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獣人国編~救出作戦~
【一神同体】
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【一神同体】…本来は不遇適正である【ソロ】の救済措置的【固有スキル】である。
発動者の力の根源が表に現出し、擬似的な2人組パーティとなる事が可能。
ただ発動者にある程度の実力が無いと発動中は無防備となってしまう為、初期段階での入手は不可能。
実力が備わっていれば戦略の幅が広がる為、有効に使って欲しい物である。
尚、お互いの距離が200メル以上離れた場合【一神同体】は解除される。
また、この2人での協力、共闘を行っても弱体化に至る事は無い。
キュロロロロオオオッ!ボッ!ボッ!ボッ!
ベチッ!バチッ!バンッ!
ボゴッ!ドゴッ!ゴガッ!
『魔蛸』が自身に向かって来る鬼神に高速の触手を放つ。
それを鬼神は、ハエでも追い払うかの様に手を振り、叩き落としている。
逸れた触手が地面に着弾すると、大砲でも当たったかの様な地響きと轟音が辺りに響き渡る。
『おーおー、活きが良いねぇ。
やっぱ蛸はこうでなくちゃな。』
見た目はノアなのであるが、鋭い一本角、赤黒い肌、漆黒に染まった目に金色の瞳。
4本腕、白髪、上半身は裸だが、赤黒いオーラを纏っているので一目見ただけでは分からない。
腰には主のノアに配慮して、服の代わりに【鬼鎧殻】を装着している。
『魔蛸』と比べれば体躯、質量共に矮小な存在である鬼神だが、その金色の双眸に睨み付けられた『魔蛸』は正に蛇に睨まれた蛙状態であった。
だが何もせずに蹂躙される訳にはいかない『魔蛸』は、鬼神を近付けさせない様に途切れる事無く触手による攻撃を繰り出し続けていた。
ギュロロロロッ!
ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!バヒュッ!ボッ!ボッ!ヒュバッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!バシュッ!バチンッ!
8本の大木の如き太さの触手を鞭の様にしならせ、攻撃の嵐を鬼神に向けて打ち込み続けるも
タッ、タ、トタッ、ト…
フェイント等を織り混ぜない純粋な攻撃の為、歩みを止める事無く必要最低限の移動で全て回避していた。
『おいおい無駄に暴れるな、味が落ちるだろ…?
取り敢えず手早く仕留めて後でカラッと揚げてやるから大人しくしてろって。』ジュルリ…
ギッ!?
自身を見て余裕の笑みを浮かべながら舌舐めずりをする鬼神に恐怖を覚えた『魔蛸』は本能的に"殺られる"と察知。(今更 )
ギュルルルッ!
攻撃の為展開していた触手を引き戻し、眼前で束ねて触手の先端を鬼神へと向ける。
先程放った大瀑布を発射するつもりである。
『ちょ、お前…』バッ!
鬼神が慌てた様子で後ろを振り返ると、ノアと『ダックス憤怒』が戦闘を繰り広げている。
つまりこのままでは主であるノアが『魔蛸』の大瀑布に巻き込まれてしまう。
バシュッ!
『ちっ!』ボゴォッ!
直後、高圧の水流が『魔蛸』の触手先端から発射された。
と、同時に地面にくっきりと足形の陥没痕が残る程の力で踏み込んだ鬼神は、姿が掻き消える程の速度で『魔蛸』に急速接近を仕掛ける。
ズガッ!ギュルッ!ジャッ!
『ふんっ!』
ドバァアアアアアアアアッ!
ギュッ、ギュロロロロッ!?
『魔蛸』が放った大瀑布に直撃するかどうかのギリギリの距離で体勢を入れ換えた鬼神は、ノアがスキルを多重発動して威力を底上げしているモノと比較して、速度、威力共に数倍高い鉄山靠を繰り出した。
その威力は凄まじく、『魔蛸』が高圧力を掛けて発射した大瀑布が霧散しただけで無く、発射口である触手先端が砕け散り、『魔蛸』の巨体が大きく揺らいだ程である。
『はっはー!
これが鉄山靠か、主がよく使ってるからやってみたがこりゃ良い。
普通にぶん殴ると原形留めないから、これ位が丁度良いな、っと!』ズダンッ!
