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恨み晴らし屋 中編
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そして日曜。
聖菜は久しぶりに巫女姿で神社の境内にいた。
刀根神社祭りは歴史が古く、明治時代から続いている地域の祭事だ。
戦時中や戦後間もない頃には蔵から出した僅かばかりの食糧を人々に与えていっときの幸福にみんなが笑顔になったという。
しかし、それも昔の話。
今の刀祢神社は参拝客のお賽銭や地元有権者たちの寄付で何とかやり繰りしている貧乏神社である。
一人娘の聖菜が巫女姿で売店でお守りを売ったり、参拝客にチェキを売ったお金も貴重な生活費となるため、この日は聖菜もいつものつっけんどんな態度と違いアイドルなみの笑顔を振りまき売り上げに貢献する。
龍二も約束通り仕事の合間に来てくれて、あくまでも売り上げに貢献するという名目で聖菜のチェキを二枚買ってくれた。
龍二は十五分ほどしか居られなかったが、屋台の焼きそばといちご飴を堪能して仕事に戻って行った。
忙しく仕事をしていた聖菜は偶然にも神宮寺稀に呪いを依頼した女性の話を耳にする。
「神宮寺稀(しんぐうじまれ)様の呪いは本当に凄いのよ。私も最初は半信半疑だったけど、次の日会社に行ったら部長は当面長期休暇でたぶん復帰出来ないまま退職だろうって話を聞いてやったって心の中で叫んだわ」
「神宮寺。。」
それは聖菜にとっても聞き覚えのある名前であった。
「ねえ、その話詳しく聞かせてくれないかしら」
「何?巫女さんも興味あるの?」
「実は私もその神宮寺って人の噂を聞いていてね、恨みを晴らしたい奴がいるの」
「そうだったの。いいわ。教えてあげる」
〔こんな簡単に教えてくれるとは。。秘密主義とか情報漏洩の危機管理がないのかな〕
聖菜はその女性から神宮寺稀へ呪いを依頼する場所や依頼する時の様子などを詳しく聞いた。
「神宮寺稀。久しぶりにその名前を聞いたけど、やっぱり恨み晴らし屋なんてやっているんだ。。この前の龍さんの事件、もう少し詳しく聞いておくべきだったな」
聖菜がそう言っているのを聞いて那由多が話しかける。
「聖菜はその神宮寺って人を知っているの?」
「那由、私が中学生の頃一度会わせた事があったよね。覚えてる?佐々木和花」
「あ?あの子が」
聖菜と稀は同じ中学の同級生であった。
神宮寺稀は呪い屋としての名前で本名は佐々木和花(ささきのどか)。
中学時代の彼女はクラスでも大人しくて目立たない存在であった。
一方の聖菜は気味の悪い霊能者というレッテルを貼られてクラスでも敬遠される存在であった。
中学二年生になったある日、和花が自分と同じように教室で一人窓際席で外を眺めている聖菜に話しかけた。
普段大人しくて人に話しかける事が苦手な彼女にとっては勇気を振り絞っての行動であった。
「あ、あの。。」
「何かしら?」
「どうしていつも一人なんですか?」
「どうしてなんだろうね。あなたもいつも一人みたいだけど」
「私は友達もいないし、人と話すのが苦手だから」
「なら、私も一緒ね。私は気味悪がられているし、私と付き合うとあなたも呪われるかもよ」
「そうなんですか?呪いなんて本当にあるんですか?」
「ないとは言い切れないわね。証明するのは難しいけど」
「そうですか」
「用はそれだけ?あんまり私と話すとあなたも呪い屋みたいに言われるわよ」
「あ、あの。。友達になっていただけませんか?」
「へ?」
突然の和花の言葉に聖菜も声が裏返ってしまう。
「だ、ダメですか?」
今にも泣き出しそうな和花の顔を見て、聖菜はため息をつく。
「ダメじゃないけど、逆にあなたは私なんか友達でいいの?」
「は、はい!」
これが聖菜と後に神宮寺稀となる佐々木和花の出会いであった。
クラスメイトとはいえそれまで話した事すらなかったのだが、和花は一年生の時から聖菜を知っていて、同じクラスになってからもずっと話しかけたかったのだが、勇気が出なかった。
霊媒師で不思議な力があると言われて他の生徒たちから気味悪がられていたが、和花は聖菜が何故か気になる存在であった。
今日こそはとありったけの勇気を振り絞っての行動であった。
「聖菜さん」
