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王都編
人魚
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突如現れた『人魚』は全身に薄紅色の鱗で造られた鎧の様な物を身に纏い、水面より僅かに浮いた状態でモンスターとノアの元に近付いてきた。
「skhdoksnhnnuwkntsmst、nnkstt…」
その『人魚』は超巨大モンスターの上に立つノアの姿を見て固まり、目を見開く。
「kr-kn!nzkknnngngirndsk!?」
グォオオガァアアアッ!
モンスターは『人魚』に何やら吼え、ノアが落下してきた方向を指差す。
「rkstktdstt!?
sknnngn!anthduyttkknktndsk?」
モンスターと何やら会話をしていた『人魚』が、今度はノアの方を向き、何か質問を投げ掛けている様だ。
だが、相変わらず何を言ってるのかが分からない。
『…申し訳無いが、何を言っているのか分からないんですが…』
このノアの声を聞いた『人魚』はハッとなって喉を弄り始める。
と言うかノアの発した言葉を『人魚』は理解している様だ。
「a-…あー…どうでしょう、私の言葉が分かりますか?」
『え?あ、はい、理解出来ます。』
「色々思う所はあるでしょうが、降りてきて貰っても良いでしょうか?」
『…コイツが暴れない様にしてくれるんなら応じます。
出来なければ、取り敢えずコイツの眼を潰してからで良いですか?』
そう『人魚』に言い放ったノアは、自身の血でべっとりと濡れた荒鬼神を今一度しっかり握り直す。
「そ、そこの人間の子よ、信じられないかもしれませんが、今の所こちらから危害を加える事は致しません。
kr-kn!imsgsntuwcdns、hketinsi。」
『人魚』から何やら言われたモンスターは鼻をフンと鳴らし、先程から発していた強烈な殺気を霧散させ、触手もだらりと脱力させる。
「取り敢えず彼には戦闘を止める様に言いました。安心して貰って大丈夫です。」
未だ超巨大モンスターの頭部に立つノアは少し逡巡した後、モンスターの眼球に向けて構えていた荒鬼神を腰へと戻す。
『…コイツと戦わなくて済むならそれに越した事は無い…あなたの要望に応じよう。』
ズダンッ!グルルル!
モンスターの頭から飛び降りたノアの元にグリードが近付き、ノアをの背後に陣取る。
『人魚』の指示に従ったモンスターはノア達の元を離れて壁際の方へと向かい、待機する。
『グリード、よくやってくれた…
一先ず一時休戦の様だから落ち着いてな。』
グル!
ノアは共闘してくれたグリードに労いの言葉を掛け、落ち着く様に促す。
ノアが降りてきた事で『人魚』が本題に入ろうとするのを、ノアは手で制して問い掛ける。
『申し訳ないのですがこんなナリなので、治療しながらでも良いですか…?』
未だノアの体から血が滴り、骨が軋む音が聞こえる。
ノアとしては一刻も早く『俺』が寄越してくれた力を解除して治療を施したい所である。
「え?ええ…
と言うよりか、言ってくれれば回復魔法をお掛け致しますよ?」
『お心遣い有り難いのですが、僕の【適正】上、支援魔法、回復魔法の類いが掛からないのでお気持ちだけ受け取っておきます。
信じられないとお思いなら試して頂いても構いません。』
「何でしょう、その様な【適正】聞いた事ありませんが…iysnszk!
