14 / 18
近所のスーパーに買い物デート。
しおりを挟む
翌朝俺が目を開けたら、布団の隣にランは居なかった。
身体を起こして布団の上に胡座をかいて座り、ポリポリと頭を掻く。
浴衣がはだけ過ぎて、ほぼパンツ一丁状態の自分の身体を見下ろし、寝起きでぼんやりした頭のままで何となく身体を確認していく。
どスケベなランに、何かやらかされた形跡が無いかと胸の辺りや腹部を見てみるが、キスマークひとつ無かった。
「なんだ…何もしなかったのかよ…」
溜め息混じりに思わず溢した残念そうな呟きに、ブワッと焦って一気に目が覚めた。
「違う違う!ほっとしただけだ!
ちゃんと約束を守ってくれてんだからな!」
気を取り直す様にはだけた浴衣を直し、茶の間に向かった。
ちゃぶ台の上には食パンが置かれ、朝食の準備がされていた。
「おはよう真弓。ちょうど起こしに行くトコだった。
今、ハムエッグが出来た所だ。
朝食の前に顔を洗ってきなよ。」
ハムエッグとプチトマトが乗った皿を持ったランが台所から茶の間に来て、俺の後ろから声を掛ける。
「食パンなんか、どうした?」
「朝、ランニングのついでにコンビニで買って来た。
プチトマトとハムも。」
「毎朝必ず数キロ走っていると聞いていたが、日曜日も走ってんのか。
日曜位はゆっくり寝てりゃいいのに。」
顔を洗いに洗面所に向かおうと茶の間から出た俺の背に、ランがピタリとくっついた。
完全に油断していた俺は背中に張り付いたランに大袈裟な程にビクッと身体を震わせて反応し、背筋をピンっと伸ばす。
「ハハッそんなに警戒しなくても…。
夜通し真弓とイチャイチャして朝を迎えた時は、まったりと布団の中に居るつもりだ。」
「そ、そりゃいつの話かな。
2年半後って事か?」
背後に立つランの手が俺の脇の下を通り前に回された。
炊事をしていて濡れたランの冷たい手の平が俺の喉元を覆い、そっと撫で始める。
「セックス」
耳の後ろでランが囁いた単語にゾクッと身構えた様に身体が強張る。
喉元に当てたランの右手の小指が俺の鎖骨に触れ、左手は俺の腹部に回されて背後に身体を寄せられる。
「……は、2年半我慢する。
だけどスキンシップは別だろう?真弓。
触れるのも無しなんて約束はしなかった。」
「そりゃ…!そうだけどよ!」
ドッドッと動悸が激しくなるのが分かる。
俺の身体の中には昨夜のランとの行いによる熱の残滓がまだあり、燻る様なそれはランの言動でいとも簡単に熱を発する。
「そうだけど、確かに今じゃないよな。」
ガチガチに強張る俺を後ろから捕らえていたランの手がスルッと脇の下から抜き去られた。
ドッと脱力した俺は、身体を支えるために壁に手をつく。
「顔を洗って来なよ、冷める前に朝ごはんを食べよう。
真弓が来たらパンも焼き始めるから。
あ、コーヒー淹れなきゃだな。」
俺から離れてランが台所に戻って行った。
茶の間の入り口で壁に手を付いた俺は、すぐに動けずにいた。
…なんだコレ、手汗びっしょりだ。
どうなってんだ、俺の身体。
いや、身体だけではなく頭ン中もか。
ランに過敏な程に反応してしまう。
昨夜、ランによってもたらされた性的な興奮による射精は、本当に久しぶりで。
自分はまだ、性欲が枯れたワケじゃないんだなと再認識させられた。
だからといって…男を相手に性的な興奮をして射精してしまった自分に戸惑う。
正直な所、女を相手にしても昨夜の様に昇り詰める様な感情は湧かなかったと思う。
