ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

両親の前で語弊のある言い方はヤメテ。

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~宝石店が建ち並ぶ通り~


タッタッタッ。

「あのーすみませんが、ここら辺で魔石を買い取って貰えるって街の兵士さんに教わったっちゃが。(ミダレ)」

「それならあたしの店の事だね。
自作、若しくはモンスター採取品のどちらか、形状、大きさ、個数なんかも教えてくれるかい?」

「私の魔力を凝縮した物っちゃから、自作になるかや…?
花弁みたいな形状で、数量は10個です。(ミダレ)」ジャラ…

「ふむ、どれどれ…<鑑定>。」


大通りから2本中に入った比較的狭い通りには、数軒の宝石店が建ち並んでいた。
一番手前に建っていた宝石店を覗くと、恰幅の良い女店主が居た為、ミダレは思わずその店に飛び込んだ。

ミダレは以前、自身が発していた誘惑香を魔力変換。大輪の花の様に魔石を生成させるラインハード製胸飾りを譲渡されており、旅の路銀として生成された魔石を売りに来たのである。


「ほぅ、桃色を呈す程の高純度。
自分の魔力を凝縮したと言っていたからお嬢ちゃんの種族はサキュバスかしら?」

「え?そう言うの分かっちゃうのかや?(ミダレ)」

「魔石は高純度になる程、元となった属性や種族の特性が色濃く出る。
その上お嬢ちゃんの喋り口調が猫撫で声なのが特徴的で直ぐにピンと来たのさ。」カリカリ…


店主のおばちゃんはミダレに説明しながら机上の紙に何やら記入していく。


「大きさ的には小型だが高純度故、1つ3万。
甘い芳香を放つ魔石なんて珍しいから女性受けしやすそうだから1つにつき5000…いや、7000加算しておこう。
と言う訳で合計37万ガルでどうだい?」

「さ、37万ガルっちゃが!?
おおお、お願いします!(ミダレ)」


思ってもみなかった買取額に驚きを露にするミダレに、店主は幾つか質問を投げ掛けた。


「お嬢ちゃん、見た所冒険者では無い様だが、連れは居ないのかい?」

「テスタで講習を受けに来たっちゃけん、1人やよ。(ミダレ)」

「獣人国に滞在するのなら1人か2人連れを作っといた方が良いよ。男が理想だけど、種族的に難しそうなら女でも良い。」

「え?獣人国って治安悪いのかや?(ミダレ)」

「治安自体は良いんだが、1週間後の国交樹立式典が宣言されてから″探り″を入れている輩共が爆増している。
律儀に獣人国からの招待状を持参した貴族等は兎も角、今日から柄の悪い貴族達もどんどん入り込んで来る。
だからアンタみたいな可愛らしいお嬢ちゃんなんかは「お、おおおおい、そこの褐色肌の女子ぃ!す、少しお話ししようよ!」…何て話してたら来たね…」


店主のおばちゃんが注意を促していると、後方から吃り声でミダレを呼ぶ声が聞こえた。

おばちゃんが「あちゃあ…」とでも言いたげな顔をしていたのでミダレも嫌な予感を感じつつ後ろを振り返ると、手足がパンパンになる程肥え太り、自身がかいた脂汗で髪や顔がテッカテカに光輝くパッツパツの召し物を着た青年が立っていた。


ドカドカ…

「き、君、可愛いじゃないか!(ふー…)
毛むくじゃらばかりで嫌気が差してたけど、君みたいな上玉も居るんだなぁ。(はーはー…)」

「…あ、褒めて頂いてありがとぅ、それじゃあ私はこ『にちゃ。』「まぁ待ちなよ。(肥)」ひぃいいっ!何かヌルヌルするぅっ!?(ミダレ)」

「ぼ、僕の想いが溢れ出している(物理)様だ。(ふー…)
可愛がってあげるから僕と少し遊ぼうよ(んはー…)、なーに痛い事はしない、寧ろ気も「イヤァアッ!」


そそくさと逃げようとしていたミダレの腕を掴み、逃がすまいと拘束する肥え太。
店主のおばちゃんも流石に貴族を相手に出来ないので、兵士を呼びに行こうとしていると


パシッ!