「私を名前で呼んでいいなんて言ったからしか?」
「ご、ごめんなさい」
和花は慌てて頭を下げて謝る。
「そこまで謝らなくても。。まあいいわ。で、何か用事でも?」
「良かったら一緒にお昼食べようと思って」
「いいけど。私、お弁当は持って来てなくて、いつも構内販売のパンだから」
「あの。。私、お弁当作って来たんです。余計な事だったかも知れないけど。こんなので良ければ食べて頂けませんか」
「えっ?私に?」
聖菜はお昼に誘ってくれただけでなく、自分にお弁当を作ってくれたという事にも驚いた。
そしてお昼休み。
聖菜と和花は校舎の屋上に出て、お弁当を食べる事にした。
聖菜が和花の作ったお弁当箱の蓋を開けると、中身はご飯とだし巻き卵、ごぼうの肉巻きにブロッコリーの炒め物にプチトマト。
もう一つのお弁当箱にはサラダが入っていた。
「これ、あなたが?」
「朝五時起きして作ったんです。どうですか?」
だし巻き卵をひと口食べて聖菜は率直に感想を伝えた。
「うん、美味しい」
「本当ですか?」
「本当よ。料理が上手なのね。和花、ありがとう」
「初めて名前で呼んでくれた」
「そうだったっけ?」
そう言われればいつもあなたと呼んで名前で呼んだ事なかったっけなと聖菜は今頃気がついた。
しばらく談笑しながらお弁当を食べて、お昼休みも半分を過ぎた頃、和花が聖菜に質問をぶつけてみる。
「聖菜さんの家は代々続く霊媒師の家柄なんですよね。それって何が力や才能があれば出来るんですか」
「才能は必要ないわ。霊能力は必要ね。基本はその家に代々続く霊媒師としての遺伝子だと思う。私も特別何か修行したわけじゃなく、物心ついた時からこの力は持っていたから」
「そうなんですね。まったくの素人で出来るものではないんですよね」
「素人がやったら命を落とす事になるかも知れないわ。それくらい危険な事」
そう言って聖菜は和花に霊能力があるかを見てみる事にした。
「和花に霊能力があるかを確認してみるわ。これが見えるかしら?」
聖菜はそう言って那由多を呼び出す。
「聖菜、どうした?」
いきなり呼び出されて那由多は何事かと声をかけた。
「猫が人の言葉を話してる」
和花が驚くが那由多も驚いた。
「君、ボクの姿が見えるんだ」
那由多は式神である。
人間に変身した時を除けば普通の人には姿は見えない。
「那由多の姿が見えるって事は和花にも霊媒師としての力が備わっているって事よ」
「本当に?じゃあ私も聖菜さんみたいに悪霊と戦えるの?そんな事が本当に出来るなら、私も霊媒師になってみたい」
和花の意外な言葉に聖菜は驚きの表情で顔を見る。
「本気で言ってるの?」
「私は。。何で自分が生まれて来たのかわからないんです。何のために生まれて来て誰かの役に立てるのか。私は誰かの役になっているという証が欲しいんです。そのためなら多少危険な仕事でもやりたい」
「やめた方がいい。人の恨みは一つ一つは小さくても積もり積もれば巨大なエネルギーになる。いつか手に負えなくなるわ。それに私たちはまだ中学生。誰かの役に立つなんて年齢じゃない。そんな事はもっと大人の歳になって働いてからの事。今はそのための修行期間のようなものだと思えばいい」
「聖菜さんは誰かの役に立ちたいと思った事はないんですか?」
「私はそんな事考えた事もない。嫌われこそすれ感謝なんてされた事ないんだもの」
「それで寂しくないんですか?悔しくないんですか?」
「寂しがっていたら誰か慰めてくれるの?悔しがってたら誰か助けてくれるの?悲劇のヒロインを気取ったところで、差別と奇異の目で見る人たちは誰も何もしてくれないわ。結局は自分で何とかするしかない。世の中なんてそんなものよ」
「そうですか。。」
「私は代々続く家柄だからやっているけど、誰にも理解されないし感謝もされない。でも誰かがやらなければならない事なの。でもあなたは普通の人だし危険に身を置く事はない。やめておきなさい」
聖菜はその時はそれで終わった話しだと思っていた。
その後二人は高校を卒業するまでずっと友人として過ごした。
和花はその間に何度か聖菜の霊媒に立ち会った事もあった。
その都度、悪霊と戦う聖菜に強い憧れと自分もこんな風にになりたいという願望が強くなっていった。
高校卒業後、和花は聖菜と離れるという決意をしたが、その頃から持っていた力が開花し始めた。
