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旅立ち~オードゥス出立まで
小休憩
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ジェイルパーティとライルはバトルベアを回収した後、隊員らがいる所まで来て小休憩をとっていた。
「とりあえず今日はここまでだな。」
「そーだね、先に進もうにもこれじゃあ…」
下層への坂入口にある土壁をコンコン叩くロゼ。
「ま、ここから先にいるみたいだから数日で捕まるでしょ。
その時は少年と一緒に、そうでしょ?」
「うん。」
「まぁ、これから数時間後の明朝に準備を整えた隊員と隊長、アリッサさんが潜る予定だから遅くとも3日って所だね。」
「あんまり言いたくにゃい事だけど早く捕まって欲…」
「どうしたんですか?ライルさん?」
ライルが突然黙る。
不思議に思ったクロラが問い掛けるも土壁の方を見つめるのみ。
周りを見ると3人の隊員も一様に動きを止め、土壁の方を注視する。
「皆!下がるんだ!」
いつもと違う口調のライルに慌てて土壁から離れ、戦闘態勢を取る一同。
隊員3人はそれぞれ何かを唱え、待機する。
ズドン! ボゴ!ボゴ!
土壁の向こうで何かが衝突し、所々の土壁が崩落する。あまりの衝撃に地面が揺れる。
「強化魔法で補強した壁だぞ!?デイル!拘束魔法準備!」
「了解!」
隊員の1人が更に追加で魔法を唱え待機する。
「皆!支援魔法掛けるわよ。<守り手><身体強化><盾強化付与><剣強化付与>」
パーティの面々に魔法を掛けた後、更にもう1つ魔法を唱え待機するポーラ。
ズズン! ボゴ!ミシッ!
「アイシクルウォール!」
ポーラが魔法を発動、土壁の崩落箇所を補強する様に氷の壁が発生する。
ズガァアッ! バリッ!ガラン!ガシャン!
ポーラが補強するも土壁ごと氷の壁も破壊する。
土煙の中から猛烈な速さで何かが出現する。
グゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「バ、バーサークベア!?くっ…<樹王の牢獄>!」
出現したバーサークベアに驚きつつも高位の拘束魔法を発動。
地面から夥しい量の蔓が伸びバーサークベアの手足に絡み付く、更に足元から大木が次々と出現し進路を悉く潰す。
「拘束魔法を撃てる者は放ったら一目散に逃げろ!
ジーン!ライルさんと一緒に全力で街に向かって応援を呼べ!俺とデイルで全力で抑える!」
隊員とライルは迷う事無く行動に移す。
「行くぞライル!」
「ああ!<纏雷>!<疾風>!速力上昇の支援魔法だ!良いか、全力で逃げろ!」
ライルが魔法を発動すると全員の体に雷と風の魔法が付与される。
街への要請を任された2人は全力で駆け出す。
「ジーン!乗れ!全力で行ける所まで行く!後は任せるぞ!」
「すまない!」
「<矢水垂>!」
「アイシクルウォール!」
クロラ、ポーラが拘束、防御魔法を放ち直ぐ様ジェイルらと共に駆け出す。
「あの4人助かってくれると良いが…」
「なら俺らが頑張らんとな、相手はあのバーサークベアだ。本気で戦っても無事では済まないだろう。」
ズドン! バギィン!ブチブチッ!
「くそっ!もう<樹王の牢獄>と氷の壁が破られた!」
「ディーラ!出て来たら大魔法を魔力が無くなるまで撃ち続けろ!」
「了解ぃ!」
指示を受けたディーラは左手を前に突き出し、右腕に力を溜める。
ドガァッ! ゴオォァアアアアッ!
「<獣王の腕>!ハイ・エクスプローズレイズ!」
ディーラが叫ぶと同時に巨大な獣の手の幻影が出現。
出現したバーサークベアを本気で掴むと光線状の高位爆裂魔法を発動、胴体に当て続ける。
ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ! グゴアアアアッ!
「ディーラァ!このまま撃ち続けろ!」
「了解!」
すると胴体と魔法との間に腕を差し入れるバーサークベア。
バヂィッ! ズドンッ!
腕で爆裂魔法を弾き、<獣王の腕>を力付くで外し大きく跳躍、右腕を大きく振り被って落下して来る。
ディーラは爆裂魔法を解除し落下して来るバーサークベアに合わせ別の魔法を発動する。
地面から大木や蔓が寄り集まって巨大なバリスタを象る。
「そのまま突っ込んで串刺しになれや!