「ちょっと何やってるんですか?」
「はい、そこまで。(アミスティア)」
「女性相手に何やってるんだい?(レドリック)」


肥え太の腕を取ってミダレを解放したのは1人の少年だった。
自分より年下の様だが威圧的な声音、肥え太とは全く別物の存在感。

この声には聞き覚えがあった。

その周囲にはいつの間にか男女の冒険者が立っていて、睨みを利かせていたが、肥え太は2人に気付く素振りすらなかった。


「あ、ああっ!?ノア君ちゃね!?
あぁ、怖かったんよ、助けてありがとぅ!(ミダレ)」

「え?…ミダレさ『ガバッ!』うわっぷ!?」


声の主がノアであると直ぐに気付いたミダレは、腕を絡めて思いっきり抱き付いてしまった。


(゜゜)(息子の下にまた新たな女の子がっ…!(アミスティア))
(゜゜)(息子よ…お前はこの3ヶ月で一体何人の女の子と仲良くしているのだ…!(レドリック))

※会ってないだけでノアを慕う女性は後2人居ます。


ミダレの悲鳴を聞いて思わず介入してきたノアの両親は、息子の新たな女性の存在に思わず固まってしまった。


「何だ急にお前は!(ふひー…)
僕はアヴ家の長男!アヴ・ラギッシュだぞ!(ふー…)痛い目見たくなければその子を僕に返せ!(ふー…)」


毎回思う事だろうが、何故貴族の連中は″ノアに気付かないのだろう″と思うかもしれないが、″黒い二刀″や″『野盗200人殺し』″、″【鬼神】″というインパクトのある二つ名ばかりが出回り、顔はあまり認知されていない。

しかもノアは現在、リヴァイアから贈られた紺色の外套(マント)型アイテムボックスを着用している上、トレードマークであった荒鬼神ノ化身すら身に付けていない為、そこら辺の新人冒険者と何ら遜色の無い少年の見た目をしているのであった。


と、そんな感じで騒がしくしているとアヴ・ラギッシュの父親らしき男性がやって来た。


「これラギッシュ…
突然離れたと思ったら街の小娘の所へ…ふむ、下賎な娘の様だが、中々…ふぉっ!?」

「やぁギットギト殿。久し振りじゃありませんか。(レドリック)」


アヴ・ラギッシュの父親である、ラギットギートは徐にラギッシュの周囲に佇んでいた男女、要はノアの両親であるアミスティアとレドリックを見て奇声と共に固まってしまった。

するとレドリックはラギットギートに近付き、何やら耳元でボソボソと喋ると、どんどん顔が青ざめていく。

恐らくアヴ家の裏事情を知っている様で、ラギットギートからは何やら懇願する声が聞こえてきた。


「なぁ父さん(ふひー…)コイツが「ラ、ラギッシュ!この方々は我々の上客の子息と娘さんだ!手を出したら承知しないぞ!」

「え?でもこんなガキ、パーティとかでも見た事「黙れぃ!つべこべ言っていると貴様だけ自領に突き返すぞ!」ひ、ひぃいっ…わ、分かったよ…」


先程までの余裕たっぷりな表情とは打って変わって凄い剣幕で捲し立てた為、流石にマズイと思ったラギッシュは訳も分からず引き下がるしかなかった。





「…ねぇ父さん、あの人に何て言ったの?」

「奴の奥さん″は″やり手の実業家なんだが、″奥様に趣味はバレていませんか?″って言っただけだ。
あのおっさん、いたいけな少女が巨漢に襲われている姿に興奮する変態なんだが「ごめん父さん、もう察した。」


夫と息子の悪癖が世に晒されでもすれ、ば嫁が手掛ける稼業にまで影響が出るだろう。
どう言った経緯でその情報を知り得たか定かでは無いが、ノアは最後まで内容を聞くのは止めにした。


「ほらミダレさん、さっきの人達は散って行っちゃいましたからもう安「ああっ!ノア君!(試験で)一緒に夜を共にした日以降もう会えないかと思ってた!
たった一夜だったけどあの日の(楽しかった出来)事が忘れられなくて、私…(ミダレ)」





「……。」

「ノアちゃん?(アミスティア)」

「…はい…」

「説明しろ。(アミスティア)」

「…っす…」
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