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天空大陸~終わりの始まり
ノア君1人では到達困難な場所。
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《さぁ向かおうぞ。》
【いや、向かうって行ったって足場になりそうな物無いじゃん…
見渡す限り雲しか無いし…】
地上から真っ直ぐ雲の上までやって来て、ハーピー族2人と四季龍インヴェルノが出迎えてくれた。
視界には横に長い菱形の島が見えているが、空の上なので勿論道は無い。
あるのはただひたすらに雲だけである。
ノアは勿論、ずんぐりとした体型に変化したステラも島まで向かえるとはとても思えない。
すると
〔信じられないでしょうけど、この雲歩けるんですよ。『『バサバサッ!』』
ほら、この通り。(ハーピー1)〕
「「【えーっ!?】」」
空に浮かぶ雲が歩けると言うハーピー族の1人が翼を止め、鉤爪の生えた脚で雲の上に降り立つと、僅かに沈みはしたものの、突き抜ける事は無かった。
信じられない光景に思わずルルイエ親子とノアは声を上げてしまった。
ソロリ、ソロリ…『『ボフン。』』(雲に着地。)
「お、おぉ…本当に雲の上を歩ける…(カルル)」
「長い事生きているが、この様な経験は初めてだ…(ルルイエ)」
《足下が薄らと透けているのに、地面と同じ感覚で歩けるのは何とも違和感がありますね。》
【へー、良いな良いなぁ。】
〈ほら坊やも来るのだわさ。〉
ステラ、グリード、ルルイエ、カルルの順で陣から雲の上に降り立ち、各々足下の感覚を確かめる。
残るはノアだけなので、ステラが手招きして誘う。
〈この辺りには<雲渡りの″加護″>が展開されてるから安心して良いのだわさ。〉
『『『ビタッ!』』』(片足を上げた状態でフリーズ)
【…<雲渡りの…″加護″>…?】
〈そうなのだ…あ。〉
「……。(カルル)」
「……。(ルルイエ)」
《……。》
〔〔……。(ハーピー族)〕〕
《……。(インヴェルノ)》
【……。】
スカッ…スカッ…(空を切る足)
【……く…(泣)】
〈だ、大丈夫なのだわさ!
皆さん!坊やを持ってあげなさい!〉
〔い、良いのですか!?私達脚鉤爪ですが…!?(ハーピー2)〕
《じ、じゃあ儂の背中に…》
〔凍傷してしまいますって!(ハーピー1)〕
雲の上を歩けるのは<雲渡りの″加護″>があるからであって″加護(支援魔法)″の類が効かないノアには意味が無い。
そんなノアを連れて島まで向かおうとするが、ハーピー族に連れていって貰おうとすれば鉤爪剥き出しの脚で掴まねばならない。
龍鱗で守られているから別に良いんじゃない?と思うかも知れないが、確かにノアにダメージは無いが見てくれが最悪である。
想像して欲しい、ハーピー族がノアの両肩を掴んで運ぶ姿を。捕食者と餌である。
一応ノアは大火傷の治療で訪れてはいるが、友好関係を結ぶ為に赴いたお客さんであるので、そんな姿で運ぶ事は出来ない。
かと言って四季龍インヴェルノの背に乗せるのも憚れる。
彼は極低温の氷属性持ちの亜龍である為背に乗せてしまえばカチンコチンに凍ってしまう。
これまた龍鱗に守られているので大凍傷になる事は無いだろうが、外側が凍って氷像の様になるのでこれも却下である。
…で、結果
〈うふふ、坊やって意外と軽いのだわさねぇ。
ちゃーんと食べないとダメなのだわさ。〉
【この姿でステラさんにお姫様抱っこって…】
(『締まんねぇな…』)
某テーマパークよろしく、ずんぐりとした大きさのステラにお姫様抱っこをして貰い運んで貰うノア15才児(龍人状態)。
だがステラが更なる問題に気付く。
〈…あ、そういえばどうしましょ…〉
〔あ、そうだ、最後にあそこを通らないと…(ハーピー族)〕
【え?】
《外敵排除用として島の全周に『雷雲の障壁』が展開されている。
島に暮らすハーピー族やケット・シー、他の種族には<雷避けの″加護″>があるから何事も無く通れるのだが…》
【……ふ…(諦)】
~『雷雲の障壁』内部~
『『『『『バヂバヂバチ…』』』』』(稲光)
『『『ビシャァアアッ!』』』(落雷)
『『『バリバリバ『『ゴックン。』』
【ごめんねグリード、僕がこんな【適正】だから…】
《今に始まった事じゃないですよ主様。》
〔〔く、口で雷を…〕〕
「凄ぇ…(カルル)」
〈と言うか飲み込んじゃったのだわさ…〉
《彼女は正真正銘龍種であるからな、並の雷では脅威にならんさ。》
「いやはや、流石ノア殿の相棒だな…(ルルイエ)」
ステラに代わってグリード(<人化>形態)にお姫様抱っこされて運ばれるノア。
そこ目掛けてバンバン落雷が落ち、常に危険に晒されるが、ノアを抱いているグリードが食らい付き、次々に吸収していく。
ノア以外の者達には<雷避けの″加護″>が機能している為、涼やかな風が吹く快適な空の道程なのだが、その後ろでは落雷の嵐なのでステラや四季龍インヴェルノ、ハーピー族達は時折居たたまれない表情をしていた。
『『『『ゴロゴロゴロゴロ…』』』』(雷鳴)
【…はぁ…空の旅って大変なんだなぁ…】
〈う、うーん…
坊や専用のアミュレット(御守り)を作って貰う様にハーピークイーンに頼んでみるのだわさ。〉
加護の類が一切効かないノアにとって天空大陸への訪問はかなりの困難を極める事が分かった。
こんな事ならラインハードが作り出したランドールのエルとアールを一緒に連れてくれば良かったと少し後悔するノアであった。
『『バッサバッサッ!』』(大きな羽ばたき)
〔ようこそお越し下さいました。
以前お会いした事もあるでしょうが…って…え?(ハーピークイーン)〕
【あ、どうも…こんな体勢ですいません…】
島の方からハーピー族、それも通常よりも大きな個体であるハーピークイーンが飛来。
『フロンテイラ』の若き領主カルルと、その父であるヴァリエンテ領領主ルルイエの姿を目視した所で笑みを浮かべつつ挨拶しだしたが、<人化>形態のグリードに抱き上げられているノアに思わず呆気に取られてしまった様だ。
〈いやぁね、クイーン。実はかくかくしかじかで…〉
〔え?″加護″が働かない…?
何とそんな事が…(ハーピークイーン)〕
恐らくハーピークイーンにとっても島の周囲に展開されていた各種加護が機能しないなんて聞いた事が無かった様で、どうしたら良いものかと悩ませていた。
〔ならば早速入島して貰った方が良いでしょう。
安心して下さい、中にはちゃんと地面がありますので″加護″が無くとも地上と同じ様に歩けますよ。(ハーピークイーン)〕
【そ、それは良かった…】
という事で、漸く地に足着けて歩く事が出来るノアであった。
【いや、向かうって行ったって足場になりそうな物無いじゃん…
見渡す限り雲しか無いし…】
地上から真っ直ぐ雲の上までやって来て、ハーピー族2人と四季龍インヴェルノが出迎えてくれた。
視界には横に長い菱形の島が見えているが、空の上なので勿論道は無い。
あるのはただひたすらに雲だけである。
ノアは勿論、ずんぐりとした体型に変化したステラも島まで向かえるとはとても思えない。
すると
〔信じられないでしょうけど、この雲歩けるんですよ。『『バサバサッ!』』
ほら、この通り。(ハーピー1)〕
「「【えーっ!?】」」
空に浮かぶ雲が歩けると言うハーピー族の1人が翼を止め、鉤爪の生えた脚で雲の上に降り立つと、僅かに沈みはしたものの、突き抜ける事は無かった。
信じられない光景に思わずルルイエ親子とノアは声を上げてしまった。
ソロリ、ソロリ…『『ボフン。』』(雲に着地。)
「お、おぉ…本当に雲の上を歩ける…(カルル)」
「長い事生きているが、この様な経験は初めてだ…(ルルイエ)」
《足下が薄らと透けているのに、地面と同じ感覚で歩けるのは何とも違和感がありますね。》
【へー、良いな良いなぁ。】
〈ほら坊やも来るのだわさ。〉
ステラ、グリード、ルルイエ、カルルの順で陣から雲の上に降り立ち、各々足下の感覚を確かめる。
残るはノアだけなので、ステラが手招きして誘う。
〈この辺りには<雲渡りの″加護″>が展開されてるから安心して良いのだわさ。〉
『『『ビタッ!』』』(片足を上げた状態でフリーズ)
【…<雲渡りの…″加護″>…?】
〈そうなのだ…あ。〉
「……。(カルル)」
「……。(ルルイエ)」
《……。》
〔〔……。(ハーピー族)〕〕
《……。(インヴェルノ)》
【……。】
スカッ…スカッ…(空を切る足)
【……く…(泣)】
〈だ、大丈夫なのだわさ!
皆さん!坊やを持ってあげなさい!〉
〔い、良いのですか!?私達脚鉤爪ですが…!?(ハーピー2)〕
《じ、じゃあ儂の背中に…》
〔凍傷してしまいますって!(ハーピー1)〕
雲の上を歩けるのは<雲渡りの″加護″>があるからであって″加護(支援魔法)″の類が効かないノアには意味が無い。
そんなノアを連れて島まで向かおうとするが、ハーピー族に連れていって貰おうとすれば鉤爪剥き出しの脚で掴まねばならない。
龍鱗で守られているから別に良いんじゃない?と思うかも知れないが、確かにノアにダメージは無いが見てくれが最悪である。
想像して欲しい、ハーピー族がノアの両肩を掴んで運ぶ姿を。捕食者と餌である。
一応ノアは大火傷の治療で訪れてはいるが、友好関係を結ぶ為に赴いたお客さんであるので、そんな姿で運ぶ事は出来ない。
かと言って四季龍インヴェルノの背に乗せるのも憚れる。
彼は極低温の氷属性持ちの亜龍である為背に乗せてしまえばカチンコチンに凍ってしまう。
これまた龍鱗に守られているので大凍傷になる事は無いだろうが、外側が凍って氷像の様になるのでこれも却下である。
…で、結果
〈うふふ、坊やって意外と軽いのだわさねぇ。
ちゃーんと食べないとダメなのだわさ。〉
【この姿でステラさんにお姫様抱っこって…】
(『締まんねぇな…』)
某テーマパークよろしく、ずんぐりとした大きさのステラにお姫様抱っこをして貰い運んで貰うノア15才児(龍人状態)。
だがステラが更なる問題に気付く。
〈…あ、そういえばどうしましょ…〉
〔あ、そうだ、最後にあそこを通らないと…(ハーピー族)〕
【え?】
《外敵排除用として島の全周に『雷雲の障壁』が展開されている。
島に暮らすハーピー族やケット・シー、他の種族には<雷避けの″加護″>があるから何事も無く通れるのだが…》
【……ふ…(諦)】
~『雷雲の障壁』内部~
『『『『『バヂバヂバチ…』』』』』(稲光)
『『『ビシャァアアッ!』』』(落雷)
『『『バリバリバ『『ゴックン。』』
【ごめんねグリード、僕がこんな【適正】だから…】
《今に始まった事じゃないですよ主様。》
〔〔く、口で雷を…〕〕
「凄ぇ…(カルル)」
〈と言うか飲み込んじゃったのだわさ…〉
《彼女は正真正銘龍種であるからな、並の雷では脅威にならんさ。》
「いやはや、流石ノア殿の相棒だな…(ルルイエ)」
ステラに代わってグリード(<人化>形態)にお姫様抱っこされて運ばれるノア。
そこ目掛けてバンバン落雷が落ち、常に危険に晒されるが、ノアを抱いているグリードが食らい付き、次々に吸収していく。
ノア以外の者達には<雷避けの″加護″>が機能している為、涼やかな風が吹く快適な空の道程なのだが、その後ろでは落雷の嵐なのでステラや四季龍インヴェルノ、ハーピー族達は時折居たたまれない表情をしていた。
『『『『ゴロゴロゴロゴロ…』』』』(雷鳴)
【…はぁ…空の旅って大変なんだなぁ…】
〈う、うーん…
坊や専用のアミュレット(御守り)を作って貰う様にハーピークイーンに頼んでみるのだわさ。〉
加護の類が一切効かないノアにとって天空大陸への訪問はかなりの困難を極める事が分かった。
こんな事ならラインハードが作り出したランドールのエルとアールを一緒に連れてくれば良かったと少し後悔するノアであった。
『『バッサバッサッ!』』(大きな羽ばたき)
〔ようこそお越し下さいました。
以前お会いした事もあるでしょうが…って…え?(ハーピークイーン)〕
【あ、どうも…こんな体勢ですいません…】
島の方からハーピー族、それも通常よりも大きな個体であるハーピークイーンが飛来。
『フロンテイラ』の若き領主カルルと、その父であるヴァリエンテ領領主ルルイエの姿を目視した所で笑みを浮かべつつ挨拶しだしたが、<人化>形態のグリードに抱き上げられているノアに思わず呆気に取られてしまった様だ。
〈いやぁね、クイーン。実はかくかくしかじかで…〉
〔え?″加護″が働かない…?
何とそんな事が…(ハーピークイーン)〕
恐らくハーピークイーンにとっても島の周囲に展開されていた各種加護が機能しないなんて聞いた事が無かった様で、どうしたら良いものかと悩ませていた。
〔ならば早速入島して貰った方が良いでしょう。
安心して下さい、中にはちゃんと地面がありますので″加護″が無くとも地上と同じ様に歩けますよ。(ハーピークイーン)〕
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という事で、漸く地に足着けて歩く事が出来るノアであった。
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