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アルバラスト編
伏せろぉっ!
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「伏せろぉっ!」ズガァッ!
「は?」
ノアは集束ブレスの凪払いを確認した瞬間、地面を踏み抜く程の速度でレオに駆け出しつつ腰の阿羅亀噛を抜く。
「あ…」
ヒュドラの集束ブレスに気付いたレオだが反応が遅すぎた。
既に飛ぶのも伏せるのも間に合わない距離迄迫っていた。
「失礼!」
バシッ!「うおっ!?」
レオの直ぐ近くで滑り込んだノアは、猛烈な速度で足を刈り、レオを地面に倒す。
ノアは反転しつつ体の側面に阿羅亀噛を構えて集束ブレスの凪払いを受け止める。
ギィィインッ!!! 「うおあっ!?」
防ぎはしたが踏ん張りが効かず、10メル程後方に吹き飛ばされる。
身を翻したノアは地面に着地してレオの元へ。
「ぐ…ああっ…」
「レオさん大丈夫ですか!?」
「スマン…反応が遅れた…助かった…君がいなきゃ下半身とはお去らばだったぜ…」
レオを見ると拳大の大きさ程、右脇腹が抉れており、傷口は高温で爛れた上に毒だろうか、紫色に変色していた。
今も火の海の奥から断続的に周囲への凪払いが続いている為、直ぐにレオを担ぎ戦線を離脱。
街の方を見ると防壁にも集束ブレスが当たったのだろう、黒い着弾痕が見える。
「あ、危なかった…ノア君が叫ばなければ反応出来なかった…」
アルバの目の前に自身の影で出来た人型が立っていたが、集束ブレスの凪払いを受け瓦解する。
【魔法使い】のマーリを抱えた【義賊】のレミアの前にも同じ人型が立っていたが同じく瓦解する。
「助かりましたアルバさん…」
「すまない、咄嗟の事で君らの分しか作れなかった…
そっちは大丈夫か!?」
アルバは少し離れた所にいた【盗賊】のベリラモに向けて話し掛ける。
するとベリラモはルディアや朧と共に地面からヌッと出てくる。
「こちらも咄嗟の事で手近な者しか潜らせられなかったが、あなたならそちらは任せて大丈夫だと判断した。」
「あ!ノア君が…レオ!?」
朧が道の奥からレオを担いでやって来るノアを確認。
脇腹を押さえるレオを見て駆け出す。
「レオ!?大丈夫!?」
「脇腹をやられてます、レオさんをお願いします。」
「ノア君は?」
「戻ります。
恐らく生きているであろうヒュドラの足止めを誰かがしないと行けないでしょうし。」
「おい…少年…無茶すんなよ…」
「……。」
ノアは何も言わずに元来た道を戻る。
「返答無し…少年も余裕無しって所…」
そこまで呟いたレオは気を失った。
(どうする…自分には大技は無い…
あの高速再生を凌駕する程の攻撃も無い…
もう直ぐで王都から応援が来るだろうが、完全討伐までどれ位掛かるか…)
ヒュドラがいるであろう地点まで戻る頃には火の手は殆ど消え、辺りには白煙が立ち込める。
ノアがピタリと歩を止める。
<気配感知>に反応があった、しかし視界の中にヒュドラの姿は無い。
ある地点でノアの目が止まる。
視線の先に窪みがあるが、そこから他の煙とは違う毒々しい煙が立ち昇る。
「あの窪み…まさか!」
するとその窪みから9本の頭を持ったヒュドラが出現。
既に再生は完了している様だ。
(やはりそうだ!ルディアさんが放った【神殺之槍】が着弾した穴に心臓を隠してやがった!)
(『恐らく首で魔法を防いでいる間に移動させたんだろうな。
さて、どうするか…』)
「考えるよりまず動く。」ズガアッ!
(『了解。』)
地面を踏み抜き、接近を図ったノアに対してヒュドラは9本の頭が一斉に集束ブレスを吐く。
ヒュドラに対して直角に方向を変えたノアがブレスを避けるも、1本のブレスがノアを襲う。
咄嗟に阿羅亀噛を盾にして防ぐが、あまりの威力に徐々に押されている。
ビュォォオオオオオオッ!「ぐぁあっ!?」
9本の頭全てが防ぐノアに向けて一斉発射。
踏ん張りが一切効かず50メル程吹き飛ばされる。
地面に叩き付けられつつも2射目が飛んで来る予兆があった為、転がりながらも地面に魔力を流し、次々と自分の前に壁を形成。
ビュォォオオオオオオッ!「くっ…!」
何の抵抗も無く、ブレスが壁を貫通。
受け身も碌に取れなかった為、口から血を吐きながらもギリギリ回避したノアは体勢を立て直してヒュドラに再接近を図る。
【一鬼呵成】を再発動して体力回復しつつ更に加速する。
バヒュォアッ!
バヒュッ!
ビシュァアッ!
バヒュッ!
ビュァアアッ!
ズヒュァアッ!
バシュッ!
バシュッ!
バシュゥウッ!
ヒュドラから続々ブレスが飛び、それを何とか紙一重でかわす。
(数が多すぎる…!回避だけで手一杯だ…!)
ジュアッ!「うぐぁあああっ!?」
ブレスの1発が左肩を掠める。
その1発だけで火傷、麻痺、毒、腐食状態が体を襲う。
左肩が思う様に動かなくなり、阿羅亀噛を落としてしまう。
すると突如攻撃が止み、ヒュドラが上空を見上げる。
上空には以前見た王都の隊員が乗ったワイバーンが滞空している。
「やっと来たか…あ、マズイ!」
ヒュドラが上空にいるワイバーンに向けて口を開ける、ブレスを吐くつもりの様だ。
ノアは<集中><渾身><投擲術>を発動して全力で阿羅亀噛を投げる。
ブレスの発射と阿羅亀噛の接触はほぼ同時だった。
バシュォ『ドバアッ!』ァアアッ!?
ヒュドラの首を5本貫通して6本目で突き刺さる。
集束ブレスはワイバーンに当たる事無くギリギリで逸れる。
ジュアアアアアアアアッ!!!!バシュッ!
ヒュドラは狙いをノアに戻し、再生した首が続々とノアに向けてブレスを吐く。
先程落とした阿羅亀噛を回収しつつブレスを回避、流石に被弾が多くなったノアは徐々に動きが鈍る。
(くそっ…回復効果があっても各種毒を治さない限り回復出来ない様だ。
が、万能薬を飲む暇さえ無…)
バシュゥヴヴヴヴッ!「しまった!?」
ノアに向けて3発の集束ブレスが発射された。
動きの鈍ったノアでは回避は難しそうだ。
「くそっ!」ゴガガガッ!
咄嗟に阿羅亀噛で受けたノアだが意図も簡単に吹き飛ばされ、地面に倒れ伏す。
矢継ぎ早にブレスを放たれたノアは何とか阿羅亀噛を構えるが、弾かれてしまい手放してしまう。
「これはいよいよかな…」
ヒュドラは次こそ仕留めに掛かるつもりか9本の頭がノアに狙いを定める。
左肩は完全に麻痺してしまい動かない為、太ももから刺突武器を取り、眼前に構える。
(これを<受け流し>するのは難しいだろうがやるしかないな…)
バシュゥゥウウウッ!
ヒュドラが一斉に発射、9発のブレスが更に1本に集束し目映い光と共にノアに迫る。
ドガァアアアアッ!
ノアの視界が急に黒く染まる。
何かが目の前に出現し立ち塞がっている様だ。
更にその何かの前に魔法陣が展開、して集束ブレスを防いでいる。
『グリード』が<魔力吸収>を発動、<麻痺耐性><毒耐性><腐食耐性><魔力集束>を覚えました。
「お前…グリードか…」
グルルッ!
「は?」
ノアは集束ブレスの凪払いを確認した瞬間、地面を踏み抜く程の速度でレオに駆け出しつつ腰の阿羅亀噛を抜く。
「あ…」
ヒュドラの集束ブレスに気付いたレオだが反応が遅すぎた。
既に飛ぶのも伏せるのも間に合わない距離迄迫っていた。
「失礼!」
バシッ!「うおっ!?」
レオの直ぐ近くで滑り込んだノアは、猛烈な速度で足を刈り、レオを地面に倒す。
ノアは反転しつつ体の側面に阿羅亀噛を構えて集束ブレスの凪払いを受け止める。
ギィィインッ!!! 「うおあっ!?」
防ぎはしたが踏ん張りが効かず、10メル程後方に吹き飛ばされる。
身を翻したノアは地面に着地してレオの元へ。
「ぐ…ああっ…」
「レオさん大丈夫ですか!?」
「スマン…反応が遅れた…助かった…君がいなきゃ下半身とはお去らばだったぜ…」
レオを見ると拳大の大きさ程、右脇腹が抉れており、傷口は高温で爛れた上に毒だろうか、紫色に変色していた。
今も火の海の奥から断続的に周囲への凪払いが続いている為、直ぐにレオを担ぎ戦線を離脱。
街の方を見ると防壁にも集束ブレスが当たったのだろう、黒い着弾痕が見える。
「あ、危なかった…ノア君が叫ばなければ反応出来なかった…」
アルバの目の前に自身の影で出来た人型が立っていたが、集束ブレスの凪払いを受け瓦解する。
【魔法使い】のマーリを抱えた【義賊】のレミアの前にも同じ人型が立っていたが同じく瓦解する。
「助かりましたアルバさん…」
「すまない、咄嗟の事で君らの分しか作れなかった…
そっちは大丈夫か!?」
アルバは少し離れた所にいた【盗賊】のベリラモに向けて話し掛ける。
するとベリラモはルディアや朧と共に地面からヌッと出てくる。
「こちらも咄嗟の事で手近な者しか潜らせられなかったが、あなたならそちらは任せて大丈夫だと判断した。」
「あ!ノア君が…レオ!?」
朧が道の奥からレオを担いでやって来るノアを確認。
脇腹を押さえるレオを見て駆け出す。
「レオ!?大丈夫!?」
「脇腹をやられてます、レオさんをお願いします。」
「ノア君は?」
「戻ります。
恐らく生きているであろうヒュドラの足止めを誰かがしないと行けないでしょうし。」
「おい…少年…無茶すんなよ…」
「……。」
ノアは何も言わずに元来た道を戻る。
「返答無し…少年も余裕無しって所…」
そこまで呟いたレオは気を失った。
(どうする…自分には大技は無い…
あの高速再生を凌駕する程の攻撃も無い…
もう直ぐで王都から応援が来るだろうが、完全討伐までどれ位掛かるか…)
ヒュドラがいるであろう地点まで戻る頃には火の手は殆ど消え、辺りには白煙が立ち込める。
ノアがピタリと歩を止める。
<気配感知>に反応があった、しかし視界の中にヒュドラの姿は無い。
ある地点でノアの目が止まる。
視線の先に窪みがあるが、そこから他の煙とは違う毒々しい煙が立ち昇る。
「あの窪み…まさか!」
するとその窪みから9本の頭を持ったヒュドラが出現。
既に再生は完了している様だ。
(やはりそうだ!ルディアさんが放った【神殺之槍】が着弾した穴に心臓を隠してやがった!)
(『恐らく首で魔法を防いでいる間に移動させたんだろうな。
さて、どうするか…』)
「考えるよりまず動く。」ズガアッ!
