根雪の証

宮内

文字の大きさ
7 / 22

6

しおりを挟む
 姉の一周忌も過ぎ喪もあけた正月、松岡様が新年のあいさつに来られた際二人で出かけることとなった。

私は、はいからな達でもなく学校の帰りに友達と街へ行ったことなど数えるほどしかなかった。
もちろん男の人と出かけたことなど兄や父以外なかった。
 
彼は終始無言でいつも腕を組み、私の何歩も先を歩いていた。
そして思い出したかのように私の所在を確認する。

姉と出かけて行ったあの時の様に手を取られることもなければ笑いかけるようなこともない。
私ははぐれないように必死で彼の背中を追いかける。
 
比べるものがないからわからないが楽しいかと問われたら答えに困る。
ほんの少しだけあった連れだって出かける事への淡い憧れはおろしたての下駄の鼻緒の痛みが消し去った。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。

山葵
恋愛
私の愛する旦那様。私は貴方と結婚して幸せでした。 姉は「協力するよ!」と言いながら友達や私の好きな人に近づき「彼、私の事を好きだって!私も話しているうちに好きになっちゃったかも♡」と言うのです。 そんな姉が離縁され実家に戻ってきました。

絵姿

金峯蓮華
恋愛
お飾りの妻になるなんて思わなかった。貴族の娘なのだから政略結婚は仕方ないと思っていた。でも、きっと、お互いに歩み寄り、母のように幸せになれると信じていた。 それなのに……。 独自の異世界の緩いお話です。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

さようなら、初恋

芙月みひろ
恋愛
彼が選んだのは姉だった *表紙写真はガーリードロップ様からお借りしています

処理中です...