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獣人国編~事後処理・決意・旅立ち~
まるで浦◯太郎だよ
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~獣人国・屋台通り~
「……」テクテクテクテク…
「……。(ラインハード?)」テクテクテクテク…
「…あの、ラインハードさん?怒ってますか…?」
「怒ってません。(ラインハード?)」
(怒ってる時の言い方だよそれ…) テクテクテクテク…
泊まっていた宿から出て一先ず腹拵えに向かうノア。その後ろを、未だ無言のラインハード(?)が追随する形である。
(…それにしてもヴァンディットさんやクリストフ、中に鬼神も居ないし皆何処に行っちゃったんだろう…?)
【鬼哭崇崇】の影響か、ただ抜け出しているだけかは定かで無いが、現在ノアの中に鬼神は居らず、素の状態である。
他にも、いつも影の中に居るヴァンディットも居らず、前日まで着いてきていたクリストフも居ない。デミと一緒にスロア領に戻ったのだろうか。
(…それにしても昨日の今日でこんなにガッツリ人が減るモンなんだね…
式典翌日なのに貴族や観光客がゴッソリ居ないし冒険者も疎ら…あ、ダンジョンかな…?
獣人さん達は皆酔い潰れて宿とかに居るのかな…?)
朝方とは言え式典の翌日にしては通りは疎ら。
お祝い事があったので各々飲み明かしているのだろうか、と考えたがそれらしい酒精の臭いはしなかった。
「あ、あの…ラインハードさん…?
もしかして昨日の今日で何かあったのでしょうか…?」
「何で敬語なんですノア″様″?
いつも通り話して下さいノア″様″?
何かおかしいですよノア″様″?(ラインハード?)」
「あ、あれれ?…もしかして僕まだ夢の中だったりするのかな…?」
一向に変わる気配の無いラインハード(?)の口調と対応に、いよいよもって困惑し出すノア。
すると
トテテテテ…
「あ、ノア″君″目覚めたんですね!
良かった良かった!(ラインハード)」
「あ、″君″付けラインハードさん!
良かった!漸く知ってる人に出会えた!」
トテテテテ…
「大袈裟ですねぇノア君、部屋に″私″を残してきたでしょう?(ラインハード)」
「…ん?
…あ、そうだラインハードさん聞いて下さいよ。
このラインハードさんが何かおかし
「ん?」
「″ライリード″!
もしや貴女ノア君に自己紹介していませんね?(ラインハード)」
「あ、まだです。(ライリード)」
「だからですよぉ。
ノア君が大混乱起こしてるじゃないですかぁ。(ラインハード)」
無表情ラインハードの対面から″君″付けラインハードがやって来た事で少しの間フリーズしてしまうノア。
すると″君″付けラインハード(要は普段のラインハード)が説明してくれた。
「どうも初めましてノア″様″、私は″自立思考型・高精度機兵ラインハード・少女型2号機″の″ライリード″と申します。
本日からダンジョン『宝物庫』の″新ダンジョンマスター″を務める事になりました。(ライリード)」
「です。(ラインハード)」
「うーん、中々情報量が多いねぇ…」
ドヤ顔のラインハードの隣で礼儀正しく頭を下げる″ライリード″。
『宝物庫』の″新ダンジョンマスター″となるとの事だが、その前に色々と説明が必要だろう。
今更ではあるが、ラインハードの正式名称は"遠隔操作・自動操縦可能高精度連動機兵ラインハード・少女型"である。
ダンジョン『宝物庫』のダンジョンマスターとして存在するラインハード本人が、ダンジョン内から空間魔法等を介して操縦しているのが現状であった。
「そして今は晴れて″ラインハード″となりました。(ラインハード)」エッヘン。
「略称が、ですよね?」
「いえ、正式名称ですよ。」
「んぇ?」
ラインハードの方で色々と噛み砕いて説明してくれたが、ノアには1/10も理解出来なかった。
どうやら″遠隔操作″などでは無く、ラインハード本人の意識をそのままボディに搭載したらしく、そういった意味で″正式名称:ラインハード″なのだと言う。
「…ぇ?
どうやってそんな事を可能に…?」
「…さっき説明しましたが…
まぁ、″私自身を魔力の様なエネルギー体に変換。魔石を微粉末にして、血液を模した流動体と共にボディに流して定着させた。″
とだけ覚えてくれれば大丈夫です。(ラインハード)」
「ほへぇ…(伝わってない)」
詳しい仕組みは分からないが、目の前に居るのは″ラインハード本人″である、という事だけ覚えて帰って下さい。
「…それで、ライン…じゃなかった、″ライリード″さんが新しい『宝物庫』のダンジョンマスターなんですね?」
「はい、精進致します。(ライリード)」
「…大丈夫?ラインハードさんとえらく性格が違うけど…」
「あぁ、今は″初期基板″しか差し込まれてませんから性格も″無い″状態なんですよ。(ラインハード)」
「″基板″…?
