《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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一章 契約と回帰

十五話

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学校が終わるチャイムが鳴ると同時に、ソラは席から立ち上がった。
ユナとの会話がまだ胸の奥でじんわり温かく残っている。あの言葉――

「立ち止まって、考えてみるのも大切ですよ」

その優しい声が、何度も脳裏に反響していた。

「……クロの目的、か」

担がれたバッグの中で小さく身じろぎした気配がする。

『なんだ、また難しい顔をして。訓練場へ向かうぞ、ソラ』

「ああ。今日こそ前に進める気がするんだ」

学校の敷地を出て、夕方の風を胸いっぱいに吸った。
空は濃い橙色に染まり、日差しはまだほんのりと暖かい。

一日中抱えていた考えが、ようやく形になりそうな予感がしていた。
ギルドの訓練場に到着すると、木剣のぶつかりあう音や、掛け声が遠くから聞こえてくる。
今日も多くのシーカーたちが鍛錬に励んでいた。

ソラはクロの指示通り、誰も寄ってこない訓練場の端へ移動し、膝をつく。

『今日も目的はひとつ。魔力を見ることを維持する。その一点だ』

「うん。わかってる」

『焦るなよ。よく集中して息を整えてから始めろ』

ソラは胸の前で深呼吸する。
吸って、吐いて。何度も。

そして――目を閉じ、丹田へ意識を落とす。

暗闇の中、自分の中心にある“温かいもの”へと意識を向ける。
まるで静かな湖の底に沈む光の玉に触れようとするような感覚。

徐々にそれが輪郭を持ち始める。

……感じられる。

(……よし、魔力は掴めた……)

ここまでは、もう慣れた。問題はここから。

意識を丹田から両目へ――。

頭の中でそう念じても、魔力はふわっと浮かんで……すぐに霧散した。

「あ……また逃げた……」

失敗、また失敗。

けれど今日のソラは、昨日までとは違う。

昨日のように闇雲な集中ではなく、考えた末に“仮説を持って”臨んでいる。

――魔力は“霧”ではなく“水”のように流れるもの。

その考えが、ふいに胸の奥で形を作り始めた。

「よし……魔力は水……流れる……流れは丹田から、目へ伸びている……」

丹田から首、後頭部、そして両眼へと繋がる一本の透明な水路を想像する。

そのイメージに魔力を乗せる――。

ぐ、ぐぐ……と、何かが動き出す感覚がした。

(……来た……!)

ほんの少し。ほんのわずか。
しかし確かに、魔力が“目の方向へ”押し上げられている。

これだ……!

だが――

ほんの一瞬、胸の奥で喜びが弾けたその途端。

スッ……と魔力の流れは消えた。

「あっ……!」

『今、気が緩んだろう』

「……うん……」

くやしい。

けれど、昨日までとは比べ物にならない“手ごたえ”があった。

その手ごたえにソラの心は火をつけられた。

「よし、もう一度!」

『急ぐな。呼吸を整えてからだ』

何度も、何度も。

魔力を感じる → 目へ集めようとする → 散る。

でも、たしかに前よりも魔力の“動き”は明確で、失敗の理由も分かる。

焦りすぎた。
喜びが先走った。
意識が一点から外れた。

そんな小さな乱れで魔力は霧散する。

(難しすぎる……けど――)

夕方の訓練場は次第に静まり、訓練していたシーカーたちが帰路につく。

空の色は橙から紺色へ。
影は長く伸び、気温はゆっくりと下がっていく。

――しかし、ソラは諦めなかった。

「……もう少し……あと少し……!」

魔力を水だと思う。
丹田から伸びる水流。
それが視界へ流れ込むイメージを強く、強く、塗り固める。

何度失敗しても、ソラの心は折れなかった。

訓練場には、ほとんど誰もいなくなった。

数人のシーカーが遠くで後片付けをしているだけ。
空は深い紺で満たされ、夜の気配が降りてくる。

ソラは足を組んだまま、最後の挑戦に入った。

「……行く……!」

丹田を掴む。
そこから目へ――水が流れ込む。
その道を“意識”で押し広げるように。

押し上げて、押し上げて、押し上げて――

ぐっ……!

何かが“通る”感覚があった。

視界が……揺れた。

霞がかるような光。
にじむ白い気配。

そして――

次の瞬間。

ソラの視界に、遠くで鍛錬しているシーカーの丹田から、
ゆらりと白く輝く“魔力の霧”が立ち上るのが見えた。

「っ……! 見え……見えた……!!」

その声は震えていた。

『――維持しろ。そのまま、維持するんだ!』

クロがすぐさま叫ぶ。

「くっ……!」

視界が揺れる。
意識が飛びそうになる。

維持しろ。
維持しろ。
維持しろ……!

ソラは歯を食いしばり、見える景色にしがみつく。

――1秒。
――2秒。
――3秒。
――4秒。
――5秒……。

「……っ!」


視界には5秒以上経っても魔力の流れが見えており自分が魔力への意識を途絶えなければまだ続けられそうである。

ソラは荒い呼吸をしながらも、確かに笑っていた。

「……見えた……! 五秒……いやまだ続けられる……!」

『よくやったな、ソラ。大きな一歩だ。』

クロは珍しく、声に柔らかな温度を宿していた。

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