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4章 仮面の少女
彼女のこれから… 中編
しおりを挟む「いろいろ聞きたい事が有るんだけど……良いだろうか?」
「え?あ、うん、もちろんだよ」
ここで別れると思っているテレサの表情は暗い。
だが、とりあえずは呪いの特性について詳しく聞いてみよう。もしかしたら、一緒に行動できるヒントが見つかるかも知れない。
俺は何でも好きな事を聞いてどうぞ!とでも言いたげな程に気合を入れてるテレサに、気になった事を聞いた。
「非常に言いづらいかも知れないけど、テレサの恐怖のスキルについて詳しく教えてくれない?」
自分を苦しめてる呪いのスキルについてなんて、答えたくないと思うけど…
しかし、俺の申し訳ない表情とは逆に、彼女は何てこと無い様な顔をしている。
「言いづらい事なんて無いよ。孝志の質問になら何だって答える……あの危険な暗黒魔弾砲の撃ち方だって教えるよ!」
ああ、良かった……気にしてないみたい……ふぁっ!?暗黒魔弾砲!?
「なにその凄そうな魔法?!絶対教えて欲しい!」
俺の中の興味が完全に暗黒魔弾砲に持っていかれてしまった。
もちろん、テレサのスキルについても重要だ。
どうでも良いなんて思ってないし、彼女と行動を共にしたいと言う気持ちも変わらない。
──けど、暗黒魔弾砲なんて凄そうな魔法のことは知っておきたい!
「えっ!?あれっ…?まさかそんな食い付いて来るなんて……いや……うん。本当は危ないからダメだけど、孝志になら良いよ?」
「おおっ!マジでか?!──って、魔法習った事なかったわ」
思わず興奮したけど、魔法なんて使ったことも習った事も無い。
何だかんだ色々あったけど、この世界に来てまだ数日程しか経過してないんだ……魔法まで習う時間なんて無かったわ…
「アハハ、心配要らないよ。僕のスキルには呪い意外にもいろいろあってね。スキルの中の一つに『ネオカスタマイズ』ってスキルが有るんだよ……このスキル効果は、対象に覚えさせたい魔法をイメージとして植え付ける事が出来るんだ。つまり、ネオカスタマイズの効果を受ければ、誰でも簡単に魔法が覚えられる…!」
「すげぇ!」
俺が諦めた所で、とんでもないチートスキルをサラッと解説してくれるテレサちゃん……本当に何者なのだろう?
そして、俺でも暗黒魔弾砲とかいう恐らくはチート?な魔法を習得できると知り、思わず拳を握り締めて喜びをあらわにした。
「嬉しそうだね~」
「おう!だって楽に強力な魔法が扱えるようになるって、これほど嬉しい事は無いよ。努力とかして魔法覚えるの面倒くさいじゃん?」
「ふ、普通……思っててもそう言うこと口にする?」
「うん、俺そういうの気にしないタイプ」
「……堂々と凄いこと言うね」
まぁこんな感じで今まで上手くやって来れたしね。
そしてアホっぽい会話のお陰で、テレサからはさっきまでの悲壮感がいつの間にか消え失せていた。
そしてテレサは説明を続けて行く。
「……それでも、付与するにはその魔法に見合うだけの魔力が無いとダメなんだけど……けどね、僕のスキルを使えば、必要魔力の10%くらい有れば大丈夫だよ……ところで、孝志の魔力ってどのくらい?」
「Eランクだ……まぁまぁ悪くないだろ?」
Fじゃないぜ?凄いだろ?
他の戦闘に直結する筋力や速度はFだけどね。
──しかし、孝志は知らぬ事だが、Eランクの魔力なんてテレサから見れば──
「──えっ!?そんな低いの!?」
全く大した事が無いので、こういう反応になってしまう──
「………」
テレサの言葉を聞いた俺は、無言になってテレサを見つめる。
そ・ん・な・に・低・い・の!って……あんまりじゃない?
「──ご、ごめん…!こんなダンジョンの最下層に転移して来るくらいだから、最低でもCランクはあると思ってた……ごめんね、ランクEだと低過ぎて覚えられないよ10%で覚えられると言っても、Eランクは予想より遥かに低すぎだよ!」
「…………言い過ぎだよ?」
「あ!ごめん!悪気は無いよ?!こういう事は、はっきり言わないと孝志も納得できないと思ったから」
悪気が無いからこそ、尚、グサッと刺さる。
話を脱線させた天罰の様に、鋭い言葉の矢が俺の胸に突き刺さった。
実は魔力がEランクである事に、ちょっと誇りを持っていたんだけど……それを低すぎると言われてしまったのはショックだ。
俺を勇者と知らないテレサがこの反応なのだから、本当は一般人と比べても低いんじゃないだろうか?
若しくは、テレサがEランク魔力を低過ぎると感じてしまう程に強いとか……いや、クソ雑魚の俺より強いのは間違い無いけど、流石に特別強いという事は無いはずだ。
……てかそうだよっ!俺って仮にも勇者なんだぜ?魔力低すぎなんて言われたら、もう恥ずかしくて勇者なんて名乗れない。
いつ彼女に自分が勇者だと打ち明けようか迷っていたが、もう言わない事にした。
一緒に行動するなら、その内絶対にバレるだろうけど、もう俺の口からは言わない事に決めた。
「テレサの恐怖のスキルについて聞きたい事があるんだけど、いいか?」
俺は先ほどまでの会話を無かった事にし、初めに聞こうと思っていた事を改めて聞いていた。
「……ごめんね、暗黒魔弾砲を教えてあげれなくて……」
「ん?何のことだい?」
そんな話してたっけ?……いやぁ~覚えないわ。
「──え?いや、だって……え?」
テレサは困惑の表情だが、その件には触れないで欲しいんだ……察してくれ…!
「テレサ、もうほんと真剣に話しよう?いい加減にしないと怒るよ?」
「……理不尽だな~」
本当に理不尽だよな……それはごめん。
でも暗黒魔弾砲の事は闇に葬りたいんだよ……そう!暗黒だけにな!
「……あれ?急に寒気が……なんでだろう?」
「ウソだろ?」
今のギャグそんなに酷かった?
心で思っただけなのに……
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