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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~
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「でぇええああっ!」ボッ!
『ギャ『ゴシャッ!』ブッ!』
魔装鉄甲のブースター機能を使って出現した人型200体の集団に突っ込んだノアは、1体の人型の顔面に殴り掛かりつつ、その場に降り立った。
『オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!』ドグァッ!
『ギャギギッ!』
『ギャハッ!』
『ゲギャギャギャッ!』
着地の瞬間に、スキル<猿叫>を発動して大声量と衝撃波に加え、強烈な殺気を放出し、周辺に居る人型の敵視を上げ、行動の抑制を試みたのだが
『『『グルルァアッ!』』』
「くそっ!コイツら殺気に全然怯みやしないっ!」
グアッ!
「なっ!?」
向かってくる人型に対し、鉄甲を振り上げて応戦しようとしたノアだが、恐ろしい光景を目の当たりにする。
ミキ…
「コイツらの牙も特別製かよっ!?」
冒頭で殴り付けた人型は頭がグシャグシャに潰れ、既に絶命していたものの、牙が鉄甲で形作った拳に突き刺さり、垂れ下がっていた。
つまりこの人型の牙は、先程の高出力振動ブレード程では無いものの、魔装鉄甲の装甲を突破するに足る強固な物である事が窺えたのである。
ガガガガッ!ガギッ!
ミキミキミキミキッ…
「ぐっ!?マズイ…数が多すぎる…!」
飛び掛かってきた4体の人型に対し、咄嗟に左腕の魔装鉄甲を盾代わりにしたノアだが、人型は構わず食らい付き、鉄甲を喰い破りに掛かる。
『『『『ギャギギッ!』』』』×10
「チッ!面倒臭い置き土産して逝きやがったな金成はぁっ!」
新たに40体程の人型が全方向から迫り、思わず悪態を吐いていると
「放てぇっ!!」
ドゴンッ!ドンッ!ドドンッ!
「っ!」ダッ!
ドゴッ!ドガッ!バギャギャッ!
後方から発せられた声に反応したノアがその場から回避行動を取ると、直ぐ様その場に大砲の弾が飛来し、人型の群れに着弾。
高重量の砲弾が直撃した人型は即死し、着弾後の砲弾に轢死した個体も居た。
牙は脅威であるが、それ以外の部分は柔く、一応倒す事は可能である。
ドガッ!「ぐぅっ!」ズガガッ!
「ノア殿っ!?」
砲弾の1つが魔装鉄甲の右肩に命中。
地面を数回転がった事に慌てる時雨ではあるが
ザガッ!「"コレ"で良いっ!
手筈通り協力関係を取らず、俺を攻撃するつもりで撃ち続けて下さい!
コイツらは牙、もしかすれば爪も強固ですが、それ以外は柔い!狙うならそこです!」
ダンッ!
手短に指示を出したノアは足早にその場を離れ、再び人型の元へ駆け出していく。
ノアがこれ程まで急ぐのには訳があった。
(『今のでも撃破数は10程度。
急いで奴らを仕留めねぇと、次の100体が追加されちまうぞ!』)
金成死亡からまだ2~3分程度、だが人型の出現は既に2回目、恐らくあと1分程で3回目の出現が起こるだろう。
なのでノアはのんびりとしている余裕は無い。
のだが
「分かってる!
…だがアイツら、こちらの攻撃を物ともせずに突っ込んで来るから厄介にも程がある!」
人型の凶暴性もさる事ながら、ノアの殺気にも怯まず、防御を捨て、絶命するまで攻撃を仕掛けてくる為、いつもの様な戦闘が行えないでいる。
しかも
バチッ!…バチチッ!
「くそっ!さっきの噛み付きで何ヵ所かイカれちまったみたいだ、上手く拳が握れないぞ…」
魔装鉄甲の左腕の各所から火花が飛び、中指から先が痙攣したかの様な動きをしており、明らかに異常をきたしていた。
(『それじゃあ装着を解除して剣で戦うぞ!』)
「実はさっきから解除指示を出してるんだけど、左腕部が反応しないんよ…」
(『何ぃっ!?』)
魔装鉄甲内で操作をして解除を試みていたノアだが、時折キュルキュルと言う異音を立てるのみで解除が成されていなかった。
すると
ズッ…
「ノア君っ!その魔装鉄『ガルルァアアッ!』「危ないっ!『ゴギャッ!』
ノアの足下の影から突然ラインハードが飛び出して来た。
と、丁度そこに人型が1体突っ込んできたのでラインハードを庇いつつ人型の頭部を殴り付けて粉砕した。
ドガッ!ズザザッ!
