【R18】小学生から高校生に成長したファンの少年が、中年男の俺を愛してやまない。

DAKUNちょめ

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ハッキリ単語を口にされ、その衝撃にビビる。

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中学生だったランが一番最後にウチに泊まりに来たのがもう数ヶ月前となる。

高校生になったからと言って、いきなり成長したかのように見えるのは、しばらく裸のランの身体を見る事が無かったからだろうか。


「身長は中学卒業前より1センチ伸びたけど。
受験勉強から解放されてから、筋トレの量を少し増やしたから…?
でも、そんな変わってないハズだけどな。」


腰にバスタオルを巻いたランが、自分の身体を見ながら首をかしげ、替えの下着を取りに脱衣所を出て寝室に向かった。


「おまっ…!こらっ!
下着なら俺が持って来るから濡れた体でウロウロすんな!」


コイツって絶対、小さな頃は風呂上がりにすっぽんぽんで部屋の中を走り回っていたタイプだよな!などと思いつつ、俺はランの後を追いながら、板張りの廊下に落ちる水滴をタオルで拭っていく。

濡れた廊下を拭きながら俺が寝室に辿り着いた時、ランは既に部屋着に着替えた後だった。

寝室に落ちた水滴は、ランが既に拭き取った様だ。


「久しぶりに俺の裸を見て、ドキッとした?」


首に掛けたタオルで濡れた髪を拭いながら、ランが悪戯めいた笑顔を見せる。


「するか。バカ。
久しぶりに見たら、何か急にガタイが良くなった気がして驚いただけだ。」


そう答えつつ、ランから濡れたバスタオルを受け取る。

正直な所………ドキッと言うより、ビクッとしたのが本音だ。
あの身体で……俺をどうしたいって言うんだってな。


ランは俺を欲しいとアプローチしてくるが、本当に俺を抱きたいとか思ってるのだろうか。

俺が欲しいという言い方をするが、イチャイチャしたいって事を漠然と幅広い表現で口にしてるだけなんて事は………


「真弓よりは全然、まだ細いけど……。」


「ランは………キレイな身体をしているよな。」


口に出すつもりはなかったのに、思わずボソッと本音が漏れた。
俺の言葉に、意外な言葉を聞いたとばかりにランが目を見開く。


「キレイ?」


「いやっ…若いし肌にはハリがあるし…
ムダ毛も無くて、俺と真逆だなあってな。」


真逆かよ!

自分で言った言葉に軽くショックを受けた。
俺は若くないし、肌にはハリが無いし、ムダ毛だらけですからって言ってるみたいじゃねーか。
確かに、その通りかも知れないけどよ。

……ランはそんな男を抱きたいと思うんだろうか?