それはきっと特別な事で、相手がランだから━━なのだろうが。
心の準備が出来てなくとも、俺の身体はランを受け入れる事を拒む気はないのかも知れない。
それはそれで………
まるで自分自身にも急かされている様で……。
「参るな……」
▼
▼
▼
朝飯を食ってから寝室に行き布団を畳む。
俺の布団は庭の竿に掛かった状態で曇り空の下、つゆだくのはんぺんみたいになったままだ。
あの布団はクリーニングに出す事にして…
しばらくの間、寝る時はランの布団を使わせて貰おう。
「真弓、雨が降る前に食材を買い足しに行こう。」
寝室を覗いたランに声を掛けられ、我が家の食材が乏しかった事を思い出した。
「あー、そうだな今の内に買い出しに行くか。」
のろのろと浴衣を脱いでジーンズを履く。
俺は上半身裸のジーンズ1枚姿で、上にTシャツかタンクトップどちらを着るかで悩み、寝室をうろうろした。
「真弓、襲いたくなる程にセクシー。」
「はぁあ!?うるせぇわ!」
こんな冗談みたいな言葉にも過剰な反応をしてしまう俺、何なんだ。
着替えた俺とランは、歩いて10分程の近所のスーパーに向かった。
ランが小学生の頃から、よく2人で買い物に行く場所だ。
ランが小学生の頃は、金髪にサングラスの悪役みたいな俺と小学生のランの異様な組み合わせに、ご近所さんやスーパーの店員に訝しげな目で見られたりしたが…
通い続けて常連となった今は皆が顔見知りだ。
「真弓、スープカレーが食いたい。
スープカレー作ろう!」
ランが催促し、俺の肩を掴んでユサユサと揺らし続ける。
何でスープカレー限定…。
普通のカレーじゃ駄目なのかよ。
「カレーなら、レトルトでいいじゃねーか。
飯だけ炊けば済む。」
「駄目、夏野菜もたくさん付けたスープカレーを俺が作る。
真弓はもっと野菜を食わなきゃ駄目だ。」
一度言い出したら聞きゃしない。
俺は諦めてナスを吟味しているランと離れて店内をグルっと回った。
酒を飲むのに、とロックアイスとチーズを持ってランの所に戻る。
ランの持つカゴに氷を入れたら、あからさまに嫌そうな顔をされた。
「飲むなら、ちゃんと飯を食ってからにしろよ。」
「分かった分かった、ちゃんと言い付けは守ります」
レジに並ぶランを見送る際にカゴを覗いたら、野菜や肉、魚の干物と共に、ランが残り僅かだと言っていた調味料も入っていた。
実質、ウチの台所は俺よりランの方が把握していて、ランがウチに来る際には飯も作ったりするし。
通い妻みたいだな、ラン。
会計の済んだ商品を2つのバッグに詰めて、俺とランがひとつずつ持つ。
車通りの少ない住宅地の帰路を歩きながら、ランがコソッと囁いた。
「一緒に買い物して仲良く並んで歩いて。
俺達まるで、新婚夫婦みたいじゃないか?真弓」
「ぶっ……ゲホッ!!」
虚を突くランの発言に、思わず咳き込んでしまう。
いや、俺もさっきランの事を通い妻みたいだとか思ったけどよ!
「あー、だったらランが新妻で主婦ってワケか。
なんだかんだとウチの家事は、ランがする事が多いしな。」
驚きのあまり咳き込んでしまったが、何とか『いつも通りの俺』を持ち直し、内心焦りまくりだが普段通りっぽく返事をした。
「ああ、俺は夫って字を使っての主夫っぽいかもね。
真弓の為にする家事は嫌いじゃないし。
でも、新妻の役目は真弓にお願いしたい。
毎晩たくさん可愛がるつもりだし。」
ナニ言ってやがるんだ!!
こんな場所で!!
「……………。」
そんな文句のひとつも言えずに俺は無言になってしまった。
想像力が乏しい俺には何が、どんな風にまでとか詳しく描く事が出来なかったが、ランの言った事に対し条件反射の様に、脳裏には昨夜の続きらしきコトを浮かべてしまった。
俺が掛けた色の濃いサングラスの内側で、目の周りの体温が上昇して赤くなったのが分かった。
ランもそれに気付いたようだが、あえて気付かないフリをしてくれている。
最近の俺は、ランに振り回されっ放しだ。
「ポストにチラシ入ってる………
へぇ、新しいドラッグストアが出来たって。
真弓んチからの帰りに寄ってみるかな。」
垣根に括り付けた赤い郵便受けの中からランがチラシを取り出して俺の方に向けた。
「ランの家と逆方向じゃねぇか。」
「さっきのスーパーのまだ向こう側だね。
ま、これ位の距離なら走って行けるし。」
「深夜までやってんのか、俺も夜に行ってみるかな。」
ランの手にあるチラシを覗き込んだ俺は、酒類特価の文字に目を輝かせた。
「わざわざ夜中に行かなくても、行くなら後から一緒に行こう。」
「いや………」
目の前で酒を買ったらランに文句を言われそうだから、とは言えずに俺は語尾を濁す。
「酒が欲しいって言うんだろ。
別に買うなとは言わないし、2人なら多めに買える。
少しでも長く一緒に居たいんだ、それ位いいだろ。」
「まぁ…なら…頼むわ。」
押し切られる形で、夕方にランとドラッグストアに行く事になった。
ランは、少しでも長く一緒に居たいなんてクサイセリフを口に出して、恥ずかしく思ったりしないのかと思う。
いや、これは俺がランの言葉に鈍感なフリをし続けたせいで、ランはド直球で言葉を伝えるようになったって部分もある。
「夕方は真弓とドラッグストアデートって事で。」
「デートなのかよ。」
曇り空を見上げて雨が降らない事を祈りつつ、俺とランは家に入った。
身体を起こして布団の上に胡座をかいて座り、ポリポリと頭を掻く。
浴衣がはだけ過ぎて、ほぼパンツ一丁状態の自分の身体を見下ろし、寝起きでぼんやりした頭のままで何となく身体を確認していく。
どスケベなランに、何かやらかされた形跡が無いかと胸の辺りや腹部を見てみるが、キスマークひとつ無かった。
「なんだ…何もしなかったのかよ…」
溜め息混じりに思わず溢した残念そうな呟きに、ブワッと焦って一気に目が覚めた。
「違う違う!ほっとしただけだ!
ちゃんと約束を守ってくれてんだからな!」
気を取り直す様にはだけた浴衣を直し、茶の間に向かった。
ちゃぶ台の上には食パンが置かれ、朝食の準備がされていた。
「おはよう真弓。ちょうど起こしに行くトコだった。
今、ハムエッグが出来た所だ。
朝食の前に顔を洗ってきなよ。」
ハムエッグとプチトマトが乗った皿を持ったランが台所から茶の間に来て、俺の後ろから声を掛ける。
「食パンなんか、どうした?」
「朝、ランニングのついでにコンビニで買って来た。
プチトマトとハムも。」
「毎朝必ず数キロ走っていると聞いていたが、日曜日も走ってんのか。
日曜位はゆっくり寝てりゃいいのに。」
顔を洗いに洗面所に向かおうと茶の間から出た俺の背に、ランがピタリとくっついた。
完全に油断していた俺は背中に張り付いたランに大袈裟な程にビクッと身体を震わせて反応し、背筋をピンっと伸ばす。
「ハハッそんなに警戒しなくても…。
夜通し真弓とイチャイチャして朝を迎えた時は、まったりと布団の中に居るつもりだ。」
「そ、そりゃいつの話かな。
2年半後って事か?」
背後に立つランの手が俺の脇の下を通り前に回された。
炊事をしていて濡れたランの冷たい手の平が俺の喉元を覆い、そっと撫で始める。
「セックス」
耳の後ろでランが囁いた単語にゾクッと身構えた様に身体が強張る。
喉元に当てたランの右手の小指が俺の鎖骨に触れ、左手は俺の腹部に回されて背後に身体を寄せられる。
「……は、2年半我慢する。
だけどスキンシップは別だろう?真弓。
触れるのも無しなんて約束はしなかった。」
「そりゃ…!そうだけどよ!」
