精一杯のエゴイスト

宮内

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 それからはよく笑い、おいしくお酒を飲んだ。もてメン二人は会話もスマートで若くもない私たちを卑屈にさせることもなく心地よい時間が過ぎた。
 
「二人ともお酒強いんだね。」
会の終盤、二人のもてメンに劣らず飲み続ける私達に驚いたように岡山さんが言った。
「僕ら二人ともかなり強い方なんだけど、二人とも顔色一つ変わらないもんな。」
「すみません。楽しくて。弱いふりするの忘れちゃいました。」
笑いながら答えると
「その、ふりいる?どの層に有効な手段なの?」
びっくりしたように尋ねられ
「男性全般ですかね。ちょっと飲んで頬が赤くなるくらいの方がかわいくありません?」
頬杖を突きながら目で問うと、ゆったり笑みを浮かべながら
「確かに、一理あるな。」
椅子の背もたれにもたれかかりながら岡山さんが笑った。
「ね。」
さらに一口ビールをあおると岡山さんは快活に笑いながら
「いや、でも僕はお酒の強い女性大歓迎だよ。おいしいものを共有したいし。」
「あ。レアキャラですね。」
「そう?」
綺麗な顔で背もたれから体を起こしながら訪ねる。
「はい。まあ、本音はわからないですけどね。」
こんな綺麗な顔で優しく覗き込まれたら大抵の女性は落ちるなと思いながら、大体に入らない私はその瞳を強く見つめ返してみる。
「心外だな。お見せしたいぐらいの本音ですよ。直江さんって疑り深い?」
「ええ。心が狭くて疑り深いです。お見せしたいくらい。」
低い声で答えると
「それは恐いな。」
とさらに快活に笑った。
「和泉ちゃんは?」
ささいな会話の運ばせ方に和泉との距離の近さをちらつかせてくるこの男。和泉を覗き見ると
「どうですかね。」
と小さく笑った。その笑顔はお酒とは全く関係なくほのかにあかく実にかわいらしい笑顔だった。私たちは最近二人がはまっているという自転車の話や新しくできた商業施設の話。会社の面白い上司の話などをして気が付けば三時間以上たっていた。私たちトイレに立った。
 
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