貸本屋七本三八の譚めぐり

茶柱まちこ

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二月『焔神楽』

その四

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 藤京の繁華街から遠のいた村――既に全焼した一軒の焼け跡に、女が座り込んでいた。その女を取り囲んでいるのは、黒い隊服に身を包んだ帝国司書隊――禁書回収部隊の隊員たちだ。

「わらわはどうなってもかまいませぬ。どうかこの子だけはお助けください」

 隊員たちは、女の姿をした炎という異形の存在に、それぞれ武器を向けていた。しかし、その顔はいずれも、驚愕と動揺に包まれていた。

「この子は可哀想な子です。この子はなにも悪くないのです。お願いします。この子を助けてください」

 女は頭を何度も下げながら、必死に助命を懇願していた。自身の命乞いではなく、その腕に抱えた子供の助命である。

「ど、どういうことだ……? なんで、この子は、火傷ひとつ負ってないんだ?」

 その子供は、たった今も炎に抱かれているというのに、傷一つ負っていなかった。
 癖のある黒髪、口元の黒子が特徴的なその少年は、気を失っていた。女は少年を外敵から庇うかのように、ずっとずっと抱えていたのだった。
 禁書回収部隊の隊員は全員が禁書士だからこそ、その異質な光景に驚愕していた。――禁書の毒が、人間の子供を守ろうとしているという光景に。

「お願いします……お願いします……どうかこの子だけは傷つけないで……!」

 むしろ、隊員たちとしては禁書から子供を助けるつもりであったのだが、この禁書は子供を害するどころか、逆に守ろうとしているのだ。その異質さのあまり、隊員たちは困惑しきりだった。

「何をしている?」

そこへ、腹の底に響くような低い声が割り入る。

「ゆ、幽岳様!」

 隊員たちが一斉に、その男に対して敬礼する。男は他の隊員とは違い、金縁の隊服を着ている。多数の勲章をその胸に提げ、威厳のある立ち姿だった。

「……間違いない」

 男は抱えられた子供を一瞥するなり、そう言った。

「愛子となったか。……亡くなったのは残念だが、最期に良い仕事をしてくれたようだな、伽那子かなこは」
「……八田幽岳じゃと?」

 女は、男の名前を口にするや否や、悲しみから一転、その身の炎を爆ぜさせるような怒りに震えた。

「貴様、よくもぬけぬけと言えたものじゃな……伽那子がどんな思いで死んでいったと思うておる! 伽那子はずっと待っておったのじゃぞ! 貴様が手紙のひとつでもよこせば、こんなことには――」

 女は涙を流したまま、男に対して強い怒りを見せる。しかし、男はその怒りに何一つ応えることなく、

「離れろ。その子供はお前のものではない。それは私の息子だ」

 と、言い放つ。

「貴様にこの子の父親を名乗る資格があると思うてか!?」
「資格もなにも、事実だ」

 男は女の怒りに一向に取り合わない。どころか、女が少年を離さないと判断するや、

「その禁書を捕らえろ」

と、命令を下す。
 隊員たちがそれを合図に女を攻撃しようとした、まさにその時だった。

「や、めて……」

 か細い声が、気絶していた少年の口から漏れ出た。

「止め」

 それを耳にとらえた男は、すぐさま命令を撤回する。

「殺さないで……この人を、殺さないでください……」
「………」

 薄く目を開きながら、少年は懇願していた。意識が混濁する中、それだけを男に訴えていた。
 男はしばらく逡巡して――周囲の隊員たちに告げた。

「……禁書を隔離しろ。決して傷つけるな」


 *****


「幽岳様も酷いことをなさったものだ」
「おぬしの紡ぎ手であろうが」
「そう怒らないでください」

 秋声と世助が片付けをする傍らで、阿子と珱仙は昔話を語り合っていた。

「光雪様が現役だった頃、私はまだ禁書ではありませんでしたから。せめて譚本の夢の中で彼を慰めることしかできなかったのですよ。力不足でしたがね」
「……まあ、それでも光雪の心は少し軽くなったであろ。おぬしには積極的に会いに行っていたらしいしな。その点については感謝しておるわ」

 ふん、と鼻を鳴らし、阿子は横にいる珱仙と目を合わせようとはしなかった。
 珱仙は構わず続ける。

「幽岳様は自分が憎まれていると分かっていたからこそ、光雪様が牙を剥かないよう、貴方を人質にした。帝国司書隊に入れ、自分の後継として育てるべく、彼を思うままにしていた」
「潔く汚れた男じゃったな、まったく」

 幽岳の全てを憎んでいる阿子にしてみれば、彼の紡いだ禁書の毒である珱仙も忌々しい存在なのだが――珱仙は自らの紡ぎ手である幽岳の被害者である彼らに同情していた。自身の主であるとはいえ、――否、自身の主であるからこそ、珱仙は今、忌避を感じるままに顔を顰めている。

