《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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二章 黒曜麒麟

五十八話

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ソラは十体目の吸血コウモリを斬り落とし、ダンジョン内の奥に残っていた微かな羽音が完全に消えたのを確認してから、ゆっくりと息を吐いた。

「……終わりだな」

鉄剣を下ろすと、剣身にまとっていた淡い雷光がぱちりと弾けて消える。
胸の奥に残る魔力の流れはまだ整っていて、息切れもほとんどない。

ダンジョンを出ると、外の空気がひんやりと肌を撫でた。
以前ここで魔石を集めた時は、たった数体倒しただけで脚が重くなり、腕も震えていたはずだ。なのに今は、確かな疲労はあるものの、まだ動ける余裕がある。

「……本当に、全然違うな」

自分でも驚くほどだった。
訓練場での魔力操作、筋力トレーニング、走り込み。地味で派手さのない積み重ねが、確実に自分の身体を変えている。

だが――
ソラの口元は、自然と緩んでいた。

「それより……」

ソラは手のひらを見つめる。
先ほどまで鉄剣に纏わせていた雷の感覚を思い出す。魔力を流し、形を与え、武器と一体化させる感触。意識すれば、今でも指先に微かな痺れが蘇る。

『……浮かれているな』

肩掛け鞄の中から、クロの声が聞こえた。

「わかってる。でもさ……」

ソラは苦笑しながら答える。

「雷を“纏う”って、正直めちゃくちゃかっこよくないか?」

『そこか』

クロは呆れたように息をつく。

『だが、浮かれるだけの理由はある。雷魔法レベル2は、単なる威力の上昇じゃない。応用が一気に広がる段階だ』

「エンチャントとスタンピート、か」

『そうだ。特にスタンピートは出が早く、当てれば相手の動きを一瞬止められる。致命打を作るための魔法だ』

ソラは頷く。
実際、吸血コウモリを相手にしてその強さをはっきり実感した。スタンピートを当て、動きが止まった瞬間に踏み込み、確実に仕留める。以前なら無駄な動きが多く消耗も激しかったはずだ。

「……ちゃんと、強くなってるんだな」

『ああ。お前自身の努力の結果だ』

クロの声は淡々としていたが、どこか誇らしげにも聞こえた。

『だが、慢心はするな。雷魔法は扱いを誤れば自分の身体を壊す。特にエンチャントは、長時間使えば神経に負担がかかる』

「了解。使いどころは考えるよ」

ソラは鞄を背負い直し、ダンジョンの入口から離れていく。
夕暮れの光が、地面をオレンジ色に染めていた。

胸の奥には、確かな手応えと、抑えきれない高揚が同時にある。
だがそれ以上に、ソラの心を満たしていたのは――

(もっと先に行ける)

という、静かな確信だった。
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