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キスして⑥
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唇が重なる。
「もうキスできる」
「うん」
「敦弥もキスして?」
「……」
どきどきしながらキスをすると、ぎゅうっと抱きしめられた。優しい体温が心地よい。
キスをもらって、キスをして。繰り返し唇を重ねる。
「唇腫れそう」
「キスのしすぎで?」
楓磨がくすくす笑う。その表情が今までに見たことがないくらい幸せそうで、心が満たされる。
乱れて皺だらけのシーツの上で楓磨と戯れる。抱きしめ合ってキスをして、額を合わせて脚を絡めて。
「ねえ楓磨、キスして?」
こんなに幸せなのに、キスをやめるなんてできない。
髪を撫でられ、甘い口づけにぽうっとなる。
「……」
「なに?」
「ううん。これからも女子にいい顔するのかなって思って」
これは嫉妬だ。それ以外のなにものでもない。そんなことにもやもやしてしまう自分に唇を尖らせる。
「しない。敦弥が嫌がることはしない」
楓磨はこういうやつではなかった。彼女がいようが女子に話しかけられたら困惑しながらもきちんと対応していたし、彼女はそれが決まりごとかのようにみんな揃って束縛しなかった。
そんな楓磨がこう言ってくれている。
「……ごめん」
「なんで?」
「楓磨がみんなに嫌な顔されるのは俺が苦しいから、今までどおりでいいよ」
嫉妬はしてしまうが、それは言わないでおこう。
でも楓磨は俺の考えなどお見とおしという表情で口元を緩ませる。
「敦弥がいればいいから、大丈夫」
そういうことを言われたら、俺が大丈夫ではなくなる。心臓がうるさいくらい拍動してしまう。
好きだと伝えたいのに胸がいっぱいで言葉が詰まる。
「敦弥?」
「っ……」
ただそうしたくて、ぎゅうっと抱きつく。楓磨の首元に頬をすり寄せて優しいにおいを吸い込む。
「敦弥は可愛いな」
「……うるさい」
「ほんと可愛い」
好き、好き、好き。気持ちが溢れて止まらない。
顔をあげてねだるように楓磨の澄んだ瞳を覗き込む。
「ねえ、キスして」
ずっとキスして。俺だけに。
おわり
「もうキスできる」
「うん」
「敦弥もキスして?」
「……」
どきどきしながらキスをすると、ぎゅうっと抱きしめられた。優しい体温が心地よい。
キスをもらって、キスをして。繰り返し唇を重ねる。
「唇腫れそう」
「キスのしすぎで?」
楓磨がくすくす笑う。その表情が今までに見たことがないくらい幸せそうで、心が満たされる。
乱れて皺だらけのシーツの上で楓磨と戯れる。抱きしめ合ってキスをして、額を合わせて脚を絡めて。
「ねえ楓磨、キスして?」
こんなに幸せなのに、キスをやめるなんてできない。
髪を撫でられ、甘い口づけにぽうっとなる。
「……」
「なに?」
「ううん。これからも女子にいい顔するのかなって思って」
これは嫉妬だ。それ以外のなにものでもない。そんなことにもやもやしてしまう自分に唇を尖らせる。
「しない。敦弥が嫌がることはしない」
楓磨はこういうやつではなかった。彼女がいようが女子に話しかけられたら困惑しながらもきちんと対応していたし、彼女はそれが決まりごとかのようにみんな揃って束縛しなかった。
そんな楓磨がこう言ってくれている。
「……ごめん」
「なんで?」
「楓磨がみんなに嫌な顔されるのは俺が苦しいから、今までどおりでいいよ」
嫉妬はしてしまうが、それは言わないでおこう。
でも楓磨は俺の考えなどお見とおしという表情で口元を緩ませる。
「敦弥がいればいいから、大丈夫」
そういうことを言われたら、俺が大丈夫ではなくなる。心臓がうるさいくらい拍動してしまう。
好きだと伝えたいのに胸がいっぱいで言葉が詰まる。
「敦弥?」
「っ……」
ただそうしたくて、ぎゅうっと抱きつく。楓磨の首元に頬をすり寄せて優しいにおいを吸い込む。
「敦弥は可愛いな」
「……うるさい」
「ほんと可愛い」
好き、好き、好き。気持ちが溢れて止まらない。
顔をあげてねだるように楓磨の澄んだ瞳を覗き込む。
「ねえ、キスして」
ずっとキスして。俺だけに。
おわり
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