《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう

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二章 黒曜麒麟

八十六話

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ハーデンがガリオンと酒場で交渉をしていた、その夜。

カイトは密かに、自分のパーティメンバーを部屋へと集めていた。

夕食の席で、周囲に聞こえないようカイトはメンバー達に話しかけた。

――食事が終わったら、俺の部屋に来てくれ。

メンバー達からなんでかと聞かれたが、カイトは理由を一切話さなかった。

指定された時間、部屋に集まったメンバーの一人が、堪えきれずに口を開く。

「なあカイト。
いい加減、教えてくれよ。なんで俺たちだけを呼んだんだ?」

少し苛立った声音だった。

「夕食が終わったら話す、の一点張りでさ。
正直ダンジョンでくたくたで早く寝たいんだ」

他のメンバーも何も言わないが、同じ気持ちなのは顔を見れば分かる。

疲労が色濃く残る中、無意味な集まりで終わるなら不満が出るのも当然だった。

カイトはそんな空気を感じ取ると、肩をすくめて笑う。

「まぁまぁ、落ち着けって」

軽い口調で場をなだめてから、真剣な目で仲間たちを見渡した。

「なあ、お前たち。
今日、Bランクダンジョンに入ってみてどう思った?」

唐突な問いに、全員が一瞬言葉を失う。

「正直に答えてくれ。
案外、俺たちだけでも戦えると思わなかったか?」

メンバー同士で視線が交わされる。

確かに、油断はできなかった。
危険な場面も、命の危機を感じた瞬間もあった。

だが――。

「……確かに思ったな」

一人がぽつりと認める。

「想像より、ずっと戦えてた」

「無理だって感じは、しなかった」

カイトは、その反応を予想していたかのように、口元を歪める。

「だろ?」

一拍置いて、はっきりと言った。

「俺は思ったんだ」

視線に力が宿る。

「――俺たちだけで、セイカイダンジョンをクリアできるんじゃないか、って」

その言葉に、部屋の空気が一気に変わった。

「……は?」

「本気かよ、それ」

驚きと戸惑いが入り混じった視線が、カイトに集中する。

カイトは、その反応を楽しむかのように、静かに笑っていた。

「本気だ」

低く、だが力強い声だった。

「いいか、お前たち。
俺たちが通っているシーカー学校で、学生のうちにBランクダンジョンをクリアした奴は、今まで一人もいない」

メンバーの視線が集まる。

「だがな、それは実力が足りなかったからじゃない。
危険だと判断して誰も挑まなかっただけだ。俺はそう思ってる」

カイトは拳を握りしめ、言葉を続ける。

「現に俺たちはどうだ?
人数が多いとはいえ、Bランクダンジョンに入り、ボスのいる階層まで一人も欠けることなく辿り着いた」

部屋に静寂が落ちる。

「これは運や奇跡なんかじゃない。
俺たちが“通用している”からだ。
Bランクダンジョンで戦える力があるから、当然の結果なんだ」

カイトの声が熱を帯びる。

「このまま行けば、俺たちは必ず黒曜麒麟の角を手に入れられる!」

その断言に、メンバーは思わず息を呑む。

誰も口を挟まず、ただカイトの言葉に耳を傾けていた。

しかし、カイトはそこで一度言葉を切る。

「……だがな」

静かに、問いを投げかける。

「それで、いいのか?」

メンバーの表情が揺れる。

「ただ角を手に入れるだけで、本当に満足か?
このまま“あいつらと一緒”に戦っていたら、周りはこう見るだろう」

カイトは指を立てる。

「――Bランクダンジョンで戦った学生たちのひとりってな」

「確かに凄いさ。
でも、それで終わっていいのか?」

部屋の空気が張り詰める。

誰かが唾を飲み込み、恐る恐る口を開いた。

「……じゃあ、どうするんだよ?」

その言葉を聞いた瞬間、カイトは待ってましたと言わんばかりにニヤリと笑った。

少しの間を置いて、はっきりと言い切る。

「――俺たちだけで、黒曜麒麟を倒す」

その一言が、部屋に重く響いた。

「シーマンでもビッグシェルでも一体ずつなら相手じゃない」

カイトは落ち着いた声で、しかし確信を込めて言い切った。

「相手がボスだろうと同じだ。
俺たちが冷静に、連携して戦えば――必ず勝てる」

その言葉に、迷いはなかった。

「俺は、そう確信している」

カイトはゆっくりと視線を巡らせ、静かに語りかける。

「想像してみろ。俺たちの将来を」

誰も口を挟まない。

「学生の身でBランクダンジョンを制覇する。
そんな前例のない実績を引っ提げて、俺たちはその先の舞台へ進む」

言葉が、甘く、魅力的に響く。

「名は広まり、仕事は選び放題。
報酬は跳ね上がり、地位も、信用も、すべて手に入る」

パーティメンバーは、知らず知らずのうちにその未来を思い描いていた。

――倒せない相手じゃない。
――自分たちなら、やれる。

一人、また一人と、心の中で同じ結論に辿り着く。

栄光の道。
有り余る名声、唸るほどの金、揺るがぬ地位。

胸が高鳴り、鼓動が速くなる。

しかし――

「……だが」

カイトはそこで言葉を切り、現実を突きつける。

「ボスはどうにかなるとしても、道中は多少危険かもしれない」

一瞬、空気が引き締まる。

だがカイトはすぐに、不敵な笑みを浮かべた。

「でも、安心してくれ」

そう言って、懐から一つのアイテムを取り出し、皆に見せる。

「俺には――秘策がある」

その言葉と共に、パーティメンバーの視線は、そのアイテムに釘付けになった。
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