(『了解。』)
地面を踏み抜き、接近を図ったノアに対してヒュドラは9本の頭が一斉に集束ブレスを吐く。
ヒュドラに対して直角に方向を変えたノアがブレスを避けるも、1本のブレスがノアを襲う。
咄嗟に阿羅亀噛を盾にして防ぐが、あまりの威力に徐々に押されている。
ビュォォオオオオオオッ!「ぐぁあっ!?」
9本の頭全てが防ぐノアに向けて一斉発射。
踏ん張りが一切効かず50メル程吹き飛ばされる。
地面に叩き付けられつつも2射目が飛んで来る予兆があった為、転がりながらも地面に魔力を流し、次々と自分の前に壁を形成。
ビュォォオオオオオオッ!「くっ…!」
何の抵抗も無く、ブレスが壁を貫通。
受け身も碌に取れなかった為、口から血を吐きながらもギリギリ回避したノアは体勢を立て直してヒュドラに再接近を図る。
【一鬼呵成】を再発動して体力回復しつつ更に加速する。
バヒュォアッ!
バヒュッ!
ビシュァアッ!
バヒュッ!
ビュァアアッ!
ズヒュァアッ!
バシュッ!
バシュッ!
バシュゥウッ!
ヒュドラから続々ブレスが飛び、それを何とか紙一重でかわす。
(数が多すぎる…!回避だけで手一杯だ…!)
ジュアッ!「うぐぁあああっ!?」
ブレスの1発が左肩を掠める。
その1発だけで火傷、麻痺、毒、腐食状態が体を襲う。
左肩が思う様に動かなくなり、阿羅亀噛を落としてしまう。
すると突如攻撃が止み、ヒュドラが上空を見上げる。
上空には以前見た王都の隊員が乗ったワイバーンが滞空している。
「やっと来たか…あ、マズイ!」
ヒュドラが上空にいるワイバーンに向けて口を開ける、ブレスを吐くつもりの様だ。
ノアは<集中><渾身><投擲術>を発動して全力で阿羅亀噛を投げる。
ブレスの発射と阿羅亀噛の接触はほぼ同時だった。
バシュォ『ドバアッ!』ァアアッ!?
ヒュドラの首を5本貫通して6本目で突き刺さる。
集束ブレスはワイバーンに当たる事無くギリギリで逸れる。
ジュアアアアアアアアッ!!!!バシュッ!
ヒュドラは狙いをノアに戻し、再生した首が続々とノアに向けてブレスを吐く。
先程落とした阿羅亀噛を回収しつつブレスを回避、流石に被弾が多くなったノアは徐々に動きが鈍る。
(くそっ…回復効果があっても各種毒を治さない限り回復出来ない様だ。
が、万能薬を飲む暇さえ無…)
バシュゥヴヴヴヴッ!「しまった!?」
ノアに向けて3発の集束ブレスが発射された。
動きの鈍ったノアでは回避は難しそうだ。
「くそっ!」ゴガガガッ!
咄嗟に阿羅亀噛で受けたノアだが意図も簡単に吹き飛ばされ、地面に倒れ伏す。
矢継ぎ早にブレスを放たれたノアは何とか阿羅亀噛を構えるが、弾かれてしまい手放してしまう。
「これはいよいよかな…」
ヒュドラは次こそ仕留めに掛かるつもりか9本の頭がノアに狙いを定める。
左肩は完全に麻痺してしまい動かない為、太ももから刺突武器を取り、眼前に構える。
(これを<受け流し>するのは難しいだろうがやるしかないな…)
バシュゥゥウウウッ!
ヒュドラが一斉に発射、9発のブレスが更に1本に集束し目映い光と共にノアに迫る。
ドガァアアアアッ!
ノアの視界が急に黒く染まる。
何かが目の前に出現し立ち塞がっている様だ。
更にその何かの前に魔法陣が展開、して集束ブレスを防いでいる。
『グリード』が<魔力吸収>を発動、<麻痺耐性><毒耐性><腐食耐性><魔力集束>を覚えました。
「お前…グリードか…」
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