青森県の恐山まで行って修行した和花は聖菜とは違う呪術師という道を選択した。
聖菜は久しぶりに巫女姿で神社の境内にいた。
刀根神社祭りは歴史が古く、明治時代から続いている地域の祭事だ。
戦時中や戦後間もない頃には蔵から出した僅かばかりの食糧を人々に与えていっときの幸福にみんなが笑顔になったという。
しかし、それも昔の話。
今の刀祢神社は参拝客のお賽銭や地元有権者たちの寄付で何とかやり繰りしている貧乏神社である。
一人娘の聖菜が巫女姿で売店でお守りを売ったり、参拝客にチェキを売ったお金も貴重な生活費となるため、この日は聖菜もいつものつっけんどんな態度と違いアイドルなみの笑顔を振りまき売り上げに貢献する。
龍二も約束通り仕事の合間に来てくれて、あくまでも売り上げに貢献するという名目で聖菜のチェキを二枚買ってくれた。
龍二は十五分ほどしか居られなかったが、屋台の焼きそばといちご飴を堪能して仕事に戻って行った。
忙しく仕事をしていた聖菜は偶然にも神宮寺稀に呪いを依頼した女性の話を耳にする。
「神宮寺稀(しんぐうじまれ)様の呪いは本当に凄いのよ。私も最初は半信半疑だったけど、次の日会社に行ったら部長は当面長期休暇でたぶん復帰出来ないまま退職だろうって話を聞いてやったって心の中で叫んだわ」
「神宮寺。。」
それは聖菜にとっても聞き覚えのある名前であった。
「ねえ、その話詳しく聞かせてくれないかしら」
「何?巫女さんも興味あるの?」
「実は私もその神宮寺って人の噂を聞いていてね、恨みを晴らしたい奴がいるの」
「そうだったの。いいわ。教えてあげる」
〔こんな簡単に教えてくれるとは。。秘密主義とか情報漏洩の危機管理がないのかな〕
聖菜はその女性から神宮寺稀へ呪いを依頼する場所や依頼する時の様子などを詳しく聞いた。
「神宮寺稀。久しぶりにその名前を聞いたけど、やっぱり恨み晴らし屋なんてやっているんだ。。この前の龍さんの事件、もう少し詳しく聞いておくべきだったな」
聖菜がそう言っているのを聞いて那由多が話しかける。
「聖菜はその神宮寺って人を知っているの?」
「那由、私が中学生の頃一度会わせた事があったよね。覚えてる?佐々木和花」
「あ?あの子が」
聖菜と稀は同じ中学の同級生であった。
神宮寺稀は呪い屋としての名前で本名は佐々木和花(ささきのどか)。
中学時代の彼女はクラスでも大人しくて目立たない存在であった。
一方の聖菜は気味の悪い霊能者というレッテルを貼られてクラスでも敬遠される存在であった。
中学二年生になったある日、和花が自分と同じように教室で一人窓際席で外を眺めている聖菜に話しかけた。
普段大人しくて人に話しかける事が苦手な彼女にとっては勇気を振り絞っての行動であった。
「あ、あの。。」
「何かしら?」
「どうしていつも一人なんですか?」
「どうしてなんだろうね。あなたもいつも一人みたいだけど」
「私は友達もいないし、人と話すのが苦手だから」
「なら、私も一緒ね。私は気味悪がられているし、私と付き合うとあなたも呪われるかもよ」
「そうなんですか?呪いなんて本当にあるんですか?」
「ないとは言い切れないわね。証明するのは難しいけど」
「そうですか」
「用はそれだけ?あんまり私と話すとあなたも呪い屋みたいに言われるわよ」
「あ、あの。。友達になっていただけませんか?」
「へ?」
突然の和花の言葉に聖菜も声が裏返ってしまう。
「だ、ダメですか?」
今にも泣き出しそうな和花の顔を見て、聖菜はため息をつく。
「ダメじゃないけど、逆にあなたは私なんか友達でいいの?」
「は、はい!」
これが聖菜と後に神宮寺稀となる佐々木和花の出会いであった。
クラスメイトとはいえそれまで話した事すらなかったのだが、和花は一年生の時から聖菜を知っていて、同じクラスになってからもずっと話しかけたかったのだが、勇気が出なかった。
霊媒師で不思議な力があると言われて他の生徒たちから気味悪がられていたが、和花は聖菜が何故か気になる存在であった。
今日こそはとありったけの勇気を振り絞っての行動であった。
「聖菜さん」
「私を名前で呼んでいいなんて言ったからしか?」
「ご、ごめんなさい」
和花は慌てて頭を下げて謝る。
「そこまで謝らなくても。。まあいいわ。で、何か用事でも?」
