神秘と悪霊の魔"京"へようこそ!:鬼娘と契約して巫女になった俺が、悪霊退治の英雄(ヒロイン)になる!

戸﨑享

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Ver 1.1 京の街をご案内! サブストーリー「怖い姉貴との再会」

第2話 姉貴は弟を探している(俺なんだけどね……){分岐あり}

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(選択肢は2つ。どちらか決めよう)

 1→ 一緒に行く

 2→ 逃げる(後半の10行空きの後から)








 1→ 一緒に行く。



「そういや気配が消えたけど、弟はどこへ行ったのかしら……? まあいいか」

 反逆軍は治安維持も担っている。いわば秩序の番人だ。

 そんな相手を前に下手に抗うのは良くない気がする。別に容疑者として連れていかれるわけではないのなら別に悪いことはしていないので問題はないだろう。

 それに万が一が起こったときは逃げればいい。さすがに逃げるくらいなら……大丈夫だよな?

「今は仕事中だけど、もうすぐ終わるからここで待っててもらっていいかしら?」

「そんなことしなくても……ついて行きます。後ろから」

「そう? じゃあ、しばらくお時間もらうわね?」

 そして姉貴は仕事の続きに従事する。と言っても、襲撃があってなかなか終わったから続きというメンタルにはならないだろう。そんなことできるようにのは少なくともこの街に住んでから1年必要だ。

 必要な案内を終えたら、早々に今日は切り上げるだろう。




 姉貴がお仕事を終え京都ツアーに参加していた人々の背中を見送った後、
「じゃあいきましょう?」
 と俺の手を握り歩き出す。

 人とのスキンシップを遠慮しないところとアグレッシブなところは俺としても姉貴がすげえと思う理由なわけで。

 今手を握ってるのもまさか弟とは思わないだろうな。

 真っすぐ反逆軍の基地へと歩いていく姉貴に引っ張られる。そういえば幼い頃はこうやって手も繋いだっけ。

 ぐぇ……? 

 急に路地裏に引っ張られた。

 いって! 壁にたたきつけられた。

 こんな雑な扱いある? もしかしてバレた? 中身俺ってバレた? だからってこんなひどいことしなくても……。

 ひぃ! いつの間にか首に刃が。これじゃあ反抗しようとしてもその前に殺される……。

「安住から聞いてるわ。貴女、鬼の力を使っているそうじゃない。興味深いわね」

 こわい……。目がもう狩るときの猛獣だ。姉貴、いつもは可愛いのになぁ、これじゃ嫁の貰い手も見つからないだろ、いやそんなこと言ってる場合じゃない。

「俺、いや……私を殺しますか」

「カタギ、失敬、罪のない一般の人を殺すのはさすがにご法度よ。鬼相手ならともかく、鬼とかかわりがあっても、人を意図的に苦しめたり殺したりしている証拠がないと殺せない」 

 じゃあ、この刀はなんだよ。

「でもあなたがいくらか前から現れた目的不明の鬼の巫女であることは見ただけで明白。貴方に訊きたいことがあるの」

「なんでしょうか?」

「さっきもそう。弟の気配があったのに、貴方が現れてから急に消えた。私の弟、金髪黒瞳ですぐに分かる、私の弟なんだから。貴方が現れたと同時に、家に戻らなくなった」

 ああ……そりゃそうだろう。だって目の前にいるのは女の子になっちゃった俺だよ、って言って信じるわけがないだろうし、それはそれで面倒になりそうだ。

 姉貴に限らず世間に今の姿の存在は隠していないけど、元々男だってのは秘密だ。いろいろ面倒になりそうだし、レイからも強くお願いされた。

 俺としてもまだ彼女を見捨てることはしたくないので、メリットのないただ彼女を危険にさらすような行為はやめている。

「最近はあの子にも会えてない。家にある監視カメラを毎日チェックしてるけど帰ってないし、何かあったら助けてあげてほしいって頼んでる近くの駄菓子屋の姐さんも最近は見てないって」

 監視カメラ……? 初耳なんだが! 俺監視されれたのかよ。ちゃんと帰ってるのか。

「それが……なんでしょう。弟さんを監視なんてよくないと思いますけど……?」

「知らないとでもいうの。お前と弟がグレたのは何か関係がある。誘拐して奴隷にしたり血でも吸ってたりするなら」

 首の肌に……刃が、当たってるよぅ。怖い……。

「礼、貴方を痛めつけるコイツを今あの世へ送ってあげるからね?」

 こわい! 姉貴こんな人間だったっけ? ここはしっかり否定しておかないと。

「私は知りません」

「嘘つくなよ?」

「あなたが弟さんを大事にしていることは伝わりました。私も気にかけますから……どうかここは私を信じてほしい」

「何を証拠に信じろって?」

「何もありませんけど、でも私は決して人を苦しめたいと願っているわけじゃない。だから……」

 こっちを見つめてくる。

 姉貴は1分ぐらいの間黙って、それでも俺を離してくれなかった。

 しばらく待って、ようやく俺を解放してくれた。体にかかる圧力がなくなってとりあえず一安心のため息。

「まあ、言いがかりも良くないわね。ここまで脅しても離さないなら弟を巻き込んでる三下って感じじゃないし、本当に関係がないか、証拠を見つけないとって感じか。とりあえずごめんなさい」

「いいえ、お気持ちは本当にわかりました」

 主に姉貴のね。まさか家に帰ってこない割にこんなに心配してくれているとは。どうもちょくちょく家に帰れるときに帰んないとダメっぽいな……。

「まあ、何か分かったらまた教えて」

「あの、私を捕える必要はないのですか?」

「反逆軍全体としてあなたへの対応は様子見。ただ正式に担当は安住になったから無罪放免とはいかないわ。調査のうえであなたに何かの罪があったり、安住が必要だと判断すれば、貴方には粛清の刃が下る。安心はしないことね」

 姉貴は家でよく見せてくれるへらっとした笑顔になった。

「そうそう。貴女可愛いんだから、おしゃれはちゃんとしなさい。私、公私ははっきり分けるタイプだから、私的にあなたのコーディネートをしていいわ。また会いましょう? 可愛《かわ》い子ちゃん」

 そう言って姉貴は走り出した。また表の道に出た時にはもう消えていた。どんだけ速いんだ。

 それはともかく姉貴は大変お怒りのようだ。今回のやり取り、下手したら殺されていたかもしれない。

 今後選択を間違えたら死ぬこともあるかもな……。


 俺もすぐに走って俺のパートナーがいる家へと向かった。

 家と言っても向かうのは安く借りている倉庫だ。その入り口と別の空間を呪術で繋げることで、隠れ家へと移動している。

 本来何も入ってない倉庫がドアを開けば現れるが、俺が明けてその中に入ると、突如木製のちゃぶ台が置いている和室へと移動できる。

「おかえりなさい」

 大和撫子というのは彼女のこと。頭に鬼の証である角が生えているものの、乱れのない黒紫の髪の毛を長く下ろしている。

 これでも俺より数倍強い剣技の師匠でもあり戦い方の師匠でもある。

 俺は彼女から力と技を教えてもらっている代わりに、俺は夢を叶える権利を手に入れた。悪霊と戦い命の危機にさらされている人々を救う。決して見捨てない。

 そんなヒーローみたいな善い人間になって生きるという夢。それが鬼である彼女と出会って叶おうとしている。その代わりに、俺は彼女を人間に戻す手伝いをすると決めたのだ。

「なんだか、顔色が悪いですね……」

 夕飯を用意してくれていて、今日は焼き魚を用意してくれているようだ。普段姉貴がいない時は適当にインスタントだったりキューブだったりで済ましてしまう俺だが、こうして料理を作ってくれる人の偉大さに気づかされてばかりだ。

 ちゃぶ台に向かい合って座り、両手を合わせて、いただきますと一言。

 その後すぐに急きょ決心した明日の予定を言った。

「今日のパトロールなんだけど中止にするよ」

「そうですか。珍しい、具合が悪いので?」

「いや、実は姉貴に目ぇつけられてるみたいでさ。ちょっと明日は実家に帰って姉貴と話をしてくる」

「そうですか……」

 少し寂しそうな顔になるレイ。うう、こうして向かい合うと心が痛むが……。

「でも俺、まだ家で同然でここにいるんだ。ちゃんと決着つけてこないとな。勘当されるかマジの家出になるかもしれないけど、ちゃんと話しておきたい」

「そうですね。分かりました。今日と明日のパトロールは任せてください。貴方はゆっくりお姉さんとお話をしてきてくださいね」

 ああ。ありがとう。

 レイにしっかりと頷き、こうなったからにはけじめつけてこないと、と心に誓った。

(この後は次の話へ進みます)










 2→ 逃げる






 この前戦った安住は俺の正体を知っている。

 反逆軍にもしその情報が共有されて、鬼とその巫女を殺せなんて命令が下ってたらついて行った瞬間に俺は死ぬことになるだろう。

 ようやく始まった夢への道、こんなところで躓いている場合じゃない。

「申し訳ないですが、この後用がありますので……」

「あら、そう? なら仕方ないわね。じゃあ、端的に1つ質問だけいい?」

「なんでしょう?」

「あなたが街中で活動し始めるのと同時に、ウチの弟がいなくなったの。私と同じ金髪で瞳が黒の目立つ子なんだけど、何か知らないかしら?」

「……さあ」

 俺だよ、と言うわけにもいかんしな。

 姉貴に限らず世間に今の姿の存在は隠していないけど、元々男だってのは秘密だ。いろいろ面倒になりそうだし、レイからも強くお願いされた。

 俺としてもまだ彼女を見捨てることはしたくないので、メリットのないただ彼女を危険にさらすような行為はやめている。

「そう。その目、嘘をついているように思えないし、ウチ……ヤバイ、言い方戻った。私も憶測で物を語ってるし仕方ないわね。でもあなたには個人的に興味があるわ。その髪色は元々のものだとしたらよく似てる。運命感じると思わない?」

