普通の勇者とハーレム勇者

リョウタ

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1章 五人の勇者

勇者達の実力

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精神がSランク?俺の?
雄星達のやり取りで毎回不快な気分になる心の狭い俺が?

というか他の能力値低すぎないか?直接戦闘能力に直結しそうな腕力と速度がFって……Fは一番低いランクじゃないよな?一番低いのは当然Zだよな?


「では改めて、みんな配られたステータスカードを確認してみてくれ。ボタンを押すと自身のステータスが表示されるから」

そして雄星達の方を見てみると、お互いにここが凄いやらこの能力は低いだの、強そうなスキルを持ってたなど話しているようだが詳しい能力値のランクやスキルの名称までは聞こえてこない……少し離れ過ぎたな。

そして皆んながステータスを確認しながら少しずつ時間が経ち、ユリウスは続けて詳しい説明を始めた。


「能力値は腕力・速度・魔力・知力・技術・抵抗・精神がF~Sでランク付けされていて、修行や座学に実戦なんかによって能力値が上昇していく様になっているんだ」


最低ランクFだった……やべぇじゃんか笑


「殆どの人がFランクからスタートとなり、その人物に才のあるステータスが稀にE~Dで初期スタートとなるよ」

おっ!俺めっちゃ強いじゃんか!


「ただ皆んなは勇者の称号があるからね、多分、Fランクのステータスは少ないんじゃないか?特に腕力・速度・魔力に関しては最初からD以上、悪くてもEだと思う」

……なんか階段を下るみたいに段々とエグってくるのなんなのもう。ひと思いに突き落としてくれよ。

説明を聞く限り俺って勇者としては結構弱いんじゃないだろうか?

う~ん他のみんなの能力が気になるな~……でも穂花ちゃん以外とはあんまり話したく無いし、穂花ちゃんにしたっていきなり話掛けるのは変に思われるだろうし……どうしたもんか。

あれ?というかいつの間にか穂花ちゃん居なくなってるけど、何処へ行ったんだ?



「孝志さんのステータスはどうでしたか!!??」

「うぃいっ!?」

急に真後ろから声を掛けられて俺はびっくりして飛び跳ねた。
背後には絶対に誰も居なかった筈なんだけど!

俺がすぐさま振り返るとそこには穂花ちゃんの姿があった。


「あ、あっと、ごめんなさい!びっくりさせるつもりは無くってですね、その……」

俺がアホみたいに飛び上がったせいで穂花ちゃんはかなり萎縮してしまっている様だった。
別にそんなこと気にすることは無いのだが……どこまで天使なんだよ。


「い、いや、俺がビビりなだけだから、そこはほんと気にしないでね」

穂花ちゃんはかなり人見知りなのだろう、さっきと同じ様にどもった喋り方になってしまっている。

そして俺は穂花ちゃんがいい子だと解ってしまっているので、嫌な思いをさせない様にめちゃくちゃ気を使った喋りになってしまう。
結果、俺も言い淀んだ口調になってしまう。


……第二王女はこっち見て笑ってるし!ユリウスさんにチクんぞ!おう?!


俺が言い終わった後も、顔を伏せて何か言いたそうにしてるが何も言ってくる感じではないのでこちらから最初の質問に答える事にした。


「えっと、ステータスって言ってたっけ?俺のステータスカード渡すから、穂花ちゃ……あ~~と、橘さんも見せてもらえるかな?」

危っ……心の中で穂花ちゃんと呼んでいたから、本人の前で直接言ってしまうとこだった。
良し、ギリセーフ。


……しかし、橘穂花はそれを聞き逃さなかった。


「ほ、穂花ちゃん?!いま穂花ちゃんって言いました?!言いましたよね!ね!ねね!?」

いやアウトだったわ。
それに喋り方もなんかさっき以上におかしいし。

え?もしかしてキモイとか思われてる?僕ね、穂花ちゃんにそう思われたらショック死するよ?

俺は心を落ち着かせ何とか誤魔化すことにした。
とりあえず、とぼけておけば何とでもなるだろう。


「ええ?そんなこと言ったかなぁ?聞き間違いだと思うよぉ?」

はい!完璧!なんとかなった!


「いいえ!私が孝志さんの言った言葉を聞き逃す訳ないです!言いました!ええ言いましたとも!」

全然何とでもならないし、凄いぐいぐい来る。
どうしようかと考えていると穂花は言葉を続けた。


「それに私も孝志さんのこと孝志さんと呼んでいます!なら孝志さんが私を名前で呼ぶことの何処がおかしいのでしょう!?」

「いや、俺の場合は弘子と苗字一緒だから……」

「私だって兄と一緒の苗字です!その理屈だとなおさら名前で呼び合うべきです!」

「……あ、はい」

完全に圧に押させてしまった……めちゃくちゃ強いぞこの子!

