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王都編
どうやって助けるつもりだい?
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「ヒュマノの連中1人1人は弱いとは言え、相手は大国だ、どうやって助けるつもりだい?
どう戦うつもりで、どうやって逃がす?
同胞は皆君達同様痩せ細っているだろう。
その者達を連れてあの首輪を付け、洗脳された同胞から逃げ切れるのか?」
「そ、それは…」
言い淀むヴァモス。
ベレーザも心配そうに2人のやり取りを見ていると
「今まで"頼む"事すら出来ない環境だっただろうから仕方無いか…
ヴァモス、ベレーザ、逸る気持ちは分かるけど何の準備も無しで敵陣に向かうのは非常に宜しくない。
僕は今日から4日間素材採取依頼に向かうからその間僕に同行し、特訓しよう。」
「「い、良いのですか?」」
「うん、昨日助けた段階である程度腹は決まってたからね。
その代わり僕の特訓は厳しいから覚悟しててね?」
こう言うと、2人は顔をパアッと明るくして頭を下げてきた。
「…と、勝手に話を進めちゃいましたけど、他国の奴隷を勝手に助けて良いもんなんですかね?」
今まで黙ってやり取りを眺めていたにゃんこさんはハッとなって返答をする。
「勿論駄目だ。
…が、彼等に着けられていた首輪から察するに、他にも違法行為が行われ、不当な扱いを受けているハズだ。
その確固たる証拠が手に入れば介入は可能だ。」
「要は"バレなければ良い"って事ですね?」
「さて、私からは何「まぁ、そう言う事だね。」
「え?…き、局長!?」
にゃんこさんの背後から音も無く、別の黒いフードを被った人物が姿を現す。
にゃんこさんは驚いているが、ノアは気付いていた様だ。
「介入と言うのはどの程度ですか?」
「相変わらず君は私が来ても驚きませんねぇ、諜報部の局長として自信無くしますよ…
…さてそんな事より、介入の件ですが、十分な量の証拠品があれば"事前通告一切無しの現場介入が可能"だよ。
ちなみに証言の方は既に先程の2人が山の様に喋っているからね、後は"物的証拠"があれば可能だよ。」
「物的証拠…2人に着けられていた首輪だけじゃ足りませんか?」
「首輪だけでも証拠にはなるが、奴等は必ずシラを切るだろう?
自国・他国製造問わず、その生産拠点での物証…書類、現物等だな。
繋がりを決定付け、確実に言い逃れ出来ない物証を押収出来れば他国も黙っちゃいないからね。」
「その流れで奴隷を助けるのは構わないですか?」
「まぁ、奴隷側からの証言も聞きたいし、一定数は良いと思うよ。
あの国にいる奴隷の総数を鑑みて100人位なら良いんじゃないかな。」
「なる程…
局長さん、王様に聞いて貰いたい事が幾つかあるのですが、良いですか?」
「ん?ああ良いとも、言ってみると良い。」
そこからノアは、諜報部局長経由で王にあるお願い事を伝える事になった。
「なる程ね、確かにそれは王に聞かなければならない事だし、君が素材採取依頼に行ってる期間中には答えが出るだろうね。
でもノア君はそれで良いのかい?」
「ええ、他に使い道も思い付かないので…」
「了解した、直ぐに王にこの事を伝えて来よう。では行こうか。」
「は!」
諜報部の局長は、にゃんこさんを伴って王城の方へ向かおうとすると、ノアの足元の影からヴァンディットが姿を現す。
「…あ、あの…少々お時間を頂いても良いでしょうか…?」
「「「え?」」」
突然呼ばれた事に3人共に困惑するも、局長が率先してヴァンディットの元へ向かう。
「どうしましたかなお嬢さん?」
「申し訳ありません、用が御座いますのはそちらのにゃんこさんの方で…」
「え?私…ですか?」
「"にゃんこさん"…?
ふっ、中々可愛らしい名前で呼ばれているのですねぇ…?」
「き、局長…これはですね…」
局長にあだ名を知られ、あたふたしていると
「ふ…構いませんよ、報告は私から伝えておきましょう。
あまりレディを待たせる訳にもいきませんからね。
ゆっくりで良いですよ、"にゃんこさん"。」
「う、うぬぬ…」
そう言うと局長は音も無く姿を消した。
「も、申し訳ありません、つい…」
「いや、お気になさらず…してヴァンディット嬢、用とは何ですかな…?」
「あ、それはですね…」
そこで話を区切ったヴァンディットはチラリとノアの方を見る。
「分かった、僕達はちょっとここを離れてこの子達の服を買ってくるよ。
あと、<聞き耳>も切っておくから心配しないで。」
「ご配慮感謝します。」
「じゃあにゃんこさん、ヴァンディットさんの事お願いしますね。」
「あ、ああ。」
その場をにゃんこさんに任せたノアは、ヴァモスとベレーザの2人を連れて、近くの店へと向かう。
何だかんだ時間が進み、周囲の店がちらほら開き始めていた。
丁度良く洋裁店も開いていたので、ヴァモス、ベレーザ用の服を買う事にした。
2人共王都に来た時は服とも呼べないボロボロの布切れを着用していたが、体が健常になった為、少し体格も変わり、それも意味を成さない様になったので急ぐ事に。
「朝早くすいませーん。」
「おや、いらっしゃ…
あら、【鬼神】君と毛並みの綺麗な獣人さんだねぇ。」
「はい、2人の服を見繕って欲しいのですが。」
「うーん…この2人のだとウチより防具屋に行った方が良いわね、サイズ的な問題で。」
「あー、なる程。」
ヴァモスとベレーザは2人共、獣寄りの獣人の為、全身体毛で覆われているので普通の人間サイズの服では収まりきらないだろう。
「ノ、ノア様、私達に服等は不「ダメダメ、特にベレーザは女の子なんだから気にしなさい!」
一先ず2人の肌着を購入、店の厚意でマントを借りて防具屋へ向かう事に。
「失礼しまーす。」
「いらっしゃー…あれ?
ノア君…と、後ろの獣人達は…?」
「少しの間預かる事になりました。
それで、この子達の動きを阻害しない程度に防具を見繕って下さい。」
「え?…あ、はい。」
突然の注文に驚きつつも【防具】の職員はヴァモスとベレーザに防具を着けていく。
結果的に狼獣人のヴァモスは上半身には何も着けず、下に半ズボンタイプの革鎧を装着。
ベレーザも同様の革鎧を装着して上半身にはハーフトップの革鎧を着ける事になった。
「うん、一先ずこんな物かな。」
「「この様な立派な物を、ありがとうございます。」」
「動きに支障は無いかな?」
「「はい、全く御座いません。」」
「それならさっきの城門の所に戻ろう。
どうやらヴァンディットさんの方の用事も済んだみたいだし。」
そう言うとノアの足元の影が揺らめき、中からヴァンディットが現れる。
「御時間を御掛けして申し訳ありません。」
「いや、こちらの用事も丁度終わった所だよ。
ちなみに、にゃんこさんとはどんな用事だったの?」
と、ノアが質問してみるも
「ふふ、内緒で御座います。
私とにゃんこさん2人だけの秘密です。」
と、キッパリ言われてしまった。
「…まぁ2人の事だから良からぬ企みは無いと思うから心配してないけど…」
ヴァンディットの表情からしても、内緒事をしている事に後ろめたさみたいな物は感じられないので、一先ず頭の隅に追いやる事にする。
もし何かあればにゃんこさんを尋問して問い質す事にしよう、そう思うノアだった。
どう戦うつもりで、どうやって逃がす?
同胞は皆君達同様痩せ細っているだろう。
その者達を連れてあの首輪を付け、洗脳された同胞から逃げ切れるのか?」
「そ、それは…」
言い淀むヴァモス。
ベレーザも心配そうに2人のやり取りを見ていると
「今まで"頼む"事すら出来ない環境だっただろうから仕方無いか…
ヴァモス、ベレーザ、逸る気持ちは分かるけど何の準備も無しで敵陣に向かうのは非常に宜しくない。
僕は今日から4日間素材採取依頼に向かうからその間僕に同行し、特訓しよう。」
「「い、良いのですか?」」
「うん、昨日助けた段階である程度腹は決まってたからね。
その代わり僕の特訓は厳しいから覚悟しててね?」
こう言うと、2人は顔をパアッと明るくして頭を下げてきた。
「…と、勝手に話を進めちゃいましたけど、他国の奴隷を勝手に助けて良いもんなんですかね?」
今まで黙ってやり取りを眺めていたにゃんこさんはハッとなって返答をする。
「勿論駄目だ。
…が、彼等に着けられていた首輪から察するに、他にも違法行為が行われ、不当な扱いを受けているハズだ。
その確固たる証拠が手に入れば介入は可能だ。」
「要は"バレなければ良い"って事ですね?」
「さて、私からは何「まぁ、そう言う事だね。」
「え?…き、局長!?」
にゃんこさんの背後から音も無く、別の黒いフードを被った人物が姿を現す。
にゃんこさんは驚いているが、ノアは気付いていた様だ。
「介入と言うのはどの程度ですか?」
「相変わらず君は私が来ても驚きませんねぇ、諜報部の局長として自信無くしますよ…
…さてそんな事より、介入の件ですが、十分な量の証拠品があれば"事前通告一切無しの現場介入が可能"だよ。
ちなみに証言の方は既に先程の2人が山の様に喋っているからね、後は"物的証拠"があれば可能だよ。」
「物的証拠…2人に着けられていた首輪だけじゃ足りませんか?」
「首輪だけでも証拠にはなるが、奴等は必ずシラを切るだろう?