「良かったら一緒にお昼食べようと思って」
「いいけど。私、お弁当は持って来てなくて、いつも構内販売のパンだから」
「あの。。私、お弁当作って来たんです。余計な事だったかも知れないけど。こんなので良ければ食べて頂けませんか」
「えっ?私に?」
聖菜はお昼に誘ってくれただけでなく、自分にお弁当を作ってくれたという事にも驚いた。
そしてお昼休み。
聖菜と和花は校舎の屋上に出て、お弁当を食べる事にした。
聖菜が和花の作ったお弁当箱の蓋を開けると、中身はご飯とだし巻き卵、ごぼうの肉巻きにブロッコリーの炒め物にプチトマト。
もう一つのお弁当箱にはサラダが入っていた。
「これ、あなたが?」
「朝五時起きして作ったんです。どうですか?」
だし巻き卵をひと口食べて聖菜は率直に感想を伝えた。
「うん、美味しい」
「本当ですか?」
「本当よ。料理が上手なのね。和花、ありがとう」
「初めて名前で呼んでくれた」
「そうだったっけ?」
そう言われればいつもあなたと呼んで名前で呼んだ事なかったっけなと聖菜は今頃気がついた。
しばらく談笑しながらお弁当を食べて、お昼休みも半分を過ぎた頃、和花が聖菜に質問をぶつけてみる。
「聖菜さんの家は代々続く霊媒師の家柄なんですよね。それって何が力や才能があれば出来るんですか」
「才能は必要ないわ。霊能力は必要ね。基本はその家に代々続く霊媒師としての遺伝子だと思う。私も特別何か修行したわけじゃなく、物心ついた時からこの力は持っていたから」
「そうなんですね。まったくの素人で出来るものではないんですよね」
「素人がやったら命を落とす事になるかも知れないわ。それくらい危険な事」
そう言って聖菜は和花に霊能力があるかを見てみる事にした。
「和花に霊能力があるかを確認してみるわ。これが見えるかしら?」
聖菜はそう言って那由多を呼び出す。
「聖菜、どうした?」
いきなり呼び出されて那由多は何事かと声をかけた。
「猫が人の言葉を話してる」
和花が驚くが那由多も驚いた。
「君、ボクの姿が見えるんだ」
那由多は式神である。
人間に変身した時を除けば普通の人には姿は見えない。
「那由多の姿が見えるって事は和花にも霊媒師としての力が備わっているって事よ」
「本当に?じゃあ私も聖菜さんみたいに悪霊と戦えるの?そんな事が本当に出来るなら、私も霊媒師になってみたい」
和花の意外な言葉に聖菜は驚きの表情で顔を見る。
「本気で言ってるの?」
「私は。。何で自分が生まれて来たのかわからないんです。何のために生まれて来て誰かの役に立てるのか。私は誰かの役になっているという証が欲しいんです。そのためなら多少危険な仕事でもやりたい」
「やめた方がいい。人の恨みは一つ一つは小さくても積もり積もれば巨大なエネルギーになる。いつか手に負えなくなるわ。それに私たちはまだ中学生。誰かの役に立つなんて年齢じゃない。そんな事はもっと大人の歳になって働いてからの事。今はそのための修行期間のようなものだと思えばいい」
「聖菜さんは誰かの役に立ちたいと思った事はないんですか?」
「私はそんな事考えた事もない。嫌われこそすれ感謝なんてされた事ないんだもの」
「それで寂しくないんですか?悔しくないんですか?」
「寂しがっていたら誰か慰めてくれるの?悔しがってたら誰か助けてくれるの?悲劇のヒロインを気取ったところで、差別と奇異の目で見る人たちは誰も何もしてくれないわ。結局は自分で何とかするしかない。世の中なんてそんなものよ」
「そうですか。。」
「私は代々続く家柄だからやっているけど、誰にも理解されないし感謝もされない。でも誰かがやらなければならない事なの。でもあなたは普通の人だし危険に身を置く事はない。やめておきなさい」
聖菜はその時はそれで終わった話しだと思っていた。
その後二人は高校を卒業するまでずっと友人として過ごした。
和花はその間に何度か聖菜の霊媒に立ち会った事もあった。
その都度、悪霊と戦う聖菜に強い憧れと自分もこんな風にになりたいという願望が強くなっていった。
高校卒業後、和花は聖菜と離れるという決意をしたが、その頃から持っていた力が開花し始めた。
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