《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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一章 契約と回帰

三十二話

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休みが明け、ついにダンジョン実習当日の朝がやってきた。
薄い霧が漂う朝の道を、ソラは胸を押さえながら歩く。今日の集合場所は学校ではなく、郊外にあるFランクダンジョンの入口だ。

実習は現地集合・現地解散。
つまり、生徒たちは現地で各自パーティを組み、自分たちの責任でダンジョン入りすることになる。
つまり誰ともパーティを組めなければ1人でダンジョンに行かなければならない。Fランクダンジョンで命の危険が余程のことがなければないとは言え学生1人でダンジョンに挑むのは推奨されていない。

(……誰も、組んでくれなかったらどうしよう……)

人波の中で誰かと楽しそうに集まっているグループを見るたび、胸がぎゅっと縮む気がした。

ボッケたちとは仲良くしている。
食堂でもよく一緒に食べてくれたし、練習でも励ましてくれた。
でも――

(俺、雷魔法は秘密にしてるからアイテムボックスしか見せられるスキルがない……
 みんな、戦う力を求めるのが普通だよな……)

心臓がどくん、どくん、とやけに大きな音を立てる。
もしかしたら周りに聞こえているんじゃないかと思うほどだ。

ダンジョン前にはすでに多くの生徒が集まっていた。
緊張と期待の入り混じったざわめきが辺りを包む。

その中で、ソラが少し胃を押さえたところで――

「おーい、ソラ!」

聞き慣れた、がらっぱちの声が響いた。
振り向けば、ボッケが腕をぶんぶん振りながら近づいてくる。
その後ろにはリン、ファラ、マルコの姿もあった。四人とも既に揃って談笑しているようだった。

ソラは少しぎこちない笑顔を作り、

「お、おはよう……みんな」

と言う。
四人もそれぞれの調子で「おはよう」と返してくれる。

ソラは周囲の目線を一瞬気にしてから、勇気を振り絞って口を開いた。

「あ、あのさ……。
 みんなは、もうパーティ組んでるの?
 俺……アイテムボックスしかスキルがないし……戦闘では役に立てないかもしれないけど……
 もしよかったら、その……俺も、入れてほしいな……なんてね!」

笑顔がぎこちなく固まり、目線が少し泳ぐ。

一瞬、沈黙。

だが次の瞬間――

「ぶはっ……!」

ボッケが腹を抱えて笑い出し、
つられるようにマルコとファラも大爆笑し始めた。

「ソラ、お前がそんな女々しいことを言うなんて思わなかったぞ」
ボッケは腕を組み、首を左右に振る。

マルコは胸に手を当てて芝居がかった動きをし、
「ソラ君! 僕たちはね、役に立つだの立たないだの、そんなもので仲間を選ぶほど薄情じゃないぞ!」
とキザなポーズを決めた。

ファラは目をまん丸にして、ほっぺをぷくっとふくらませ、
「そら! そんな悲しいこと言うの、ファラはぷんぷんですー! 角生えちゃいますー!」
と頭に指を立てて角ジェスチャー。

そして最後に、リンが一歩前に出る。

前髪を下ろしてるため見えにくいが頬を少し赤くしながら、でも真剣な表情で言った。

「みんな、ソラくんと一緒にパーティ組みたいと思ってたんですよ……?
 だから……もしよかったら。
 ――私たちと、一緒に行ってください!」

ソラの胸に、ぎゅっと熱いものが込み上げた。

(……俺、なんてことを。
 この四人を……信じられなかった……)

少しだけ下を向き、深く息を吸ってから顔を上げる。

「……こちらこそ、よろしくお願いします!
 一緒に、頑張ろう!」

その言葉に、四人は同時に笑顔になった。

「よっしゃ、決まりだな!」
「ふふっ、よろしくね、ソラ君」
「ファラ、そらとがんばるまーす!」
「さぁ、冒険の始まりだ!」

賑やかな声がソラの胸の不安をすべて吹き飛ばしていく。

こうして、ソラの初めての“仲間とのダンジョン挑戦”が始まったのだった。
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