食らえ!滅樹弩(めぎど)!」
対するバーサークベアは突然出現した滅樹弩に構う事無く落下しながら右腕を振り下ろす。
ズガァアアン! バキバキバキ!
バーサークベアが着弾した瞬間、爆裂魔法でも炸裂したのか、という程の轟音と地面が波打つ程の衝撃が発生、着弾地点にいたディーラは衝撃波に巻き込まれ樹木や土砂と一緒に吹き飛ばされた。
「良くやったぞディーラ!後はこちらで時間を稼ぐ!」
ライルが掛けた速力上昇の支援魔法に加え、色々と重ね掛けした隊員の体の輝きが更に増す。
隊員は懐から札を20枚程出し、凄まじい速さで接近する。
バーサークベアが隊員に向け振り上げを繰り出す。それを僅かに右に避けるが直ぐに目の前に2撃目が迫る。
(くっ、そ速ぇえ…!)
何とか顔の皮膚を少し切り裂く程度でギリギリ回避し、振られた腕の外側に札を貼る。
(これをあと20枚分か…骨が折れるぜ…)
その後肩の肉や腕の腱を断ち切られたり腹の肉を抉られたりもしたが何とか20枚貼り終える。
「げふっ…!少しは効いてくれよ…爆ぜろ!」
隊員がそう叫ぶと、札1枚1枚に仕込まれた『ハイ・エクスプロージョン』が炸裂しだす。
その度にバーサークベアがたたらを踏む。
ズン!グォア!? ドガッ!グガッ!
その間に隊員は回復魔法を使い、急いで血を止める。
しかし7発目辺りでバーサークベアの体がふらつかなくなった。
「くそっ…嘘だろ…」
そして爆発が半分を過ぎた辺りだった。
グォオオオオオオオオオオオオオオオッ!
体の各所を爆発させながら隊員に向け突進を開始、<樹王の牢獄>を発動させるも爆発で上手く体に蔓が巻き付かない。
「しまっ…」
バーサークベアの突進を諸に食らった上、爆発にも巻き込まれ吹き飛ばされる。
不幸中の幸いだったのは隊員達には目もくれずそのまま上階を目指した事だろう、瀕死の重症ではあったが2人共息はあった。
僅かな時間ではあったが足止めに成功したその頃、先に街に向かっていた隊員のジーンとライルは早くも上層3階に到達していた。
「ぐっ…げぼっ、が、はぁっ…」
「ライルさん、もういい!後は自分で行く!」
「大丈夫…2階に到達したらお願いする、それまげぇっ…待つんだ…」
中層5階から上層3階までを全力で駆け抜けたのだ、相当の負担が体に掛かっているハズだ。
少しして2階への坂が見えた時だった、ライルの気が緩んだのか、脚を滑らし転倒する。
先程からもうすぐこうなると察知していたジーンは受け身を取ってそのままの勢いで駆け出す。
「少し待ってて下さい!直ぐに応援を呼んで来ますので!」
ライルは弱々しく前脚を上げて応える。
「すまない…楽しみに待ってるよ…」
その頃のジェイルパーティはというと中層2階の真ん中辺りに来ていた。
いくら身体強化魔法が付与されているとはいえ全力で走っていれば流石に疲れが見えて来る。
最初足が止まったのはポーラだった。
「はーっ…はーっ…はーっ…」
「ポーラちゃん、大丈夫?」
「はーっ…大、丈夫。はーっ…くそっ…こういう体力勝負の時【魔法使い】ってのはダメね…」
ポーラが愚痴を言ったその時、ロゼが顔を強張らせ背後を振り返る。
「戦闘音が…止んだ…?」
ロゼは<聞き耳>を持っており、常時発動していた。
時折爆裂魔法が炸裂する音が聞こえていたが、連続した炸裂音を最後に戦闘音がピタリと止んだという。
「止んだって…倒したのか?」
「うーんそこまでは分からない…でも逃げれる所まで逃げよう?あの熊普通じゃないよ…」
未だに息が整わないポーラを見つめるクロラは背中の弓と矢筒をロゼに渡す。
「ロゼこれお願いしても良い?」
「いーけど、クロラはどうするの?」
「ポーラちゃんおんぶして行く!」
「とりあえず今日はここまでだな。」
「そーだね、先に進もうにもこれじゃあ…」
下層への坂入口にある土壁をコンコン叩くロゼ。
「ま、ここから先にいるみたいだから数日で捕まるでしょ。
その時は少年と一緒に、そうでしょ?」
「うん。」
「まぁ、これから数時間後の明朝に準備を整えた隊員と隊長、アリッサさんが潜る予定だから遅くとも3日って所だね。」
「あんまり言いたくにゃい事だけど早く捕まって欲…」
「どうしたんですか?ライルさん?」
ライルが突然黙る。
不思議に思ったクロラが問い掛けるも土壁の方を見つめるのみ。
周りを見ると3人の隊員も一様に動きを止め、土壁の方を注視する。
「皆!下がるんだ!」
いつもと違う口調のライルに慌てて土壁から離れ、戦闘態勢を取る一同。
隊員3人はそれぞれ何かを唱え、待機する。
ズドン! ボゴ!ボゴ!
