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獣人国編~救出作戦~
正々堂々クソ食らえ
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「良い?ノアちゃん、冒険者生活を送るにあたって、"モンスター相手に正々堂々クソ食らえ"のスタンスでいきなさい。」
「え?母さん前に"卑劣な真似はしない事"って言ってなかったっけ?」
「あれは"人間相手"の話。
但し、悪人や野盗何かは別、奴等は滅ぶべし。」
ノアの母親アミスティアは、以前野盗に所持金や食糧等が入った鞄を持って行かれた事があり、大変な思いをしたとの事で野盗に対する殺意が凄い。
途方に暮れていた時に助けてくれたのが父親であるレドリックだったと言う。
時折惚気話として話す事があった。
いつも聞かされていたノアは、"そんな運命的な出会いがあれば良いな"と思っていたらしい。
「本来身体能力で劣る私達人間は、スキルやら【適正】の力を使う事でモンスターと対する事が出来るの。
"今の"ノアちゃんなら新人~中級冒険者が相手取る様なモンスターでも余裕を持って対処出来るハズ。
でも一時的にその力を失ったり、それ以上の強敵が現れた場合、奇襲、搦め手、末端攻撃何でも使ってモンスター相手に勝つ事だけを考えなさい。良い?」
「うん、分かったよ母さん。"モンスター相手に正々堂々クソ食らえ"だね。」
グルォオオオオッ!ガパァッ!
大口を開け、噛み付き攻撃を仕掛けるダックス憤怒。
ノアは左手に逆手持ちしたカランビットナイフを構えてピタリと動きを止めていた。
オオアッ!!
「シッ!」ヒュォッ!
ドズッ!ゴゴゴンッ!!
グギャォオオオオッ!?
そこに噛み付き攻撃を仕掛けてきたダックス憤怒の口内、正確には先程引っこ抜いた『憤怒の犬牙』の根元にカランビットナイフを突き込み、柄の部分に<渾身>を乗せた拳を放つ。
直後『魔装・破城槌式鉄甲』の効果である同威力の追加攻撃2連が炸裂し、ダックス憤怒は口から大量の出血を伴って揉んどり打っている。
『ヴワォオオオオンッ!』ドバァアアアアッ!
「ぐぅっ…!!」ドガガッ、ガガッ!ズザッ!
ダックス憤怒は苦しみながらも衝撃波混じりの咆哮を放つと、ノアは防具面積の多い背中側を向け、頭を低くして衝撃に備えていた。
大半の衝撃波は防具に吸収されたが、それでもノアを吹き飛ばす程の威力はあり、地面を数回転がった後、カランビットナイフで制動を掛けて何とか体勢を整えた。
「んなっ!?」
が、その頃にはダックス憤怒が急速接近をし、両脚を揃えた状態で飛び掛かりを仕掛けていた。
ガァアアアアアアアアアッ!
「くっ!」バッ!
ドゴォオオオッ!『ヴワォオオオオンッ!』
「リベラ!」ドゥッ!
ドドドドドドドドドドドドッ!
飛び掛かりを寸での所で回避したノアであったが、至近距離で衝撃波混じりの咆哮を放たれた為、即座に自身の足元に防具の効果である吸収した衝撃を放出してその場から離脱。
だが、ただ逃げた訳では無く、勢いを殺さない様に反転してダックス憤怒の側面にまわり
「オォオラァッ!」ザスッ!
グギャォオオオオッ!?
<渾身>を乗せたカランビットナイフの突きをダックス憤怒の眼に繰り出し、思いっ切り突き刺した。
更に、簡単には抜けない様に眼窩に引っ掛けて固定し、直ぐ様ダックス憤怒の頭部によじ登る。
ドズンッ!ズズンッ!ズドンッ!
ダックス憤怒は地面に体を叩き付けたり擦り付けたりしてノアを引き剥がそうともがいている。
その間もカランビットナイフが食い込み、激痛を起こしているが、そんな事関係無いとばかりに暴れまわっている。
それはダックス憤怒自身が持っていた<虫の知らせ>が途轍も無く警報を鳴らしていたからである。
"コイツはやばい!何かとんでもない事を仕出かしてしまう!"と
その直後
「くっ…離すかよ!
千載一遇のチャンスだ、ここで決めてやる!
『ガパッ!』荒鬼神2本だ!」
ザッ!ザスッ!
と、何故かアイテムボックスを開き、素のステータスでは持つ事の出来ない荒鬼神を出すと、その辺りの地面に深々と突き刺さる。
「よし!準備は出来た!後は…オラアッ!」
ゾブゥッ!
ギャアアアアアアッ!!キュウン…キュゥンッ!
ノアは<渾身>を込めた拳をダックス憤怒の眼球に突き立て、肘の辺りまで突き入れる。
激痛云々の話ではないダックス憤怒は、遂に暴れまわる事を止め、悲鳴を上げた。
だがノアはそんな事で手を止める事は無く
ズブ…グヂヂ…
「まだだ、位置が悪い…
良いぞ…もう少し……来たぁっ!」
『ギュッ!』
ダックス憤怒の頭部の中にノアの拳があるのだが、その延長線上に先程出した荒鬼神が地面に深々と突き刺さっていた。
ノアの所有する荒鬼神には『転移の腕輪』を柄の部分に装着しているので、普段は攻撃手段兼転移を用いた高速移動手段として使っている。
これは、荒鬼神の柄とノアの手首に装着している『転移の腕輪』間で魔力を消費して転移する・させる、のやり取りを行っているから出来る戦法である。
話を戻すが、ノアはダックス憤怒の頭部の中で荒鬼神を"手元に転移させる"動作を起こす。
その直後
ゴヂュッ…
ォオッ…?オォオ…ズズンッ!
何やら湿っぽい音と共にダックス憤怒の頭部がガクンと揺れ動く。
当のダックス憤怒は、自身に何が起こったのか分からず、よろよろと歩き回った後、力無く崩れ落ちてしまった。
ズボッ…ドサッ!
「ぶはーっ!何とか勝てたー!」
ダックス憤怒から腕を引き抜いたノアはそのまま地面に転がり、大きく息を吐いていた。
ズチャリ…
『前回引き分けた相手に素のステータスで勝っちまうとは…
流石は主だな。』
「は、はは…泥臭い勝ち方だけどね…」
『"モンスター相手に正々堂々クソ食らえ"だろ?』
「母さんの言葉だね…何だか懐かしいや…」
ノアの元に戻ってきた鬼神は、腰に手を当て主の戦果に素直に驚いていた。
『それにしても、素のステータスでは重りにしかならない荒鬼神を手元に転移させて犬っころの頭部に突き刺すとは…
我が主ながら末恐ろしいぜ…』
ダックス憤怒の頭部には、高重量の荒鬼神の柄が深々と突き刺さっていた。
端から見れば頭から荒鬼神を生やしている様である。
「素のステータスじゃ決定打に掛けるからね…
このレベルのモンスターを始末するとなったら強力な火力が必要だったんだ…」
『俺の方でトドメ刺しても良かったんだぜ?』
「それだと君の主として格好が付かないだろ?
流石に分が悪ければお願いしたさ。
倒せると分かってたから手出ししなかったんだろ?」
『ははは、主には敵わねぇなぁ。
一先ずお疲れさんだ。』
スッ…
ゴツ。
「おぅ。」
鬼神から差し出された拳に応える様に打ち合わせるノアであった。
『さて、そろそろ解除して本来の目的であるランス・ラビットを探すか?』
「いや待って。
今【一神同体】解除したら無茶苦茶疲労感が襲うんでしょ?
