ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
677 / 1,117
獣人国編~御前試合の代表決め~

ロマン武器

しおりを挟む
「おいアンタら金返せ!
何が″耳寄り情報″だよ!根も葉も無い情報売り付けやがって!」

「″内部関係者″とかほざいてたが、この記事と内容が全然違うじゃないか!」

「はっ!その記事も本物かどうか分からねぇだろ?
良いからここの責任者出てこいよ、逃げようとしても無駄だぜ?
周りには俺らの仲間が「はいはい(一応)ここの責任者ですよ。文句は全て僕が請け負いましょう。」


輩共と冒険者達の間で言い争いになるのもマズイので、ノア自身が出張って来た。


「おいガキャ!ココが誰のシマか分か、って…
お、おま…き、【鬼神】…!?」


輩共は最初こそ青筋を立てて捲し立てる様に吠え散らかしていたが、ノアの顔を見るなり汗を吹き出し始めた。


「おや?僕の事知ってましたか。」

「お、お前ぇ、突然姿を消したって「えぇ、ここ3時間ばかし海洋種のダンジョンの視察に行ってましたからね。
それで?行った当人達の話を″根も葉も無ぇ″と言うからにはそちらはさぞ有力な情報筋とご関係あるんでしょうねぇ?」

「い、いや『ガシッ!』「【神心掌握】発動!″自白しないと頭が割れる様に痛くな~る!″」ぐぁあぁあっ!あ、頭が痛いっ!割れるぅっ!」


ノアを前にして目が泳ぎまくっていた輩の頭を掴み、【神心掌握】(自白の″おまじない″)を掛けると、輩は頭を抱えて喚き始めた。


「あががががっ!
か、海洋種の見た目と、そこら辺の奴らの噂話をない交ぜにした、お、俺達の創作話だぁっ…!お、俺とヨンド、ルーガ、エンズも協力者で」

「お、おいっ!何ベラベラと喋ってやがる!?」

「くっ、こうなったら後には引けねぇ!
『チャキ!』【鬼神】だか何だか知らねぇが、タダじゃ『ビシャァアアンッ!』ひぃいぃいっ!?」

「街のど真ん中で刃物抜くって事は、それ相応の覚悟があっての事だよなぁっ!」


仲間の輩が自白し、気が動転した輩が忍ばせていた刃物を抜く。
それを見たノアは手を頭上に掲げると、落雷と共に雷槍ポセイドンが飛来。

轟音と閃光によって情けない声を上げた輩共に向かって殺気混じりの怒号をぶつけると、刃物を落として身を縮ませていた。

ちなみに雷槍ポセイドンを手にしたのは、何も迎撃する為とかでは無く、こんな街のど真ん中で轟音と閃光が響けば人が集まってくる訳で


ガシャガシャ…

「な、何です今の轟音と光、それに叫び声は…
あ、ノア君お帰りー…じゃなかった、何この状況はぁっ!?(ハナ)」


ガシャガシャと音を立てて駆けてきたのは巡回中の騎士団長ハナであった。

突然の轟音と閃光、殺気混じりの怒号を辿って来てみれば、紫電走る槍を手にしたノアと、頭を抱えて悶え苦しむおっさん、尻餅付いて震える取り巻きの輩2人。
それとその光景を呆然と眺めている十数人の冒険者達であった。