土壁の向こうで何かが衝突し、所々の土壁が崩落する。あまりの衝撃に地面が揺れる。
「強化魔法で補強した壁だぞ!?デイル!拘束魔法準備!」
「了解!」
隊員の1人が更に追加で魔法を唱え待機する。
「皆!支援魔法掛けるわよ。<守り手><身体強化><盾強化付与><剣強化付与>」
パーティの面々に魔法を掛けた後、更にもう1つ魔法を唱え待機するポーラ。
ズズン! ボゴ!ミシッ!
「アイシクルウォール!」
ポーラが魔法を発動、土壁の崩落箇所を補強する様に氷の壁が発生する。
ズガァアッ! バリッ!ガラン!ガシャン!
ポーラが補強するも土壁ごと氷の壁も破壊する。
土煙の中から猛烈な速さで何かが出現する。
グゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「バ、バーサークベア!?くっ…<樹王の牢獄>!」
出現したバーサークベアに驚きつつも高位の拘束魔法を発動。
地面から夥しい量の蔓が伸びバーサークベアの手足に絡み付く、更に足元から大木が次々と出現し進路を悉く潰す。
「拘束魔法を撃てる者は放ったら一目散に逃げろ!
ジーン!ライルさんと一緒に全力で街に向かって応援を呼べ!俺とデイルで全力で抑える!」
隊員とライルは迷う事無く行動に移す。
「行くぞライル!」
「ああ!<纏雷>!<疾風>!速力上昇の支援魔法だ!良いか、全力で逃げろ!」
ライルが魔法を発動すると全員の体に雷と風の魔法が付与される。
街への要請を任された2人は全力で駆け出す。
「ジーン!乗れ!全力で行ける所まで行く!後は任せるぞ!」
「すまない!」
「<矢水垂>!」
「アイシクルウォール!」
クロラ、ポーラが拘束、防御魔法を放ち直ぐ様ジェイルらと共に駆け出す。
「あの4人助かってくれると良いが…」
「なら俺らが頑張らんとな、相手はあのバーサークベアだ。本気で戦っても無事では済まないだろう。」
ズドン! バギィン!ブチブチッ!
「くそっ!もう<樹王の牢獄>と氷の壁が破られた!」
「ディーラ!出て来たら大魔法を魔力が無くなるまで撃ち続けろ!」
「了解ぃ!」
指示を受けたディーラは左手を前に突き出し、右腕に力を溜める。
ドガァッ! ゴオォァアアアアッ!
「<獣王の腕>!ハイ・エクスプローズレイズ!」
ディーラが叫ぶと同時に巨大な獣の手の幻影が出現。
出現したバーサークベアを本気で掴むと光線状の高位爆裂魔法を発動、胴体に当て続ける。
ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ! グゴアアアアッ!
「ディーラァ!このまま撃ち続けろ!」
「了解!」
すると胴体と魔法との間に腕を差し入れるバーサークベア。
バヂィッ! ズドンッ!
腕で爆裂魔法を弾き、<獣王の腕>を力付くで外し大きく跳躍、右腕を大きく振り被って落下して来る。
ディーラは爆裂魔法を解除し落下して来るバーサークベアに合わせ別の魔法を発動する。
地面から大木や蔓が寄り集まって巨大なバリスタを象る。
「そのまま突っ込んで串刺しになれや!