…え?iysnszk!iysnszk!…嘘でしょ…本当に掛からない…」
案の定信じられないと言った表情の『人魚』がノアに向けて手を翳し、何かを唱えるが何も発動せず困惑している。
何回か行使しているが結果は変わらず不発の様だった。
その間のノアはと言うと、体から赤黒いオーラを消し、力を『俺』へと返す。
忽ち地面に崩れ落ちたノアは、何とか右手で体を支え、膝立ちの姿勢になって途轍も無く襲って来る脱力感や<痛覚遮断>を持ってしても逃れられない苦痛に耐えていた。
その上、ノアの手持ちの回復系アイテムを持ってしても骨折を完全に完治させる程の効果は得られない。
最悪の場合、折れた骨を力業で正常な位置に戻しながら回復玉を摂取し、徐々に治すと言う気の遠くなる様な回復法を取るしか無い。
それでも完治は難しいが…
明確な治療の手立てが無いが、取り敢えずアイテムボックスからチノアラシの針を取り出したノアはブスリと首筋に打ち込む。
輸血しながらノアは回復玉を3個取り出して握り潰し、口に放り込む。
が。
「う!?げぇっ……ゴブッ、ブハッ!」
臓器を幾つか損傷し、吐瀉物と共に大量に血を吐いてしまう。
とてもでは無いが話が出来る状態とは言えない。この状況に、少し思案した『人魚』はノアに告げる
「このままではあなたの命が危ういので私共の住まう神殿へお連れします。
どうやら薬の類いでしたら効果がある様子ですので、神殿にある秘薬ならあなたをお救い出来るかと思われますが如何でしょう?」
「…こんな素性の知れない人間を迎え入れて、大丈夫なのですか…?」
「本来は有り得ない事ですが、我等の神殿に入る為の資格をあなたは既に2つ持っていらっしゃいます。
さ、急ぎましょう、そこに居られる龍種のお供の方も御一緒にどうぞ。」
そう言って『人魚』の足元に巨大な転移魔法陣が出現、壁際で待機していたモンスターも範囲内に入っている様だ。
『人魚』に促されたグリードは、特に抵抗する事無く魔法陣の中に進む。
「…資格…が何の事か分かりませんが、宜しければお願いします…正直手が無い物、で…」
そこまで話した所でノアの体から急激に力が抜け、倒れそうになるのをグリードが胴体を這わせて背に乗せる。
「気を失ってしまいましたね…急ぎましょう。」
シュバッ!
残された時間は少ないと判断した『人魚』は直ぐ様転移を行った。
~何処かも分からない海の底~
通常であれば真っ暗で何も見えない海底だが、荘厳で巨大な海底神殿が聳え建つ、とある一帯だけはその限りでは無かった。
蛍光発光する海藻や珊瑚、光る魚が周辺を泳ぎ、辺りを照らす。
その光に誘われて他の魚や巨大な生物が周囲を泳ぎ、海底神殿は天然の要塞と化していた。
その海底神殿は結界の様に薄い膜で覆われ、外界を遮断している様であった。
シュバッ!
その膜の内側、海底神殿の前の砂地に魔法陣が展開、『人魚』とモンスター、気を失ったノアとグリードが転移してきた。
この場になって分かった事だが先程まで戦っていた超巨大モンスターの全長は500メルを越える長大な物だが、海底神殿と比べても山と子供位の差があり、神殿の巨大さが伺える。
「oy?hykttn、sria。stkinhnnuhitti…
strn『okt』hdntdsk?」
(おや?早かったな、セレイア。さっきの反応は一体…
そちらの『御方』はどなたですか?)
転移してきた『人魚』に対して神殿前に佇んでいた兵士の様な人物2人が声を掛ける。
「kwsihnshmtatd…imsg『kss』wyndkdsi。」
(詳しい話はまた後で…今すぐ『薬師』を呼んで下さい。)
「nnkjj-ugoarnyudsn…
wkrmst、sgnoybsmsyu。」
(何か事情がおありの様ですね…
分かりました、直ぐにお呼びしましょう。)
兵士の1人が神殿の中へと入って行く。
「sks、knbnnngnth…brbrtiukth『tuhs』k?」
(しかし、この場に人間とは…ボロボロと言う事は『踏破者』か?)