 姉貴がこっちを見る目は、疑いの目と言うより、なんというかちょっと怖かった。


 ついて行ってたらどうなってただろうか。路地裏で暗殺とかされてたかもれない。こうした場面で選択を間違えたら死ぬかもしれないな。いや、こうして下手に抗って後でひどい目に合うフラグとかたててなければいいけど……。


「機会があればまたお会いしましょう」

 ちょっとドキドキしてこれ以上はボロを出すかもしれない。早々に話にケリをつけて、俺はその場を後にしよう。

 なんか後ろの方から可愛いとか聞こえてきた。ヤメロ。ドキッとしちゃうから。





 
 俺のパートナーがいる家へと向かった。

 家と言っても向かうのは安く借りている倉庫だ。その入り口と別の空間を呪術で繋げることで、隠れ家へと移動している。

 本来何も入ってない倉庫がドアを開けば現れるが、俺が明けてその中に入ると、突如木製のちゃぶ台が置いている和室へと移動できる。

「おかえりなさい」

 笑顔で迎えてくれたパートナー。大和撫子というのは彼女のこと。頭に鬼の証である角が生えているものの、乱れのない黒紫の髪の毛を長く下ろしている。

 これでも俺より数倍強い剣技の師匠でもあり戦い方の師匠でもある。

 俺は彼女から力と技を教えてもらっている代わりに、俺は夢を叶える権利を手に入れた。悪霊と戦い命の危機にさらされている人々を救う。決して見捨てない。

 そんなヒーローみたいな善い人間になって生きるという夢。それが鬼である彼女と出会って叶おうとしている。その代わりに、俺は彼女を人間に戻す手伝いをすると決めたのだ。

「夜ごはん、用意してくれたのか」

「はい。お帰りが遅かったので、あるもので」

「悪いな。じゃあ、冷めないうちに」

 別に結婚したなどとでしゃばるつもりはないが、女の子との同棲をこの歳でできるのはなかなかに恵まれているんじゃないか?

 こうして温かいご飯を用意してくれるの幸せだ。

 家にいる時はだいたい姉貴が反逆軍の仕事で忙しいので1人だ。姉貴を俺を気にかけて帰れるときは帰ってきてくれるけど、俺ももう子供じゃない。姉貴の苦労は分かるつもりなので、別に無して帰る必要はないと言ってある。

 しかしそうなると飯はどうしているかだが、俺はなかなか料理というものをしないので適当にインスタントのやつやキューブで済ましてしまう。

 インスタントも熱がないわけじゃないが、やっぱり手料理のは質が違うよ質が。

「いつもそうして夢中になって食べてくれていると嬉しいです」

「家じゃなかなか食べなかったんだよ」

「お姉さまもいたそうですが?」

「姉貴は忙しいんだ。だからなかなか家に居なくて。俺一人のことが多かった」

「そうですか……。私、お姉さまにも会ってみたいです。もちろん、角をどうにかしてからになりますけど……どんな方なのでしょう」

「一言で言えば、おっかない、ってところか」

 俺は彼女に少し姉貴の今の仕事の話と家での態度の話を↓。

 昔は知らなかったけど姉貴はマジで喧嘩が強く、それだけじゃなくて戦いの才能にも恵まれていたと思う。噂だと、反逆軍の中でも最強の10人の1人だとか。

 いやいやいやさすがにそれはない。姉貴を尊敬していないわけじゃいが、それは言い過ぎだ。最強の10人と言えば、守護者という二つ名をもらって、誰からも尊敬されるレベルの軍人ってことになる。

「すごいお方なんですね」

「でも公私ははっきり分けるタイプで、休みの日は家に帰ってゲームしたり、買い物行ったりで遊び放題だぜ。勉強しろって俺には言うくせにさ」

「ふふふ、それ私も言われました」

「そうか。へえ……そこらへんは昔の人も一緒なんだなぁ」

 彼女がこんななんとない話で笑ってくれるとこっちも嬉しくなってくる。

「でも、最近はお家に帰っていませんよね。たった一人の弟君、心配なのではないでしょうか」

 そういえばそうだ。ここ1週間は帰っていない。毎日巫女剣士に変身して――服は変わらないけど――夜中戦ってばかりだ。

 姉貴は俺には厳しい。なぜか戦いの道に入ることを強く拒んでいるような気もする。さすがに歳を重ね門限についてはとやかく言うことは少なくなったが、夜に出歩くのだけは禁忌だと言って譲らない。

 ……ちょっと心配になってきたな、姉貴、もしかすると家に俺が帰っていないの知ってたらカンカンだろうなぁ。

 でも、この生活も、彼女と共に戦うのも止めるつもりはない。

 近々、話をつける必要はあるかもしれない。

「そうだな。確かに姉貴には何も言ってない。明日は家に帰ってみるよ。それで姉貴とちゃんと話をしてからここに戻ってくる」

「いいと思います。パトロールは私に任せてください」

「助かるよ。レイ」
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