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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~
羽化
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ズシンッ!ズシンッ!
「お…おぉ…?人語を話す…巨人族か…?
いや、しかしここまで大きくは…
体表は岩…では無く殻か…?つまりこの者達が″海洋種″と言う種族か…?(ツェド)」
『えぇ。で、この方は″海洋最強種のエルダークラーケン″さんです。
僕と御前試合の途中だったんですが、防衛の為に派兵して下さったんですよ。』
「ん!?″エルダークラーケン″!?
それに、″僕と″!?
つー事は何じゃい!獣人国の式典で″この″、エ、エルダークラーケンと御前試合しとったっつー事かい!?(ツェド)」
『えぇ、色々あってそう言う流れに…』
珍しく口をあんぐりと開け、身長50メルもある<人化>形態のエルダークラーケンとノアを交互に見合って驚きを露にするツェド。
そんなエルダークラーケンの足下では、本日初めての対面となるノアの両親2人が呆然と見上げていた。
〔『如何したかお二方?』〕
「息子は強かったでしょ?(アミスティア)」
〔『…と言う事はお二方が【鬼神】の…
えぇ、強かったですとも。
出来れば今度は<人化>形態で無く、本来の姿で相対したいモノだ。』〕
「…え?その姿が本来じゃないのか…?(レドリック)」
と、手短ながらノアの両親に挨拶を済ませるエルダークラーケンの下に派兵された『殻壁』の1体、頑強な殻を纏った殻人がやって来た。
殻人は体長3メル程もあり、頑強そうな甲殻も相まって中々の威圧感を放っていた。
ズシッ!ズシッ!
〔エルダークラーケン様、【鬼神】殿の言う通り、滅びの森方面からのモンスターの襲来は鎮静化した様です。〕
周囲を見渡せば防衛戦に参加したドワーフ達や傭兵、ヴァンディットの『魅了』を駆使して操ったモンスター等が屠ったモンスターが点々と転がっていた。
比較的マトモな状態のモンスターの死骸には、クリストフや傭兵等が手分けしてアイテムボックスにて回収を行っていた。
ちなみに、元々獣人国側の滅びの森に生息するモンスターは、森の中でひっそりと息を潜めていた。
〔『ふむ、では″『廃都』からの高魔力反応″を調査するとしようか。』〕
〔了解しました。〕
『ん?″高魔力反応″?』
どうやらエルダークラーケン達は防衛戦に対して派兵の目的で来たのもあるが、何やら調査の為に訪れた様でもあった。
〔『実は先程…丁度『廃都』方面の滅びの森が消失したのと殆ど同時刻に、直下で謎の″高魔力反応″が観測されたと報告を受けてな。
その反応は1回限りではあったが、魔力量が尋常ではなかったので、原因を調べる目的もあったのだ。』〕
『滅びの森消失と同時刻に『廃都』の地下で謎の高魔力反応…?うーむ…』
「ねぇノアちゃん?
皆でこの辺に居たのよね?(アミスティア)」
『…え?うん、そうだけど…?』
御前試合場に居た時は<虫の知らせ>で嫌な予感は感じていたが、それ以外思い当たる節の無いノアだったが、アミスティアが気になる事を質問してきた。
「″『廃都』方面から森の番人″が来なかったかしら?
