの権限は絶対的なものだ。彼女が黒と言えば白も黒くなる。
「ベアトリスさんは、どうして海賊になったんですか?」
その質問に何の意味があるだろうか。それはカナタ自身にも判らないが、もし彼女の話を聞いて何かの参考になればと思い、そう尋ねた。
「つまらん話さ。船乗りだった父親に憧れてたが、アタシの国じゃ女が船乗りになるなんて絶対に許されなくてね。海に出るには、海賊にでもなるしかなかった。たったそれだけの話さ」
「海が好きだから海賊に?」
「子供の頃から海に触れてりゃそうもなる。見ろよこの雄大な世界を。小さな悩みなんかどっか行っちまうだろう。何せ」
二人の視線は、同じところを見ている。
青く広がる海の向こう。
誰も知らない世界。
「これだけ世界が広がってるんだ。そこには色んな場所があって、色んな奴がいる。それを全部見るには人間の生きる時間ってのは短過ぎる。そのくせ大半の時間をくだらないことに使っちまうんだ。アタシがそうだったみたいにね」
「くだらないことって何ですか?」
「さあねえ。取り敢えず、お前さんがうじうじしてるのも、そのくだらないことの一つってのは確かさ」
それだけ言って、ベアトリスは船の縁から離れて歩いていく。
彼女が離れていってしまうのが何故だか寂しくて、もう少し話を聞きたくてカナタは呼び止めようと口を開く。
そこに、背後から声が駆けられた。
「探したわ、カナタ」
箒に乗って、フード付きのローブを纏った金髪の少女、アーデルハイトがそこにいた。
以前の物からヨハンによって新調されたローブは、彼の着ているものと色違いのデザインとなっており、クリーム色の記事に所々赤いラインが入っている。
彼女はふよふよと箒に横座りしたまま船の上までやってくると、確かな足取りで甲板に足を降ろす。
「まさか本当に海賊をやっているとはね。なに、その恰好?」
「……あはは」
「誤魔化さないの。さ、帰りましょう?」
手を差し伸べるアーデルハイト。
「あの人も待っているわ」
その名前を聞いたときmカナタの身体に電気が走ったかのように動きが止まった。
「どうしたの?」
本当にヨハンはカナタを待っているのだろうか。
それが本当だとしても、単なる義務感から探しに来ているのではないだろうか。
あの日。
少年を救えなかった日からずっと胸の中にあったわだかまりが、カナタに小さな躊躇いを生んだ。
小さな英雄と、そう呼ばれていながら。
たった一人の少年を救えなかったカナタに、ヨハンは幻滅してしまったのではないかと。
そんな考えがカナタの不安となって、重りのように圧し掛かる。
「ボク、本当にヨハンさんに会っていいのかな?」
「……当たり前でしょう。彼は貴方のことを心配しているし、わざわざこんなところまで探しに来たのだから」
その上で迷惑を掛けてしまったという事実が、カナタにとっては何よりも辛い。
そして、そんな彼女の心境を理解したわけではないだろうが。
「そのヨハンって男が、カナタの悩みの種ってわけかい。……気が変わった」
踵を返して戻ってきたベアトリスが、そこに立っていた。
「……アランドラの大海賊。私掠船団の長であるマーム・ベアトリス。お会いできて光栄ね」
「くすぐったいねぇ。アタシは海賊で悪党だよ? 小奇麗な魔法使いさんにそう呼ばれるほどのもんじゃないさ」
「外の国に名前を響かせることができる人物なんてそうはいないわ。そこに敬意を表しているの。でも、人の友達を誑かしたのは看過できないわね」
アーデルハイトの表情が険しいものに変わった。
そして袖から以前の物とは違う魔法の杖を取り出すと、ベアトリスにその先端を向ける。
杖とは言うが、その先端に取り付けられた水晶は鋭利に磨がれていて槍としての役割も充分に果たすことができるだろう。
「それで、気が変わったというのはどういうことかしら? 彼女を保護していてくれたというのならそこには感謝するし、相応の謝礼も出すつもりよ」
「ああ、そんなもんはいらんさ。その子は拾いもんだし、アタシも命を救われてる。代金に関してはそれで相殺と行こう。ただ――」
「は……」
アーデルハイトはその動きに、全く反応することができなかった。
ベアトリスが目にも止まらぬ早業で放り投げたロープは、まるで生き物のようにカナタの腕を取り、彼女の足元へと引きずり倒した。
そのままカナタの首筋に、カトラスを付きつける。
「カナタ!」
「うん。そうそう、これがいいね。最初はカナタを陸に届けようとも思ったんだが、やっぱり惜しい。お前さんはアタシ達と一緒に海賊になりな」
「このっ、海賊風情が……!」
「威勢がいいね、お嬢ちゃん。でもちょっとばかし甘かったねぇ」
「ベアトリスさん……。どうして……?」
「お生憎様、カナタ。海賊ってのは海の悪党なんだ。気分のままにやりたいことをやる。アタシは今、お前さんをクルーとして正式に迎えたくなった。それだけだよ」
二人は睨み合うが、状況はベアトリスが圧倒的に有利だった。
もし彼女がカナタを本気で殺すつもりなら、アーデルハイトが何か妙な素振りを見せた時点ですぐにその首を掻き切ることができる。
「さて。アタシの要求を伝えてもらうよ、魔法使いさん。この子を賭けて勝負しようじゃないか。そのヨハンさんってやらとね」
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる