6 / 217
1章 五人の勇者
勇者達の実力
しおりを挟む精神がSランク?俺の?
雄星達のやり取りで毎回不快な気分になる心の狭い俺が?
というか他の能力値低すぎないか?直接戦闘能力に直結しそうな腕力と速度がFって……Fは一番低いランクじゃないよな?一番低いのは当然Zだよな?
「では改めて、みんな配られたステータスカードを確認してみてくれ。ボタンを押すと自身のステータスが表示されるから」
そして雄星達の方を見てみると、お互いにここが凄いやらこの能力は低いだの、強そうなスキルを持ってたなど話しているようだが詳しい能力値のランクやスキルの名称までは聞こえてこない……少し離れ過ぎたな。
そして皆んながステータスを確認しながら少しずつ時間が経ち、ユリウスは続けて詳しい説明を始めた。
「能力値は腕力・速度・魔力・知力・技術・抵抗・精神がF~Sでランク付けされていて、修行や座学に実戦なんかによって能力値が上昇していく様になっているんだ」
最低ランクFだった……やべぇじゃんか笑
「殆どの人がFランクからスタートとなり、その人物に才のあるステータスが稀にE~Dで初期スタートとなるよ」
おっ!俺めっちゃ強いじゃんか!
「ただ皆んなは勇者の称号があるからね、多分、Fランクのステータスは少ないんじゃないか?特に腕力・速度・魔力に関しては最初からD以上、悪くてもEだと思う」
……なんか階段を下るみたいに段々とエグってくるのなんなのもう。ひと思いに突き落としてくれよ。
説明を聞く限り俺って勇者としては結構弱いんじゃないだろうか?
う~ん他のみんなの能力が気になるな~……でも穂花ちゃん以外とはあんまり話したく無いし、穂花ちゃんにしたっていきなり話掛けるのは変に思われるだろうし……どうしたもんか。
あれ?というかいつの間にか穂花ちゃん居なくなってるけど、何処へ行ったんだ?
「孝志さんのステータスはどうでしたか!!??」
「うぃいっ!?」
急に真後ろから声を掛けられて俺はびっくりして飛び跳ねた。
背後には絶対に誰も居なかった筈なんだけど!
俺がすぐさま振り返るとそこには穂花ちゃんの姿があった。
「あ、あっと、ごめんなさい!びっくりさせるつもりは無くってですね、その……」
俺がアホみたいに飛び上がったせいで穂花ちゃんはかなり萎縮してしまっている様だった。
別にそんなこと気にすることは無いのだが……どこまで天使なんだよ。
「い、いや、俺がビビりなだけだから、そこはほんと気にしないでね」
穂花ちゃんはかなり人見知りなのだろう、さっきと同じ様にどもった喋り方になってしまっている。
そして俺は穂花ちゃんがいい子だと解ってしまっているので、嫌な思いをさせない様にめちゃくちゃ気を使った喋りになってしまう。
結果、俺も言い淀んだ口調になってしまう。
……第二王女はこっち見て笑ってるし!ユリウスさんにチクんぞ!おう?!
俺が言い終わった後も、顔を伏せて何か言いたそうにしてるが何も言ってくる感じではないのでこちらから最初の質問に答える事にした。
「えっと、ステータスって言ってたっけ?俺のステータスカード渡すから、穂花ちゃ……あ~~と、橘さんも見せてもらえるかな?」
危っ……心の中で穂花ちゃんと呼んでいたから、本人の前で直接言ってしまうとこだった。
良し、ギリセーフ。
……しかし、橘穂花はそれを聞き逃さなかった。
「ほ、穂花ちゃん?!いま穂花ちゃんって言いました?!言いましたよね!ね!ねね!?」
いやアウトだったわ。
それに喋り方もなんかさっき以上におかしいし。
え?もしかしてキモイとか思われてる?僕ね、穂花ちゃんにそう思われたらショック死するよ?
俺は心を落ち着かせ何とか誤魔化すことにした。
とりあえず、とぼけておけば何とでもなるだろう。
「ええ?そんなこと言ったかなぁ?聞き間違いだと思うよぉ?」
はい!完璧!なんとかなった!
「いいえ!私が孝志さんの言った言葉を聞き逃す訳ないです!言いました!ええ言いましたとも!」
全然何とでもならないし、凄いぐいぐい来る。
どうしようかと考えていると穂花は言葉を続けた。
「それに私も孝志さんのこと孝志さんと呼んでいます!なら孝志さんが私を名前で呼ぶことの何処がおかしいのでしょう!?」
「いや、俺の場合は弘子と苗字一緒だから……」
「私だって兄と一緒の苗字です!その理屈だとなおさら名前で呼び合うべきです!」
「……あ、はい」
完全に圧に押させてしまった……めちゃくちゃ強いぞこの子!
てか腹黒マリア、腹抱えて笑ってるんじゃないよ!
