現代に転生した賢者は推しの国民的アイドルと恋愛中♡

HOBU

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第1話 狙われた国民的アイドル!?

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_____数年後。

幕張メッセ。
初冬の候、冬の寒さが堪える中、館内は大衆の熱狂でヒートアップしていた。

心依こよりちゃ~ん♡」

その大衆の前列で俺は、国民的アイドルグループ【LOVEFULラブフル】のセンターである水瀬みなせ 心依こよりの名前を叫び、両手に心依のメンカラーであるピンク色のペンライトを握り絞めて前に翳し、全力で上下に振り続けていた。
心依のネームが刺繍されているピンク色のタオルを首に掛け、他のファンと共に声が渇れるまで全力で応援していた。

舞台から【LOVEFUL】メンバーが一人一人ファンに向けて挨拶をしていく。

「皆、ミニライブを見に来てくれてありがとう!」
「ファンの皆、盛上っていこうね♪」
「一緒に最後まで楽しみましょう♡」

今幕張メッセでは【LOVEFUL】の全国握手会が開催されており、俺は親友の岸原きしはら 裕太ゆうたと一緒にミニライブで推しのアイドルを応援している。
俺の推しアイドルはセンターの水瀬 心依。
裕太の推しアイドルはリーダーの雛森ひなもり 明日羽あすは
双方、別のアイドルを全力で応援していた。

「陽翔氏、ミニライブ最高ですな」
「あぁ、全国握手会が復活して良かったよな」
「新型ウィルスで3年程中止でしたからね」
「生のミニライブが久々すぎて感動ものだよ」
「動画配信も良いですが、やっぱり生のミニライブで明日羽を直で応援出来るこの感動は、動画では味わえませんからね」

新型ウィルスの為、3年間中止になっていた全国握手会が久々に幕張メッセで開催された。

「新型ウィルスが終息した事で、3年ぶりにこの幕張メッセで全国握手会が開催される事になりましたからね。今まで以上に会場は盛上っていますよ」
「だな。俺も溜まりに溜まった3年分のストレスを発散させるつもりで全力で心依ちゃんを応援するぜ(笑)」
わたくしもですよ。全力で明日羽を応援しますぞ!」

例年以上に今回の全国握手会は盛大に盛り上がっていた。

「残念だけど、次がラストの一曲になります」
「最後まで私達の歌を聴いてね」
「皆も一緒に歌ってね♡」

ミニライブのラストの一曲となった。
メンバーの声掛けに対してファンがヒートアップしている中、一人だけ不穏な空気を漂わせている者がいた。
フードを被り、若干俯いた状態で何か小声でぶつぶつと呟いていた。

「……心依ちゃんは……俺の……」

ミニライブの会場にそんな人物がいるとは知らず、俺はただ全力で舞台の上で歌っている心依を応援していた。

「次は握手会で会おうね♡」
「皆、待ってるよ♡」

無事にミニライブが終了し、俺達はそれぞれ推しがいる握手会への会場へと向かった。

「陽翔氏、明日羽はあっちのブロックになるので私はいきますね」
「分かった。また後でな」

裕太と別れた後、俺は心依ちゃんのブロックへと向かった。
握手会の会場は列で混み合っており、中々先へと足を進める事が出来なかった。
その途中でフードを被りずっと俯きながら歩いている不気味な雰囲気を漂わせている人物とぶつかった。
何か小声でぶつぶつと呟いていたが、聞き取る事は出来なかった。

「あ、すみません!」
「……心依ちゃん……やっと会えるね……」
「ん? 何だ、今の?」

その人物は心依ちゃんのブロックの列へと並んだ。

「一瞬フードの中から不気味な笑みが見えたような……


気のせいだったのかと思いつつ、俺は列の最後尾に並んだ。
鍵開けではないので気長に待つ事にした。
この列なら約1時間程度で心依ちゃんと接触する事が出来る。
テーマパークならその数倍の時間を待つかもしれないか、握手会は一人6秒しか接触出来ない為ローテーションが早い。
なので、この列でも約1時間程度で自分の番に回ってくるのだ。
と、説明している間に一時間があっという間に経過し、俺の順番になるまで後5人となった。
何とあの不気味な笑みを浮かべたフードを被った男の番が回ってきたのだ。

「あの男の番か……」

フードを被った男は心依ちゃんのいる場所へと足を進める。
心依ちゃんの前には白色の折り畳み式テーブルが設置されており、ファンと心依ちゃんの間にストップウォッチを持った男性のスタッフさんと誘導する男性スタッフ2名が立っていた。

「お待たせしました。次の方どうぞ」

フードの男は心依ちゃんではなく、スタッフの前に立った。

「……邪魔だ……消えろ……」

バーン! バーン! バーン!

心依ちゃんのいる場所から銃声のような擬音と大きな轟音が館内に鳴り響いた。

「……何だ、今の音?」

フードを被った男の周囲にいた男性スタッフ3名がバタバタと突然倒れた。

「へ?」

フードを被った男は何かを握って構えていた。

「……邪魔者は消したよ……俺の心依(笑)」

男はフードを外し、ニヤッと不気味な笑みを浮かべながら心依を見つめる。
床に倒れたスタッフから大量の血が広まっていく。

「……ねぇ、あれって血?」
「あの男が握ってるのって銃?」

周囲のファンが男が握っている銃の事に気付くと女性の悲鳴が館内に轟く。

「きゃあああーーー!!!!!!」

バーン!

男は躊躇いもなく天井に目掛けて銃を発砲した。

「……うるせぇぞ……ブス女?……次はお前に撃つぞ……」

不気味な笑みで悲鳴を上げた女性に銃口を向ける。
悲鳴を上げた女性は恐怖の余りに絶句する。
目の前にいた心依は勇気を絞り出し、女性に銃口を向ける行為を止めて欲しいと男に願う。

「や、止めて下さい! 女性に銃口を向けないて!」
「……心依がそう言うなら止めるよ……」

男は銃口を下ろす。
すると、銃に撃たれた男性スタッフが腹部を抑えながら心依にこの場から逃げるように促す。

「こ、心依……この場から逃げるんだ!」
「松崎さん!」
「……お前……俺の心依を呼び捨てしてんじゃねえよ?」

銃に撃たれた男性スタッフを容赦なく傷口に目掛けて蹴り続ける。

「止めて! 止めて下さい! 松崎さんが死んじゃう!」
「……止めても良いよ……その代わり……心依、俺と死んでよ?……」
「え?」

男は銃口を今度は心依へと向けた。

「……大丈夫……君が死んだ後……俺も死ぬから……」
「い、いや……いや……」
「……あの世で俺と幸せになろ?……」
「だ、誰が助けて……」


銃口を向けられ恐怖で身体が震えている心依ちゃんの目から涙が一粒零れた瞬間、俺の中で何かかプチっとキレた。

「……お前、心依ちゃんを流したな?」
「……あ?……何か言ったか?……」

男は俺に銃口を向ける。
俺の発言に相当イラついたようだ。

「う、うわあああ!!!!!!」

周囲にいた他のファン達は銃口が俺に向けられた途端、悲鳴を上げて慌ててその場を離れていった。

「彼女に銃口を向けた事、彼女を流した事を後悔しろよ……」

俺はヲタクの顔から鬼の形相へと変えた。

「俺がお前を殺るからよ」






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