ドッドッと動悸が激しくなるのが分かる。
俺の身体の中には昨夜のランとの行いによる熱の残滓がまだあり、燻る様なそれはランの言動でいとも簡単に熱を発する。
「そうだけど、確かに今じゃないよな。」
ガチガチに強張る俺を後ろから捕らえていたランの手がスルッと脇の下から抜き去られた。
ドッと脱力した俺は、身体を支えるために壁に手をつく。
「顔を洗って来なよ、冷める前に朝ごはんを食べよう。
真弓が来たらパンも焼き始めるから。
あ、コーヒー淹れなきゃだな。」
俺から離れてランが台所に戻って行った。
茶の間の入り口で壁に手を付いた俺は、すぐに動けずにいた。
…なんだコレ、手汗びっしょりだ。
どうなってんだ、俺の身体。
いや、身体だけではなく頭ン中もか。
ランに過敏な程に反応してしまう。
昨夜、ランによってもたらされた性的な興奮による射精は、本当に久しぶりで。
自分はまだ、性欲が枯れたワケじゃないんだなと再認識させられた。
だからといって…男を相手に性的な興奮をして射精してしまった自分に戸惑う。
正直な所、女を相手にしても昨夜の様に昇り詰める様な感情は湧かなかったと思う。
それはきっと特別な事で、相手がランだから━━なのだろうが。
心の準備が出来てなくとも、俺の身体はランを受け入れる事を拒む気はないのかも知れない。
それはそれで………
まるで自分自身にも急かされている様で……。
「参るな……」
▼
▼
▼
朝飯を食ってから寝室に行き布団を畳む。
俺の布団は庭の竿に掛かった状態で曇り空の下、つゆだくのはんぺんみたいになったままだ。
あの布団はクリーニングに出す事にして…
しばらくの間、寝る時はランの布団を使わせて貰おう。
「真弓、雨が降る前に食材を買い足しに行こう。」
寝室を覗いたランに声を掛けられ、我が家の食材が乏しかった事を思い出した。
「あー、そうだな今の内に買い出しに行くか。」
のろのろと浴衣を脱いでジーンズを履く。
俺は上半身裸のジーンズ1枚姿で、上にTシャツかタンクトップどちらを着るかで悩み、寝室をうろうろした。
「真弓、襲いたくなる程にセクシー。」
「はぁあ!?うるせぇわ!」
こんな冗談みたいな言葉にも過剰な反応をしてしまう俺、何なんだ。
着替えた俺とランは、歩いて10分程の近所のスーパーに向かった。
ランが小学生の頃から、よく2人で買い物に行く場所だ。
ランが小学生の頃は、金髪にサングラスの悪役みたいな俺と小学生のランの異様な組み合わせに、ご近所さんやスーパーの店員に訝しげな目で見られたりしたが…
通い続けて常連となった今は皆が顔見知りだ。
「真弓、スープカレーが食いたい。
スープカレー作ろう!」
ランが催促し、俺の肩を掴んでユサユサと揺らし続ける。
何でスープカレー限定…。
普通のカレーじゃ駄目なのかよ。
「カレーなら、レトルトでいいじゃねーか。
飯だけ炊けば済む。」
「駄目、夏野菜もたくさん付けたスープカレーを俺が作る。
真弓はもっと野菜を食わなきゃ駄目だ。」
一度言い出したら聞きゃしない。
俺は諦めてナスを吟味しているランと離れて店内をグルっと回った。
酒を飲むのに、とロックアイスとチーズを持ってランの所に戻る。
ランの持つカゴに氷を入れたら、あからさまに嫌そうな顔をされた。
「飲むなら、ちゃんと飯を食ってからにしろよ。」
「分かった分かった、ちゃんと言い付けは守ります」
レジに並ぶランを見送る際にカゴを覗いたら、野菜や肉、魚の干物と共に、ランが残り僅かだと言っていた調味料も入っていた。
実質、ウチの台所は俺よりランの方が把握していて、ランがウチに来る際には飯も作ったりするし。
通い妻みたいだな、ラン。
会計の済んだ商品を2つのバッグに詰めて、俺とランがひとつずつ持つ。
車通りの少ない住宅地の帰路を歩きながら、ランがコソッと囁いた。
「一緒に買い物して仲良く並んで歩いて。
俺達まるで、新婚夫婦みたいじゃないか?真弓」
「ぶっ……ゲホッ!!」
虚を突くランの発言に、思わず咳き込んでしまう。
いや、俺もさっきランの事を通い妻みたいだとか思ったけどよ!