あれだけ大規模に滅びの森が消失したら、新たな森を手中に収めようと必ずやって来るハズだけど。(アミスティア)」
「正直言って、『廃都』方面に生息している″森の番人″は、こちら側の比では無い強さを持っている。
何せ森の規模や保有されている魔力量が桁違いだからな。(レドリック)」
『いや…そう言えば″森の番人″はこっちに来てない…
前に戦った時に反応は覚えているから、あまりにも離れていない限り、存在は感知出来るハズなのに…』
今回の防衛戦で最も危険視しなければならない存在は、ギガンティック・ダックス憤怒でも、エグリゴリラでも、アースイーター等でも無く、″森の番人″である。
″森の番人″は森の広大さがそのまま脅威度とみなされる為、獣人国方面以上の森林面積を誇る『廃都』方面の滅びの森が消失する程の事態となれば、最悪″森の番人″の最終形態"森の現人神(アラヒトガミ)"となって攻め込んで来る事も想定された。
だがそもそも″森の番人″自体が襲来して来なかった為、異常事態の上に異常事態が折り重なった様な状態である。
〔『少年よ、その″モリノバンニン″とは何だ?』〕
『エルダークラーケンさんが″海洋最強種″であるなら、″森の番人″が″森林系最強種″って感じ。』
〔『ふむ、なるほ『『『ズズンッ!』』』む…っ?』〕
エルダークラーケンとノアが話をしていると、突如地面が大きく揺れ出した。
『『『『ズズズズズズズズズズズズ…』』』』
「おっ!おっ?おっ!?(バド)」
「何じゃい!地震か!?(ルド)」
「まさかモンスターの襲来じゃなかが?(ロイ)」
「いや、今の所そう言った反応は…
…待て、″アレ″は一体何だ…?(レドリック)」
「「「「「「「「「え…?」」」」」」」」」
断続的に地面が揺れる為、各々地震では?モンスターの襲来では?等と考えを巡らせていたが、レドリックが徐に『廃都』方面の滅びの森を見て思わず呟く。
すると、その場に居た全員が一斉に2キロメル以上は離れている『廃都』方面の滅びの森を見ると、立ち枯れている木々の下から、″何か巨大なモノがせり上り、小山が形成″されていた。
しかもその″小山″は尚も成長中であった。
『『『『ズズズズズズズズズズズズ…!』』』』
『『『『ガラガラガラガラ…』』』』
『『『『バキバキバキバキ…』』』』
「…一体下から何が出てくるんだ…?
距離が離れているから実物の大きさが分からんが、100~200では利かないぞ…(エルグランド)」
「…ちょっとちょっと…まさか″これからが本当の戦いだ″って展開にならないわよね…?(ゲイリー)」
「…止めろ、妙なフラグを立てるんじゃない…!(ヨーヘー)」
「アル君、″アレ″何だと思う…?(バラス)」
「…知らんが、【魔王】絡みであるのは間違いないだろうな…(アルキラー)」
「あっ!土砂の下から何か見えてきましたよ!(ラインハード)」
未だ立ち枯れた木々が薙ぎ倒されながら小山が形成され続けていたが、小山の高さが100メルを超えた辺りで、土石が振るい落とされ、地下からせり上がってきた物体の正体が見えてきた。
『『『『ボゴゴゴゴ…』』』』
ギョロッ!ギョロロッ!
「むっ!?ありゃ…目か!?(プレ爺)」
「なぁに″アレ″…?
…もしかしなくても、″アレ″って″サナギ″…?(コノミ)」
「透けて見える感じからして、″アレ″は″蝶のサナギ″か…?
だがあれ程大きな種は見た事無いぞ…?(ドラキュリオス)」
大量の土砂が小山から落下し、下から半透明の皮膜を纏った巨大な物体が見えてきた。
周囲の見立てでは″蝶のサナギ″ではないかと予想され、物体の中にはギョロギョロと忙しなく動く眼と極彩色の翅が薄らと見えていた。
″『『『バキッ…ンッ!』』』″
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
巨大な″サナギ″が露になってきたかと思えば、直後に金属盤が破断したかの様な甲高い硬質的な音が発せられた。
すると、巨大な″サナギ″の背部が割れ、″純白の本体″が姿を現した。
『『『ズルリ…パキパキパキパキ…』』』
「えっ!?嘘…何で″アレ″がこんな所に…
そもそもサイズがあまりにも…(エスメラルダ)」
「娘っ子、お前さん″アレ″がなぁんが知っとんのか?(バド)」
巨大な″サナギ″から姿を現した、羽化したての″巨大な蝶″を見てエルフのエスメラルダが何やら正体に思い至った様子。
「…羽化したての特徴と色からして、恐らく″アレ″は″エボル・バトフライ″。
…だけど、私の知っている種とは″サイズ″があまりにも違い過ぎるの…(エスメラルダ)」
『サイズが…?…まさか…!』
特徴と該当するであろうモンスターの名を話すも、サイズがあまりにも違い過ぎると言うので困惑していた。
するとノアが何かに思い当たり、<千里眼>を発動して羽化途中の巨大な蝶″エボル・バトフライ″を見やる。
丁度″エボル・バトフライ″は、サナギから抜け出そうと上体を大きく仰け反らせている所であった。
『…あ…くそっ!
嘘だろ、ヤツもなのかよ…!!』
「おぃ坊!一体何が見えたんじゃ!?(ルド)」
<千里眼>を発動したノアの視界には、″あってはならない物″が映り込んでおり、それを見付けたノアは苦虫を噛み潰したかの様な表情をする。
何故なら、巨大な蝶″エボル・バトフライ″の″両眼に造魔核″が埋め込まれていたからである。
「お…おぉ…?人語を話す…巨人族か…?
