ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
1,005 / 1,127
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

挨拶

しおりを挟む
~名も無き広大な大地の最奥・数千メル級の山頂付近~


『『『ゴォオオオオッ!』』』(猛吹雪)

《…oskn?》

〔osikd…〕

[mtarjni?
iznmhtztnortitt2s-knkristmdttktjsskgars…] 

《〔j-bnnarern。(十分あり得るな。)〕》 


視界全てが白に覆われ、右も左も分からないこの場所のそこかしこから何者かの話し声が聞こえる。
だがその意味を理解する事は難しい。

古く、限られた種族のみが話せる言語である故、理解するには相応の<スキル>を必要とする。


《um…hnnuhkntdkrs、trerrtirwkdhnssud。》

[dkrmetonjpt-njni?(だから前と同じパターンじゃない?)snpisrdkmddtomukd…?]

《dtiig…(だと良いが…)
…″gkith、strgknirhdnbsnndruk…″》


どっしりと腹の底に響く様な声音の存在がポツリと呟き、そのまま仲間が向かった山の麓を眺めるのであった。





~ヴァリエンテ領・街中の通り~


〈ねね、ね、僕ちゃん僕ちゃん、さっきのって、さっきの人ってもしかしてkmsmなのだーわさ?
kmsmなのだーわさ?(小声)〉

「ほら黙って黙って。
大事な部分を濁してくれてるようだけど、言葉の調子で何と無く分かっちゃうから黙ってって。」


海神(ワダツミ)から御届け物を貰い、街(前哨基地)へと帰還中のノアと、肩にはステラ。

ステラは猫妖精(ケット・シー)だからなのか、海神(ワダツミ)の正体に気付いた様で、答えてくれないノアの肩の上で右にトコトコ左にトコトコ歩き、ノアに探りを入れていた。

大事な部分はステラが古い言葉で濁してくれているが、ニュアンスで″神様″と言っている様に聞こえる為、全く意味を成していない。


「ほら、そんなにしつこいとさっき貰った魚、ステラさんにはあげないからね?」

〈っ!??!?…フ…フニャァァ……〉


軽く叱ったつもりのノアだが、ステラにとってその言葉は効果絶大だった様で、その後のステラは文字通り猫なで声を上げてノアに謝罪するのだった。





〈…怒ってる?〉

「怒ってない。」

〈魚一緒に食べて良い?〉

「良い。」

〈脂ノッてる所が良いのだわさ。〉

「ちゃっかりしてるね。」


反省(?)したステラを肩に乗せつつノアは街の食料品店に向かう。
店先には小麦粉や穀物、干し果物等が並んでいた。


「いらっしゃい。
あら【鬼神】さん、それに可愛らしい猫ちゃん。」

んにゃぁ。 


ちなみにステラがケット・シーである事はノアの仲間とヴァリエンテ一家や兵士、街の少数のみである。

折角お忍び(?)で来たというのに騒ぎになったら堪ったものでは無いからだ。


「すみません、店頭に並んでいる小麦粉やナッツ、干し果物とかを結構纏まった量買いに来たのですが、在庫の方はどうですか?」

「あら、それは助かったわ。
ほら、外では色々(【勇者】軍とか【魔王】とか)とあったから皆備蓄に勤しむと思って大量に仕入れてたんだけど、予想以上に売れなくて困ってたのよ。」

