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もう癒せません 17-3
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そのままもつれこんだ郡司部長との初エッチは…。
そう甘くロマンティックにはいかなかった。
「そんな大きい蛇入りませんっ!ああああっ」
「お前なあ、蛇って…。いいから、ちょっと黙ってろ」
「んー!」
なんとか。なんとか。
ローションも使いながら開通させたものの、痛くて仕方がない。
男の人は皆、あんなに長くて太い蛇を飼っているのだろうか…。
ピーンって固く立ち上がって、凶暴なことこの上ない。
涙目で毛布にくるまっていると、いきなり毛布を剥がされた。
「ほら。水…」
私はペットボトルに見向きもしないで、郡司部長のむき出しの背中に抱きついた。
郡司部長の肩に、私がつけた引っ掻き傷が見える。
ああ…。
傷をつけてしまった…。
「…う、上手くできなくてごめんなさい」
「慣れたら上手くいくよ。運転だってそうだっただろ?」
「それに手も…もう温かくならないんです。マッサージもできなくなりそうです」
「……」
「どうしよう。郡司部長…のことが癒せなくなっちゃう…」
郡司部長は、私の前髪を上にあげるとオデコに軽くキスをした。
「…癒し方は他にもある」
「な、なんでしょう?」
郡司部長はクスッと笑うと。
「まずは、郡司部長って呼び方を辞めよう。透吏と呼んでくれ」
「…透吏……さん?」
「さん付けか。まあいい。じゃあこっちきて」
郡司部長の膝に、真っ正面に跨がらされる。
顔が眼下に見える。
「??」
「まずはキスから」
後ろの首筋をぐっと引き寄せられて、私と郡司…透吏さんの唇がふたたび重なった。
ちゅっ、ちゅっと、リップ音が聞こえてくる。
「さあ、続きだ。ホリカヨさん、俺を癒してくれ」
「きゃうっ!」
特に感じる場所を触られて、私はひと鳴きして後ろにのけぞる。
「前より反応よくなったな。でも、もう少しほぐそうか」
ぐちゅぐちゅ…と下から音が聞こえてくる。
「あああ…………」
私は透吏さんの首筋に顔をうずめて、身をよじらせる。
そして、私は再びベッドに押し倒されて、両足を広げられた。
「???」
透吏さんの顔がその場所に近づく。
「だめです!そんなところ……だめ~!!」
私の絶叫は完全に無視されて、透吏さんの口撃が始まった。
透吏さんの言ったとおり、時間をかけて慣れた私はぐじゅぐじゅに溶かされてしまった。
× × ×
ベッドの上に、避妊具が点々と転がっている。
シーツもところどころ濡れている。
私はそれを見て、自分の痴態を思い出して顔を赤らめた。
私が透吏さんのツボをよく知るように、透吏さんは私の感じる箇所をピンポイントでついてくる…。
自分の中にあんな……快感のツボがあったなんて。
「も、もうおかしくなりそう……です」
透吏さんにつけられたキスマークだらけの上半身を、思わずセルフハグする。
「ふっ」
私の様子をじっと見ていた透吏さんが笑った。
「なんで笑うんですか?」
「俺の前ではおかしくなってもいいよ」
手を持ち上げられて、ついばむように指にキスをされた。
「2人でいるときぐらいは……」
「……。はい…」
透吏さんがふたたび体を重ねて、私のなかに入ってきた……。
その温かくみっちりとした律動が、快感と安心感をもたらしてくれる。
クライマックスに向けて動きが早くなり、私はおいていかれないように、
透吏さんの首と腰に両手両足をまわしてしがみつく。
透吏さんが唸りながら精を吐きだしたとき。
私はそのあまりの幸せの絶頂感に涙を流した。
そして私たちは寝食を忘れて、日曜朝までひたすら抱き合ってすごした。
透吏さんがこんな甘い人だなんて思ってもみなかった。
私を腕枕した透吏さんが眠っているのを見つめて、私は…幸せを感じる。
こんな風に愛し愛される。
まさか私も体験できると思わなかった。
ユミさんと訣別した後、私の手が熱くなることはなくなった。
きっと私のなかの…わだかまっていた気持ちが昇華できたのだと思う。
ユミさんも…可哀想な人だったかもしれない。
今は…許せないけれど、いつかは許せる日がくるだろうか。
でも許せる=理解できる日というのは、私も夫と子どもを捨てて恋に走ってしまう日なのだろうか。
でも…私は。
この腕の中から抜け出したくない。
