根雪の証

宮内

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 その日から夫は早く帰ってくるようになり、食事も本宅ではなくいつも離れで過ごす。

夜も二度と夫婦の寝室に来る事はなく、生活のほとんどを離れで送るようになった。
 
そうなると、義母のあたりはさらに強くなり、これまで以上に叱咤を受ける。
息をつこうと庭に出れば、夫と夫の思い人が仲睦まじく散歩をしている。
 
この家でこの子はどうなるのだろうか。
不安ばかりが心を支配していく。
 
憂鬱な予感は的中し、離れに住まわれてからすぐ玲子さんから呼び出された。

女中が申し訳なさそうに私のところにやって来て

「若奥様申し訳ありません。離れの。玲子様がどうしても若奥様でないといけないとおっしゃられて。」

一緒に来てほしいという言葉が言えず下を向いて小声になる。

「わかりました。」

そう答えて離れにむかう。

その後、幾度となく呼び出されることになる。

それは些細な、小爪を拾うようなことばかり。
でも回数が増えるたび身も心も疲弊していく。
 
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