おかえり

すずかけあおい

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おかえり⑦

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◇◆◇◆◇

「っ、ん…あっ!!」

千紘が何度目かわからない限界に身体を震わせる。
きつい締め付けに俺も千紘に包まれて達する。
そのまま千紘を抱き締めて目を閉じる。

千紘はほんと、変な男。

俺より年上のくせに頼りなくて、買い物は下手だし、千切り頼めば短冊切りが出来上がるし。
髪洗ったあとは面倒くさいってドライヤーをかけずにうろうろしてるし…風邪ひいたらどうすんだ。
俺が髪を乾かしてやったら気持ちよかったのか、うとうとしてたのは可愛かった。

明らかに不審者な俺みたいなのを簡単に受け入れてずっと部屋に置いてくれるお人よし。
警戒心が足りなさ過ぎる。
これでひとりで今までよく生きてこられたなって本気で思う。

初キスも処女も、よく知らない俺に簡単にあげちゃうし…いや、奪った俺も悪いんだけど、でもあんな、ひどい嫌がり方もせずにさらっと受け入れられたら初めてなんて思わないだろ。
いくら相手が推しだからってなんでも許すな。
変なやつに簡単に頭から食われるぞ。
ほんと、あぶなっかしい。

「……」

寝落ちた千紘を抱き締める。
こんな気持ち、初めてだ。

寝ている間にまた魔法使いが現れて俺をどこかに消してしまっても千紘を連れて行けるように、千紘が魔法使いに消されてしまわないように、絶対に俺の腕の中から逃げないように抱き締めていても怖くて堪らない。

「千紘…」

朝起きて千紘の寝顔があると心底ほっとする。
俺はこんなに怖がりだっただろうか。

「…千紘」

今のままでいいなんて思っていないけれど、今のままでいたい。
離したくない。
離れたくない。

そっと千紘の左手を取り、手首の傷痕にキスをした。
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