『ガルルァッ!』
『ギシャァアッ!』
「チッ!次から次へとっ!」ズドッ!
1体倒した所で、次の人型が追加でやって来る。
堪らずノアはその場で大きく跳躍を開始。
「…ラインハードさん、こう言う時に外に出る場合一言声掛けて下さい。
少し肝が冷えましたよ…」
「も、申し訳ありません…あ!ノア君目が…!?」
突然姿を現したラインハードに優しく注意するノアだが、右目の下が大きく裂け、ボタボタと血を垂らしていた。
「あ、あの、わた「ラインハードさん、気にしないで下さい、この程度掠り傷です。
それよりも突然出て来たのには訳があるのでしょう?
申し訳無いのですが、手短にお願いします。」
「は…はいっ!」
ラインハードを落ち着かせる様に優しい声音で言うノアではあるが、表情からして焦りの色を隠せないでいた。
それを、瞬時に察したラインハードは姿を現した理由を話す。
「ノア君の装着している魔装鉄甲は故障状態にあるので私の方で解除致します。
その上で私も戦闘に参加します!」
「ちょっ、何を言って…」バシュゥッ!
ノアは右腕を下に向け、衝撃波を放って滞空時間を延ばす。
「…策はあるのですか…?」
「勿論です。
それにノア君の【適正】も理解した上での行動です、お任せ下さい。」
「……っ…頼みます。」
「では作業に入ります。」ススス…
絞り出す様に了承を出したノアの返答を受けたラインハードは、ノアの脇を抜けて背中にまわり、呪文の様な言葉を口にしだした。
「レベンタール・エー・ヴィスチンドゥ!
リムピィウス・ポントゥス・プロブレマティコス・アルマ・ジ・フォーゴ・ジスポニーヴィス・イニシオ・ドゥ・コンバージ!」
ガコンッ!ガシャガシャガシャッ!
バグンッ!『『『『ガコッ!』』』』
ギュルルルルッ!
ラインハードが呪文を唱えた直後、魔装鉄甲の背中を起点として脱着が開始され、そのままラインハードの体へと移っていく。
ラインハードの細い腕に鉄甲が換装された後、肩部と腕部とに分かれ、肩部は足軽兵達が持っている火縄の様な形状に。
腕部はダンジョンの『宝物庫』で親衛隊の機兵が持っていたガトリング砲の形状に変化した。
「うわ…凄…」
「何見とれているのですノア君。」
「あ、ゴメン「まだまだこんなモノではありませんよ。」
「え?」
ガチャガチャッ!ヂギンッ!バシュゥウッ!
「うわっ!?」
ラインハードの肩甲骨の上下に大・中・小の翼の様な物が出現したかと思うと、ノアの体に浮遊感の様な物を感じる。
「私の周辺空間に力場を発生させました。
これで魔力が尽きるまでの間、私の近くに居れば少しの間飛ぶ事も可能です。」
「はは、何でもアリだな…」
ラインハードの変化に苦笑いのノア。
「そうですね。
昔の私であればここまでの事は仕出かさなかったでしょう。
ですが、ノア君に助けられてから、どうすればノア君の力になれるかずっと考えてました。」
「そんな気負わなくても良かったのに…」
「それは"本体"に直接伝えてあげて下さい。
まぁ、私の造った物の性能がどれ程の物かを見るには良い存在であったのも確か…(棒)」
「ははは…(苦笑)」
「…でも漸く貴方の助けになれそうです。」
「危なくなったら直ぐに避難する事。
良いですね?」
「こんな時でも私の心配をしてくれるのですね。」
「性分なんです、諦めて下さい。」
「ふふ、畏まりました。
それではお気を付けて行ってらっしゃいませ。」
「ええ、行ってきます。」ジャキンッ!
ノアは短くそう伝えると、荒鬼神2本を手に降下を開始した。
『ギャ『ゴシャッ!』ブッ!』
魔装鉄甲のブースター機能を使って出現した人型200体の集団に突っ込んだノアは、1体の人型の顔面に殴り掛かりつつ、その場に降り立った。
『オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!』ドグァッ!
『ギャギギッ!』
『ギャハッ!』
『ゲギャギャギャッ!』
着地の瞬間に、スキル<猿叫>を発動して大声量と衝撃波に加え、強烈な殺気を放出し、周辺に居る人型の敵視を上げ、行動の抑制を試みたのだが
『『『グルルァアッ!』』』
「くそっ!コイツら殺気に全然怯みやしないっ!」
グアッ!
「なっ!?」
向かってくる人型に対し、鉄甲を振り上げて応戦しようとしたノアだが、恐ろしい光景を目の当たりにする。
ミキ…
「コイツらの牙も特別製かよっ!?」
冒頭で殴り付けた人型は頭がグシャグシャに潰れ、既に絶命していたものの、牙が鉄甲で形作った拳に突き刺さり、垂れ下がっていた。
つまりこの人型の牙は、先程の高出力振動ブレード程では無いものの、魔装鉄甲の装甲を突破するに足る強固な物である事が窺えたのである。
ガガガガッ!ガギッ!
ミキミキミキミキッ…
「ぐっ!?マズイ…数が多すぎる…!」
飛び掛かってきた4体の人型に対し、咄嗟に左腕の魔装鉄甲を盾代わりにしたノアだが、人型は構わず食らい付き、鉄甲を喰い破りに掛かる。
『『『『ギャギギッ!』』』』×10
「チッ!面倒臭い置き土産して逝きやがったな金成はぁっ!」
新たに40体程の人型が全方向から迫り、思わず悪態を吐いていると
「放てぇっ!!」
ドゴンッ!ドンッ!ドドンッ!
「っ!」ダッ!
ドゴッ!ドガッ!バギャギャッ!
後方から発せられた声に反応したノアがその場から回避行動を取ると、直ぐ様その場に大砲の弾が飛来し、人型の群れに着弾。
高重量の砲弾が直撃した人型は即死し、着弾後の砲弾に轢死した個体も居た。
牙は脅威であるが、それ以外の部分は柔く、一応倒す事は可能である。
ドガッ!「ぐぅっ!」ズガガッ!
「ノア殿っ!?」
砲弾の1つが魔装鉄甲の右肩に命中。
地面を数回転がった事に慌てる時雨ではあるが
ザガッ!「"コレ"で良いっ!
手筈通り協力関係を取らず、俺を攻撃するつもりで撃ち続けて下さい!
コイツらは牙、もしかすれば爪も強固ですが、それ以外は柔い!狙うならそこです!」
ダンッ!
手短に指示を出したノアは足早にその場を離れ、再び人型の元へ駆け出していく。
ノアがこれ程まで急ぐのには訳があった。
(『今のでも撃破数は10程度。
急いで奴らを仕留めねぇと、次の100体が追加されちまうぞ!』)
金成死亡からまだ2~3分程度、だが人型の出現は既に2回目、恐らくあと1分程で3回目の出現が起こるだろう。
なのでノアはのんびりとしている余裕は無い。
のだが
「分かってる!
…だがアイツら、こちらの攻撃を物ともせずに突っ込んで来るから厄介にも程がある!」
人型の凶暴性もさる事ながら、ノアの殺気にも怯まず、防御を捨て、絶命するまで攻撃を仕掛けてくる為、いつもの様な戦闘が行えないでいる。
しかも
バチッ!…バチチッ!
「くそっ!さっきの噛み付きで何ヵ所かイカれちまったみたいだ、上手く拳が握れないぞ…」
魔装鉄甲の左腕の各所から火花が飛び、中指から先が痙攣したかの様な動きをしており、明らかに異常をきたしていた。
(『それじゃあ装着を解除して剣で戦うぞ!』)
「実はさっきから解除指示を出してるんだけど、左腕部が反応しないんよ…」
(『何ぃっ!?』)
魔装鉄甲内で操作をして解除を試みていたノアだが、時折キュルキュルと言う異音を立てるのみで解除が成されていなかった。
すると
ズッ…
「ノア君っ!その魔装鉄『ガルルァアアッ!』「危ないっ!『ゴギャッ!』
ノアの足下の影から突然ラインハードが飛び出して来た。
と、丁度そこに人型が1体突っ込んできたのでラインハードを庇いつつ人型の頭部を殴り付けて粉砕した。
ドガッ!ズザザッ!
『ガルルァッ!』
『ギシャァアッ!』
「チッ!次から次へとっ!」ズドッ!
1体倒した所で、次の人型が追加でやって来る。
堪らずノアはその場で大きく跳躍を開始。
「…ラインハードさん、こう言う時に外に出る場合一言声掛けて下さい。
少し肝が冷えましたよ…」
「も、申し訳ありません…あ!ノア君目が…!?」
突然姿を現したラインハードに優しく注意するノアだが、右目の下が大きく裂け、ボタボタと血を垂らしていた。
「あ、あの、わた「ラインハードさん、気にしないで下さい、この程度掠り傷です。
それよりも突然出て来たのには訳があるのでしょう?
申し訳無いのですが、手短にお願いします。」
「は…はいっ!」
ラインハードを落ち着かせる様に優しい声音で言うノアではあるが、表情からして焦りの色を隠せないでいた。
それを、瞬時に察したラインハードは姿を現した理由を話す。
「ノア君の装着している魔装鉄甲は故障状態にあるので私の方で解除致します。
その上で私も戦闘に参加します!」
「ちょっ、何を言って…」バシュゥッ!
ノアは右腕を下に向け、衝撃波を放って滞空時間を延ばす。
「…策はあるのですか…?」
「勿論です。
それにノア君の【適正】も理解した上での行動です、お任せ下さい。」
「……っ…頼みます。」
「では作業に入ります。」ススス…
絞り出す様に了承を出したノアの返答を受けたラインハードは、ノアの脇を抜けて背中にまわり、呪文の様な言葉を口にしだした。
「レベンタール・エー・ヴィスチンドゥ!
リムピィウス・ポントゥス・プロブレマティコス・アルマ・ジ・フォーゴ・ジスポニーヴィス・イニシオ・ドゥ・コンバージ!」
ガコンッ!ガシャガシャガシャッ!
バグンッ!『『『『ガコッ!』』』』
ギュルルルルッ!
ラインハードが呪文を唱えた直後、魔装鉄甲の背中を起点として脱着が開始され、そのままラインハードの体へと移っていく。
ラインハードの細い腕に鉄甲が換装された後、肩部と腕部とに分かれ、肩部は足軽兵達が持っている火縄の様な形状に。
腕部はダンジョンの『宝物庫』で親衛隊の機兵が持っていたガトリング砲の形状に変化した。
「うわ…凄…」
「何見とれているのですノア君。」
「あ、ゴメン「まだまだこんなモノではありませんよ。」
「え?」
ガチャガチャッ!ヂギンッ!バシュゥウッ!
「うわっ!?」
ラインハードの肩甲骨の上下に大・中・小の翼の様な物が出現したかと思うと、ノアの体に浮遊感の様な物を感じる。
「私の周辺空間に力場を発生させました。
これで魔力が尽きるまでの間、私の近くに居れば少しの間飛ぶ事も可能です。」
「はは、何でもアリだな…」
ラインハードの変化に苦笑いのノア。
「そうですね。
昔の私であればここまでの事は仕出かさなかったでしょう。
ですが、ノア君に助けられてから、どうすればノア君の力になれるかずっと考えてました。」
「そんな気負わなくても良かったのに…」
「それは"本体"に直接伝えてあげて下さい。
まぁ、私の造った物の性能がどれ程の物かを見るには良い存在であったのも確か…(棒)」
「ははは…(苦笑)」
「…でも漸く貴方の助けになれそうです。」
「危なくなったら直ぐに避難する事。
良いですね?」
「こんな時でも私の心配をしてくれるのですね。」
「性分なんです、諦めて下さい。」
「ふふ、畏まりました。
それではお気を付けて行ってらっしゃいませ。」
「ええ、行ってきます。」ジャキンッ!
ノアは短くそう伝えると、荒鬼神2本を手に降下を開始した。
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