ドズッ!
ギュロロロロッ!?
未だ体勢が崩れている『魔蛸』に留めを刺す為、飛び上がった鬼神は眉間に腕を突き刺した。
ズズズ…ドジュッ!
ギャロロロロロロッ!!?
突き刺した腕に赤黒いオーラを集束させ、『魔蛸』の体内で槍を生成して反対側まで貫通した。
ギュ、ギュロ、ギュロロロロッ!
ズンッ!ズズンッ!ズダンッ!ドガンッ!
『魔蛸』は悲鳴を上げながら暴れまわり、何とか鬼神を引き剥がそうとしている。
『やっぱこの程度では死なんか。ならこれで留めだな、っと!』
ドシュッ!ドズッ!ドブッ!シュドッ!ドスドスッ!ザキュッ!ドズッ!
ギッ…ォオ… ズズンッ…
突き入れた槍から追加で幾本もの槍を生成させ、『魔蛸』の内側から急所を破壊した。
ガクガクと痙攣した後、短い悲鳴を上げた後、『魔蛸』の体から力が抜けていった。
『よし、『ズルッ!』終いだな。』ピッピッ!
『魔蛸』の眉間から腕を引き抜いた鬼神は軽く手を払った後、後方で戦闘継続中のノアを見やる。
『おぉ…流石主だな。
今は素のステータスなのに中々凌げてるじゃないか。
取り敢えず戻って加勢するとしよう。』
ダンッ!
状況を確認した鬼神はノアの元へと駆け出していった。
グルォオオオオッ!
ブォンッ!ボッ!ヒュボッ!ブォンッ!
「くっ…」
バッ!バババッ!ババッ!
強靭な前脚を使って攻撃を仕掛け、鋭い爪で切り裂きに掛かる『ダックス憤怒』と、その攻撃を紙一重で避け続けているノア。
現在力の根源である鬼神が『魔蛸』と戦闘中の為、今のノアのステータスは自前の物である。
だがそれでも両親との膨大な戦闘訓練のお陰で、決定力は無いものの、無被弾で回避を行い反撃の機会を窺っていた。
ガォオオオオッ!ヒュッ…
「!」ダンッ!
『ヴワ"ォオ"オ"オ"オ"ンッ!』ドバァッ!
『ダックス憤怒』が息を強く吸い込む動作を取った為、ノアは<縮地>を発動して巨体の下へ滑り込む。
直後ノアの後方で衝撃波混じりの咆哮が放たれ、破壊の嵐が発生していた。
『『シュリィンッ!ザンッ!ゾンッ!ズバッ!』』
太腿からカランビットナイフを抜いたノアは、滑り込みしつつ<渾身>を発動して『ダックス憤怒』の両脚を斬り付けた。
が
(…駄目だ、明らかに火力が足りてない…
腱を断つつもりでいったのに腱どころか表皮を切り裂いただけだ…)
ノアが繰り出した斬撃は、『ダックス憤怒』の脚に僅かな傷を付けただけで、大したダメージになっていなかった。
(弱体化の時と比べれば数段動けるが、やっぱり火力不足が否めないか…)
ズザザッ!
フンッ。
と、反転しつつ巨体の背後に抜けたノア。
『ダックス憤怒』は悠々とノアへと向き直り鼻を鳴らす。
どうやら多分な隙があったにも関わらず決め手に欠ける攻撃だった為、火力不足を見抜いてしまった様だ。
『ヴワォオオオオンッ!』
ゾワッ!
『ダックス憤怒』が咆哮を上げると、今まで放っていた青い光(速度上昇の支援魔法)から赤い光(攻撃力上昇の支援魔法)へと変化し出した。
一撃の重みを重視する様だ。
グルォオオオオッ!
再戦の合図だ、とばかりに咆哮を上げる『ダックス憤怒』。
(うーん…やはり正攻法では厳しいか…
それなら、倒す事は出来ずともとことん"壊して"やろうじゃないか。
モンスター相手に正々堂々クソ食らえだ。)
両腕に『魔装・破城槌式鉄甲』とカランビットナイフを装備したノアが戦闘態勢を取るのであった。
発動者の力の根源が表に現出し、擬似的な2人組パーティとなる事が可能。
ただ発動者にある程度の実力が無いと発動中は無防備となってしまう為、初期段階での入手は不可能。
実力が備わっていれば戦略の幅が広がる為、有効に使って欲しい物である。
尚、お互いの距離が200メル以上離れた場合【一神同体】は解除される。
また、この2人での協力、共闘を行っても弱体化に至る事は無い。
キュロロロロオオオッ!ボッ!ボッ!ボッ!
ベチッ!バチッ!バンッ!
ボゴッ!ドゴッ!ゴガッ!
『魔蛸』が自身に向かって来る鬼神に高速の触手を放つ。
それを鬼神は、ハエでも追い払うかの様に手を振り、叩き落としている。
逸れた触手が地面に着弾すると、大砲でも当たったかの様な地響きと轟音が辺りに響き渡る。
『おーおー、活きが良いねぇ。
やっぱ蛸はこうでなくちゃな。』
見た目はノアなのであるが、鋭い一本角、赤黒い肌、漆黒に染まった目に金色の瞳。
4本腕、白髪、上半身は裸だが、赤黒いオーラを纏っているので一目見ただけでは分からない。
腰には主のノアに配慮して、服の代わりに【鬼鎧殻】を装着している。
『魔蛸』と比べれば体躯、質量共に矮小な存在である鬼神だが、その金色の双眸に睨み付けられた『魔蛸』は正に蛇に睨まれた蛙状態であった。
だが何もせずに蹂躙される訳にはいかない『魔蛸』は、鬼神を近付けさせない様に途切れる事無く触手による攻撃を繰り出し続けていた。
ギュロロロロッ!
ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!バヒュッ!ボッ!ボッ!ヒュバッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!バシュッ!バチンッ!
8本の大木の如き太さの触手を鞭の様にしならせ、攻撃の嵐を鬼神に向けて打ち込み続けるも
タッ、タ、トタッ、ト…
フェイント等を織り混ぜない純粋な攻撃の為、歩みを止める事無く必要最低限の移動で全て回避していた。
『おいおい無駄に暴れるな、味が落ちるだろ…?
取り敢えず手早く仕留めて後でカラッと揚げてやるから大人しくしてろって。』ジュルリ…
ギッ!?
自身を見て余裕の笑みを浮かべながら舌舐めずりをする鬼神に恐怖を覚えた『魔蛸』は本能的に"殺られる"と察知。(今更 )
ギュルルルッ!
攻撃の為展開していた触手を引き戻し、眼前で束ねて触手の先端を鬼神へと向ける。
先程放った大瀑布を発射するつもりである。
『ちょ、お前…』バッ!
鬼神が慌てた様子で後ろを振り返ると、ノアと『ダックス憤怒』が戦闘を繰り広げている。
つまりこのままでは主であるノアが『魔蛸』の大瀑布に巻き込まれてしまう。
バシュッ!
『ちっ!』ボゴォッ!
直後、高圧の水流が『魔蛸』の触手先端から発射された。
と、同時に地面にくっきりと足形の陥没痕が残る程の力で踏み込んだ鬼神は、姿が掻き消える程の速度で『魔蛸』に急速接近を仕掛ける。
ズガッ!ギュルッ!ジャッ!
『ふんっ!』
ドバァアアアアアアアアッ!
ギュッ、ギュロロロロッ!?
『魔蛸』が放った大瀑布に直撃するかどうかのギリギリの距離で体勢を入れ換えた鬼神は、ノアがスキルを多重発動して威力を底上げしているモノと比較して、速度、威力共に数倍高い鉄山靠を繰り出した。
その威力は凄まじく、『魔蛸』が高圧力を掛けて発射した大瀑布が霧散しただけで無く、発射口である触手先端が砕け散り、『魔蛸』の巨体が大きく揺らいだ程である。
『はっはー!
これが鉄山靠か、主がよく使ってるからやってみたがこりゃ良い。
普通にぶん殴ると原形留めないから、これ位が丁度良いな、っと!』ズダンッ!