食らえ!滅樹弩(めぎど)!」
対するバーサークベアは突然出現した滅樹弩に構う事無く落下しながら右腕を振り下ろす。
ズガァアアン! バキバキバキ!
バーサークベアが着弾した瞬間、爆裂魔法でも炸裂したのか、という程の轟音と地面が波打つ程の衝撃が発生、着弾地点にいたディーラは衝撃波に巻き込まれ樹木や土砂と一緒に吹き飛ばされた。
「良くやったぞディーラ!後はこちらで時間を稼ぐ!」
ライルが掛けた速力上昇の支援魔法に加え、色々と重ね掛けした隊員の体の輝きが更に増す。
隊員は懐から札を20枚程出し、凄まじい速さで接近する。
バーサークベアが隊員に向け振り上げを繰り出す。それを僅かに右に避けるが直ぐに目の前に2撃目が迫る。
(くっ、そ速ぇえ…!)
何とか顔の皮膚を少し切り裂く程度でギリギリ回避し、振られた腕の外側に札を貼る。
(これをあと20枚分か…骨が折れるぜ…)
その後肩の肉や腕の腱を断ち切られたり腹の肉を抉られたりもしたが何とか20枚貼り終える。
「げふっ…!少しは効いてくれよ…爆ぜろ!」
隊員がそう叫ぶと、札1枚1枚に仕込まれた『ハイ・エクスプロージョン』が炸裂しだす。
その度にバーサークベアがたたらを踏む。
ズン!グォア!? ドガッ!グガッ!
その間に隊員は回復魔法を使い、急いで血を止める。
しかし7発目辺りでバーサークベアの体がふらつかなくなった。
「くそっ…嘘だろ…」
そして爆発が半分を過ぎた辺りだった。
グォオオオオオオオオオオオオオオオッ!
体の各所を爆発させながら隊員に向け突進を開始、<樹王の牢獄>を発動させるも爆発で上手く体に蔓が巻き付かない。
「しまっ…」
バーサークベアの突進を諸に食らった上、爆発にも巻き込まれ吹き飛ばされる。
不幸中の幸いだったのは隊員達には目もくれずそのまま上階を目指した事だろう、瀕死の重症ではあったが2人共息はあった。
僅かな時間ではあったが足止めに成功したその頃、先に街に向かっていた隊員のジーンとライルは早くも上層3階に到達していた。
「ぐっ…げぼっ、が、はぁっ…」
「ライルさん、もういい!後は自分で行く!」
「大丈夫…2階に到達したらお願いする、それまげぇっ…待つんだ…」
中層5階から上層3階までを全力で駆け抜けたのだ、相当の負担が体に掛かっているハズだ。
少しして2階への坂が見えた時だった、ライルの気が緩んだのか、脚を滑らし転倒する。
先程からもうすぐこうなると察知していたジーンは受け身を取ってそのままの勢いで駆け出す。
「少し待ってて下さい!直ぐに応援を呼んで来ますので!」
ライルは弱々しく前脚を上げて応える。
「すまない…楽しみに待ってるよ…」
その頃のジェイルパーティはというと中層2階の真ん中辺りに来ていた。
いくら身体強化魔法が付与されているとはいえ全力で走っていれば流石に疲れが見えて来る。
最初足が止まったのはポーラだった。
「はーっ…はーっ…はーっ…」
「ポーラちゃん、大丈夫?」
「はーっ…大、丈夫。はーっ…くそっ…こういう体力勝負の時【魔法使い】ってのはダメね…」
ポーラが愚痴を言ったその時、ロゼが顔を強張らせ背後を振り返る。
「戦闘音が…止んだ…?」
ロゼは<聞き耳>を持っており、常時発動していた。
時折爆裂魔法が炸裂する音が聞こえていたが、連続した炸裂音を最後に戦闘音がピタリと止んだという。
「止んだって…倒したのか?」
「うーんそこまでは分からない…でも逃げれる所まで逃げよう?あの熊普通じゃないよ…」
未だに息が整わないポーラを見つめるクロラは背中の弓と矢筒をロゼに渡す。
「ロゼこれお願いしても良い?」
「いーけど、クロラはどうするの?」
「ポーラちゃんおんぶして行く!」
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