そういえば最近そんな話していた様な…」
「ほらこの間海洋種の武器屋『アルマ』の主人のゴアさんから戴いた″鱗銀″を頭脳とも呼べる″基板″に改造したんですよ。(ラインハード)」
『『『ガションッ!』』』
「わーっ!ちょっと、そんな物を引っこ抜いちゃって大丈夫なんですか!?」
以前海洋ダンジョン『龍遇城』に視察に行った際に採れたサハギンの鱗(通称″鱗銀″)は、ラインハードが欲していた″基板″と特性が似ていたらしく、海洋種の武器屋『アルマ』の店主ゴアから快く戴いていたのである。
ラインハードは徐に自身の耳を捻ると、びっしりと金属細工が施された″基板″が耳の裏から飛び出してきた。
落下はしなかったものの、そんな話をされた直後だった為、とても肝が冷えてしまった。
「大丈夫大丈夫。
それにこれは私のではなく″ライリード″の物です。
このままでは感情が無いので、私の行動データを記録させたものを搭載させるのです。
ほら、ライリード。(ラインハード)」
「はい。『ガションッ!』(ライリード)」
「おわっ。」
ラインハード同様に耳の裏から″基板″を取り出したライリードは、ラインハードから″基板″を受け取って差し替えていた。
そうする事で
「「どうです?これで私と瓜二つな機体の出来上がりです!(ラインハードとライリード)」」ビシッ!
「おおー。」
先程の無表情、無感情なライリードは何処へやら。屈託の無い笑顔でラインハードと共に決めポーズを決めていた。
だからといって見分けが付かないなんて事は無く、笑顔は何処と無くライリードは固く、動きも少し機械じみているので直ぐに分かった。
「…にしても昨日あれだけ大変だったのに、よくここまで仕上げられたね。」
「ライリードの体は殆ど出来ていましたが、私の行動データの記録と動作確認にノア君が寝ていた10日程費やしていたので、それなりに時間掛かってますよ。(ラインハード)」
「へー、そう…」
「…ん?」
「……」テクテクテクテク…
「……。(ラインハード?)」テクテクテクテク…
「…あの、ラインハードさん?怒ってますか…?」
「怒ってません。(ラインハード?)」
(怒ってる時の言い方だよそれ…) テクテクテクテク…
泊まっていた宿から出て一先ず腹拵えに向かうノア。その後ろを、未だ無言のラインハード(?)が追随する形である。
(…それにしてもヴァンディットさんやクリストフ、中に鬼神も居ないし皆何処に行っちゃったんだろう…?)
【鬼哭崇崇】の影響か、ただ抜け出しているだけかは定かで無いが、現在ノアの中に鬼神は居らず、素の状態である。
他にも、いつも影の中に居るヴァンディットも居らず、前日まで着いてきていたクリストフも居ない。デミと一緒にスロア領に戻ったのだろうか。
(…それにしても昨日の今日でこんなにガッツリ人が減るモンなんだね…
式典翌日なのに貴族や観光客がゴッソリ居ないし冒険者も疎ら…あ、ダンジョンかな…?
獣人さん達は皆酔い潰れて宿とかに居るのかな…?)
朝方とは言え式典の翌日にしては通りは疎ら。
お祝い事があったので各々飲み明かしているのだろうか、と考えたがそれらしい酒精の臭いはしなかった。
「あ、あの…ラインハードさん…?
もしかして昨日の今日で何かあったのでしょうか…?」
「何で敬語なんですノア″様″?
いつも通り話して下さいノア″様″?
何かおかしいですよノア″様″?(ラインハード?)」
「あ、あれれ?…もしかして僕まだ夢の中だったりするのかな…?」
一向に変わる気配の無いラインハード(?)の口調と対応に、いよいよもって困惑し出すノア。
すると
トテテテテ…
「あ、ノア″君″目覚めたんですね!
良かった良かった!(ラインハード)」
「あ、″君″付けラインハードさん!
良かった!漸く知ってる人に出会えた!」
トテテテテ…
「大袈裟ですねぇノア君、部屋に″私″を残してきたでしょう?(ラインハード)」
「…ん?
…あ、そうだラインハードさん聞いて下さいよ。
このラインハードさんが何かおかし
「ん?」
「″ライリード″!