「ie、soudharmsng、srdknskkhyustims。」
(いえ、そうではありませんが、それだけの資格は有しています。)
「tiukthkn『okt』h…」
(と言う事はこの『御方』は…)
と、そこまで兵士が話した所で仙人の様な見た目の『薬師』が来た様だ。
「skhdoksnhnnuwkntsmst、nnkstt…」
その『人魚』は超巨大モンスターの上に立つノアの姿を見て固まり、目を見開く。
「kr-kn!nzkknnngngirndsk!?」
グォオオガァアアアッ!
モンスターは『人魚』に何やら吼え、ノアが落下してきた方向を指差す。
「rkstktdstt!?
sknnngn!anthduyttkknktndsk?」
モンスターと何やら会話をしていた『人魚』が、今度はノアの方を向き、何か質問を投げ掛けている様だ。
だが、相変わらず何を言ってるのかが分からない。
『…申し訳無いが、何を言っているのか分からないんですが…』
このノアの声を聞いた『人魚』はハッとなって喉を弄り始める。
と言うかノアの発した言葉を『人魚』は理解している様だ。
「a-…あー…どうでしょう、私の言葉が分かりますか?」
『え?あ、はい、理解出来ます。』
「色々思う所はあるでしょうが、降りてきて貰っても良いでしょうか?」
『…コイツが暴れない様にしてくれるんなら応じます。
出来なければ、取り敢えずコイツの眼を潰してからで良いですか?』
そう『人魚』に言い放ったノアは、自身の血でべっとりと濡れた荒鬼神を今一度しっかり握り直す。
「そ、そこの人間の子よ、信じられないかもしれませんが、今の所こちらから危害を加える事は致しません。
kr-kn!imsgsntuwcdns、hketinsi。」
『人魚』から何やら言われたモンスターは鼻をフンと鳴らし、先程から発していた強烈な殺気を霧散させ、触手もだらりと脱力させる。
「取り敢えず彼には戦闘を止める様に言いました。安心して貰って大丈夫です。」
未だ超巨大モンスターの頭部に立つノアは少し逡巡した後、モンスターの眼球に向けて構えていた荒鬼神を腰へと戻す。
『…コイツと戦わなくて済むならそれに越した事は無い…あなたの要望に応じよう。』
ズダンッ!グルルル!
モンスターの頭から飛び降りたノアの元にグリードが近付き、ノアをの背後に陣取る。
『人魚』の指示に従ったモンスターはノア達の元を離れて壁際の方へと向かい、待機する。
『グリード、よくやってくれた…
一先ず一時休戦の様だから落ち着いてな。』
グル!
ノアは共闘してくれたグリードに労いの言葉を掛け、落ち着く様に促す。
ノアが降りてきた事で『人魚』が本題に入ろうとするのを、ノアは手で制して問い掛ける。
『申し訳ないのですがこんなナリなので、治療しながらでも良いですか…?』
未だノアの体から血が滴り、骨が軋む音が聞こえる。
ノアとしては一刻も早く『俺』が寄越してくれた力を解除して治療を施したい所である。
「え?ええ…
と言うよりか、言ってくれれば回復魔法をお掛け致しますよ?」
『お心遣い有り難いのですが、僕の【適正】上、支援魔法、回復魔法の類いが掛からないのでお気持ちだけ受け取っておきます。
信じられないとお思いなら試して頂いても構いません。』
「何でしょう、その様な【適正】聞いた事ありませんが…iysnszk!
