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王都編
国交
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「か、海洋種が国交を結ぼうと提案してきてるじゃとぉ!?」
「って言うか、海洋種って種族?
色んな海行ったけど、そんな種族見たことも聞いた事も無いよ?」
「あれ?『槍サーの姫君』の皆さん、海洋ダンジョンに行ってたのですからそういった種族は居なかったのですか?」
「海洋ダンジョンの中には基本的にモンスターしか居ない。
あれらは種族と言うよりか『~類』とか言う区分けをされてるわ。」
「か、海洋種…本当に居ったという事かや…」
「ジャロルちゃん、何か知ってるの?」
『海洋種』という言葉にジャロルはワナワナと体を震わせている。
「海洋種と言うのは海に生息する生物全般を指す物じゃが、もう1つ意味があってな、海に古くから生息してはいるが目撃例が非常に少なく、正体不明、又は伝説的な存在を総称して海洋種と呼ぶ場合がある…
と言っても妾が子供の頃の話じゃがな…」
見た目10才のジャロルが「子供の頃の話」と言ってもイマイチピンと来ないが、今その辺りは流すとしよう。
「ヤンさんパーティが見た事無いって事は、やはりあそこにしか居ないのかな…?」
「海洋種は通常よりも深い海に生息してるとされておる。
…じゃがお主、この1ヶ月、オードゥス、アルバラスト、フリアダビア、そしてこの王都。
大きく分けてこの4ヶ所にしか寄ってないハズじゃ。海は愚か湖すらありゃせんぞ、どこで出会ったのじゃ?」
「まぁその辺りは追々話すとしましょう。
僕はこれからお礼を言いに向かおうと思いますが…
ジョーさん、ご一緒にどうですか?」
ノアから指名されたジョーは自分を指差して「僕?」みたいな顔をし、指名されなかった『槍サーの姫君』3人とジャロルは口をあんぐりと開け、愕然としていた。
「な!何で妾はアカンのじゃあ!そんなに信用無いんかぁっ!?」
「ちょ、今までの流れだと連れてってくれる雰囲気だったじゃなーい?」
『『コクコク』』
ヤンの後ろに控えているリンとフェイも頷いている。
「あ、あのですね…」
困り顔のノアはどう説明しようか思い悩んでいると、ジョーが4人の前に歩み寄る。
「皆さん行きたい気持ちは分かります。
ジャロルさんは王都の冒険者ギルド長として感謝を述べたい気持ちも分かります。
『槍サーの姫君』として技術や技能を磨きたい等の理由はあるでしょうし、皆さん海好きですしね。
ですが、初対面の方に会うのに酒の匂いをプンプンさせるのはいただけませんね。」
「「「「あ。」」」」
4人が酒を飲んだのがノアから飲みに誘った、という事もあって言い辛かったのだろう。
それをジョーが察して伝えてくれたのだ。
ノアは何度も4人に頭を下げ次回は必ず、と言う事になった。
4人とも我に返って自身の匂いを嗅いだ所「こりゃ酷い」という事で全員納得して貰った。
「あ、そうだ、ラーベさん。
念の為ジョーさんの護衛に付いて貰って良いですか?」
「え?あ、はい、畏まりまし…あ。」
ノアの突然の一言に金髪メイドの1人が反応し、直ぐにハッとなってノアの方を見やる。
にこっ。
「さ、ラーベさん、行きましょうか。」
「…い、1分待って下さい!直ぐ支度してきます故っ!」
ズダダダダッ…
「はぁ…お姉ちゃんったらもぅ…」
妹のラベルタがため息を吐きながら頭を抱えている。
ズダダダダッ!
「お、お待たせしました!」
「お姉ちゃん!髪!髪!」
「「慌てないで良いよ~。」」
結局2分程後に、ボッサボサになった髪を梳きながらいつもの黒髪軽鎧袴のラーベが現れた。
「うん、金髪も可愛らしかったですけど、ラーベさんはやはり黒髪ですね。」
「ふぐっ…」
「よし、では揃ったので早速向かいましょう、2人共僕の近くにお願いします。」
ノアはリヴァイアから貰った転移符を取り出し、魔力を流して龍宮城の入口を想像する。
シュバッ!
直ぐ様足元に魔法陣が展開し、3人は転移された。
シュバッ!
「ぅええ…気持ち悪…」
「大丈夫ですかノアさ…え?砂?」
「暗っ…相変わらず長距離転移が苦手…ん?砂地?」
3人は真っ暗な空間に転移した直後、転移酔いしたノアを心配する一方で、足元が砂地になっている事に違和感を覚える。
「ふぅ…すいません、もう大丈夫です。
それよりも少しここで待ってて下さい、兵士の方に声掛けて来ますので。」
酔いから回復したノアは立ち上がり、暗闇の中に歩いていった。
「…兵士?いるかい?」
「…いえ、それらしい反応は…
それよりもここは何処でしょう。
地面が砂ですから海なのは間違いないでしょうが真っ暗以前に波の音すらしませんね…」
ザッザッザッザッザ…
「ジョーさん、ラーベさん、今側近の方が来られるそうなので少し待ってくれとの事です。」
「あ、あの、ノア様、ここは一体何処でしょうか…?
真っ暗ですし波の音もしませんが…」
「波の音所か、全く何も聞こえないけど…
え?本当に何処だろう、ここ…」
「まぁ取り敢えず落ち着いて下さい。
場所は直ぐに分かりますが、ここは海の底です。」
「え?」
「底?」
「あ、明るくなってきましたよ。」
ノアがそう言うと、周囲でポツリポツリと灯りが灯っていく。
灯りの1つ1つを見てみると、光る植物が風に靡く様に揺らめいている。
少ししてノアの足元に影が出来ると、直ぐ様影からヴァンディットが飛び出してきた。
「ノ、ノ、ノア様、ここは一体何処ですか!?」
「ヴァンディットさん落ち着いて、大丈夫ですから。」
(あれ?転移符って僕含めて3人までじゃなかったっけ…?影は含まれないのかな?)
などと考えていると周囲に光が満ちていき、目の前に超巨大な海底神殿が現れる。
「……」
「……」
「……」
ジョー、ラーベ、ヴァンディットの3人が、海底神殿の巨大さと荘厳さに目を奪われ、声を発せずにいる。
すると海底神殿の扉が開き、薄紅色の鱗で造られた様な鎧を纏った人魚が、空中を泳ぐ様にしてノアの元までやって来た。
人魚という存在を初めて見た3人は今度こそ固まってしまった。
「この間はお世話になりました。
セレイアさん、今リヴァイアさんは居られますか?」
「えぇ、リヴァイア様はいつでも居られますよ。
そちらの方々はノアさんのお知り合いでいらっしゃいますか?」
「えぇ、王都で大商会を営んでいる商人のジョーさんと、その護衛のラーベさん。
そして僕の背後に居りますのが従者のヴァンディットさんです。
本日は、どうやらリヴァイアさんが王都でお力添えをして頂いたと小耳に挟みましたので、ご挨拶に伺いました。」
「うふふ、本人は陰ながら協力しただけだ、と仰ってましたが、早速バレてしまいましたか…」
「それと今回、この間提案された国交の件も合わせて伺った次第です。」
「そうでしたか。
まだ1週間も経っておりませんでしたし、もっと先かと思っていました。」
「せっかち、でしたか…?」
「いえいえ、そんな事ありません。
さぁ、ここではなんですのでどうぞ中へ。」
セレイアに促され、ノアを先頭に神殿の中へと進む一行。
ノアの後ろを歩く3人は未だ言葉を発する事が出来ず、信じられない物を見た、という様な表情で周囲を見渡していた。
「って言うか、海洋種って種族?
色んな海行ったけど、そんな種族見たことも聞いた事も無いよ?」
「あれ?『槍サーの姫君』の皆さん、海洋ダンジョンに行ってたのですからそういった種族は居なかったのですか?」
「海洋ダンジョンの中には基本的にモンスターしか居ない。
あれらは種族と言うよりか『~類』とか言う区分けをされてるわ。」
「か、海洋種…本当に居ったという事かや…」
「ジャロルちゃん、何か知ってるの?」
『海洋種』という言葉にジャロルはワナワナと体を震わせている。
「海洋種と言うのは海に生息する生物全般を指す物じゃが、もう1つ意味があってな、海に古くから生息してはいるが目撃例が非常に少なく、正体不明、又は伝説的な存在を総称して海洋種と呼ぶ場合がある…
と言っても妾が子供の頃の話じゃがな…」
見た目10才のジャロルが「子供の頃の話」と言ってもイマイチピンと来ないが、今その辺りは流すとしよう。
「ヤンさんパーティが見た事無いって事は、やはりあそこにしか居ないのかな…?」
「海洋種は通常よりも深い海に生息してるとされておる。
…じゃがお主、この1ヶ月、オードゥス、アルバラスト、フリアダビア、そしてこの王都。
大きく分けてこの4ヶ所にしか寄ってないハズじゃ。海は愚か湖すらありゃせんぞ、どこで出会ったのじゃ?」
「まぁその辺りは追々話すとしましょう。
僕はこれからお礼を言いに向かおうと思いますが…
ジョーさん、ご一緒にどうですか?」
ノアから指名されたジョーは自分を指差して「僕?」みたいな顔をし、指名されなかった『槍サーの姫君』3人とジャロルは口をあんぐりと開け、愕然としていた。
「な!何で妾はアカンのじゃあ!そんなに信用無いんかぁっ!?」
「ちょ、今までの流れだと連れてってくれる雰囲気だったじゃなーい?」
『『コクコク』』
ヤンの後ろに控えているリンとフェイも頷いている。
「あ、あのですね…」
困り顔のノアはどう説明しようか思い悩んでいると、ジョーが4人の前に歩み寄る。
「皆さん行きたい気持ちは分かります。
ジャロルさんは王都の冒険者ギルド長として感謝を述べたい気持ちも分かります。
『槍サーの姫君』として技術や技能を磨きたい等の理由はあるでしょうし、皆さん海好きですしね。
ですが、初対面の方に会うのに酒の匂いをプンプンさせるのはいただけませんね。」
「「「「あ。」」」」
4人が酒を飲んだのがノアから飲みに誘った、という事もあって言い辛かったのだろう。
それをジョーが察して伝えてくれたのだ。
ノアは何度も4人に頭を下げ次回は必ず、と言う事になった。
4人とも我に返って自身の匂いを嗅いだ所「こりゃ酷い」という事で全員納得して貰った。
「あ、そうだ、ラーベさん。
念の為ジョーさんの護衛に付いて貰って良いですか?」
「え?あ、はい、畏まりまし…あ。」
ノアの突然の一言に金髪メイドの1人が反応し、直ぐにハッとなってノアの方を見やる。
にこっ。
「さ、ラーベさん、行きましょうか。」
「…い、1分待って下さい!直ぐ支度してきます故っ!」
ズダダダダッ…
「はぁ…お姉ちゃんったらもぅ…」
妹のラベルタがため息を吐きながら頭を抱えている。
ズダダダダッ!
