普通の勇者とハーレム勇者

リョウタ

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7章 普通の勇者とハーレム勇者

アルマスが癒しだと?

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「めちゃくちゃ怒ってましたね」

「どうしてかしらねぇ?」

「…………」

事情を知らないアルマスとアレクセイは首を傾げる。
だが孝志は黙っていた。何故なら自分の嘘が原因なのだから──


──あの後のアルマス2は御目当てのアルマスが居るにも関わらず、孝志へと殴り掛かった。
無論、後ろに控えていたアリアンとオーティス、そしてアルマスやアレクセイという過剰戦力に護られて事なきを得たが、暴力沙汰となれば会議なんて続けられる筈はない。

フローラとアルマス2からゴミを見るような視線、そしてランスロットからは仲間を見るような視線を浴びながら、戦場と化したあの部屋を出たのであった。


「それにしても、あの子……アルマスにそっくりだったじゃない~?髪の色と目付きの悪さ以外は瓜二つって感じよねぇ~?」

「何処がよっ!ねぇマスター?違うよねぇ?」

「思い出したかのようにマスター呼びすんな!ってかどけっ!」

「やだぁ~だって寂しかったからぁ~孝志成分充電しなとぉ~死んじゃう~みたいな?」

「お前は相変わらず絶好調だよな」

「ふふふ」

──今は三人で孝志のあてがわれた部屋に避難しているのだが、ソファーに座った孝志の膝の上にアルマスはずっと座っている。
よっぽど寂しかったのだろう……もう座ってるというより抱き着いており、孝志がウザがるのも無理はない。


「……うーん、すりすりぃ~……ああぁ、たった1日でこんなに胸板が成長するなんて……はぁ……はぁ……いひひひっ」

アルマスは自らの頬を孝志の胸元へ押し付ける。下心満載な邪悪の笑みを浮かべて……孝志からは死角となり見えないが、孝志の後ろに立っていたアレクセイには丸見えであった。その崩れ切った顔面にはオカマもドン引きである。


「アルマス……孝志ちゃんの服に涎を垂らしてしてるわよぉ?」

「をぉいっ!!辞めろよっ!!」

「……………いやよ、だって愛してるもん!」

このアマァ……めちゃくちゃ押してくるから、仕方なく膝に座る事は許可したけど、ちょっと優しくしたら良い気になりやがってクソがっ!
説得しても絶対退かないなコイツ……仕方ない、煽てに煽てて降ろすか。


「アルマス……俺も愛してるぜ?」

「え?!ほんと!?」

「ああ、だから退いて、今すぐどいてくれたら、きっともっとアルマスを好きになるぜ?」

「本当に?じゃあキスして!」

「おう良いぜ!どいてくれた後でならなっ!」

「なんかいぐらい!!?ねぇなんかい!?100回?!それとも1000回!!?」

「そりゃあもう1億回よっ!」

「嘘だッッ!!!」

「……おぉう……急に迫真……まあ確かに嘘だけど」

「やっぱりね、そんな事だろうと思った。だって物理的に1億回とか不可能だもん」

「なんでそこだけ冷静なんだよ」

「……でも待って……頑張ればイケる……?」

「冷静になれアルマス、無理だから」

──アルマスから一方的に抱きつかれてる最中、部屋のドアを何者かがノックした。
尋常じゃないほど愛されてる状況を見られるのは不味いと孝志は少し焦ったが、客が訪れたと解った瞬間、アルマスは孝志の膝からあっさり降りる。

「………な、なんだ急に」

退かれた孝志本人は驚いていたが、アルマスにとってそれが当然の行動だった。
孝志が自分の所為で他者に悪い印象を持たれるのが心底嫌なのだ。従って抱き合ってる姿を見られるなど言語両。例えアルマスにとってクソみたいな王国でも、孝志にはよく思われる環境で過ごして欲しいと考えている。

なので我慢が限界を迎えていたとは言え、対談での出来事は死ぬほど反省していた。


「どうぞ」

「「失礼します」」

部屋に入って来たのは二人組のメイド。
彼女達はカルマ襲撃の際、共に行動したライラとケイト。孝志に仕えると口にしていた戦闘メイド達だ。
二人は孝志へ会釈をした後に顔を上げ、そこで初めてアルマスとアレクセイの存在に気が付いた。

「うわすげぇ美女」
「うわすげぇ美男子」

二人は目を丸くした。
普段からアリアン、王女姉妹、貴族令嬢といった美女軍団に見慣れている二人でも驚く位に、アルマスとアレクセイの美しさは常軌を逸して居たのである。


「ふっ」

自分への称賛に気付いたアルマスは、内心ドヤりながら丁重に挨拶を交わした。

「どうも、こんにちわ。わたくしアルマスと申します。わたしは縁あって勇者孝志と行動を共にしております。今後とも宜しくお願いします」

「おお……なんて素敵な女性……!まるで現実離れした美しさです……!加えて礼儀作法も完璧とは……お、恐れ入ります……!」


それにアレクセイも続く。

「私はアレクセイ。松本孝志様の執事的なポジションになるかな?宜しく頼むよ!」

「は、はひっ!イケメンで礼儀正しいっす!あの橘雄星に爪の垢でも煎じて飲ませたいっ!」

「はは、ありがとう。ところでどう言った御用件かな?執事としては孝志様を休ませたいんだけど?」

「ああっ失礼しました!ベッドメイクに来たのですが……」

「貴女達の仕事を奪っちゃって悪いけど、今日のところは孝志様を休ませたいし、今回は私たちに任せて貰えるかな?」

「はいっ!ではアレクセイ様っ!失礼しますっ!」

「アルマスさんも、さよならっす!」

二人は逃げるようにこの場を後にした。



「……ふんっ、マスターへの下心が見え見えなのよ、クソメイドどもがっ!」

「あはぁ~ん、口ほどにもない的な感じぃ~?余裕なんですけどぉ~?」

「いやお前ら誰だよ」







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