ドズッ!
ギュロロロロッ!?
未だ体勢が崩れている『魔蛸』に留めを刺す為、飛び上がった鬼神は眉間に腕を突き刺した。
ズズズ…ドジュッ!
ギャロロロロロロッ!!?
突き刺した腕に赤黒いオーラを集束させ、『魔蛸』の体内で槍を生成して反対側まで貫通した。
ギュ、ギュロ、ギュロロロロッ!
ズンッ!ズズンッ!ズダンッ!ドガンッ!
『魔蛸』は悲鳴を上げながら暴れまわり、何とか鬼神を引き剥がそうとしている。
『やっぱこの程度では死なんか。ならこれで留めだな、っと!』
ドシュッ!ドズッ!ドブッ!シュドッ!ドスドスッ!ザキュッ!ドズッ!
ギッ…ォオ… ズズンッ…
突き入れた槍から追加で幾本もの槍を生成させ、『魔蛸』の内側から急所を破壊した。
ガクガクと痙攣した後、短い悲鳴を上げた後、『魔蛸』の体から力が抜けていった。
『よし、『ズルッ!』終いだな。』ピッピッ!
『魔蛸』の眉間から腕を引き抜いた鬼神は軽く手を払った後、後方で戦闘継続中のノアを見やる。
『おぉ…流石主だな。
今は素のステータスなのに中々凌げてるじゃないか。
取り敢えず戻って加勢するとしよう。』
ダンッ!
状況を確認した鬼神はノアの元へと駆け出していった。
グルォオオオオッ!
ブォンッ!ボッ!ヒュボッ!ブォンッ!
「くっ…」
バッ!バババッ!ババッ!
強靭な前脚を使って攻撃を仕掛け、鋭い爪で切り裂きに掛かる『ダックス憤怒』と、その攻撃を紙一重で避け続けているノア。
現在力の根源である鬼神が『魔蛸』と戦闘中の為、今のノアのステータスは自前の物である。
だがそれでも両親との膨大な戦闘訓練のお陰で、決定力は無いものの、無被弾で回避を行い反撃の機会を窺っていた。
ガォオオオオッ!ヒュッ…
「!」ダンッ!
『ヴワ"ォオ"オ"オ"オ"ンッ!』ドバァッ!
『ダックス憤怒』が息を強く吸い込む動作を取った為、ノアは<縮地>を発動して巨体の下へ滑り込む。
直後ノアの後方で衝撃波混じりの咆哮が放たれ、破壊の嵐が発生していた。
『『シュリィンッ!ザンッ!ゾンッ!ズバッ!』』
太腿からカランビットナイフを抜いたノアは、滑り込みしつつ<渾身>を発動して『ダックス憤怒』の両脚を斬り付けた。
が
(…駄目だ、明らかに火力が足りてない…
腱を断つつもりでいったのに腱どころか表皮を切り裂いただけだ…)
ノアが繰り出した斬撃は、『ダックス憤怒』の脚に僅かな傷を付けただけで、大したダメージになっていなかった。
(弱体化の時と比べれば数段動けるが、やっぱり火力不足が否めないか…)
ズザザッ!
フンッ。
と、反転しつつ巨体の背後に抜けたノア。
『ダックス憤怒』は悠々とノアへと向き直り鼻を鳴らす。
どうやら多分な隙があったにも関わらず決め手に欠ける攻撃だった為、火力不足を見抜いてしまった様だ。
『ヴワォオオオオンッ!』
ゾワッ!
『ダックス憤怒』が咆哮を上げると、今まで放っていた青い光(速度上昇の支援魔法)から赤い光(攻撃力上昇の支援魔法)へと変化し出した。
一撃の重みを重視する様だ。
グルォオオオオッ!
再戦の合図だ、とばかりに咆哮を上げる『ダックス憤怒』。
(うーん…やはり正攻法では厳しいか…
それなら、倒す事は出来ずともとことん"壊して"やろうじゃないか。
モンスター相手に正々堂々クソ食らえだ。)
両腕に『魔装・破城槌式鉄甲』とカランビットナイフを装備したノアが戦闘態勢を取るのであった。
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