「お、お待たせしました!」
「お姉ちゃん!髪!髪!」
「「慌てないで良いよ~。」」
結局2分程後に、ボッサボサになった髪を梳きながらいつもの黒髪軽鎧袴のラーベが現れた。
「うん、金髪も可愛らしかったですけど、ラーベさんはやはり黒髪ですね。」
「ふぐっ…」
「よし、では揃ったので早速向かいましょう、2人共僕の近くにお願いします。」
ノアはリヴァイアから貰った転移符を取り出し、魔力を流して龍宮城の入口を想像する。
シュバッ!
直ぐ様足元に魔法陣が展開し、3人は転移された。
シュバッ!
「ぅええ…気持ち悪…」
「大丈夫ですかノアさ…え?砂?」
「暗っ…相変わらず長距離転移が苦手…ん?砂地?」
3人は真っ暗な空間に転移した直後、転移酔いしたノアを心配する一方で、足元が砂地になっている事に違和感を覚える。
「ふぅ…すいません、もう大丈夫です。
それよりも少しここで待ってて下さい、兵士の方に声掛けて来ますので。」
酔いから回復したノアは立ち上がり、暗闇の中に歩いていった。
「…兵士?いるかい?」
「…いえ、それらしい反応は…
それよりもここは何処でしょう。
地面が砂ですから海なのは間違いないでしょうが真っ暗以前に波の音すらしませんね…」
ザッザッザッザッザ…
「ジョーさん、ラーベさん、今側近の方が来られるそうなので少し待ってくれとの事です。」
「あ、あの、ノア様、ここは一体何処でしょうか…?
真っ暗ですし波の音もしませんが…」
「波の音所か、全く何も聞こえないけど…
え?本当に何処だろう、ここ…」
「まぁ取り敢えず落ち着いて下さい。
場所は直ぐに分かりますが、ここは海の底です。」
「え?」
「底?」
「あ、明るくなってきましたよ。」
ノアがそう言うと、周囲でポツリポツリと灯りが灯っていく。
灯りの1つ1つを見てみると、光る植物が風に靡く様に揺らめいている。
少ししてノアの足元に影が出来ると、直ぐ様影からヴァンディットが飛び出してきた。
「ノ、ノ、ノア様、ここは一体何処ですか!?」
「ヴァンディットさん落ち着いて、大丈夫ですから。」
(あれ?転移符って僕含めて3人までじゃなかったっけ…?影は含まれないのかな?)
などと考えていると周囲に光が満ちていき、目の前に超巨大な海底神殿が現れる。
「……」
「……」
「……」
ジョー、ラーベ、ヴァンディットの3人が、海底神殿の巨大さと荘厳さに目を奪われ、声を発せずにいる。
すると海底神殿の扉が開き、薄紅色の鱗で造られた様な鎧を纏った人魚が、空中を泳ぐ様にしてノアの元までやって来た。
人魚という存在を初めて見た3人は今度こそ固まってしまった。
「この間はお世話になりました。
セレイアさん、今リヴァイアさんは居られますか?」
「えぇ、リヴァイア様はいつでも居られますよ。
そちらの方々はノアさんのお知り合いでいらっしゃいますか?」
「えぇ、王都で大商会を営んでいる商人のジョーさんと、その護衛のラーベさん。
そして僕の背後に居りますのが従者のヴァンディットさんです。
本日は、どうやらリヴァイアさんが王都でお力添えをして頂いたと小耳に挟みましたので、ご挨拶に伺いました。」
「うふふ、本人は陰ながら協力しただけだ、と仰ってましたが、早速バレてしまいましたか…」
「それと今回、この間提案された国交の件も合わせて伺った次第です。」
「そうでしたか。
まだ1週間も経っておりませんでしたし、もっと先かと思っていました。」
「せっかち、でしたか…?」
「いえいえ、そんな事ありません。
さぁ、ここではなんですのでどうぞ中へ。」
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(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
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