いや、しかしここまで大きくは…
体表は岩…では無く殻か…?つまりこの者達が″海洋種″と言う種族か…?(ツェド)」
『えぇ。で、この方は″海洋最強種のエルダークラーケン″さんです。
僕と御前試合の途中だったんですが、防衛の為に派兵して下さったんですよ。』
「ん!?″エルダークラーケン″!?
それに、″僕と″!?
つー事は何じゃい!獣人国の式典で″この″、エ、エルダークラーケンと御前試合しとったっつー事かい!?(ツェド)」
『えぇ、色々あってそう言う流れに…』
珍しく口をあんぐりと開け、身長50メルもある<人化>形態のエルダークラーケンとノアを交互に見合って驚きを露にするツェド。
そんなエルダークラーケンの足下では、本日初めての対面となるノアの両親2人が呆然と見上げていた。
〔『如何したかお二方?』〕
「息子は強かったでしょ?(アミスティア)」
〔『…と言う事はお二方が【鬼神】の…
えぇ、強かったですとも。
出来れば今度は<人化>形態で無く、本来の姿で相対したいモノだ。』〕
「…え?その姿が本来じゃないのか…?(レドリック)」
と、手短ながらノアの両親に挨拶を済ませるエルダークラーケンの下に派兵された『殻壁』の1体、頑強な殻を纏った殻人がやって来た。
殻人は体長3メル程もあり、頑強そうな甲殻も相まって中々の威圧感を放っていた。
ズシッ!ズシッ!
〔エルダークラーケン様、【鬼神】殿の言う通り、滅びの森方面からのモンスターの襲来は鎮静化した様です。〕
周囲を見渡せば防衛戦に参加したドワーフ達や傭兵、ヴァンディットの『魅了』を駆使して操ったモンスター等が屠ったモンスターが点々と転がっていた。
比較的マトモな状態のモンスターの死骸には、クリストフや傭兵等が手分けしてアイテムボックスにて回収を行っていた。
ちなみに、元々獣人国側の滅びの森に生息するモンスターは、森の中でひっそりと息を潜めていた。
〔『ふむ、では″『廃都』からの高魔力反応″を調査するとしようか。』〕
〔了解しました。〕
『ん?″高魔力反応″?』
どうやらエルダークラーケン達は防衛戦に対して派兵の目的で来たのもあるが、何やら調査の為に訪れた様でもあった。
〔『実は先程…丁度『廃都』方面の滅びの森が消失したのと殆ど同時刻に、直下で謎の″高魔力反応″が観測されたと報告を受けてな。
その反応は1回限りではあったが、魔力量が尋常ではなかったので、原因を調べる目的もあったのだ。』〕
『滅びの森消失と同時刻に『廃都』の地下で謎の高魔力反応…?うーむ…』
「ねぇノアちゃん?
皆でこの辺に居たのよね?(アミスティア)」
『…え?うん、そうだけど…?』
御前試合場に居た時は<虫の知らせ>で嫌な予感は感じていたが、それ以外思い当たる節の無いノアだったが、アミスティアが気になる事を質問してきた。
「″『廃都』方面から森の番人″が来なかったかしら?
