ワールド・オブ・オンライン 〜ガチャで引いたチート少女……現実世界にまで来ないでくれる?〜

リョウタ

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運営会社の対応

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俺が運営に電話を掛けると、コールから数秒後に女性の声が聞こえて来た。
最初は落ち着いた対応だったが、俺が要件を伝えると、いきなり慌てだした。

『責任者に電話をお繋ぎ致します!しょ、少々お待ち下さい!』

慌て方を見る限り、やっぱりヤバい案件っぽいな……俺は責任者に繋がれるまで大人しく待つ事にした。

──そして数分後…

待たせるにしては長過ぎる時間が経過した後で、ようやく責任者らしき人物が出る。

「あ~お電話変わりました、大原と申します」

やや気怠そうな声だが、それでいて緊張感が漂ってくるような…?

俺は掻い摘んで事情を説明した。
何処にも載っていないキャラを召喚してしまった事、しかもやたらキャラが強すぎる事。

大原さんはうんうんと話を聞いている様だったが、やはり何処か辛そうに感じる。
もうほんとにヤバい案件に巻き込まれてるな、これ。

そして、俺が状況説明を終えたあと、大原さんは徐にこんな事を提案した。

「あの……無理だとは思いますけど……そのキャラ、回収してもよろしいでしょうか?もちろん、タダでとは言いません!お詫びはさせていただきますので、どうか!」

電話越しからでも頭を下げているのが分かる。
──そして俺の選択は決まって居た。

「もちろん良いですよ」

「やっぱりダメですよね……最強キャラですもんね……って!いまオッケー言いましたか!?」

騒がしい人だな……
俺としては、ヤバい事に巻き込まれたく無いし……何より、こんなチートキャラ引いたら、俺が楽しみにしていた高難易度としてのゲームを楽しめなくなる。
むしろ、補填までしてくれて回収してくれるなら実に有り難い。

「実は僕って、高難易度だからこのゲームを始めたんですよね。なので、彼女の様なチートキャラを引いたら、高難易度としてこのゲームを楽しめなくなってしまうんですよ」

大原さんも大人しく俺の話を聞いてくれている。俺はこのまま続けて言った。

「なので、回収して貰えるなら逆に嬉しいですね……あ、代わりにもう一回引かせて下さいね?」

すると、大原さんはそれはそれは安心した様に深い息を溢す。

「ありがとう~…彼女を引いたのが貴方で良かったわ~…ぐすんっ」

「えぇ…泣いてんすか?」

回収できて泣くほど嬉しいならどうしてこんなキャラを作ったとか、いろいろ聴きたい事もあったけど面倒くさいし、聞かなくていいか。


──という訳で、名前が自由に決められるゲームの筈なのに、最初からフェイルノートなんて大それた名前が決まっているチート少女。
彼女の処遇が決まり、向こうで回収処理を行なっている時だった。
電話越しの大原さんが慌ただしくなる。

「あ、あれ?おかしいな?……えいっ!……あれ?回収出来ないんだけど?」

「回収出来ないってどういうことですか?」

俺は意味不明な言葉に疑問を投げ掛ける。
すると、大原さんは動揺しながら、逆に疑問を投げ掛けて来た。

「あ、あの~……碇様。何か妨害されてます?」

「そんな訳無いでしょ……早く回収して新しいキャラ引きたいんですけど」

それを聞いて大原さんはますます慌て出す。

「それが、回収出来ないんですよ!」

「……ウソでしょ?」


大原さんはこの後も、いろいろ試してる様だが、何の成果も無いようだ。
俺もいろいろ端末を弄ってはいるが、プロの大原さんでダメなら素人の俺でどうこう出来る筈もない……


……俺と大原さんがどうしたもんかと途方にくれていると、椅子に座ってジッとコチラの様子を伺っていたフェイルノートが、立ち上がり此方へと歩いて来た。

何事かと思い、俺は彼女の方に視線を向ける。

そして俺まで十分に近付いて来た彼女は、俺と電話の向こうに居る大原さんに対してこう言った。


「さっきから回収を試みているようじゃが……全て無効化しておるぞ?」

「「………ん?」」

俺と大原さんは同時に唖然とした声を発してしまった。
今この子、何て言ったんだ?

そして、俺が言葉を掛けるよりも早く、電話越しの大原さんがフェイルノートに対して疑問の声を掛ける。

「フェイルノートちゃん!?い、今のはどういう意味かしら……?」

「うむ、妾は既に、この冬彦を主と認めておる。故にお前に回収されるつもりは無いぞ?」

「え?そ、そんな事出来る訳無いでしょ…?」

「…?いや?妾にはできるぞ?」


何だって…?

俺も……そして恐らく電話越しの大原さんも開いた口が塞がらない。

二人して唖然とフェイルノートの言葉を聞いていた。








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