…え?iysnszk!iysnszk!…嘘でしょ…本当に掛からない…」
案の定信じられないと言った表情の『人魚』がノアに向けて手を翳し、何かを唱えるが何も発動せず困惑している。
何回か行使しているが結果は変わらず不発の様だった。
その間のノアはと言うと、体から赤黒いオーラを消し、力を『俺』へと返す。
忽ち地面に崩れ落ちたノアは、何とか右手で体を支え、膝立ちの姿勢になって途轍も無く襲って来る脱力感や<痛覚遮断>を持ってしても逃れられない苦痛に耐えていた。
その上、ノアの手持ちの回復系アイテムを持ってしても骨折を完全に完治させる程の効果は得られない。
最悪の場合、折れた骨を力業で正常な位置に戻しながら回復玉を摂取し、徐々に治すと言う気の遠くなる様な回復法を取るしか無い。
それでも完治は難しいが…
明確な治療の手立てが無いが、取り敢えずアイテムボックスからチノアラシの針を取り出したノアはブスリと首筋に打ち込む。
輸血しながらノアは回復玉を3個取り出して握り潰し、口に放り込む。
が。
「う!?げぇっ……ゴブッ、ブハッ!」
臓器を幾つか損傷し、吐瀉物と共に大量に血を吐いてしまう。
とてもでは無いが話が出来る状態とは言えない。この状況に、少し思案した『人魚』はノアに告げる
「このままではあなたの命が危ういので私共の住まう神殿へお連れします。
どうやら薬の類いでしたら効果がある様子ですので、神殿にある秘薬ならあなたをお救い出来るかと思われますが如何でしょう?」
「…こんな素性の知れない人間を迎え入れて、大丈夫なのですか…?」
「本来は有り得ない事ですが、我等の神殿に入る為の資格をあなたは既に2つ持っていらっしゃいます。
さ、急ぎましょう、そこに居られる龍種のお供の方も御一緒にどうぞ。」
そう言って『人魚』の足元に巨大な転移魔法陣が出現、壁際で待機していたモンスターも範囲内に入っている様だ。
『人魚』に促されたグリードは、特に抵抗する事無く魔法陣の中に進む。
「…資格…が何の事か分かりませんが、宜しければお願いします…正直手が無い物、で…」
そこまで話した所でノアの体から急激に力が抜け、倒れそうになるのをグリードが胴体を這わせて背に乗せる。
「気を失ってしまいましたね…急ぎましょう。」
シュバッ!
残された時間は少ないと判断した『人魚』は直ぐ様転移を行った。
~何処かも分からない海の底~
通常であれば真っ暗で何も見えない海底だが、荘厳で巨大な海底神殿が聳え建つ、とある一帯だけはその限りでは無かった。
蛍光発光する海藻や珊瑚、光る魚が周辺を泳ぎ、辺りを照らす。
その光に誘われて他の魚や巨大な生物が周囲を泳ぎ、海底神殿は天然の要塞と化していた。
その海底神殿は結界の様に薄い膜で覆われ、外界を遮断している様であった。
シュバッ!
その膜の内側、海底神殿の前の砂地に魔法陣が展開、『人魚』とモンスター、気を失ったノアとグリードが転移してきた。
この場になって分かった事だが先程まで戦っていた超巨大モンスターの全長は500メルを越える長大な物だが、海底神殿と比べても山と子供位の差があり、神殿の巨大さが伺える。
「oy?hykttn、sria。stkinhnnuhitti…
strn『okt』hdntdsk?」
(おや?早かったな、セレイア。さっきの反応は一体…
そちらの『御方』はどなたですか?)
転移してきた『人魚』に対して神殿前に佇んでいた兵士の様な人物2人が声を掛ける。
「kwsihnshmtatd…imsg『kss』wyndkdsi。」
(詳しい話はまた後で…今すぐ『薬師』を呼んで下さい。)
「nnkjj-ugoarnyudsn…
wkrmst、sgnoybsmsyu。」
(何か事情がおありの様ですね…
分かりました、直ぐにお呼びしましょう。)
兵士の1人が神殿の中へと入って行く。
「sks、knbnnngnth…brbrtiukth『tuhs』k?」
(しかし、この場に人間とは…ボロボロと言う事は『踏破者』か?)
「ie、soudharmsng、srdknskkhyustims。」
(いえ、そうではありませんが、それだけの資格は有しています。)
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