第一王女は雄星達のところへ向かったんだからあっち行け!しっしっ。
「え~じゃあ、ほ、穂花ちゃん?これが俺のステータスカードね、はい」
「あは♡名前呼び……やったよ弘子ちゃん、大進展だよ……ふひひ」
もの凄い小声だったから聞き取れなかったけど、変な笑い方してなかったか今?……いや、穂花ちゃんに限ってそれはないか!気のせいだな!
「あっと、それでこれは私のカードですね、はいどうぞ孝志さん」
「ありがとう、じゃあ見せてもらうね?」
そう言って俺は穂花ちゃんの能力を見せてもらった。
橘穂花
称号:勇者
種族:人間
腕力 D
速度 E
魔力 B
知力 C
技術 E
抵抗 D
精神 C
スキル
錬金術 天賦の才(魔術) フレイヤの慈愛 過剰魔力保持 異空間所持 先制攻撃の加護 獄炎の支配者
めっちゃつぇーし、力持ちなのね。
スキルも多いな……やっぱ俺ザコじゃん……しゅん。
そんな事を思いながら穂花ちゃんの能力確認していると
「それともし良かったらですけど、他の3人の能力も口頭で覚えてる範囲になりますがお教えしても良いですか?」
と提案してくれた。
「個人情報だけど大丈夫なん?」
と言いながら雄星達の方を確認した。
穂花ちゃんが居るからだろう、さっきまで全く無関心だった癖にチラチラこちらの様子を伺っている様に見える。
「いえいえ、本当だったら5人で話合わなきゃいけないのに、孝志さんと全く関わろうとしないんですよ!しかもどこだろうと構わずイチャついてますし、どこかおかしいですよあの人達」
「超わかる」
食い気味で同感した。
あっちの世界では殆どの人間が俺と同じ意見だっただろうが、この世界では周りも雄星程なら女性を囲っても当然といった空気だった。
もう完全にアウェイな気分だったので、穂花ちゃんも同じ気持ちで居るのだと知りかなり嬉しかった。
例え雄星が好きでも周りを気にせずイチャつくのを見るのは穂花ちゃん的にも嫌らしい。
本当は雄星との仲を応援するべきだろうが……ごめんね穂花ちゃん……あんまり応援したくないの。
「……何か見当違いなことを考えてません?」
「え?見当違いではないと思うけど?」
「なんか凄く勘違いしてそう……」
「ははっ、まっさか!」
「う~ん……」
穂花ちゃんはまだ何か引っかかる事がある様だが、渋々といった様子で説明を始めた。
「アイ……お兄ちゃんは一番高いのが腕力でCランクって言ってたかな?それで一番低いのが知力でFだって言ってました。スキルですと一番気になったのは《女神の加護》って言ってましたね」
おっほ、知力F笑笑笑
本物のバカじゃないか!これでテストは俺とほぼ互角なのかよ!片腹痛いわ!はっ!
というか既に女神落としたみたいなスキル持ってんなアイツ、なんか腹立つ。
「知力がFなのか……意外だねー賢そうなのにー」
と思ってもない事を口にした。
一応、穂花ちゃんに気を使うのである。
「いえいえ、Eランク以上だと逆に信じれなかったです!顔だけが取り柄の兄ですから!まぁ身内の私にして見れば顔も何処がいいのか解りませんが……」
……穂花ちゃんちょっと辛辣過ぎない?好きなんだよね?!もしかして好きな相手だとツンデレ?それともケンカしたの?
「次に中岸由梨お姉ちゃんですけど、一番高いのは速度でCランク、一番低いのは腕力でFランクと言ってました。あと由梨お姉ちゃんのスキルでは《弓神の加護》というスキルが一番気になりました」
「弓兵ってところか……速度もCあるみたいだし、動き回ってかく乱とかに向いてそうだな。遠距離でそれをされると速度と相まって面倒だろうな敵は」
個人的に腕力がFって所には親近感を覚えるな。
「そして奥本美咲さんは一番高いのが腕力でBランク、低いのが抵抗と精神でFランクと言ってました。気になるスキルは《剣神の加護》ですね」
ちょ、剣士で抵抗と精神がFランクとか、完全にくっころ要員やんけ!超ウケる!
なんか奥本って元ヤンっぽいし、腕力もBで完全に脳筋だな!
とりあえずゲスな思考は一旦置いといてそれっぽい事を言う。
「腕力が高いし剣神の加護ってのもあるから強そうだな。抵抗と精神の低さが気になるけど」
「もう完全にくっころですよね!」
「おっ、いけるクチ?」
「勉強しました!」
「……何故に?」
「そ、それは……孝志さんそういうの好きって弘子が……」
「あんにゃろぅ…!」
弘子アイツ、天使に人の性癖晒してんじゃねぇぞクソが!
「それで孝志さん……そろそろ私も孝志さんのカードを見ても良いですかね?」
「あれ?まだ見てなかったの?」
「いえ、勝手に許可なく拝見して、嫌われたらいやだな~って……せっかくいっぱいお話できたのに……」
「いやそんな事で絶対嫌いになんてならないよ」
いやもう──────
────可愛すぎでしょ!
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる