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獣人国編~中級冒険者試験~
取り敢えず合格
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「ふぇえぇえ~…また合否保留か~…」ぐでっ。
「あの状況じゃ保留になるのは当たり前でしょう。まぁ少年の事だから正式に合格貰えるでしょうよ。(ポーラ)」
「うわぁ…ポーラが優しいぞぉ、これからの天気は雨「雹でも降らせようか?(ポーラ)」わーい、いつも通りのポーラだぁ。」
あの後、グリードの出現等で騒然となった。
取り敢えずその場は一時解散となり、ノア達一行は近くの喫茶店に来ていた。
到着早々、合否保留となった事で明らかに落胆したノアがテラスのテーブルに突っ伏す。
珍しくポーラが励ますも、あまり効果が無い様だ。
だが
ガバッ!
「よし、切り替え完了!
まぁ受からなかったら受からなかったでまた受けりゃ良いか。」
「あ、戻った。(ロゼ)」
「切り替え早。(ハクア)」
「この程度の事で悩んでたらキリが無いですからね。(寿命云々の時は丸々1ヶ月悩んだけどね…)」
突っ伏していた顔を上げたノアは、既にいつも通りの表情に戻っていた。
「それよりもさっきの試験官ゴワスさん大丈夫かしら?
何か凄く気が動転してたみたいだけど…(ユカリ)」
「そういえば少年、後半何言ってるか分からない所あったけど、あの辺りで何か変な事言ったんじゃないの?
あの辺りからゴワスさん、様子がおかしかったわよ?(ポーラ)」
(寿命の話の辺りだな…うーん、何て言って誤魔化そう…)
追求されたノアがどうしたものか、と考えていると
「もー、ポーラちゃん。
ノア君がそんな変な事言うハズ無いじゃない。
…ね、ねぇ、ノア君…?(クロラ)」
「う、うん…」
と、ノアの代わりに弁明するクロラだが、どうも歯切れが悪く、明らかに動揺していた。
何処と無く目も泳いでいる様で、ノアとしては真っ先に″寿命の事を聞かれたのでは″と勘繰ってしまった。
(まさか…あの話を聞かれた!?
…いや、クロラさんはまだしも、<地獄耳>を持つポーラを警戒して声量は滅茶苦茶下げたから聞かれるハズ無い…無いハズだ…)
と、考えれば考える程自信が無くなっていくノアであったが、ここで隣に立っていたポーラが会話に入ってきた。
「クロラ、昨日以上にどもってるわよ?
丁度良いから今の内に″あの事″話しておいたら?(ポーラ)」
「う、うん…
あ、でもまだノア君試験中だから落ち着いてから話すよ…(クロラ)」
「あらそう?
まぁ今直ぐって話じゃないものね。(ポーラ)」
「え?何の話…?凄く気になるんだけど…」
どうやら寿命の事はバレていない様ではあったが、試験中のノアに気を使って話を控えてくれるクロラではあるが、それはそれで気になってしまうノアであった。
タタタ…
「あ、居た居た。
ノア様、大変お待たせしました。
先程の実戦試験の結果とゴワスの聴取が終わりましたのでその報告に来ました。(ミゼラ)」
と、そんな話をしていると、先程試合場で審判をしていたミゼラという女性職員がやって来た。
「実戦試験は文句の付けようも無く、合格となります。
何せ元とは言え、上級冒険者相手に一方的とも取れる戦闘を繰り広げてらっしゃいました。
これは満場一致での評価となります。
それと同時に、先程の筆記試験で保留としていましたが、こちらも同様に合格とします。(ミゼラ)」
「え?良いのですか?」
「あれ程の戦闘力をお持ちなら素手で熊を仕留める事など訳無いだろう。との事です。(ミゼラ)」
「…さいですか。」
と、実戦試験の合格と同時に筆記試験の方も合格となった。
先程気持ちを切り替えたノアではあるが、合否を伝えられると内心ホッとしていた。
「それとゴワスさんの事ですが、彼の発言の端々に気掛かりな点が幾つかありましたので、少しお話をしました。
どうやら3日程前にこの街を訪れた貴族の方に魔石と【神憑ノ纏(カミガカリノマトイ)】の取得方法を教わった様なのです。」
「何か様子がおかしかったみたいですが?」
「教えられた時と魔力の感じ…反響?の様なモノが違っていた様なのです。
妙に高揚して歯止めが利かなくなった、と申していました。
詳しい事はこれから調査しますので、分かりましたらギルドの方に報告します。」
流石に情報が少な過ぎるので、現時点では職員達も迂闊な事が言えない様子。
これが大事にならない様祈るしかないだろう。
「分かりました。
ちなみに試験の方はこれからはどうなりますか?」
「多少の混乱は御座いましたが、試験の方は通常通り行われます。
ただノア様の場合は【剣士】【弓】【狂戦士】【暗殺】【料理人】と、関連する【適正】が幾つも御座いますので、どれから始めるか選択して貰えれば、準備致します。」
「そうですか…
ちなみにですが、【暗殺】の実地試験てどういう風に行われるのでしょうか?」
「ノア様の場合、行動履歴にあった『【忍】【隠密】【諜報】【盗賊】【義賊】』等も含まれた上での【暗殺】ですので、これらを網羅した試験内容となります。
つまりー」
以下がノアの【暗殺】実地試験の合否基準である。
・【忍】【隠密】同様誰かに見付かった時点で失格。
・【諜報】同様対象を捕らえ、情報を聞き出し、次の対象の潜伏先へ向かう。(捕らえた対象に姿を見られるのは可。)
・対象の潜伏先に人質が居る場合は【義賊】らしく救出。(その際人質以外に姿を見られれば失格。)
・対象の潜伏先に金品の類がある場合は【盗賊】らしく回収。(その際誰かに見られたり気付かれ、姿を見られれば失格。)
・潜伏中の対象の首に刃物を当てれば【暗殺】成功とし、全ての対象に実行出来た場合合格とする。
((((((な、何この鬼畜難易度…これ中級冒険者試験だよね…?(ノア以外の一同)))))))
ノアの合否基準を聞いた一同は、あまりの難易度に絶句した。
これを説明していた職員のミゼラも、合否基準を読み上げる中冷や汗を流していた。
「分かりました、【暗殺】からやりましょう。」
「「「「「「「うえぇえっ!?(ノア以外の一同+ミゼラ)」」」」」」」
明らかな鬼畜難易度なのだが、ノアは気にする素振りを見せず、最初の実地試験に【暗殺】を選択した。
「ノ、ノア君流石にこれは難し過ぎるよ!?(クロラ)」
「まぁまぁクロラさん、落ち着いて。
ミゼラさん、この試験って道具の使用とかって可能ですか?」
「ど、道具ですか?
えぇ、この街にある物なら何でも使用して大丈夫ですが…
本当に【暗殺】から行うのですね?」
「えぇ。それでは僕、準備がありますので開始時間を教えて貰っても良いですか?」
「で、では夜の7時…街の鐘が7回鳴なったら開始の合図としましょう…」
「分かりました。
それじゃ皆さんまた後で!」
そう言ってノアは街の中へ駆けていった。
「あの状況じゃ保留になるのは当たり前でしょう。まぁ少年の事だから正式に合格貰えるでしょうよ。(ポーラ)」
「うわぁ…ポーラが優しいぞぉ、これからの天気は雨「雹でも降らせようか?(ポーラ)」わーい、いつも通りのポーラだぁ。」
あの後、グリードの出現等で騒然となった。
取り敢えずその場は一時解散となり、ノア達一行は近くの喫茶店に来ていた。
到着早々、合否保留となった事で明らかに落胆したノアがテラスのテーブルに突っ伏す。
珍しくポーラが励ますも、あまり効果が無い様だ。
だが
ガバッ!
「よし、切り替え完了!
まぁ受からなかったら受からなかったでまた受けりゃ良いか。」
「あ、戻った。(ロゼ)」
「切り替え早。(ハクア)」
「この程度の事で悩んでたらキリが無いですからね。(寿命云々の時は丸々1ヶ月悩んだけどね…)」
突っ伏していた顔を上げたノアは、既にいつも通りの表情に戻っていた。
「それよりもさっきの試験官ゴワスさん大丈夫かしら?
何か凄く気が動転してたみたいだけど…(ユカリ)」
「そういえば少年、後半何言ってるか分からない所あったけど、あの辺りで何か変な事言ったんじゃないの?
あの辺りからゴワスさん、様子がおかしかったわよ?(ポーラ)」
(寿命の話の辺りだな…うーん、何て言って誤魔化そう…)
追求されたノアがどうしたものか、と考えていると
「もー、ポーラちゃん。
ノア君がそんな変な事言うハズ無いじゃない。
…ね、ねぇ、ノア君…?(クロラ)」
「う、うん…」
と、ノアの代わりに弁明するクロラだが、どうも歯切れが悪く、明らかに動揺していた。
何処と無く目も泳いでいる様で、ノアとしては真っ先に″寿命の事を聞かれたのでは″と勘繰ってしまった。
(まさか…あの話を聞かれた!?
…いや、クロラさんはまだしも、<地獄耳>を持つポーラを警戒して声量は滅茶苦茶下げたから聞かれるハズ無い…無いハズだ…)
と、考えれば考える程自信が無くなっていくノアであったが、ここで隣に立っていたポーラが会話に入ってきた。
「クロラ、昨日以上にどもってるわよ?
丁度良いから今の内に″あの事″話しておいたら?(ポーラ)」
「う、うん…
あ、でもまだノア君試験中だから落ち着いてから話すよ…(クロラ)」
「あらそう?
まぁ今直ぐって話じゃないものね。(ポーラ)」
「え?何の話…?凄く気になるんだけど…」
どうやら寿命の事はバレていない様ではあったが、試験中のノアに気を使って話を控えてくれるクロラではあるが、それはそれで気になってしまうノアであった。
タタタ…
「あ、居た居た。
ノア様、大変お待たせしました。
先程の実戦試験の結果とゴワスの聴取が終わりましたのでその報告に来ました。(ミゼラ)」
と、そんな話をしていると、先程試合場で審判をしていたミゼラという女性職員がやって来た。
「実戦試験は文句の付けようも無く、合格となります。
何せ元とは言え、上級冒険者相手に一方的とも取れる戦闘を繰り広げてらっしゃいました。
これは満場一致での評価となります。
それと同時に、先程の筆記試験で保留としていましたが、こちらも同様に合格とします。(ミゼラ)」
「え?良いのですか?」
「あれ程の戦闘力をお持ちなら素手で熊を仕留める事など訳無いだろう。との事です。(ミゼラ)」
「…さいですか。」
と、実戦試験の合格と同時に筆記試験の方も合格となった。
先程気持ちを切り替えたノアではあるが、合否を伝えられると内心ホッとしていた。
「それとゴワスさんの事ですが、彼の発言の端々に気掛かりな点が幾つかありましたので、少しお話をしました。
どうやら3日程前にこの街を訪れた貴族の方に魔石と【神憑ノ纏(カミガカリノマトイ)】の取得方法を教わった様なのです。」
「何か様子がおかしかったみたいですが?」
「教えられた時と魔力の感じ…反響?の様なモノが違っていた様なのです。
妙に高揚して歯止めが利かなくなった、と申していました。
詳しい事はこれから調査しますので、分かりましたらギルドの方に報告します。」
流石に情報が少な過ぎるので、現時点では職員達も迂闊な事が言えない様子。
これが大事にならない様祈るしかないだろう。
「分かりました。
ちなみに試験の方はこれからはどうなりますか?」
「多少の混乱は御座いましたが、試験の方は通常通り行われます。
ただノア様の場合は【剣士】【弓】【狂戦士】【暗殺】【料理人】と、関連する【適正】が幾つも御座いますので、どれから始めるか選択して貰えれば、準備致します。」
「そうですか…
ちなみにですが、【暗殺】の実地試験てどういう風に行われるのでしょうか?」
「ノア様の場合、行動履歴にあった『【忍】【隠密】【諜報】【盗賊】【義賊】』等も含まれた上での【暗殺】ですので、これらを網羅した試験内容となります。
つまりー」
以下がノアの【暗殺】実地試験の合否基準である。
・【忍】【隠密】同様誰かに見付かった時点で失格。
・【諜報】同様対象を捕らえ、情報を聞き出し、次の対象の潜伏先へ向かう。(捕らえた対象に姿を見られるのは可。)
・対象の潜伏先に人質が居る場合は【義賊】らしく救出。(その際人質以外に姿を見られれば失格。)
・対象の潜伏先に金品の類がある場合は【盗賊】らしく回収。(その際誰かに見られたり気付かれ、姿を見られれば失格。)
・潜伏中の対象の首に刃物を当てれば【暗殺】成功とし、全ての対象に実行出来た場合合格とする。
((((((な、何この鬼畜難易度…これ中級冒険者試験だよね…?(ノア以外の一同)))))))
ノアの合否基準を聞いた一同は、あまりの難易度に絶句した。
これを説明していた職員のミゼラも、合否基準を読み上げる中冷や汗を流していた。
「分かりました、【暗殺】からやりましょう。」
「「「「「「「うえぇえっ!?(ノア以外の一同+ミゼラ)」」」」」」」
明らかな鬼畜難易度なのだが、ノアは気にする素振りを見せず、最初の実地試験に【暗殺】を選択した。
「ノ、ノア君流石にこれは難し過ぎるよ!?(クロラ)」
「まぁまぁクロラさん、落ち着いて。
ミゼラさん、この試験って道具の使用とかって可能ですか?」
「ど、道具ですか?
えぇ、この街にある物なら何でも使用して大丈夫ですが…
本当に【暗殺】から行うのですね?」
「えぇ。それでは僕、準備がありますので開始時間を教えて貰っても良いですか?」
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