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取り敢えず南へ編
閑話:【魔王】に関する出来事 その9
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「【魔王】っ!?馬鹿言ってんじゃ無いわよ!
こんな所に居るハズないでしょっ!
『ギガンテ・エステレイラス(星砕きの巨人)』!」
ボゴボゴッ!
『『『ズズズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!』』』(地面が大きく捲れ上がり、人を形作る。)
「ぅおっ!?地震か!?」
「違ぇよ!姐さんが″巨人″を喚び出したんだって!」
「何にしても好き勝手殺られるのは気に入らねぇ。『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』っ!」
シュボッ!
『ピュォオオオオオオオッ!』(灼熱の大怪鳥の鳴き声)
「あっ!熱っちぃっ!」
「殺人ギルドの頭が召喚獣を喚び出しやがったぞ!」
「逃げろ!ここら一帯が火の海になるぞ!」
【魔王】アクロスが名乗りを上げた直後、大集団の輪の中から召喚獣が2体出現した。
1体は表面がゴツゴツとした、一見するとゴーレムかと見間違う見た目をしているが、体表が異常に硬く、4階建ての建物を有に超える巨駆をしていた。
とある冒険者が喚び出したこの召喚獣、門を締め切って徹底抗戦の構えを見せていた1つ前に襲った街の防壁を、たった一撃の拳で破壊する働きを見せていた。
2体目は、とある殺人ギルドのリーダーが召喚した、翼長20メルを超える灼熱の大怪鳥。
あまりの高温故、近付いただけで周辺が火の海と化す恐ろしいモノで、とある街を襲った際、周囲から聞こえてくる怨嗟と恨みの声が″耳障り″だった為、喚び出して跡形も無く焼き払ったらしい。
「1人に対する火力じゃねぇが、【魔王】だと宣う野郎には丁度良いだろう。
何処の国の奴が送り込んできたか知らねぇが、【勇者】軍に楯突けばどうなるかを教えてやるぜ!
行け召喚獣!奴を灰にしちまえ!」
『ピュォオオオオオオオッ!』バサァッ!
「ほらデカブツ、アンタも行ってらっしゃい!」
ゥゴゥ…(巨人の鳴き声) ズンッ!ズンッ!
召喚された『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』は【魔王】へと飛翔。
高温の為、通過した場所には焦げ跡が出来、『ギガンテ・エステレイラス(星砕きの巨人)』も追随する様に巨駆を揺らしながら歩を進めていた。
【召喚獣か…なる程、その手があったな。
…取り敢えずはアレを″消して″奴らを無力化するか。】
『『バチチチ…』』(背鰭の様な器官が発光。)
召喚獣が迫るも平然とした様子の【魔王】アクロスは、徐に背中に意識を集中させ、自身の生体電気を別ベクトルで背中の背鰭状に加工された『ヘル・クリスタル』へと流す。
それを起点として背鰭が発光してチャージを開始。背鰭と背鰭との間でまるで放電現象の様にバチバチと音を立てていた。
『ピュォオオオオオオオッ!』
『『『ゴォオオオオオッ!』』』(目前まで迫った『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』が太陽の様な火球を生成。)
【【魔王】とは何たるかを思い知れ。】
『『『『『『『バチィィイイイイイイイイイイイイイイイッ!!』』』』』』』(【魔王】を中心として全方位に光の衝撃波が発生。)
『ピュォオオオ『『『バシュッ!』』』(霧散)
ゥゴ『『『バシュッ…ガラガラッ!』』』(崩壊)
「何っ!?『ガクッ…』…かはっ…」
「召喚『ガクッ…』ぅぉぉ…」
「何だこ『ガクッ!』が…は…」
『『『ドサドサッ!』』』ズシャッ!『『ズザッ!』』(衝撃波の伝播と共に大集団が次々に崩れ落ちる。)
『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』が【魔王】アクロスに接敵して僅か5秒程の出来事である。
地面に倒れ込む【勇者】軍の面々は、冒険者・野盗に関わらず皆一様に僅かな呻き声1つ上げる事が出来ず、″魔力消失に伴う魔力枯渇状態となって気絶する者″が殆どであった。
それによって再び平原は静寂に包まれる。
先程【魔王】アクロスによって上半身と下半身がサヨナラした者達はある意味幸運だったと言えよう。
この場で気絶し、生き残った者達が次に目を覚ました時には、彼等には″地獄″が待っているのだから。
パチンッ!(指を弾く音)
【兵隊蟻、終わったぞ。
そこに転がってる死体は丸めて″餌″とし、息のある者は縦穴に連れて″苗床″にしろ。】
『『『ウゾウゾウゾ…』』』(地中から兵隊蟻が出現。)
『『『ヂキヂキヂキ…』』』(兵隊蟻の鳴き声)
【人間を宿とする故、お前達よりも上位の兵隊蟻が産まれるだろう。
丁重に扱え。だが暴れるなら殺して腹に収めろ。】
『ヘル・クリスタル』による魔力消失の効果範囲外に待機させていた兵隊蟻を呼び、気絶している【勇者】軍を運ばせるアクロス。
彼らの用途は″苗床″であった。
普通に産み出すよりも、人間を宿とした場合産まれてくる兵隊蟻は通常よりも強化されているらしい。
【うーむ…予想よりも【勇者】軍が多かったか…
もう少し兵隊蟻を呼んでくれば良かったか…】
<……、…>
【…ん?