「お前はよ…俺を欲しいとか、よく言うけどな。
それって…キスして、抱き合ったりしてイチャイチャして……」


その先も求めているのか?
こんな中年男とヤリたいと思うか?セックス。

そう直球で聞いて良いものかと、口ごもってしまった。

ランは俺の態度に何かを感じ取ったのか、顎先を指の上に乗せ考える仕草をし、言葉を選びながら俺に答えた。


「俺は常に真弓を欲しいと思ってるよ。
キスしたり抱き合ったりイチャイチャして…その後を続けたい。
ハッキリ言うなら真弓を抱きたい。」


「抱きたいって…抱き締め合うとか…でなく?」


いい歳こいてカマトトぶってるみたいに、何も知らない子どもみたいな質問をしてしまう俺。

俺は何を誤魔化したくて、ランにこんな聞き方をしているのだろうか。


「抱き締め合うより深く重なり合いたい。
俺は真弓とセックスしたい。」


「そ……う………か」



━━そう……ですかー!!!━━


ランの口から、俺とセックスをしたいとハッキリと聞いたのは初めてで、その単語の持つ破壊力に思わずクラッと目眩がした俺は、壁に片手をついて項垂れてしまった。


何かを言いたげなランの視線を感じるが、項垂れたままの俺は顔を上げてランの方を向く事が出来ない。

ランが今どんな顔をしているのか……顔を見る事が出来ない。


「………なぁ真弓、洗濯も俺がやっとくから風呂に入って来なよ。
夕飯も準備するから。」


壁に手をつく俺の手からバスタオルを取ったランが、寝室から先に出て行った。

寝室に一人になった俺は俯かせた顔を上げ、額に手を当てながら改めてランの言葉を思い出して顔を赤くした。


「そんなつもりだとは分かっていたけどな…
分かってはいたが、改めてハッキリと単語を出されると……うわ、処理しきれん…!
………とりあえず風呂に入って来よう。」


寝室のタンスから着替えの下着と着物を取り出して抱え、俺は風呂場に向かった。

台所前の廊下を通りかかると、ランが米を研いでる所だった。

そうか、先に米を炊かなきゃならんのだったな。

メシは一時間以上後になるな。











米を研いでる間に真弓が台所前の廊下を通り浴室に入っていったのに気付いた走は、炊飯器のスイッチを押してから声を殺して苦笑した。


「真弓の方でも、やっと答え合わせを始めてくれたみたいだな。」


走は、なんやかんやと葛藤が多い真弓からは簡単に自分を受け入れて貰えない事を分かっていた。


━━自分は男で走とは親子ほど年が離れていて見た目イカツイし…それにお前はまだ子どもなんだから何だかんだ…うんたらかんたら……━━


真弓は昔から、あーだこーだと理屈を並べ立て、小学生の頃には既に加速しがちだった走の気持ちを、何とか踏み留まらせる様にバリケードを作って来た。


それでも完全に突き離されないまま側に居る事を許され、今の様な関係になれたのは、真弓も自分を恋愛対象として見てくれているという事なのだろうとの自惚れじみた確信を持っている部分もある。


だが真弓自身がそれを認めて受け入れるには、段階が必要なのだろう。


「先は長そうだけど……真弓の中の俺から距離を置く建前とやらに、早く本音が上回ってくれる事を祈るばかりだ。
俺の方が耐えられなくなって、真弓を無理矢理にでも奪いたくなる前に。
いや…真弓が本気で抵抗すりゃ、俺じゃ敵わないだろうけどな。」


欲しいのは真弓の身体だけでは無い。

ベタな言い回しをするなら、真弓の心も身体も丸ごと全て自分だけのものにしたいし、そんな自分の全てを受け入れて欲しい。


恋愛感情に限って言うならば、真弓からまだ一歩距離を置かれている気がしている走には、真弓にとって自分が唯一無二の存在であると証が欲しい。

そんな焦りも少なからずある。


「子どもなのに、まだ早いって言われるんだろうけど……」


高校生になったとは言え、まだ15歳。

自分は大人に近付いたつもりでも、世間的にはまだ子ども扱いされる年齢。

だが身体は大人に近付き、それに伴い性的な欲求を肉体と精神が訴え始めて来る。

待ち望んだキスを真弓が許してくれるようになったのもあり、それまで我慢していた欲求の箍が外れそうになる事もある。

それ以上、その先━━にある真弓との行為を、欲してしまう。


「俺は真弓を……抱きたいって、すごく思ってる。
だから真弓が俺を受け入れる事に後悔しない答えを、早く見つけて…。」












「はい、卵とネギのチャーハン。
そして、卵とネギのスープ。」


ランが少しばかりに不機嫌そうな顔をしながら、ちゃぶ台の上に食事を並べていった。


「そんなに怒らなくてもいーだろ………。」


「怒るだろ!
ご飯が炊けても風呂からあがらないから見に行ったら、真っ赤になってのぼせてるんだから!
はい、デザート!!」


ランが、皮を剥いたリンゴの乗った皿をゴン!とちゃぶ台に叩きつける様に置いた。

想像以上にお怒りの様だ……


そりゃあまぁ確かに……風呂場の扉を開けたランがグッタリした俺を見るなり駆け寄って「今すぐ救急車呼ぶから!」と言った位、心配かけたワケだし……。


「いや、ちょっと……考え事を……」


「そんなの、風呂から上がってからにしろよ!!」


俺の考え事が何なのかを分かっていて、だからこそランは苛立ちを隠せない。

俺としては、少しのぼせたなぁ位の感じだったのだが、ランから見た俺はそれなりに危険な症状に見えたらしい。

その原因となったのが、自分が風呂に入る前の俺に「セックスしたい」なんて言ったせいだと思っている。


「心配させて悪かった、今度から気を付ける。」


ランは背を丸めて片手で顔半分を押さえる様にして俯き、ハァと溜め息を吐いた。 


「うん…そうして………
俺も……変な事言ってしまって、ごめん……」


「変な事って…………」


俺が聞いたからランが答えたのに、その答えをランが「変な事」だと言った。

その言葉が、俺が倒れ掛けた原因だと思って言ってるのだろうが……


「変な事じゃないだろ。
俺が聞いて、ランが正直な気持ちを答えてくれた。
お前の本当の気持ちを知りたかった俺には、ちゃんとした答えだよ。
まぁ改めて聞いて驚きはしたがな……。」


俺は両手を合わせてから、スープをズズッと飲み、ランが作ってくれたチャーハンを食べ始めた。

向かい側に座ったランも両手を合わせて小さく「いただきます」と呟き、チャーハンを食べ始めた。


それにしても……のぼせた俺を見て、そんなに取り乱すとは……


「風呂で倒れて救急車で運ばれた俺のジイちゃんみたいに……
真弓も……」


「………それは本当に…心配させて悪かった。」


そう言えば、ランの曾祖父さんが去年の暮れに亡くなったと言っていたな……。
風呂場で倒れたのか。


「90越えてるから、布団の上で眠る様に老衰で死ぬのだと思ってたのに…
まさか、風呂で心筋梗塞だなんて…」


………確かに、心配させて悪かったとは思うが。

………だが、90歳越えの曾祖父さんに俺が重ねられるのは、何か複雑な気がする……。





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