「では小麦粉を100キロ、挽いてない小麦も100キロ、ナッツを各種5キロずつ、蜂蜜小樽一杯。
干しアマズの実、干しスッペの実も5キロ下さい。」

「うはー?
大量に買うのね、一体何を作るつもりなのぉ?」

「まぁ軽めの食事です。
それよりも揃えられそうですか?」

「えぇ、勿論よ。少し時間頂きますけどね。」


店主も驚く程の食料品を買い込むノア。
これは前話で取り上げていた食糧問題に一役買ってくれる代物となるのだった。





~その頃森林エリア付近~


「はーい、良い子の皆こーんにーちはー。
皆さんを引率するキグルミのクリストフさんですぞー!(クリストフ)」

「私達も居るよー。(バイトで遊園地のキャストやってた美幸)」
「勝手に1人で行動しちゃダメだからねー。(普通に子供好きな悠)」

「「「「「「はーい。」」」」」」


ノアから子供達の引率を任されたクリストフは、森林エリアにて相当数生っている木の実類の確保兼子供のお守りを行っていた。

その序でに日々訓練に励む美幸と悠の2人も参加していた。


「ねぇキグルミさんの背中のチャック開けみても良い?」

「ダメですぞー。
このチャックの中には夢と希望と葛藤がギッシリ詰め込まれております故。(クリストフ)」
    

クリストフの着ぐるみ設定は、大人達からは生暖かい目で見られてはいるものの、子供達からは割と好評であった。


「ねぇ2人って『村八分にされていた娘とその村の村長の息子との駆け落ち』って聞いたのですけど本当ですか…?」ドキドキ…

「「ほぁっ!?」」


ちなみに【召喚勇者】である美幸と【万能】の悠の身元をはぐらかす為、アミスティア経由で子供達には余計な設定が盛り込まれていた。

「誰にも話さないでね?」と子供に言ったら即周りに伝播するのを見越した考えらしい。


「良いですか皆様、子供の体力は0か100のどちらかです。
大変でしょうが頑張りましょうぞ。(クリストフ)」

「「は、はい。」」





~街(前哨基地)建設予定地から少し離れた場所の小さな池~


『『『ヒュゥウンッ!』』』(池が光輝く。)

「お待ちしておりました、リヴァイア殿。
急な依頼に対応して頂き誠に感謝至します。(ジョー)」

「何の何の。恩人と友人からの頼みなのだし急ぎもするさ。(リヴァイア)」


池が光輝いたかと思うと、その光の中から海洋種の長リヴァイアが登場。
これはノアからの依頼であった″石灰″の原材料を届けに来た様だ。


「なる程、ここがノア君の次なる戦場ですか…(リヴァイア)」キョロキョロ。

「えぇ。まだ何もかもが始まったばかりですがね。(ジョー)」

「ふむ、″面白い者達″も居るみたいですね。(リヴァイア)」


到着早々周囲を見渡すリヴァイアが動きを止めたかと思うと、山の方を注視して呟く。
リヴァイアは山の上に居ると思われる存在に気付き笑みを浮かべていた。





~再び名も無き広大な大地の最奥・数千メル級の山頂付近~


『『『ゴォオオオオッ!』』』(猛吹雪)

《m?btn″r-ntkr″d…
dunttir、ancnhnngartiund…?》

〔knnr?(気になる?)〕

《atrmed、wrrg″sij-is『r-』″g2timirnd、kkdkowdsninhgknstridaru!》

『『ズズ…』』(巨大な″何か″が立ち上がる。)

『『『ピキピキパキパキ…』』』(周囲の吹雪を吸収し、背中に″6枚の氷の翼″を形成。)

〔swgwoksnidy?(騒ぎを起こさないでよ?)〕

《ansnsr、aistnkudkd。(安心しろ、挨拶に向かうだけだ。)》

『『『ドゥンッ!』』』(″氷の翼″を羽ばたかせた″何か″は山の斜面と平行に滑空。
吹雪を纏って麓まで降りていく。)
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?

あーもんど
ファンタジー
精霊の愛し子で、帝国唯一の錬金術師である公爵令嬢プリシラ。 彼女は今日もマイペースに、精霊達と楽しくモノ作りに励む。 ときどき、悪人を断罪したり人々を救ったりしながら。 ◆小説家になろう様にて、先行公開中◆ ◆三人称視点で本格的に書くのは初めてなので、温かい目で見守っていただけますと幸いです◆

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

奪う人たちは放っておいて私はお菓子を焼きます

タマ マコト
ファンタジー
伯爵家の次女クラリス・フォン・ブランディエは、姉ヴィオレッタと常に比較され、「控えめでいなさい」と言われ続けて育った。やがて姉の縁談を機に、母ベアトリスの価値観の中では自分が永遠に“引き立て役”でしかないと悟ったクラリスは、父が遺した領都の家を頼りに自ら家を出る。 領都の端でひとり焼き菓子を焼き始めた彼女は、午後の光が差す小さな店『午後の窓』を開く。そこへ、紅茶の香りに異様に敏感な謎の青年が現れる。名も素性も明かさぬまま、ただ菓子の味を静かに言い当てる彼との出会いが、クラリスの新しい人生をゆっくりと動かし始める。 奪い合う世界から離れ、比較されない場所で生きると決めた少女の、静かな再出発の物語。

転生幼子は生きのびたい

えぞぎんぎつね
ファンタジー
 大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。  だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。  神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。  たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。  一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。 ※ネオページ、カクヨムにも掲載しています

処理中です...