状況を把握出来ないハナは、一先ず応援を呼ぶのだった。





「ああああ、頭が痛ぇ!頭が痛ぇよぉっ!」

「はーい、牢屋に行ったら頭痛薬出しますからねー。(騎士2)」

「ほらキビキビ歩け!(騎士4)」

「「へ、へい…」」


「情報商材詐欺犯の確保にご協力頂き感謝します!
では別動隊が奴等の仲間の下へ行ってますので私はこれで。(ハナ)」

(      ゜゜)ノシ「お疲れ様でーす。」


騎士団長のハナはノアに感謝を述べた後、輩共を連れて他の場所に居ると言う同業者の下へと向かっていった。





『『『ソワソワ…』』』

「ん?」

『『『ソワソワ…ソワソワ…』』』

「ん?ん?何だろうこの空気…」

「ノア君、それ、それ。
さっき出した槍の事皆気になってるみたいだよ!(ヤン)」

「あ、これ?」


輩が連行されていくのを見送り、再び情報交換の続きを行おうとしたが、冒険者達はノアが持つ槍をチラチラと見て何やら聞きたそうにソワソワとしていた。

すると冒険者の中から背中に槍を差した如何にも【槍】の冒険者が前に出てきた。


「な、なぁ君、その槍ってもしかしてダンジョンで取れたヤツだったりしないか…?」

「あ、分かります?」

「いや、何て言うか、あんなド派手な武器出し効果のある槍何て見た事が無いからさ…」

「そうなんですか、ヤンさん?」

「無い無い。高難度のダンジョンでも″雷槍ポセイドン″みたいな物「「「雷槍ポセイドン!?(冒険者一同)」」」…あ。(一応【槍】のヤン)」


ヤンが思わず漏らした槍の武器名を聞いた冒険者は、伝言ゲーム方式で瞬く間にその辺一帯の冒険者達に伝わっていった。

まぁ武器名だけなら何て事無いのだが、この雷槍ポセイドンの取得エリアに少し問題があった。

何せダンジョン開放直後は″浜″~″海中″エリアまでで、雷槍ポセイドンを入手出来るのはその先の″深海″エリアなのである。

「実はその武器、開放直後は取れません。」何て言えば興味のある者からすれば何と思うか想像に難くない。等と脳内で考えている内に


「「「「「ロマン武器!ロマン武器!(冒険者一同)」」」」」

「あわわどうしようノア君、あっちゅーまに広がってもう収拾がつかないよ…(ヤン)」

「…まぁしょうがないですからここは正直に話しましょう。」


変に回りくどい事を言ったら面倒事にしかならないので、開放直後は入手出来ないと言う旨を伝える事にした。





「そ、そっかー…流石にそのド派手な槍の入手はまだ先かぁ…」
「まぁ明らかにボス敵を倒した後に貰えそうな代物だしなぁ…」
「でもこうやって目の前にあると欲しくなっちゃう物だよなぁ…」
「幾ら?」チラッ、チラッ。

「売れませんて。」


正直に話すと、意外と冒険者達はすんなり受け入れてくれたが、やはり明らかにテンションは落ちている。

″この手の武器は手に入らない″と知った上で行く事になるダンジョンへの意欲はどれ程の物か。
ノアは顎に手を当てて少し思案する。


「うーん…」

「ごめんねノア君、私がついポロっと口走「うん、そうしよう。」…え?どうしたの?(ヤン)」


ヤンが謝罪して来たのだが、それを遮る形でノアが顔を上げた。


「似た武器が手に入らないか聞いてみましょう。」

「「「「え?(ヤン含めた冒険者一同)」」」」





~タイトル:『ダンジョン査察』より抜粋~

「式典まで残す所後1週間。
そろそろ式典後に開放するダンジョンやら『獣人国での施設』についての情報を開示していこう、とリヴァイア様から指示を頂きまして本日やって参りました。(セレイア)」



スタスタ…

「えーっと、確かここら辺のハズ…」

「そう言えばセレイアさんがそんな事言ってたわね…(ヤン)」
「よく覚えてましたね…言われるまで忘れてましたよ…(ラビッツ)」


獣人国に新たに新設されると言う施設へと足を運ぶ一行。
ヤンとラビッツはダンジョン云々の事でスッポリと忘れていたらしく、ノアに言われるまで存在すら忘れていた様だ。

そんな一行の後ろを先程の冒険者達十数名が着いてきていた。


ゾロゾロ…

「なぁ今更で何だけど、俺達も着いてきて良かったのか?
一応情報とかまだ開示されてない訳だし…」

「一応今日から色々と情報を開示していく流れだったので丁度良いかと。
皆さんはお仲間さんや友人に場所を教えて上げて下さいね。」
しおりを挟む
感想 1,253

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

処理中です...