あれだけ大規模に滅びの森が消失したら、新たな森を手中に収めようと必ずやって来るハズだけど。(アミスティア)」
「正直言って、『廃都』方面に生息している″森の番人″は、こちら側の比では無い強さを持っている。
何せ森の規模や保有されている魔力量が桁違いだからな。(レドリック)」
『いや…そう言えば″森の番人″はこっちに来てない…
前に戦った時に反応は覚えているから、あまりにも離れていない限り、存在は感知出来るハズなのに…』
今回の防衛戦で最も危険視しなければならない存在は、ギガンティック・ダックス憤怒でも、エグリゴリラでも、アースイーター等でも無く、″森の番人″である。
″森の番人″は森の広大さがそのまま脅威度とみなされる為、獣人国方面以上の森林面積を誇る『廃都』方面の滅びの森が消失する程の事態となれば、最悪″森の番人″の最終形態"森の現人神(アラヒトガミ)"となって攻め込んで来る事も想定された。
だがそもそも″森の番人″自体が襲来して来なかった為、異常事態の上に異常事態が折り重なった様な状態である。
〔『少年よ、その″モリノバンニン″とは何だ?』〕
『エルダークラーケンさんが″海洋最強種″であるなら、″森の番人″が″森林系最強種″って感じ。』
〔『ふむ、なるほ『『『ズズンッ!』』』む…っ?』〕
エルダークラーケンとノアが話をしていると、突如地面が大きく揺れ出した。
『『『『ズズズズズズズズズズズズ…』』』』
「おっ!おっ?おっ!?(バド)」
「何じゃい!地震か!?(ルド)」
「まさかモンスターの襲来じゃなかが?(ロイ)」
「いや、今の所そう言った反応は…
…待て、″アレ″は一体何だ…?(レドリック)」
「「「「「「「「「え…?」」」」」」」」」
断続的に地面が揺れる為、各々地震では?モンスターの襲来では?等と考えを巡らせていたが、レドリックが徐に『廃都』方面の滅びの森を見て思わず呟く。
すると、その場に居た全員が一斉に2キロメル以上は離れている『廃都』方面の滅びの森を見ると、立ち枯れている木々の下から、″何か巨大なモノがせり上り、小山が形成″されていた。
しかもその″小山″は尚も成長中であった。
『『『『ズズズズズズズズズズズズ…!』』』』
『『『『ガラガラガラガラ…』』』』
『『『『バキバキバキバキ…』』』』
「…一体下から何が出てくるんだ…?
距離が離れているから実物の大きさが分からんが、100~200では利かないぞ…(エルグランド)」
「…ちょっとちょっと…まさか″これからが本当の戦いだ″って展開にならないわよね…?(ゲイリー)」
「…止めろ、妙なフラグを立てるんじゃない…!(ヨーヘー)」
「アル君、″アレ″何だと思う…?(バラス)」
「…知らんが、【魔王】絡みであるのは間違いないだろうな…(アルキラー)」
「あっ!土砂の下から何か見えてきましたよ!(ラインハード)」
未だ立ち枯れた木々が薙ぎ倒されながら小山が形成され続けていたが、小山の高さが100メルを超えた辺りで、土石が振るい落とされ、地下からせり上がってきた物体の正体が見えてきた。
『『『『ボゴゴゴゴ…』』』』
ギョロッ!ギョロロッ!
「むっ!?ありゃ…目か!?(プレ爺)」
「なぁに″アレ″…?
…もしかしなくても、″アレ″って″サナギ″…?(コノミ)」
「透けて見える感じからして、″アレ″は″蝶のサナギ″か…?
だがあれ程大きな種は見た事無いぞ…?(ドラキュリオス)」
大量の土砂が小山から落下し、下から半透明の皮膜を纏った巨大な物体が見えてきた。
周囲の見立てでは″蝶のサナギ″ではないかと予想され、物体の中にはギョロギョロと忙しなく動く眼と極彩色の翅が薄らと見えていた。
″『『『バキッ…ンッ!』』』″
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
巨大な″サナギ″が露になってきたかと思えば、直後に金属盤が破断したかの様な甲高い硬質的な音が発せられた。
すると、巨大な″サナギ″の背部が割れ、″純白の本体″が姿を現した。
『『『ズルリ…パキパキパキパキ…』』』
「えっ!?嘘…何で″アレ″がこんな所に…
そもそもサイズがあまりにも…(エスメラルダ)」
「娘っ子、お前さん″アレ″がなぁんが知っとんのか?(バド)」
巨大な″サナギ″から姿を現した、羽化したての″巨大な蝶″を見てエルフのエスメラルダが何やら正体に思い至った様子。
「…羽化したての特徴と色からして、恐らく″アレ″は″エボル・バトフライ″。
…だけど、私の知っている種とは″サイズ″があまりにも違い過ぎるの…(エスメラルダ)」
『サイズが…?…まさか…!』
特徴と該当するであろうモンスターの名を話すも、サイズがあまりにも違い過ぎると言うので困惑していた。
するとノアが何かに思い当たり、<千里眼>を発動して羽化途中の巨大な蝶″エボル・バトフライ″を見やる。
丁度″エボル・バトフライ″は、サナギから抜け出そうと上体を大きく仰け反らせている所であった。
『…あ…くそっ!
嘘だろ、ヤツもなのかよ…!!』
「おぃ坊!一体何が見えたんじゃ!?(ルド)」
<千里眼>を発動したノアの視界には、″あってはならない物″が映り込んでおり、それを見付けたノアは苦虫を噛み潰したかの様な表情をする。
何故なら、巨大な蝶″エボル・バトフライ″の″両眼に造魔核″が埋め込まれていたからである。
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