透吏さんの胸に顔を寄せる。
私はようやく、自分の居場所を見つけられたような気がした。
そう甘くロマンティックにはいかなかった。
「そんな大きい蛇入りませんっ!ああああっ」
「お前なあ、蛇って…。いいから、ちょっと黙ってろ」
「んー!」
なんとか。なんとか。
ローションも使いながら開通させたものの、痛くて仕方がない。
男の人は皆、あんなに長くて太い蛇を飼っているのだろうか…。
ピーンって固く立ち上がって、凶暴なことこの上ない。
涙目で毛布にくるまっていると、いきなり毛布を剥がされた。
「ほら。水…」
私はペットボトルに見向きもしないで、郡司部長のむき出しの背中に抱きついた。
郡司部長の肩に、私がつけた引っ掻き傷が見える。
ああ…。
傷をつけてしまった…。
「…う、上手くできなくてごめんなさい」
「慣れたら上手くいくよ。運転だってそうだっただろ?」
「それに手も…もう温かくならないんです。マッサージもできなくなりそうです」
「……」
「どうしよう。郡司部長…のことが癒せなくなっちゃう…」
郡司部長は、私の前髪を上にあげるとオデコに軽くキスをした。
「…癒し方は他にもある」
「な、なんでしょう?」
郡司部長はクスッと笑うと。
「まずは、郡司部長って呼び方を辞めよう。透吏と呼んでくれ」
「…透吏……さん?」
「さん付けか。まあいい。じゃあこっちきて」
郡司部長の膝に、真っ正面に跨がらされる。
顔が眼下に見える。
「??」
「まずはキスから」
後ろの首筋をぐっと引き寄せられて、私と郡司…透吏さんの唇がふたたび重なった。
ちゅっ、ちゅっと、リップ音が聞こえてくる。
「さあ、続きだ。ホリカヨさん、俺を癒してくれ」
「きゃうっ!」
特に感じる場所を触られて、私はひと鳴きして後ろにのけぞる。
「前より反応よくなったな。でも、もう少しほぐそうか」
ぐちゅぐちゅ…と下から音が聞こえてくる。
「あああ…………」
私は透吏さんの首筋に顔をうずめて、身をよじらせる。
そして、私は再びベッドに押し倒されて、両足を広げられた。
「???」
透吏さんの顔がその場所に近づく。
「だめです!そんなところ……だめ~!!」
私の絶叫は完全に無視されて、透吏さんの口撃が始まった。
透吏さんの言ったとおり、時間をかけて慣れた私はぐじゅぐじゅに溶かされてしまった。
× × ×
ベッドの上に、避妊具が点々と転がっている。
シーツもところどころ濡れている。
私はそれを見て、自分の痴態を思い出して顔を赤らめた。
私が透吏さんのツボをよく知るように、透吏さんは私の感じる箇所をピンポイントでついてくる…。
自分の中にあんな……快感のツボがあったなんて。
「も、もうおかしくなりそう……です」
透吏さんにつけられたキスマークだらけの上半身を、思わずセルフハグする。
「ふっ」
私の様子をじっと見ていた透吏さんが笑った。
「なんで笑うんですか?」
「俺の前ではおかしくなってもいいよ」
手を持ち上げられて、ついばむように指にキスをされた。
「2人でいるときぐらいは……」
「……。はい…」
透吏さんがふたたび体を重ねて、私のなかに入ってきた……。
その温かくみっちりとした律動が、快感と安心感をもたらしてくれる。
クライマックスに向けて動きが早くなり、私はおいていかれないように、
透吏さんの首と腰に両手両足をまわしてしがみつく。
透吏さんが唸りながら精を吐きだしたとき。
私はそのあまりの幸せの絶頂感に涙を流した。
そして私たちは寝食を忘れて、日曜朝までひたすら抱き合ってすごした。
透吏さんがこんな甘い人だなんて思ってもみなかった。
私を腕枕した透吏さんが眠っているのを見つめて、私は…幸せを感じる。
こんな風に愛し愛される。
まさか私も体験できると思わなかった。
ユミさんと訣別した後、私の手が熱くなることはなくなった。
きっと私のなかの…わだかまっていた気持ちが昇華できたのだと思う。
ユミさんも…可哀想な人だったかもしれない。
今は…許せないけれど、いつかは許せる日がくるだろうか。
でも許せる=理解できる日というのは、私も夫と子どもを捨てて恋に走ってしまう日なのだろうか。
でも…私は。
この腕の中から抜け出したくない。
透吏さんの胸に顔を寄せる。
私はようやく、自分の居場所を見つけられたような気がした。
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