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獣人国編~救出作戦~
増えとる…
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「増えとる…」
「いつからここはキノコの栽培所になったんじゃ?」
「クリストフと比べて半分位の大きさなんだね。可愛いー。」
夜が明け、日が少し見上げる程の高さまで昇ると、林の中に腰を据えていた"つかえるキノコ"のクリストフの周囲に新たに4人(?)のエリンギが生えていた。
但し大きさはクリストフの半分位、身長1メル程しかなく、一時的に保護している子供達より少し小さい位である。
この位のサイズであれば見た目のシュールさも相まって可愛らしく思えてくる。
キュポンッ!
「…ふぅ、この短時間では4体が限界ですね。
さぁ君達、そこに居られる黒い二刀の少年、ノア殿の前に整列するのだ。」
「「「「はーい。」」」」
キュポッ、ポンッ、キュポ、ポコッ!
『『『『ぽてぽてぽてぽて…』』』』
「いち。」
「にー。」
「さん。」
「よん。」
「「「「ぜーいんそろいました。」」」」
((((((可愛い…))))))
4人の小さなエリンギ達は身長に見合った子供の声で返事をし、木々から自身の体を抜き取ると、ぽてぽてと可愛らしい足音を響かせてノアの前に並び始めた。
相変わらず何処から声を発しているのか分からないが、ハッキリとした声で人数確認をしている。
何処と無く子供のごっこ遊びに見えなくもない。
ズリズリ…
「よっこいしょ…っと…
この者達は私より小さいですが、先程の私同様の働きを見せてくれるでしょう。」
自身の傘を木々に引っ掛けながら林より出てきたクリストフは、小さなエリンギ達をそう評している。
「…と言う事なんですけど、ちょっとこの子達に少し子供達の対応をさせてみても良いですか?」
「あ、あぁ。
こちらとしても対応して貰えると助かるからな…」
デミに了承を貰い、実験的な意味で小エリンギ達に子供達の対応を任せてみる事にした。
と言う訳で
「げほっ、ごほっ、ごほっ…はー、はー…」
「きみ、せきがひどいけどだいじょーぶ?」
「え…?げほっ!…だ、誰…?げほごほっ!」
「うーん…つらそうだね。
ちょっとまってて、うむむむむ。ほいさ。」
キラキラ…
「な、何…?この光…けふっ…こほっ…
あ、あれ?…息が楽に…」
「のどがえんしょーしてるみたいだったから、らくになるようにほうしをまかせてもらったよ。
それと『ポコッ』はい、これ。
のどがかんそーしなくなるからしばらくくわててるといーよ。」
「ど、どうも…」モゴッ。
小エリンギは自身の体の一部を切り取ると、子供に咥える様に勧める。
どうやら傷めた喉を癒す為の薬効成分を含ませているのと、喉を乾燥させない為の処置の意味合いがあるらしい。
ぽてぽてぽてぽて…
「はい、おばちゃん、せんたくおわったよ。」
「あら、こんなに綺麗に。
ありがとう、重くなかったかしら?」
「だいじょーぶ。ぼくこーみえてちからもちなのだ。」
「あら頼もしい。」
子供達約50人分の服が入った洗濯かごを頭に乗せた小エリンギがご婦人方の元へとやって来た。
中々な重量のハズだがそれを気にせず運んでいる辺り力はそれなりにある様だ。
「あぅっ!?」ドサッ!
「きゅうにはしったらあぶないよ。
ほらひざにすりきずできてるよ。」
「痛た…ご、ごめんなさい…足が縺れちゃって…」
「いーよ。すこしジッとしててね。
"いたいのいたいの、とんでけー"。」
ホワワ…シュウウ
「す、凄い…傷が治ってく…」
「たいりょくはもどってきたみたいだけど、きんりょくがおちてるからあしもとにきをつけてね。」
「あ、ありがとうございます…」
小エリンギは自覚無い様だが"いたいのいたいの、とんでけー"と言いながら回復魔法を掛けていた。
おまじない的な意味で無く、彼らの中では呪文詠唱みたいな物なのであろう。
「ねぇ、僕達。
さっきから動きっ放しだけど休憩しなくて大丈夫?」
「だいじょーぶなのだ。
いっしゅうかんくらいならやすまずうごけるのだ。
つかれてもちかくにあるきのしたですこしえいようをわけてもらえばだいじょーぶなのだ。」
「あらー、最近の子(?)は元気なのね。」
どうやらこの小エリンギ達は非常に燃費が良いのか、ノアみたく何日も連続で活動出来るらしい。
彼らの言う栄養も木だけでは無く、栄養のある大地でも十分補給出来るらしい。
「滅茶苦茶有能じゃないか。」
「勿論ですとも。多種多様なキノコの特性を併せ持っていますので子供達の御世話のみならず、冒険者としてやっていく事も可能ですよ。」
「え?戦えるの?あの子達も?」
「えぇ。通常の戦闘方法では御座いませんが、モンスター等と戦う事は可能です。」
こんなずんぐりむっくりな体型でどう戦うのだろうか、と気にはなったが、何れ見せて貰う事にしよう。
すると、隣でずっと小エリンギ達の働きを見ていたデミがクリストフに質問を投げ掛けてきた。
「すまないクリストフ…と言ったな。
君達は手足が生えているが、亜人なのか、モンスターなのかどちらなんだい?」
周りにいる『新鋭の翼』やローザ、お婆らも気になるのか、クリストフの返答を待っている様だ。
「…どうなんでしょう、生産者殿?」
「んぇ!?そこで僕に振るの!?
…まぁオードゥスに居た『歩く茸』何かも一応モンスターだったから一応モンスターの類いに入るんじゃないかな…?
でもデミさん、何で急にそんな質問を…?」
「いやだってさ、俺らはクリストフ達の事を"つかえるキノコ"だって知ってるから良いけど、初見でこの姿を見た人からすれば得体の知れない存在だぜ?」
「「「「「まぁ、確かに…」」」」」
長さ2メルもあるでっかいエリンギだけなら、まだそう言う品種だろうと言う事で片付くが、手足が生えてる上に滅茶苦茶喋るのだ。
怪しさ満点で下手すれば害のあるモンスターと思われてしまうだろう。
「得体の知れないとは失敬な。
何処に出しても恥ずかしくない、清廉潔白で高潔なる立派なキノコですぞ。」
キラキラキラ…
舞台役者の様に両手を広げ、自身の周りに細氷の様に胞子を振り撒き、まるでスポットライトを浴びてるかの様な演出をし出したクリストフを見た一同は
「これは確かにマズイな…下手すりゃ捕獲されるでしょうね…」ヒソヒソ
「普通に『滅びの森』に居そうだもんああいうの…」ヒソヒソ
「俺なら外でばったり出会したら…多分迎撃すると思うな…」ヒソヒソ
「まぁ食用にはし難い見た目ではあるな。」ヒソヒソ
「全部聞こえてますぞ。」
と、皆一様にこのままではモンスター判定を下されてしまうと言う意見になった為、早急に対処しなければならなくなった。
という訳でクリストフと生産者(?)のノアは、獣人国に戻り、身分証明代わりに冒険者登録をしに行く事になった。
尚、小エリンギ達は残って仕事の続きである。
「いつからここはキノコの栽培所になったんじゃ?」
「クリストフと比べて半分位の大きさなんだね。可愛いー。」
夜が明け、日が少し見上げる程の高さまで昇ると、林の中に腰を据えていた"つかえるキノコ"のクリストフの周囲に新たに4人(?)のエリンギが生えていた。
但し大きさはクリストフの半分位、身長1メル程しかなく、一時的に保護している子供達より少し小さい位である。
この位のサイズであれば見た目のシュールさも相まって可愛らしく思えてくる。
キュポンッ!
「…ふぅ、この短時間では4体が限界ですね。
さぁ君達、そこに居られる黒い二刀の少年、ノア殿の前に整列するのだ。」
「「「「はーい。」」」」
キュポッ、ポンッ、キュポ、ポコッ!
『『『『ぽてぽてぽてぽて…』』』』
「いち。」
「にー。」
「さん。」
「よん。」
「「「「ぜーいんそろいました。」」」」
((((((可愛い…))))))
4人の小さなエリンギ達は身長に見合った子供の声で返事をし、木々から自身の体を抜き取ると、ぽてぽてと可愛らしい足音を響かせてノアの前に並び始めた。
相変わらず何処から声を発しているのか分からないが、ハッキリとした声で人数確認をしている。
何処と無く子供のごっこ遊びに見えなくもない。
ズリズリ…
「よっこいしょ…っと…
この者達は私より小さいですが、先程の私同様の働きを見せてくれるでしょう。」
自身の傘を木々に引っ掛けながら林より出てきたクリストフは、小さなエリンギ達をそう評している。
「…と言う事なんですけど、ちょっとこの子達に少し子供達の対応をさせてみても良いですか?」
「あ、あぁ。
こちらとしても対応して貰えると助かるからな…」
デミに了承を貰い、実験的な意味で小エリンギ達に子供達の対応を任せてみる事にした。
と言う訳で
「げほっ、ごほっ、ごほっ…はー、はー…」
「きみ、せきがひどいけどだいじょーぶ?」
「え…?げほっ!…だ、誰…?げほごほっ!」
「うーん…つらそうだね。
ちょっとまってて、うむむむむ。ほいさ。」
キラキラ…
「な、何…?この光…けふっ…こほっ…
あ、あれ?…息が楽に…」
「のどがえんしょーしてるみたいだったから、らくになるようにほうしをまかせてもらったよ。
それと『ポコッ』はい、これ。
のどがかんそーしなくなるからしばらくくわててるといーよ。」
「ど、どうも…」モゴッ。
小エリンギは自身の体の一部を切り取ると、子供に咥える様に勧める。
どうやら傷めた喉を癒す為の薬効成分を含ませているのと、喉を乾燥させない為の処置の意味合いがあるらしい。
ぽてぽてぽてぽて…
「はい、おばちゃん、せんたくおわったよ。」
「あら、こんなに綺麗に。
ありがとう、重くなかったかしら?」
「だいじょーぶ。ぼくこーみえてちからもちなのだ。」
「あら頼もしい。」
子供達約50人分の服が入った洗濯かごを頭に乗せた小エリンギがご婦人方の元へとやって来た。
中々な重量のハズだがそれを気にせず運んでいる辺り力はそれなりにある様だ。
「あぅっ!?」ドサッ!
「きゅうにはしったらあぶないよ。
ほらひざにすりきずできてるよ。」
「痛た…ご、ごめんなさい…足が縺れちゃって…」
「いーよ。すこしジッとしててね。
"いたいのいたいの、とんでけー"。」
ホワワ…シュウウ
「す、凄い…傷が治ってく…」
「たいりょくはもどってきたみたいだけど、きんりょくがおちてるからあしもとにきをつけてね。」
「あ、ありがとうございます…」
小エリンギは自覚無い様だが"いたいのいたいの、とんでけー"と言いながら回復魔法を掛けていた。
おまじない的な意味で無く、彼らの中では呪文詠唱みたいな物なのであろう。
「ねぇ、僕達。
さっきから動きっ放しだけど休憩しなくて大丈夫?」
「だいじょーぶなのだ。
いっしゅうかんくらいならやすまずうごけるのだ。
つかれてもちかくにあるきのしたですこしえいようをわけてもらえばだいじょーぶなのだ。」
「あらー、最近の子(?)は元気なのね。」
どうやらこの小エリンギ達は非常に燃費が良いのか、ノアみたく何日も連続で活動出来るらしい。
彼らの言う栄養も木だけでは無く、栄養のある大地でも十分補給出来るらしい。
「滅茶苦茶有能じゃないか。」
「勿論ですとも。多種多様なキノコの特性を併せ持っていますので子供達の御世話のみならず、冒険者としてやっていく事も可能ですよ。」
「え?戦えるの?あの子達も?」
「えぇ。通常の戦闘方法では御座いませんが、モンスター等と戦う事は可能です。」
こんなずんぐりむっくりな体型でどう戦うのだろうか、と気にはなったが、何れ見せて貰う事にしよう。
すると、隣でずっと小エリンギ達の働きを見ていたデミがクリストフに質問を投げ掛けてきた。
「すまないクリストフ…と言ったな。
君達は手足が生えているが、亜人なのか、モンスターなのかどちらなんだい?」
周りにいる『新鋭の翼』やローザ、お婆らも気になるのか、クリストフの返答を待っている様だ。
「…どうなんでしょう、生産者殿?」
「んぇ!?そこで僕に振るの!?
…まぁオードゥスに居た『歩く茸』何かも一応モンスターだったから一応モンスターの類いに入るんじゃないかな…?
でもデミさん、何で急にそんな質問を…?」
「いやだってさ、俺らはクリストフ達の事を"つかえるキノコ"だって知ってるから良いけど、初見でこの姿を見た人からすれば得体の知れない存在だぜ?」
「「「「「まぁ、確かに…」」」」」
長さ2メルもあるでっかいエリンギだけなら、まだそう言う品種だろうと言う事で片付くが、手足が生えてる上に滅茶苦茶喋るのだ。
怪しさ満点で下手すれば害のあるモンスターと思われてしまうだろう。
「得体の知れないとは失敬な。
何処に出しても恥ずかしくない、清廉潔白で高潔なる立派なキノコですぞ。」
キラキラキラ…
舞台役者の様に両手を広げ、自身の周りに細氷の様に胞子を振り撒き、まるでスポットライトを浴びてるかの様な演出をし出したクリストフを見た一同は
「これは確かにマズイな…下手すりゃ捕獲されるでしょうね…」ヒソヒソ
「普通に『滅びの森』に居そうだもんああいうの…」ヒソヒソ
「俺なら外でばったり出会したら…多分迎撃すると思うな…」ヒソヒソ
「まぁ食用にはし難い見た目ではあるな。」ヒソヒソ
「全部聞こえてますぞ。」
と、皆一様にこのままではモンスター判定を下されてしまうと言う意見になった為、早急に対処しなければならなくなった。
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