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二章 黒曜麒麟
七十七話
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シーマンを倒し終えたソラたちは、すぐに周囲へと視線を巡らせた。
すでに、他の二組の戦闘も決着がついている。
カイトたちの前に倒れているシーマンは、胸元をバツ印のように深く切り裂かれていた。
鋭く、迷いのない太刀筋――カイトの攻撃だろう。
ソラがそう推測するのに、時間はかからなかった。
一方、ユナのパーティとハーデン先生が相手にしていたシーマンは、まったく違う最期を迎えていた。
全身が分厚い氷に覆われ、動き一つない完全な氷漬けだ。
(……すごいな)
ソラは思わず、心の中で呟く。
ハーデン先生が本気を出せば、これほどのことができるのか。元Bランクシーカーという肩書きは伊達ではないと思う。
それから、ソラは自分の手に握られた剣へと視線を落とした。
カジトが打ってくれた、新しい鉄剣。
握り込むと、驚くほどしっくりくる。
今日が実戦で使うのは初めてのはずなのに、まるでずっと前から扱っていたかのような感覚があった。
柄の太さ、長さ、重心。
すべてがソラの体に合わせて、ミリ単位で調整されているのが分かる。戦闘中でも決して滑らない工夫も、シーマンと戦っていて自然と実感できた。
切れ味も、以前とは比べ物にならない。
もし前の鉄剣だったなら、シーマンの硬い皮膚をここまで容易く斬り裂くことはできなかっただろう。
ソラは剣を静かに見つめながら、胸の奥で噛みしめる。
(……ありがとう、カジト)
この剣は、間違いなく自分の最高の相棒だ。
そう確信しながら、ソラは次の戦いに備えて剣を鞘に戻す。
三体のシーマンを討ち終え、周囲に追撃の気配がないことを確認すると、ハーデンが皆の前に立った。
一人ひとりの顔をケガや不調はないかゆっくりと見渡し、静かだがはっきりとした声で告げる。
「皆さん、よくやりました。ただし――この先は、更に険しい戦いが続くでしょう。
無茶をした自覚がある者、あるいは不調を感じている者は今ここで申し出てください」
一瞬、空気が張りつめる。
だが誰一人として手を挙げなかった。
多少の疲労はあっても、一部を除きほぼ全員が同じ思いを胸に秘めている。
――ユナのために、ここで立ち止まるわけにはいかない。
その決意を感じ取ったハーデンは、小さく頷く。
「……分かりました。では、このまま先へ進みます。
その前に――シーマンたちの魔石を回収しましょう」
たとえ通常の魔物であっても、ここはBランクダンジョン。
魔石は決して安価ではなく生活でも使われる必需品、今後の資金や素材としても重要だ。
ソラたちはそれぞれシーマンの亡骸に近づき、胸元を裂いて魔石を取り出す。
中から現れたのは、手のひらに収まるほどの魔石だった。
以前、ショーイチローからご褒美と貰った魔石に比べれば小ぶりだが、
透き通るような深い青色は、まるで磨き上げられた宝石のように美しい。
ソラはその輝きを手の中で確かめながら、
この先に待つ戦いの重さを、改めて実感していた。
すでに、他の二組の戦闘も決着がついている。
カイトたちの前に倒れているシーマンは、胸元をバツ印のように深く切り裂かれていた。
鋭く、迷いのない太刀筋――カイトの攻撃だろう。
ソラがそう推測するのに、時間はかからなかった。
一方、ユナのパーティとハーデン先生が相手にしていたシーマンは、まったく違う最期を迎えていた。
全身が分厚い氷に覆われ、動き一つない完全な氷漬けだ。
(……すごいな)
ソラは思わず、心の中で呟く。
ハーデン先生が本気を出せば、これほどのことができるのか。元Bランクシーカーという肩書きは伊達ではないと思う。
それから、ソラは自分の手に握られた剣へと視線を落とした。
カジトが打ってくれた、新しい鉄剣。
握り込むと、驚くほどしっくりくる。
今日が実戦で使うのは初めてのはずなのに、まるでずっと前から扱っていたかのような感覚があった。
柄の太さ、長さ、重心。
すべてがソラの体に合わせて、ミリ単位で調整されているのが分かる。戦闘中でも決して滑らない工夫も、シーマンと戦っていて自然と実感できた。
切れ味も、以前とは比べ物にならない。
もし前の鉄剣だったなら、シーマンの硬い皮膚をここまで容易く斬り裂くことはできなかっただろう。
ソラは剣を静かに見つめながら、胸の奥で噛みしめる。
(……ありがとう、カジト)
この剣は、間違いなく自分の最高の相棒だ。
そう確信しながら、ソラは次の戦いに備えて剣を鞘に戻す。
三体のシーマンを討ち終え、周囲に追撃の気配がないことを確認すると、ハーデンが皆の前に立った。
一人ひとりの顔をケガや不調はないかゆっくりと見渡し、静かだがはっきりとした声で告げる。
「皆さん、よくやりました。ただし――この先は、更に険しい戦いが続くでしょう。
無茶をした自覚がある者、あるいは不調を感じている者は今ここで申し出てください」
一瞬、空気が張りつめる。
だが誰一人として手を挙げなかった。
多少の疲労はあっても、一部を除きほぼ全員が同じ思いを胸に秘めている。
――ユナのために、ここで立ち止まるわけにはいかない。
その決意を感じ取ったハーデンは、小さく頷く。
「……分かりました。では、このまま先へ進みます。
その前に――シーマンたちの魔石を回収しましょう」
たとえ通常の魔物であっても、ここはBランクダンジョン。
魔石は決して安価ではなく生活でも使われる必需品、今後の資金や素材としても重要だ。
ソラたちはそれぞれシーマンの亡骸に近づき、胸元を裂いて魔石を取り出す。
中から現れたのは、手のひらに収まるほどの魔石だった。
以前、ショーイチローからご褒美と貰った魔石に比べれば小ぶりだが、
透き通るような深い青色は、まるで磨き上げられた宝石のように美しい。
ソラはその輝きを手の中で確かめながら、
この先に待つ戦いの重さを、改めて実感していた。
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