普通の勇者とハーレム勇者

リョウタ

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1章 五人の勇者

王者との対面

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俺はマリア王女の案内で、ブローノ王子と面会する部屋の前まで来ていた。


「それじゃ、中に居るお兄様と先に話して来るから、少し待っててくれる?……それはもう楽しみに待ってて頂戴」

「そんなにハードル上げて大丈夫ですか?」

「はっ!今の内に吠えてなさい!」

「いきなりどうして?」

俺の返事を殆ど聞かずに、マリア王女はブローノ王子が待っている部屋の中げと入って行ってしまった。
どんだけ早く合わせたいんだよ……


───────────


「では孝志様、中へどうぞお入り下さい」

1分も経たない内に中から出て来たのは、マリア王女ではなく見知らぬメイドさんだった。
多分、昨日の執事さんと同じで王族に専属で仕える方なのだろう。

見た目は初老の女性といった感じで、年齢はダイアナさんと同じ歳くらい…そして品良く上品な女性だ。
若く見える訳では無いが、純粋に綺麗な歳の取り方をしている印象。


「わかりました、では失礼致します」

俺はそのメイドさんに礼を言って中へと入った。
基本、俺はユリウスさん以外の年上には礼儀正しいのである。
それとマリア王女は同じ歳みたいだし、ちょっとアレだから王女様だけど別に礼儀はいいかって感じ。
まぁ一応は敬語で話してるし文句を言われる筋合いは無いだろう。


中へ入ると、ソファーに座っていた男性が居たが、俺が入って来たのを確認すると直ぐに立ち上がった。

男性はマリア王女と同じ金髪で、顔は男前なのだが普通のイケメンという感じ。
間違いなく俺なんかよりは男前だが、橘の様に圧倒的さはない。

ただ一つ……その男性がとんでもない黄金のオーラを身に纏って見えるのは気のせいだろうか?


そんな事を考えている俺の思考をかき消す様に、その男性が話しかけてきた。


「ようこそ、勇者松本孝志。私はブローノ・ラクスールと言います。この国の第一王子です。どうかよろしく頼む」

そう言うとブローノ王子は真剣そうな面持ちで手を差し出してきた。
バチモンのマリア王女とは違って、気品溢れる王族といった感じがヒシヒシと伝わって来る。

いや、マリア王女も最初はこんな感じだったっけ?
確か俺が『気安く話してもいいか?』と言った辺りから腹黒になった気がする。
そう思うとなんて器量の小さい女なんだ。


「松本孝志です。今日はお呼び頂き光栄でございます。こちらこそ宜しくお願いします」

そう言うと俺は差し出された手を丁重に握り返した。

「妹のマリアが君にどうしても会えとしつこくってね。君に対してもそうだったのでは?…この子は気に入った相手に対してはいつもこうなんだ」

「お、お兄様っ!私は別に気に入ったから連れてきた訳ではありません!こ、この王族を甘く見ている彼をお兄様に合わせて、王族とはいかに素晴らしいかを教えたかっただけです!」

ブローノ王子の指摘に、マリア王女は顔を真っ赤にしながら慌てた様に反論する。

こいつ……お兄様の前だからってキャラ作ってんじゃないよ!俺のこと普段バカにしてる癖によ!


「マリアがそう言うならそう言う事にしておこう。客人の前で言い争いなんて無礼だからね……松本孝志、立ち話もなんだし良かったら座って楽に話さないか?」

そう言ったブローノ王子は高級そうなソファーに手を差し、俺が座れる様に誘導してくれた。



……もうはっきり言おう、この人は超やばい。
もちろん良い意味で。

マリア王女みたいに誘いを断ってキャピキャピ言い合う様な雰囲気では無い。
本物の王族ってのがわかった気がする。

顔がイケてるからどうとかではなく、もちろん凄く男前だが、それ以上に存在感というかオーラが圧倒的に凄まじい。

橘の様に顔だけの上っ面ではなく、実際に話をしてみて解った事だが立ち振る舞いから客人に対する対応まで、何もかもがイケメン。

そして国王さんの様に無意識に威圧感で押してくる感じもなければ、第一王女のなんとかさんみたいに見下した感じなんかは特に全く感じない。

…だからと言って取っつきやすい軽い感じって訳でもなく、自然とついて行きたくなる存在。
初めて会うタイプだ……生きるカリスマとでも言っておこうか?

いや、なんか悔しいがマリア王女がしつこく紹介したがっていたのも凄くわかる。
さっきまでは兄を紹介する位でいちいち改まってどこまでも面倒くさいヤツだな、とマリア王女に対して本気でそう思っていた。

でもこの人に会った今なら解る……俺だってこんな兄がいたら、自分に失礼な態度のヤツに会わせてやりたいって思うからな。
そしてこう言ってやるんだ『俺に何かしたらこの兄が黙ってないぞ?』ってな!
絶対大人しくなるからソイツ。


そして当然俺も大人しくなります……はい。
ただし、ブローノ王子の前だけでな。


「ではお言葉に甘えて失礼させて頂きます」

礼をした俺は案内されたソファーへ向かいそこで腰を下ろした。
最初は先に座るのは無礼じゃないかとも思ったが客として招かれた以上、逆に先に座らないほうが無礼かもしれないと思い大人しく座った。

王族の作法がわからないので、客人でも王族優先かも?と思ったが例え間違えたとしても、この人に限ってそれをとやかく言うようなことはないだろう。


俺が座ったのを確認した後にブローノ王子とマリア王女は、俺の対面になる様に低いテーブルを挟んだ向かい側に座った。

ブローノ王子が見ていないタイミングでマリア王女と目が合ったが、ニヘラッとでも効果音が付きそうなニヤケ顔でこちらを見てきた。

…くっ、すげぇムカツクが何も言わないでおこう。
沈黙は美徳であり、加えて俺は誰よりも寛大な精神を持っているのである。
精神Sだから軽く見て流せる的な?







──後で覚えとけ(寛大さゼロ)






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