もしや貴女ノア君に自己紹介していませんね?(ラインハード)」
「あ、まだです。(ライリード)」
「だからですよぉ。
ノア君が大混乱起こしてるじゃないですかぁ。(ラインハード)」
無表情ラインハードの対面から″君″付けラインハードがやって来た事で少しの間フリーズしてしまうノア。
すると″君″付けラインハード(要は普段のラインハード)が説明してくれた。
「どうも初めましてノア″様″、私は″自立思考型・高精度機兵ラインハード・少女型2号機″の″ライリード″と申します。
本日からダンジョン『宝物庫』の″新ダンジョンマスター″を務める事になりました。(ライリード)」
「です。(ラインハード)」
「うーん、中々情報量が多いねぇ…」
ドヤ顔のラインハードの隣で礼儀正しく頭を下げる″ライリード″。
『宝物庫』の″新ダンジョンマスター″となるとの事だが、その前に色々と説明が必要だろう。
今更ではあるが、ラインハードの正式名称は"遠隔操作・自動操縦可能高精度連動機兵ラインハード・少女型"である。
ダンジョン『宝物庫』のダンジョンマスターとして存在するラインハード本人が、ダンジョン内から空間魔法等を介して操縦しているのが現状であった。
「そして今は晴れて″ラインハード″となりました。(ラインハード)」エッヘン。
「略称が、ですよね?」
「いえ、正式名称ですよ。」
「んぇ?」
ラインハードの方で色々と噛み砕いて説明してくれたが、ノアには1/10も理解出来なかった。
どうやら″遠隔操作″などでは無く、ラインハード本人の意識をそのままボディに搭載したらしく、そういった意味で″正式名称:ラインハード″なのだと言う。
「…ぇ?
どうやってそんな事を可能に…?」
「…さっき説明しましたが…
まぁ、″私自身を魔力の様なエネルギー体に変換。魔石を微粉末にして、血液を模した流動体と共にボディに流して定着させた。″
とだけ覚えてくれれば大丈夫です。(ラインハード)」
「ほへぇ…(伝わってない)」
詳しい仕組みは分からないが、目の前に居るのは″ラインハード本人″である、という事だけ覚えて帰って下さい。
「…それで、ライン…じゃなかった、″ライリード″さんが新しい『宝物庫』のダンジョンマスターなんですね?」
「はい、精進致します。(ライリード)」
「…大丈夫?ラインハードさんとえらく性格が違うけど…」
「あぁ、今は″初期基板″しか差し込まれてませんから性格も″無い″状態なんですよ。(ラインハード)」
「″基板″…?
そういえば最近そんな話していた様な…」
「ほらこの間海洋種の武器屋『アルマ』の主人のゴアさんから戴いた″鱗銀″を頭脳とも呼べる″基板″に改造したんですよ。(ラインハード)」
『『『ガションッ!』』』
「わーっ!ちょっと、そんな物を引っこ抜いちゃって大丈夫なんですか!?」
以前海洋ダンジョン『龍遇城』に視察に行った際に採れたサハギンの鱗(通称″鱗銀″)は、ラインハードが欲していた″基板″と特性が似ていたらしく、海洋種の武器屋『アルマ』の店主ゴアから快く戴いていたのである。
ラインハードは徐に自身の耳を捻ると、びっしりと金属細工が施された″基板″が耳の裏から飛び出してきた。
落下はしなかったものの、そんな話をされた直後だった為、とても肝が冷えてしまった。
「大丈夫大丈夫。
それにこれは私のではなく″ライリード″の物です。
このままでは感情が無いので、私の行動データを記録させたものを搭載させるのです。
ほら、ライリード。(ラインハード)」
「はい。『ガションッ!』(ライリード)」
「おわっ。」
ラインハード同様に耳の裏から″基板″を取り出したライリードは、ラインハードから″基板″を受け取って差し替えていた。
そうする事で
「「どうです?これで私と瓜二つな機体の出来上がりです!(ラインハードとライリード)」」ビシッ!
「おおー。」
先程の無表情、無感情なライリードは何処へやら。屈託の無い笑顔でラインハードと共に決めポーズを決めていた。
だからといって見分けが付かないなんて事は無く、笑顔は何処と無くライリードは固く、動きも少し機械じみているので直ぐに分かった。
「…にしても昨日あれだけ大変だったのに、よくここまで仕上げられたね。」
「ライリードの体は殆ど出来ていましたが、私の行動データの記録と動作確認にノア君が寝ていた10日程費やしていたので、それなりに時間掛かってますよ。(ラインハード)」
「へー、そう…」
「…ん?」
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