「しかし、光雪も光雪で強かでのう。『あの男が自分を利用するなら、自分たちもあの男を利用すればいい』と言ってのけたわ。実際、あの男は光雪に多くの知識と経験をもたらしたからのう。その甲斐あって、光雪はいまや譚本作家として国内最高峰とまで言われるまでになった」
「本当は譚本作家になりたかったのだと、彼は教えてくれましたよ。帝国司書隊で学んだものを、後々譚本作家としても生かすつもりなのだと。その心意気には心底感服したものでした」
「ふふん、強かろう? 苦境にあってもなお、あの子は決して夢を忘れなかった。内紛がなくとも、いずれ光雪は帝国司書隊を脱する腹づもりであったのじゃ」
「……だからこそ」

 珱仙はゆるりと下ろしていた手をぐっ、と握りしめる。

「だからこそ、大事な記憶を失ってしまったのは非常に残念でした。私に向かって希望を語ってくれたあの目が私は好きだったのに。八月に再会した際に、それを遠回しに伝えたのですが……彼は何のことか分からなかったようですしね」
「あんな言い方で気づくわけなかろう。あの子は記憶を失っていること自体、自覚してはおらんかったのじゃぞ」
「……本当はあの場で失った記憶を示して差し上げたかったのですが、まだその時機ではありませんでしたから」
「……」
「睨まないでくださいよ。いずれ、光雪様は自身の過去と向き合うべきだったのです。秋久様が『一時しのぎの処置』だと言ったように。もう一度向き合うための時間は、十分与えられたことでしょう」
「……また、逆戻りしたら、どうする」

 阿子の眉間には、深い皺があった。今にも涙が溢れてきそうな、丸めた紙のような顔をしている。

「それはないと思いますよ」
「なぜそう言い切る」
「彼を支える人間は、もう貴方だけではないからですよ」

 珱仙は言って、今も尚片付けを続けている秋声を指さす。続いて、世助を指さす。

「彼らと、私は味方ですよ。それに奥方様も」
「………」
「なんとかなりますよ。まして、もう終わったことなのですから。貴方の愛した子は、貴方が思っている以上に強いですよ」
「……その悟ったような言い方、むかつくのう」

 珱仙はくつくつと笑うのみで、それ以上は何も言わなかった。阿子もまた、何も言わなかった。


 *****


「あぁッ!?」

 片付けが終わってひと段落――それぞれ混乱し興奮していた心持ちがようやく平静に戻ってきたというところで、世助が声を上げた。

「どうしたんです?」

 突然の叫び声に目を丸くしつつ、秋声が尋ねる。その時、世助の頬には赤みなどまるでなく、すっかりと青ざめていた。

「やべぇ、唯助とおっさんを身一つで追い出しちまった……!」
「あ」

 当人たちのみならず、世助や秋声も今になって気づいた。世助は馬鹿親子の喧嘩に怒っていたし、秋声はその親子喧嘩に巻き込まれて生きた心地もしなかったであろう――それぞれが別のところに気を取られてしまっていたため、この極寒の中、うっかり三八と唯助を放り出してしまったのである。

「鯖くんがついていきましたから大丈夫でしょう。彼で暖をとっているのではありませんか?」

 珱仙が答えた、ちょうどその時である。
 のし、のし、――と雪を踏みしめる足音が聞こえてきた。……が。

「……なんか、足音デカくねえか?」

 世助の言う通り、その足音は遠くから聞こえてくるわりに、かなり大きい。熊でも歩いてきそうな、ずっしりと重みのある足音が――さらに少しずつ大きくなってきている。
 足音の方向へ皆が視線を向けると、その向こうから巨大な影が接近してきた。

「……は?」

 目のいい世助は、一度目を擦った。しかし、決して世助の目がおかしくなったわけではない。
 その後、世助以外の三人も、

「「「は?」」」

 と異口同音に発したのが証拠だった。

「……なんで猫が二足歩行してんだよ!!」

 巨大な影の正体は、人間の二倍ほどの体高をした三毛猫であった。しかも、普通は四足で歩くはずの猫は今――彼らの目の前で、巨大怪獣のごとき二足歩行を披露しているのである。のっしのっしと、一歩一歩雪を踏みしめて、よたつくこともなく真っ直ぐ背筋を伸ばして歩いているのだ。

「だからやめろと言ったのに」
「うるせーにゃん。おめーらが歩けにゃいって言うから運んでやってるのに」
「背中に乗せるとか、他にやりようがあっただろ……」

 二足歩行をしている猫は勿論、鯖のことだ。その前足……というより、手にそれぞれ抱えられているのは、先ほど身一つで追い出された三八と唯助だ。
 巨大な三毛猫が、怪獣のごとき立派な歩みで、あろうことか大の男二人をその両腕に抱えて、連れて帰ってきたのである。
 あまりにも酷い絵面だった。それを見た四人全員が口をあんぐりするのも然りだ。

「場面に合った絵面ってのも大事なんだよ。……ぃッきし!」
「だから僕の毛皮に鼻水つけんにゃァ!!」
「仕方ないだろう、寒いんだから」
「仕方にゃくにゃーいッ!! 鼻を拭うにゃァ!!」