だったらこのままの状態で2人で狩ろうよ。」
『おぅ良いぜ。』
と、いう訳でその後ノアと鬼神の2人は協力してランス・ラビットを狩る事になった。
「なぁ…見たか今の…」
「あぁ…魔蛸とダックス憤怒を単騎で倒してたぞ、あの2人組…」
「ね、ねぇ、あの人達に臨時パーティ組んで貰うってのはどうかな…?」
「それは良いな、ちょっと後で募集掛けてみるわ。」
尚、ノアと鬼神の2人が大立回りをしていた光景は数多くの冒険者パーティが目撃しており、冒険者ギルドの臨時パーティ募集欄が増える事となるのであった。
「え?母さん前に"卑劣な真似はしない事"って言ってなかったっけ?」
「あれは"人間相手"の話。
但し、悪人や野盗何かは別、奴等は滅ぶべし。」
ノアの母親アミスティアは、以前野盗に所持金や食糧等が入った鞄を持って行かれた事があり、大変な思いをしたとの事で野盗に対する殺意が凄い。
途方に暮れていた時に助けてくれたのが父親であるレドリックだったと言う。
時折惚気話として話す事があった。
いつも聞かされていたノアは、"そんな運命的な出会いがあれば良いな"と思っていたらしい。
「本来身体能力で劣る私達人間は、スキルやら【適正】の力を使う事でモンスターと対する事が出来るの。
"今の"ノアちゃんなら新人~中級冒険者が相手取る様なモンスターでも余裕を持って対処出来るハズ。
でも一時的にその力を失ったり、それ以上の強敵が現れた場合、奇襲、搦め手、末端攻撃何でも使ってモンスター相手に勝つ事だけを考えなさい。良い?」
「うん、分かったよ母さん。"モンスター相手に正々堂々クソ食らえ"だね。」
グルォオオオオッ!ガパァッ!
大口を開け、噛み付き攻撃を仕掛けるダックス憤怒。
ノアは左手に逆手持ちしたカランビットナイフを構えてピタリと動きを止めていた。
オオアッ!!
「シッ!」ヒュォッ!
ドズッ!ゴゴゴンッ!!
グギャォオオオオッ!?
そこに噛み付き攻撃を仕掛けてきたダックス憤怒の口内、正確には先程引っこ抜いた『憤怒の犬牙』の根元にカランビットナイフを突き込み、柄の部分に<渾身>を乗せた拳を放つ。
直後『魔装・破城槌式鉄甲』の効果である同威力の追加攻撃2連が炸裂し、ダックス憤怒は口から大量の出血を伴って揉んどり打っている。
『ヴワォオオオオンッ!』ドバァアアアアッ!
「ぐぅっ…!!」ドガガッ、ガガッ!ズザッ!
ダックス憤怒は苦しみながらも衝撃波混じりの咆哮を放つと、ノアは防具面積の多い背中側を向け、頭を低くして衝撃に備えていた。
大半の衝撃波は防具に吸収されたが、それでもノアを吹き飛ばす程の威力はあり、地面を数回転がった後、カランビットナイフで制動を掛けて何とか体勢を整えた。
「んなっ!?」
が、その頃にはダックス憤怒が急速接近をし、両脚を揃えた状態で飛び掛かりを仕掛けていた。
ガァアアアアアアアアアッ!
「くっ!」バッ!
ドゴォオオオッ!『ヴワォオオオオンッ!』
「リベラ!」ドゥッ!
ドドドドドドドドドドドドッ!
飛び掛かりを寸での所で回避したノアであったが、至近距離で衝撃波混じりの咆哮を放たれた為、即座に自身の足元に防具の効果である吸収した衝撃を放出してその場から離脱。
だが、ただ逃げた訳では無く、勢いを殺さない様に反転してダックス憤怒の側面にまわり
「オォオラァッ!」ザスッ!
グギャォオオオオッ!?
<渾身>を乗せたカランビットナイフの突きをダックス憤怒の眼に繰り出し、思いっ切り突き刺した。
更に、簡単には抜けない様に眼窩に引っ掛けて固定し、直ぐ様ダックス憤怒の頭部によじ登る。
ドズンッ!ズズンッ!ズドンッ!
ダックス憤怒は地面に体を叩き付けたり擦り付けたりしてノアを引き剥がそうともがいている。
その間もカランビットナイフが食い込み、激痛を起こしているが、そんな事関係無いとばかりに暴れまわっている。
それはダックス憤怒自身が持っていた<虫の知らせ>が途轍も無く警報を鳴らしていたからである。
"コイツはやばい!何かとんでもない事を仕出かしてしまう!"と
その直後
「くっ…離すかよ!
千載一遇のチャンスだ、ここで決めてやる!
『ガパッ!』荒鬼神2本だ!」
ザッ!ザスッ!
と、何故かアイテムボックスを開き、素のステータスでは持つ事の出来ない荒鬼神を出すと、その辺りの地面に深々と突き刺さる。
「よし!準備は出来た!後は…オラアッ!」
ゾブゥッ!
ギャアアアアアアッ!!キュウン…キュゥンッ!
ノアは<渾身>を込めた拳をダックス憤怒の眼球に突き立て、肘の辺りまで突き入れる。
激痛云々の話ではないダックス憤怒は、遂に暴れまわる事を止め、悲鳴を上げた。
だがノアはそんな事で手を止める事は無く
ズブ…グヂヂ…
「まだだ、位置が悪い…
良いぞ…もう少し……来たぁっ!」
『ギュッ!』
ダックス憤怒の頭部の中にノアの拳があるのだが、その延長線上に先程出した荒鬼神が地面に深々と突き刺さっていた。
ノアの所有する荒鬼神には『転移の腕輪』を柄の部分に装着しているので、普段は攻撃手段兼転移を用いた高速移動手段として使っている。
これは、荒鬼神の柄とノアの手首に装着している『転移の腕輪』間で魔力を消費して転移する・させる、のやり取りを行っているから出来る戦法である。
話を戻すが、ノアはダックス憤怒の頭部の中で荒鬼神を"手元に転移させる"動作を起こす。
その直後
ゴヂュッ…
ォオッ…?オォオ…ズズンッ!
何やら湿っぽい音と共にダックス憤怒の頭部がガクンと揺れ動く。
当のダックス憤怒は、自身に何が起こったのか分からず、よろよろと歩き回った後、力無く崩れ落ちてしまった。
ズボッ…ドサッ!
「ぶはーっ!何とか勝てたー!」
ダックス憤怒から腕を引き抜いたノアはそのまま地面に転がり、大きく息を吐いていた。
ズチャリ…
『前回引き分けた相手に素のステータスで勝っちまうとは…
流石は主だな。』
「は、はは…泥臭い勝ち方だけどね…」
『"モンスター相手に正々堂々クソ食らえ"だろ?』
「母さんの言葉だね…何だか懐かしいや…」
ノアの元に戻ってきた鬼神は、腰に手を当て主の戦果に素直に驚いていた。
『それにしても、素のステータスでは重りにしかならない荒鬼神を手元に転移させて犬っころの頭部に突き刺すとは…
我が主ながら末恐ろしいぜ…』
ダックス憤怒の頭部には、高重量の荒鬼神の柄が深々と突き刺さっていた。
端から見れば頭から荒鬼神を生やしている様である。
「素のステータスじゃ決定打に掛けるからね…
このレベルのモンスターを始末するとなったら強力な火力が必要だったんだ…」
『俺の方でトドメ刺しても良かったんだぜ?』
「それだと君の主として格好が付かないだろ?
流石に分が悪ければお願いしたさ。
倒せると分かってたから手出ししなかったんだろ?」
『ははは、主には敵わねぇなぁ。
一先ずお疲れさんだ。』
スッ…
ゴツ。
「おぅ。」
鬼神から差し出された拳に応える様に打ち合わせるノアであった。
『さて、そろそろ解除して本来の目的であるランス・ラビットを探すか?』
「いや待って。
今【一神同体】解除したら無茶苦茶疲労感が襲うんでしょ?
だったらこのままの状態で2人で狩ろうよ。」
『おぅ良いぜ。』
と、いう訳でその後ノアと鬼神の2人は協力してランス・ラビットを狩る事になった。
「なぁ…見たか今の…」
「あぁ…魔蛸とダックス憤怒を単騎で倒してたぞ、あの2人組…」
「ね、ねぇ、あの人達に臨時パーティ組んで貰うってのはどうかな…?」
「それは良いな、ちょっと後で募集掛けてみるわ。」
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