てか腹黒マリア、腹抱えて笑ってるんじゃないよ!
第一王女は雄星達のところへ向かったんだからあっち行け!しっしっ。


「え~じゃあ、ほ、穂花ちゃん?これが俺のステータスカードね、はい」

「あは♡名前呼び……やったよ弘子ちゃん、大進展だよ……ふひひ」

もの凄い小声だったから聞き取れなかったけど、変な笑い方してなかったか今?……いや、穂花ちゃんに限ってそれはないか!気のせいだな!


「あっと、それでこれは私のカードですね、はいどうぞ孝志さん」

「ありがとう、じゃあ見せてもらうね?」
そう言って俺は穂花ちゃんの能力を見せてもらった。



橘穂花
称号:勇者
種族:人間
腕力 D
速度 E
魔力 B
知力 C
技術 E
抵抗 D
精神 C

スキル
錬金術  天賦の才(魔術)   フレイヤの慈愛   過剰魔力保持  異空間所持  先制攻撃の加護   獄炎の支配者


めっちゃつぇーし、力持ちなのね。
スキルも多いな……やっぱ俺ザコじゃん……しゅん。

そんな事を思いながら穂花ちゃんの能力確認していると

「それともし良かったらですけど、他の3人の能力も口頭で覚えてる範囲になりますがお教えしても良いですか?」

と提案してくれた。


「個人情報だけど大丈夫なん?」

と言いながら雄星達の方を確認した。

穂花ちゃんが居るからだろう、さっきまで全く無関心だった癖にチラチラこちらの様子を伺っている様に見える。


「いえいえ、本当だったら5人で話合わなきゃいけないのに、孝志さんと全く関わろうとしないんですよ!しかもどこだろうと構わずイチャついてますし、どこかおかしいですよあの人達」

「超わかる」

食い気味で同感した。

あっちの世界では殆どの人間が俺と同じ意見だっただろうが、この世界では周りも雄星程なら女性を囲っても当然といった空気だった。

もう完全にアウェイな気分だったので、穂花ちゃんも同じ気持ちで居るのだと知りかなり嬉しかった。

例え雄星が好きでも周りを気にせずイチャつくのを見るのは穂花ちゃん的にも嫌らしい。

本当は雄星との仲を応援するべきだろうが……ごめんね穂花ちゃん……あんまり応援したくないの。


「……何か見当違いなことを考えてません?」

「え?見当違いではないと思うけど?」

「なんか凄く勘違いしてそう……」

「ははっ、まっさか!」

「う~ん……」

穂花ちゃんはまだ何か引っかかる事がある様だが、渋々といった様子で説明を始めた。


「アイ……お兄ちゃんは一番高いのが腕力でCランクって言ってたかな?それで一番低いのが知力でFだって言ってました。スキルですと一番気になったのは《女神の加護》って言ってましたね」


おっほ、知力F笑笑笑 

本物のバカじゃないか!これでテストは俺とほぼ互角なのかよ!片腹痛いわ!はっ!
というか既に女神落としたみたいなスキル持ってんなアイツ、なんか腹立つ。


「知力がFなのか……意外だねー賢そうなのにー」

と思ってもない事を口にした。
一応、穂花ちゃんに気を使うのである。


「いえいえ、Eランク以上だと逆に信じれなかったです!顔だけが取り柄の兄ですから!まぁ身内の私にして見れば顔も何処がいいのか解りませんが……」

……穂花ちゃんちょっと辛辣過ぎない?好きなんだよね?!もしかして好きな相手だとツンデレ?それともケンカしたの?


「次に中岸由梨お姉ちゃんですけど、一番高いのは速度でCランク、一番低いのは腕力でFランクと言ってました。あと由梨お姉ちゃんのスキルでは《弓神の加護》というスキルが一番気になりました」

「弓兵ってところか……速度もCあるみたいだし、動き回ってかく乱とかに向いてそうだな。遠距離でそれをされると速度と相まって面倒だろうな敵は」

個人的に腕力がFって所には親近感を覚えるな。


「そして奥本美咲さんは一番高いのが腕力でBランク、低いのが抵抗と精神でFランクと言ってました。気になるスキルは《剣神の加護》ですね」

ちょ、剣士で抵抗と精神がFランクとか、完全にくっころ要員やんけ!超ウケる!
なんか奥本って元ヤンっぽいし、腕力もBで完全に脳筋だな!


とりあえずゲスな思考は一旦置いといてそれっぽい事を言う。


「腕力が高いし剣神の加護ってのもあるから強そうだな。抵抗と精神の低さが気になるけど」

「もう完全にくっころですよね!」

「おっ、いけるクチ?」

「勉強しました!」

「……何故に?」

「そ、それは……孝志さんそういうの好きって弘子が……」

「あんにゃろぅ…!」


弘子アイツ、天使に人の性癖晒してんじゃねぇぞクソが!



「それで孝志さん……そろそろ私も孝志さんのカードを見ても良いですかね?」

「あれ?まだ見てなかったの?」

「いえ、勝手に許可なく拝見して、嫌われたらいやだな~って……せっかくいっぱいお話できたのに……」

「いやそんな事で絶対嫌いになんてならないよ」


いやもう──────




────可愛すぎでしょ!

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