 ぶびーっ! と猛烈な音を立てて鼻をかんだ三八を、鯖はペシッと雪に叩き落とす。唯助もゆっくり下ろすと、鯖は汚いものを雪で拭おうとゴロゴロ体を擦り付け始めた。

「なんでしょうね。この間抜けな光景」
「いいのではないですか? 多少こういう馬鹿馬鹿しい場面があっても」

 呆れすぎてため息も出ない秋声に、珱仙が返す。

「それで。考えはまとまったのですか、光雪様」
「ああ、まとまった。が、その前にだ」

 雪に突き落とされて真っ白になった三八は、全身の雪を振り払いながら言う。

「まだ阿子が唯助に謝ってない」

 唯助にいきなり暴力を働かれたことについて、まだ三八は怒っていた。細められた左目は阿子をじっと見ている。

「そうじゃな。……すまなかった、童よ。わらわが軽率であったばかりに」

 阿子は唯助の目の前に立つと、深く頭を下げて詫びた。

「良いですよ。阿子さんも、旦那を守ろうと必死だったんでしょう? 大事には至らなかったことだし、もう水に流してください」
「……優しいのう、おぬしは」

 首を焼き切って殺そうとした阿子としては、どんなそしりも受ける覚悟でいた。だというのに、このなんでもないような笑顔。謝罪した阿子もそれにつられてかすかに笑った。

「……ひとつ聞いていいですか、阿子さん。阿子さんは、どうして旦那を息子のように思っているんですか」
「禁書が人の子を息子のように愛するのは、おぬしの目にも奇異に映るか?」
「……一部はそうかもしれません。でも、少し違います」
「少し違う?」

 一番初めに出会った禁書士が三八であったから、唯助は禁書を世間の人々ほど忌避していない。ゆえに、禁書と人間が親密な関係を持っている事実を侮蔑するつもりは、彼にはない。
 彼が感じるのは、禁書と人間という関係性を取り除いた上での疑問である。

「当たり前だけど、阿子さんと旦那は本当の親子じゃない。でも、旦那を守るためにおれを殺そうとしたり、さっきの喧嘩で泣いているのを見て――本当に、阿子さんは旦那が大事なんだなって思ったんです。そこにある譚を、知りたいんです」
「答えよう」

 じゃが、その前に。と、阿子は自身のするべき回答を一度棚上げして、逆に唯助に問うた。

「童よ、それはおぬしの力で簡単に見えるものじゃぞ。光雪の譚に接触したのなら、わらわに聞くまでもなく見えるはずじゃ。それができると分かった上でなお、わらわに譚を聞くのかえ?」
「はい」

 唯助は迷うことなく、即答した。

「なにゆえ?」
「見えたものだけが譚じゃないって、思ったからです」

 唯助は額に手をあてがい、少し思い出すような素振りをして、続ける。

「『譚』とは、言うなれば『歴史』である。『人生』である。『体験』である。『心』である。――七本屋で勉強していた時に使った本にあった、八田幽岳の言葉です。確かに、その人の過去だけを知りたいだけなら、阿子さんの言うように見るだけで十分です。でも、それだけが『譚』じゃない。おれは、譚を持っている人の言葉なんかも含めて、譚を読み解くことなんじゃないかって思ったんです」

 というよりも、唯助のように方が例外的なのだ。
 むしろ、譚の持ち主の言葉や行動から譚を読み解いていくのが通例なのである。
 三八がやっていたように、時にはあえて揺さぶりをかけたり、冷徹に振舞ったり、逆に歩み寄ったり――そうして譚を引き出してこそ、本来の譚の読み解きである。
 最初から譚を見るという方法はそれらの手間を一切省くことができるが、逆に言えば、手間をかけなければ引き出せない譚を見逃してしまうという重大な欠点がある。

「おれは、旦那の譚をちゃんと読み解きたいんです。……旦那の言葉を借りるなら、それこそ、根掘り葉掘り真の髄まで」
「なにがおぬしをそうさせる?」

 阿子は質問を追加する。
 そもそもの疑問を、唯助にぶつける。

「わらわや光雪は、おぬしに譚を読み解いてくれと頼んだわけではない。おぬしは立場として、積極的に立ち入るべきではなかろう。だというのに、なぜそうまで譚を読み解こうとする?」

 唯助は色々逡巡して、数秒ほど唸って考えて、

「おれがどうしようもなく興味津々なだけです」

 と、最後には申し訳なさそうに答えた。

「おれにもう少し語彙力があれば、まともな言い方……いや、それっぽい言い方ができたかもしれません」

 しかし、だからと言って。
 唯助の持つ語彙がどんなに豊かで、その語彙力を遺憾なく発揮し、飾り立てて物を言ったところで――結局、行き着く果ては全て、この一言に尽きるだろう。
 ただ知りたい──それだけなのだ。
 三八が記憶を失い、それを取り戻したいと願っているこの状況に乗っかって――幾多の謎に包まれた七本三八、八田光雪という人物を読み解きたいと願う。
 そこにはどんな深遠な理由も存在しない。ただただ、唯助は彼という譚を知りたいだけなのだ。

「……だめですか? やっぱり」
「いや、だめではない。わらわ自身は、答えると先に約束したからの。光雪も一緒に聞くが良い」

 阿子は少しだけ笑った。
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