ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

訓練る?(やる?)

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~宿~


「うわぁ~、皆すごぉ綺麗っちゃね~。」


宿に戻ると、ミダレがベッドから起き上がって伸びをしている所であった。

部屋に入ってきたバトルドレス姿の4人に一瞬気付かずに目をパチクリさせたミダレは、直ぐに各々を凄い勢いで褒め始めた。


「クロラちゃんて胸大きいなぁ思っとったけど、ドレス着るとそれが更に際立つっちゃね。
ぎょうさん食べとるっちゃに、お腹引っ込んでて羨ましかよ。
片方ロングスカート、片方ミニなんが良い仕事してるっちゃよ。
絶対領域?っちゅう所が露になっちょって、ノア君気が気で無い思うよ( `・ω・´)b。(ミダレ)」

「そ、そうかな…?(照れクロラ)」

(はい、気が気で無いです。)


「ポーラちゃんていつもローブ姿だったから分からんかったけど、出る所出てて引っ込んでる所は引っ込んでるっちゃね?
黒って締まって見えるっちゃけど、悪目立ちしやすい色とも言えるっちゃねん。
けど、ポーラちゃんはそんな事無く全て良いっちゃよ( `・ω・´)b!(ミダレ)」

「そ、そう…?(照れポーラ)」

(うん…凄く…良いです…)


「ヴァンディットさんは1番派手っちゃけど1番しっくり来る。
″ザ・吸血鬼″って感じっちゃね!
綺麗であり冷徹さも兼ね備えてるのに、普段はおっとりって言うギャップが堪らんっちゃよ。
赤いドレスって着る人本人の魅力も問われるから着こなすのが大変っちゃけど、ヴァンディットさん最高です( `・ω・´)b!(ミダレ)」

「あ、あらそうですか…?(照れヴァンディット)」

(そうそう、1番しっくり来た。)


「ラインハードさん、可愛い( `・ω・´)b!(ミダレ)」

「ぐぬぬ!絶対大人ボディを造り出してやるですわ!(プンスコラインハード)」

(あらあら、ラインハードちゃん怒っちゃって、可愛いなぁ。)

(『主は親戚のおばちゃんか?』)


少女ボディのラインハードがミダレから褒められる様になるのは、もう少し後の話である。





「さ、という訳でまた部屋の外に出ててくれるかしら?(ポーラ)」

「へ?」

「流石にこのバトルドレスを普段使いするのは勿体無いから、元の装備に着替えるね。(クロラ)」

「あ、はい。」タタタ…バタン!


現在入手困難な物を普段使いするのは流石に気が引けるし、ジロジロと見られるのも何処と無く恥ずかしい為、元の装備に着替えると言う。

その気持ちを汲んだノアは再びそそくさと部屋の外に出ていった。





『『コッコッコッ…』』

「お?どうしたんだノア、部屋の前で座り込んで…(レドリック)」

「あ、父さん母さん。」

「ん?(アミスティア)」


<シュル…シュル…>
<…ロラ、胸大…>
<…ゃん、ポー…んだって…>
<…ふふふ…>


「こ、こんのエロ息子!
女性の着替えを盗み聞きするなんて!
何考えてんの!?(アミスティア)」

「え…?え!?」

「兵士を…いや!犬姫の騎士達を呼んできて引っ捕らえて貰おう。(レドリック)」

「え、ま、待って待って2人共、僕はただ『ガシッ!』「口答えはいい!このまま締め上げて牢屋まで連行してやろう!(レドリック)」

「もがががががっ!(違う!僕は皆の着替えを待ってただけで!)」

スンッ。

「知ってるわよ。
皆が着替えるから外に出てて、って言われたのよねー?(アミスティア)」

「ノアがそんな事するタマじゃないからな。ハッハッハ。(レドリック)」

「分かってたんならカマ掛けないでよぉっ!
本当に心臓に悪いんだから!」バクバクッ!


両親による迫真の演技(?)も相まって、レドリックから解放されたノアの額には、玉の様な脂汗がジットリと滲んでいたと言う。

こんな感じでノアは両親から日常的に弄ばれる事があるらしい。





~部屋の前~


「それよりもノアちゃん聞いたわよ?
式典の時に御前試合をやるんですってね?(アミスティア)」

「え?うん。
ジョーさんにでも聞いたの?」

「あぁ。
それよりも勝算はあるのか?
聞いた所によると、相手はかなり巨大な海洋種なんだろう?
何だ、ドラゴンとでも戦うのか?(レドリック)」

「…多分ドラゴンとの方がまだ良かったかも知れないね。
兎に角山みたいに大きな相手だって事位しか教えられないかな…」

「「そうか…(アミスティアとレドリック)」」


まさかお伽噺でしか聞いた事の無い″クラーケン″と戦います、とは言えなかったノアが曖昧な情報だけを両親に告げる。

すると2人は少し考え込んだ後


「どうだノア?
久し振りに3人で″やる″か?(レドリック)」

「え?」

「何もしないよりか良いんじゃないかしら?
それに、親としては子供の成長が知りたい所だしね。(アミスティア)」

「僕は良いけど、何処でやるの?
獣人国の試合場はこのあいだドンパチやって使用出来ないし、村に居た時は半径500メル以内に人家の無い山の中で3日3晩戦った事はあったけど…」

「まぁクラン権限を使えば″滅びの森″の一角を間借り出来るだろうから、場所は問題ない。
式典までそんな日にちも無いから″モンスター跋扈下での戦闘訓練″って事で丁度良いんじゃないか?(レドリック)」

「そこら辺の事は父さんと母さんの方が詳しいだろうからお任せするよ?」

「「任された。」」d( ̄  ̄ )d( ̄  ̄ )


との事で、御前試合を控えるノアの為、冒険者生活を始める前まで行っていた訓練を実施する事が、サラッと決まったのであった。


「いつも通り真剣使用、各々【適正】の能力使用、縛り無しで良いわね?(アミスティア)」

「ああ。(レドリック)」

「あ、ちょっと良い?
僕のこの剣、魔剣なんだけど、能力は今回封じておくね?」

「「別に使って良いんじゃない?」」

「え?」

「それとノアの契約獣なんだが、御前試合では共に戦うのかい?(レドリック)」

「いや、一緒だと勝負にならないから出さないつもりだよ。」

「じゃあ契約獣は無し、魔剣の類は使用して良いって事で。(アミスティア)」

「あいよ。(レドリック)」

「ちょっとちょっと、良いの…?
この魔剣結構ぶっ壊れ性能「魔剣の1本や2本増えた位で俺達が遅れを取ると?」「やーん、ノアちゃんから気を遣われる何て夢みたい。
って事は、手を抜かなくって良いって事よね?」…気にするだけ無駄だったね…」


ちなみにであるが、ノアは冒険者生活を開始するまでの間に行われてきた訓練で両親に勝った事は1度も無い。

単純な力だけで言えばノアの方が上だが、技術や経験値では2人の方が上だし、場数が違う。

ノアの手に魔剣があろうと無かろうと、当たらなければどっちだって変わらないのである。


 「取り敢えず俺は冒険者ギルドに行って場所借りて来るわ。
ノアも用事が済んだら一緒に行こう。
場所借りる際は使用者2名以上のサインがいるからな。(レドリック)」

「へー。」

「じゃあ私は武器の調達に行ってくるわ。
レド、″ストック″はまだ大丈夫?(アミスティア)」

「あぁ、3日位なら足りる程″ストック″はあるし、足りなかったら″射つ″さ。(レドリック)」





キィ…

「あ、あのー…お取り込み中でしたか…?(クロラ)」

「「「お気に為さらず。」」」
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