意識がある奴が居るか…どれどれ…】
思いの外【勇者】軍の数が多く、兵隊蟻による運搬に時間が掛かると感じ、少し思案していたアクロスの<聞き耳>に、微かな声が届く。
アクロスによる魔力消失に耐え得る猛者が居るのではと、自ら確認に行くのだが
「…ぅ…、……っ…」
【ふむ…この状況で立っていられるとは…
…いや、″立たせられている″と言った方が正しい様だな。】
倒れ伏す有象無象を掻き分けて進んでいくと、虚ろな目でありながら歯を食い縛り、今にも崩れ落ちそうになりながら耐え凌いでいる男女4人が居た。
その4人と言うのが、この世界本来の【勇者】パーティである【勇者】アーク、【聖女】ミミシラ、【紅武士】アックスレイ、【死陣操糸】ヴォルフスティであった。
彼等は獣人国でノアと出会い色々とあった後、全うな【勇者】として旅立つハズであったが、【勇者】の父親であるゲッシュバルドの命により拉致され、強制送還。
今は亡きヒュマノ聖王国と裏で繋がっていた際に入手していた『隷属の首輪』をパーティ全員に装着して操り、強制的に【勇者】軍に参加させられていたのである。
今も4人共魔力枯渇であるハズなのだが、『隷属の首輪』によって強制的に意識を保たれ、何とか立っていられている状態である。
こんな悲惨な状態での【勇者】対【魔王】という構図が出来上がってしまい、図らずも窮地に立たされる4人であったが
【…これは『隷属の首輪』…
なる程、コイツらは何処かの街を襲った際に″性処理用″として【勇者】軍に捕らえられた冒険者パーティだろう。
怨敵とは言え酷い有り様だ。】
目の前に佇む男女を【勇者】パーティと知らない【魔王】アクロスは、4人の状態を見て同情する。
具体的な描写は避けるが、例え【勇者】パーティと言えど『隷属の首輪』によって操り人形と化し、何も言わずとも付いてくる″物言わぬ若い男女″が居たら″集団の半分以上を野盗が占める″【勇者】軍の中でどういう扱いを受けるだろう?
″【魔王】討伐が成されるまでは何事にも罪に問われない″と、【勇者】の故郷イグレージャ・オシデンタルでは謳っている事も後押しした形となる。
ちょっと長くなりそうなのでここら辺で。
こんな所に居るハズないでしょっ!
『ギガンテ・エステレイラス(星砕きの巨人)』!」
ボゴボゴッ!
『『『ズズズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!』』』(地面が大きく捲れ上がり、人を形作る。)
「ぅおっ!?地震か!?」
「違ぇよ!姐さんが″巨人″を喚び出したんだって!」
「何にしても好き勝手殺られるのは気に入らねぇ。『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』っ!」
シュボッ!
『ピュォオオオオオオオッ!』(灼熱の大怪鳥の鳴き声)
「あっ!熱っちぃっ!」
「殺人ギルドの頭が召喚獣を喚び出しやがったぞ!」
「逃げろ!ここら一帯が火の海になるぞ!」
【魔王】アクロスが名乗りを上げた直後、大集団の輪の中から召喚獣が2体出現した。
1体は表面がゴツゴツとした、一見するとゴーレムかと見間違う見た目をしているが、体表が異常に硬く、4階建ての建物を有に超える巨駆をしていた。
とある冒険者が喚び出したこの召喚獣、門を締め切って徹底抗戦の構えを見せていた1つ前に襲った街の防壁を、たった一撃の拳で破壊する働きを見せていた。
2体目は、とある殺人ギルドのリーダーが召喚した、翼長20メルを超える灼熱の大怪鳥。
あまりの高温故、近付いただけで周辺が火の海と化す恐ろしいモノで、とある街を襲った際、周囲から聞こえてくる怨嗟と恨みの声が″耳障り″だった為、喚び出して跡形も無く焼き払ったらしい。
「1人に対する火力じゃねぇが、【魔王】だと宣う野郎には丁度良いだろう。
何処の国の奴が送り込んできたか知らねぇが、【勇者】軍に楯突けばどうなるかを教えてやるぜ!
行け召喚獣!奴を灰にしちまえ!」
『ピュォオオオオオオオッ!』バサァッ!
「ほらデカブツ、アンタも行ってらっしゃい!」
ゥゴゥ…(巨人の鳴き声) ズンッ!ズンッ!