自国・他国製造問わず、その生産拠点での物証…書類、現物等だな。
繋がりを決定付け、確実に言い逃れ出来ない物証を押収出来れば他国も黙っちゃいないからね。」
「その流れで奴隷を助けるのは構わないですか?」
「まぁ、奴隷側からの証言も聞きたいし、一定数は良いと思うよ。
あの国にいる奴隷の総数を鑑みて100人位なら良いんじゃないかな。」
「なる程…
局長さん、王様に聞いて貰いたい事が幾つかあるのですが、良いですか?」
「ん?ああ良いとも、言ってみると良い。」
そこからノアは、諜報部局長経由で王にあるお願い事を伝える事になった。
「なる程ね、確かにそれは王に聞かなければならない事だし、君が素材採取依頼に行ってる期間中には答えが出るだろうね。
でもノア君はそれで良いのかい?」
「ええ、他に使い道も思い付かないので…」
「了解した、直ぐに王にこの事を伝えて来よう。では行こうか。」
「は!」
諜報部の局長は、にゃんこさんを伴って王城の方へ向かおうとすると、ノアの足元の影からヴァンディットが姿を現す。
「…あ、あの…少々お時間を頂いても良いでしょうか…?」
「「「え?」」」
突然呼ばれた事に3人共に困惑するも、局長が率先してヴァンディットの元へ向かう。
「どうしましたかなお嬢さん?」
「申し訳ありません、用が御座いますのはそちらのにゃんこさんの方で…」
「え?私…ですか?」
「"にゃんこさん"…?
ふっ、中々可愛らしい名前で呼ばれているのですねぇ…?」
「き、局長…これはですね…」
局長にあだ名を知られ、あたふたしていると
「ふ…構いませんよ、報告は私から伝えておきましょう。
あまりレディを待たせる訳にもいきませんからね。
ゆっくりで良いですよ、"にゃんこさん"。」
「う、うぬぬ…」
そう言うと局長は音も無く姿を消した。
「も、申し訳ありません、つい…」
「いや、お気になさらず…してヴァンディット嬢、用とは何ですかな…?」
「あ、それはですね…」
そこで話を区切ったヴァンディットはチラリとノアの方を見る。
「分かった、僕達はちょっとここを離れてこの子達の服を買ってくるよ。
あと、<聞き耳>も切っておくから心配しないで。」
「ご配慮感謝します。」
「じゃあにゃんこさん、ヴァンディットさんの事お願いしますね。」
「あ、ああ。」
その場をにゃんこさんに任せたノアは、ヴァモスとベレーザの2人を連れて、近くの店へと向かう。
何だかんだ時間が進み、周囲の店がちらほら開き始めていた。
丁度良く洋裁店も開いていたので、ヴァモス、ベレーザ用の服を買う事にした。
2人共王都に来た時は服とも呼べないボロボロの布切れを着用していたが、体が健常になった為、少し体格も変わり、それも意味を成さない様になったので急ぐ事に。
「朝早くすいませーん。」
「おや、いらっしゃ…
あら、【鬼神】君と毛並みの綺麗な獣人さんだねぇ。」
「はい、2人の服を見繕って欲しいのですが。」
「うーん…この2人のだとウチより防具屋に行った方が良いわね、サイズ的な問題で。」
「あー、なる程。」
ヴァモスとベレーザは2人共、獣寄りの獣人の為、全身体毛で覆われているので普通の人間サイズの服では収まりきらないだろう。
「ノ、ノア様、私達に服等は不「ダメダメ、特にベレーザは女の子なんだから気にしなさい!」
一先ず2人の肌着を購入、店の厚意でマントを借りて防具屋へ向かう事に。
「失礼しまーす。」
「いらっしゃー…あれ?
ノア君…と、後ろの獣人達は…?」
「少しの間預かる事になりました。
それで、この子達の動きを阻害しない程度に防具を見繕って下さい。」
「え?…あ、はい。」
突然の注文に驚きつつも【防具】の職員はヴァモスとベレーザに防具を着けていく。
結果的に狼獣人のヴァモスは上半身には何も着けず、下に半ズボンタイプの革鎧を装着。
ベレーザも同様の革鎧を装着して上半身にはハーフトップの革鎧を着ける事になった。
「うん、一先ずこんな物かな。」
「「この様な立派な物を、ありがとうございます。」」
「動きに支障は無いかな?」
「「はい、全く御座いません。」」
「それならさっきの城門の所に戻ろう。
どうやらヴァンディットさんの方の用事も済んだみたいだし。」
そう言うとノアの足元の影が揺らめき、中からヴァンディットが現れる。
「御時間を御掛けして申し訳ありません。」
「いや、こちらの用事も丁度終わった所だよ。
ちなみに、にゃんこさんとはどんな用事だったの?」
と、ノアが質問してみるも
「ふふ、内緒で御座います。
私とにゃんこさん2人だけの秘密です。」
と、キッパリ言われてしまった。
「…まぁ2人の事だから良からぬ企みは無いと思うから心配してないけど…」
ヴァンディットの表情からしても、内緒事をしている事に後ろめたさみたいな物は感じられないので、一先ず頭の隅に追いやる事にする。
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