「あー、だったらランが新妻で主婦ってワケか。
なんだかんだとウチの家事は、ランがする事が多いしな。」
驚きのあまり咳き込んでしまったが、何とか『いつも通りの俺』を持ち直し、内心焦りまくりだが普段通りっぽく返事をした。
「ああ、俺は夫って字を使っての主夫っぽいかもね。
真弓の為にする家事は嫌いじゃないし。
でも、新妻の役目は真弓にお願いしたい。
毎晩たくさん可愛がるつもりだし。」
ナニ言ってやがるんだ!!
こんな場所で!!
「……………。」
そんな文句のひとつも言えずに俺は無言になってしまった。
想像力が乏しい俺には何が、どんな風にまでとか詳しく描く事が出来なかったが、ランの言った事に対し条件反射の様に、脳裏には昨夜の続きらしきコトを浮かべてしまった。
俺が掛けた色の濃いサングラスの内側で、目の周りの体温が上昇して赤くなったのが分かった。
ランもそれに気付いたようだが、あえて気付かないフリをしてくれている。
最近の俺は、ランに振り回されっ放しだ。
「ポストにチラシ入ってる………
へぇ、新しいドラッグストアが出来たって。
真弓んチからの帰りに寄ってみるかな。」
垣根に括り付けた赤い郵便受けの中からランがチラシを取り出して俺の方に向けた。
「ランの家と逆方向じゃねぇか。」
「さっきのスーパーのまだ向こう側だね。
ま、これ位の距離なら走って行けるし。」
「深夜までやってんのか、俺も夜に行ってみるかな。」
ランの手にあるチラシを覗き込んだ俺は、酒類特価の文字に目を輝かせた。
「わざわざ夜中に行かなくても、行くなら後から一緒に行こう。」
「いや………」
目の前で酒を買ったらランに文句を言われそうだから、とは言えずに俺は語尾を濁す。
「酒が欲しいって言うんだろ。
別に買うなとは言わないし、2人なら多めに買える。
少しでも長く一緒に居たいんだ、それ位いいだろ。」
「まぁ…なら…頼むわ。」
押し切られる形で、夕方にランとドラッグストアに行く事になった。
ランは、少しでも長く一緒に居たいなんてクサイセリフを口に出して、恥ずかしく思ったりしないのかと思う。
いや、これは俺がランの言葉に鈍感なフリをし続けたせいで、ランはド直球で言葉を伝えるようになったって部分もある。
「夕方は真弓とドラッグストアデートって事で。」
「デートなのかよ。」
曇り空を見上げて雨が降らない事を祈りつつ、俺とランは家に入った。
10
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか
相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。
相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。
ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。
雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。
その結末は、甘美な支配か、それとも——
背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編!
https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる