《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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一章 契約と回帰

十三話

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魔力を見るための訓練を開始してから――三日。

ソラは何度繰り返しても、魔力の流れを“視る”ことができずにいた。

クロは言った。

『魔力を見る訓練ができるようになるまでは、筋トレも走り込みも禁止だ』

それ以外の訓練は一切できない。

「強くなりたいのに……なんでだよ……」

どれだけ理由を聞いても、クロははぐらかすだけだった。

『必要だからだ。今は言えん』

そればかり。

ソラの心は焦りでギリギリに張りつめていた。
そして迎えた四日目。

夕方、訓練場の端でソラは目を凝らしていた。

白い霧……魔力……丹田……
見ろ、見ろ、見ろ……!

息を止めるほど集中したその瞬間だった。

――ふ、と。

周囲の人間の丹田から、白い湯気のようなものが浮かぶのが見えた。

「……っ! 見えた! クロ、見えた!!」

バッグの中からクロが顔を出し、満足げに頷く。

『よくやったソラ。そのまま維持しろ。できるだけ長く』

「わかった!」

だが――

魔力の霧は、視界に現れてからわずか三秒で消えかけ、

五秒たつ頃には完全に見えなくなっていた。

「くそ……! もう一回!」

そのあとも何度も挑戦したが、五秒を超えることは一度もなかった。

維持はできない。
集中が切れる。
視界が曇る。

焦るソラとは裏腹に、クロは静かに言う。

『今日はここまでだ。焦るな、ソラ』

「焦るよ……こんなんじゃいつまで経っても強くなれない」

返事はなかった。

ソラの焦燥は、四日目の夜も晴れないままだった。
翌日、五日目。

授業を受けていても、ソラの心は重かった。

(なんでクロはこんな訓練だけさせるんだ……
 なんで筋トレも走り込みも禁止なんだ……
 これ、本当に意味があるのか?)

魔力視認の理由を聞いても、クロは何も教えてくれない。

『いずれわかる』
『今はやれ』
『必要だからだ』

そればかり。

(……わからない、全然)

考えても考えても答えは出ず、頭は煮詰まるばかりだった。

そして昼休み。

食堂へ向かう途中、ふいに柔らかな声が聞こえた。

「ソラさん?」

銀髪の少女――ユナだった。

「あ、ユナ……」

「これからお昼ですか? よければ一緒にどうです?」

ユナの声は落ち着いていたが、その瞳はどこか心配そうだった。

ソラは断る理由もなく、二人で食堂へ向かう。

食堂のテーブルにつき、ユナは食事を並べながら微笑んだ。

「入学してもう一週間以上経ちますが、すごく濃かったですね。
 知ることも多くて……わたし、毎日驚いてばかりなんです」

「うん……そうだね」

ソラは相槌は打つものの、どこか精彩を欠いていた。

ユナはスプーンを置き、小さく首をかしげる。

「ソラさん……最近、元気がないように見えます。
 何か悩み事……ありますか?」

ソラは思わず息を飲んだ。

(……魔力のことやクロのことは言えない。
 でも……)

少しだけ、胸の奥につかえていたものを吐き出したくなった。

「……実はさ、今……難しい課題を出されてるんだ」

ユナは目を瞬かせ、静かに耳を傾ける。

「その課題が……ぜんっぜん上手くいかなくて。
 毎日挑戦してるのに結果が出なくて……
 焦ってばかりでさ」

「課題……?」

ユナは少し目を瞑った後、ゆっくり目を開いてソラを見つめて話出す。

「その課題を与えた人って――どうしてソラくんにその課題を出したんだろう?」

「……理由?」

「そう。なんでその課題なのか。
 その人がソラくんに“何を望んでいるのか”。
 それを考えてみるのが、いいんじゃないかな」

ユナの声は落ち着いていて、少しだけ優しい。

「答えがすぐ出なくてもね。
 一度立ち止まって、自分なりの答えを探してみると……
 案外、見えなかったものが見えてくると思うよ」

ソラは息を呑む。

胸に刺さった。

(なんで……クロは俺に、魔力を見る事だけをやらせてる?
 なんで走り込みも筋トレも禁止なんだ?
 あいつが求めてる“何か”って……なんなんだ?)

ユナは静かに微笑む。

「大丈夫だよ。ソラくんならできるって、わたしは思うよ」

ソラの胸の中に、少しだけ温かいものが灯った。

「……ありがとう、ユナ」

「うん」

銀髪が小さく揺れた。

その優しい笑顔を見ながら、ソラは心の中で決意する。

(……もう一度だけ、しっかり考えてみるか。
 クロが俺に何を求めてるのか。
 “魔力を見る”って、ただの視覚の問題じゃないのかもしれない……)

昼休みの喧騒の中で、ソラは静かに箸を進めた。

ユナの言葉が、胸の奥でずっと響いていた。
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