召喚された『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』は【魔王】へと飛翔。
高温の為、通過した場所には焦げ跡が出来、『ギガンテ・エステレイラス(星砕きの巨人)』も追随する様に巨駆を揺らしながら歩を進めていた。
【召喚獣か…なる程、その手があったな。
…取り敢えずはアレを″消して″奴らを無力化するか。】
『『バチチチ…』』(背鰭の様な器官が発光。)
召喚獣が迫るも平然とした様子の【魔王】アクロスは、徐に背中に意識を集中させ、自身の生体電気を別ベクトルで背中の背鰭状に加工された『ヘル・クリスタル』へと流す。
それを起点として背鰭が発光してチャージを開始。背鰭と背鰭との間でまるで放電現象の様にバチバチと音を立てていた。
『ピュォオオオオオオオッ!』
『『『ゴォオオオオオッ!』』』(目前まで迫った『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』が太陽の様な火球を生成。)
【【魔王】とは何たるかを思い知れ。】
『『『『『『『バチィィイイイイイイイイイイイイイイイッ!!』』』』』』』(【魔王】を中心として全方位に光の衝撃波が発生。)
『ピュォオオオ『『『バシュッ!』』』(霧散)
ゥゴ『『『バシュッ…ガラガラッ!』』』(崩壊)
「何っ!?『ガクッ…』…かはっ…」
「召喚『ガクッ…』ぅぉぉ…」
「何だこ『ガクッ!』が…は…」
『『『ドサドサッ!』』』ズシャッ!『『ズザッ!』』(衝撃波の伝播と共に大集団が次々に崩れ落ちる。)
『パッサロ・イスカラーチ(緋の鳥)』が【魔王】アクロスに接敵して僅か5秒程の出来事である。
地面に倒れ込む【勇者】軍の面々は、冒険者・野盗に関わらず皆一様に僅かな呻き声1つ上げる事が出来ず、″魔力消失に伴う魔力枯渇状態となって気絶する者″が殆どであった。
それによって再び平原は静寂に包まれる。
先程【魔王】アクロスによって上半身と下半身がサヨナラした者達はある意味幸運だったと言えよう。
この場で気絶し、生き残った者達が次に目を覚ました時には、彼等には″地獄″が待っているのだから。
パチンッ!(指を弾く音)
【兵隊蟻、終わったぞ。
そこに転がってる死体は丸めて″餌″とし、息のある者は縦穴に連れて″苗床″にしろ。】
『『『ウゾウゾウゾ…』』』(地中から兵隊蟻が出現。)
『『『ヂキヂキヂキ…』』』(兵隊蟻の鳴き声)
【人間を宿とする故、お前達よりも上位の兵隊蟻が産まれるだろう。
丁重に扱え。だが暴れるなら殺して腹に収めろ。】
『ヘル・クリスタル』による魔力消失の効果範囲外に待機させていた兵隊蟻を呼び、気絶している【勇者】軍を運ばせるアクロス。
彼らの用途は″苗床″であった。
普通に産み出すよりも、人間を宿とした場合産まれてくる兵隊蟻は通常よりも強化されているらしい。
【うーむ…予想よりも【勇者】軍が多かったか…
もう少し兵隊蟻を呼んでくれば良かったか…】
<……、…>
【…ん?
意識がある奴が居るか…どれどれ…】
思いの外【勇者】軍の数が多く、兵隊蟻による運搬に時間が掛かると感じ、少し思案していたアクロスの<聞き耳>に、微かな声が届く。
アクロスによる魔力消失に耐え得る猛者が居るのではと、自ら確認に行くのだが
「…ぅ…、……っ…」
【ふむ…この状況で立っていられるとは…
…いや、″立たせられている″と言った方が正しい様だな。】
倒れ伏す有象無象を掻き分けて進んでいくと、虚ろな目でありながら歯を食い縛り、今にも崩れ落ちそうになりながら耐え凌いでいる男女4人が居た。
その4人と言うのが、この世界本来の【勇者】パーティである【勇者】アーク、【聖女】ミミシラ、【紅武士】アックスレイ、【死陣操糸】ヴォルフスティであった。
彼等は獣人国でノアと出会い色々とあった後、全うな【勇者】として旅立つハズであったが、【勇者】の父親であるゲッシュバルドの命により拉致され、強制送還。
今は亡きヒュマノ聖王国と裏で繋がっていた際に入手していた『隷属の首輪』をパーティ全員に装着して操り、強制的に【勇者】軍に参加させられていたのである。
今も4人共魔力枯渇であるハズなのだが、『隷属の首輪』によって強制的に意識を保たれ、何とか立っていられている状態である。
こんな悲惨な状態での【勇者】対【魔王】という構図が出来上がってしまい、図らずも窮地に立たされる4人であったが
【…これは『隷属の首輪』…
なる程、コイツらは何処かの街を襲った際に″性処理用″として【勇者】軍に捕らえられた冒険者パーティだろう。
怨敵とは言え酷い有り様だ。】
目の前に佇む男女を【勇者】パーティと知らない【魔王】アクロスは、4人の状態を見て同情する。
具体的な描写は避けるが、例え【勇者】パーティと言えど『隷属の首輪』によって操り人形と化し、何も言わずとも付いてくる″物言わぬ若い男女″が居たら″集団の半分以上を野盗が占める″【勇者】軍の中でどういう扱いを受けるだろう?
″【魔王】討伐が成されるまでは何事にも罪に問われない″と、【勇者】の故郷イグレージャ・オシデンタルでは謳っている事も後押しした形となる。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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